【R18】インテリ系貞淑美人妻の欲望

牧村燈

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サイドK②

疑惑の萌芽①

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 大阪出張から帰った夜、ぼくは充枝を抱いた。乾いた夫婦ではあったが、新婚3年で子供もいない。月に一、二度は思い出したようにSEXをしていた。大抵はぼくが充枝の背中をマッサージしてそこからなし崩し的にというパターンが多かったが、珍しくこの日は充枝の方から上目使いで誘ってきた。ワインのボトルが1本空いている。酔っているのだろう。気怠い雰囲気が伝わって来た。旦那のぼくが言うのも変だが、充枝は30歳とは思えない位に若々しく、スタイルも一切崩れがない。つまりキュートである。この誘いに一も二もなく飛びついて、ああ、ヒカルの誘いに乗ってもう一泊なんてことにしなくて良かったと、本気で思う。

「みっちゃん、そろそろいいかい」
「うん」

 ぼくがベッドサイドに用意してあるゴムの装着の為にベッドから離れようとすると、充枝が手を引いた。

「?」

 怪訝な雰囲気に充枝の顔を見ると。真っ赤な顔をして「今日はいいの」と言った。

「ほんとに、このまま挿れていいの?」

 充枝は小さく頷いた。どういう風の吹き回しだろう。これまでは確実に安全日だろうと狙って挑んでも拒まれていたというのに。しかし、それを問い詰めるのはやめておくことにした。千載一遇のチャンスだ。充枝に初めてナマで挿入出来る。

 デリヘル嬢の中には基盤(いわゆる本番)を許す女もいる。ソープやメンズエステ系の風俗は、女性が男性に奉仕するのがサービスの基本だが、デリヘル、特に素人感を売りにする店では、女性が殆ど動かないというケースも多い。なすがまま、されるがままにさせて、なるようになる。当然、基盤は禁止とされているので、中途半端に風俗慣れしている男が時に素人娘にフェラや素股を要求してつまらない思いをすることもあるらしいが、それは当然のことだ。むしろ基盤に持っていく方が容易いし、ゴムさえ付けてもらえるならその方が楽だと思っている女もそれなりにいる。フェラを無理強いする前に聞いてみるのも悪くない。

 しかし、ナマに関しては様々な観点でいただけないとぼくは思う。にも関わらず、基盤OKまで行くと小さくない確率で「ねえ、ナマでしない?」と聞かれる。プラスαの要求が付いているということもあるが、奥さんにですら中出ししていないぼくは、当然尻ごみしてしまう。世の男性諸氏はどうなのだろう一度聞いてみたい気がする。

 つまり。奥さん以外素人童貞のぼくにとっては、実に生まれて初めてのナマ挿入ということになる。34歳。チェリーボーイを卒業して苦節15年。愛する妻と遂に0.1mmの最後の壁を突破して一つになれる。

 沸き立つ心の熱さが股間にも伝播したのだろう、最近になく上を向いた愚息で、充枝の可愛らしい花びらをなぞる。んんっ、という反応。我が妻の感度は今夜も最高なのだ。

「大丈夫?いいかい。挿れるよ」

 ぼくはもう一度確認をしてから、ゆっくりと先端を充枝の花園にあてがった。温かな充枝の愛液が愚息の最も敏感な部分を濡らす。この感覚までは経験がある。この先だ。この先の未体験ゾーンに向かってぼくは一歩ずつ歩を進めた。充枝の穴を押し広げてぼくの愚息が内部に侵入していく。温かくて、そして淫靡だと思った。目の前にある充枝の顔は少し歪んではいたが、それは快感に耐える桃色の歪みに相違なかった。

 もう半分以上は入っただろうか。ぼくはそのまま充枝の最も奥まで届けと一気に腰を押しつけた。

「あっ、ああああああっ」

 充枝の喘ぎ声がいつもより大きく聞こえる。ぼくはその声に励まされてゆっくりと前後にピストン運動を始めた。浅く浅く浅く深く、浅く浅く浅く深く。三浅一深法なんて三十代になってから真面目に意識したのは初めてかも知れない。

「あっ、あん、あん、あああああん、あっ、あ、ああ、ああああああっ」

 充枝が背中を反らせて感じる様子に、益々愚息に力が漲ってくるのが分かった。このまま、このままずっとこうしていたい。ぼくの本心はここにあった。もしかしたら充枝もそう思ってくれいているのだろうか?中出しを許そうとしているのも、もしかしたら子供を作ってもいいっていう気になっているのかも知れない。未来の夢が、充枝との明るい家庭の絵が頭を過った。

「ああ、最高だ、みっちゃん、ミツエ愛してるよ、ミツエ、あ、いくよ、ミツエ、ああ」

 極限まで高まった快感に耐えきれず、ぼくは充枝の中に精を放出した。とてもとても長い射精感が続いた。夢にまで見た初めての中出しの瞬間。幸福だった。ぼくは暫く目を瞑ったままその余韻に浸っていた。

「みっちゃん、すごく良かったよ」

 ぼくはそう言って顔に掛かっていた髪の毛を分けて充枝の顔を見た。

 一瞬で背筋が凍った。

 美しい充枝の顔はまるで能面のように表情がなく、ただ見開いた目がぼくを通り越した天井の一点を睨んでいた。まるでそこに親の仇でもいるかのような、激しい憎悪と軽蔑と怒りがその瞳に宿っているのが分かる。

「みっちゃん、みっちゃん、大丈夫、ミツエ、どうしたんだ、ミツエ、ミツエ」

 ぼくは何度も何度も充枝に呼びかけた。そしていつのまにか涙を流しながら、固まってしまったかのように動かない充枝の体を揺らし続けていた。

(続く)
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