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魔王の章
S1.魔王の仕事※
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アルト達が魔族領へ帰って来てから、早二ヶ月が経とうとしていた。
魔王城ではメイド達が忙しく動き回り、アルトとその五人の妻達の身の回りの世話を焼くのだが、そんな生活に慣れているのは”魔姫”としてこの城で暮らしていたリティアのみ。
エルマーとミミリも少し前からこの城で暮らしてはいたが、彼女達の立場はあくまでリティアの従者として。なのでメイド達に身の回りの世話をして貰っていた訳ではない。
エリーゼとノエルに至っては、こんなに広くて豪華な城に暮らすのも初めての経験だ。二人は人族領の片田舎の村出身。今までで寝泊まりした一番大きな建物とは、王都で泊まっていた宿屋。この巨大な城に、あの宿屋が一体何軒入るのだろうかという程の大きさで、もはや比較にすらならない。
そんなアルトの妻五人だが、仕事らしい仕事をしているのはエリーゼとノエルの二人のみ。元々二人は人族と魔族の交流の一貫である『使節団』としてこの魔族領へと来た身。アルトに娶られたからといって、その仕事が消えて無くなった訳では無い。
エリーゼは自分の持つ称号”会計士”の能力を活かして、魔族の商人達に高度な算術を教えている。
ノエルは同じく使節団として魔族領を訪れている兄レックと、同じパーティ仲間のサリーと共に毎日魔族領での見聞を深めている。いずれエリーゼやノエルの見聞きした事が人族領に伝わり、そこから更に交流を深めていく段取りなのでエリーゼもノエルもかなり重要な仕事だ。
そんな人族の嫁二人が勤勉に働く中、我らが魔王アルトはというと、いつもの日課であるリティアとの行為に耽っていた。
「んん……あっ、あっ」
アルトの舌が、リティアの秘裂を優しくなぞる。ほんの少し舌を奥へと進めれば、リティアの甘酸っぱい蜜の味がアルトの口の中いっぱい拡がった。
「あっ……そこ……」
膣口に舌を出し入れされ、気持ち良さそうな声を出すリティア。世界でも類稀な絶世の美少女は、顔をほんのりと上気させている。
そんなリティアの膣口から舌を抜くと、アルトは舌の動きを上へとスライドさせる。舌先に少し硬くなった突起の感触を感じた瞬間、リティアは更に大きな声を上げた。
「ああっ!そこ、そこ気持ちいい……ッああっ!」
陰核を舌先で刺激すると、リティアは身体を仰け反らせて嬌声を上げる。この二ヶ月間、五人の妻達の中でリティアとだけは毎日身体を重ねて来た。今では羞恥心もすっかり無くなり、気持ち良さを隠そうともしない。
アルトも、リティアと毎日していても飽きるという事は一切無かった。もちろん他の四人の妻達とも飽きるなんて事は無いのだが、他の四人とは毎日している訳ではない。
現在の時刻は昼食前で、毎日この時間にリティアと行為に及ぶ。その後は夕食前に他の妻を抱き、そして寝る前にも更に違う誰かと。
つまり毎日、リティアを含めた妻三人としているのだ。それは奇しくも、ミミリが王都で言っていた通りになってしまったのだが、年齢的に体力も精力も旺盛なアルトには苦では無かった。
しかしそんなアルトだが、最近強く思う事がある。悩みと言ってもいいだろう。
(毎日……こんな事ばかりしてていいのかな………)
エリーゼとノエルが毎日働いている中、毎日真っ昼間からこんな事をしていていいのかと。何となくエリーゼとノエルに対して申し訳ない気持ちになると同時に、そもそも魔王って何をすればいいのかと疑問に思ったりもする。
「はっ、あっ……イッ……イク……ッ!」
アルトが陰核を刺激し続けると、リティアの下肢に力が入る。そして次の瞬間には、その華奢で綺麗な身体を何度も震わせた。どうやら絶頂に至ったのだとアルトも理解し、一度愛撫をやめる。
「はぁはぁ……イッ……イッちゃった……」
「うん。気持ち良かったリティア?」
「……ふふ……すっごく」
荒い呼吸を繰り返しながら、その綺麗な顔で微笑むリティア。そしてモゾモゾと身体を起こすと、今度はリティアがアルトの股へと顔を近づける。
そこには、すっかり硬くなり膨張したアルトの陰茎。初めて見た時は恥ずかしさのあまり顔を真っ赤に染めたリティアだが、この二ヶ月ですっかり見慣れて今では愛おしさすら感じる。
そんなアルトの陰茎を優しく手で握り、亀頭に唇を近づける。先走る透明な液を舌でちろりと舐めると、何とも形容し難い味がリティアの味覚を刺激する。
「ん……アルトの味……」
そのまま亀頭を舌でペロペロと舐め回すリティア。男性を口の愛撫で悦ばせる術を知っていたのはエリーゼとノエルだけだったのだが、いつも自分を気持ち良くしてくれるアルトを、こちらからも気持ち良くしてあげたいと願うのは五人の妻全員の思いだ。
先ずは一番性への関心が強いミミリが、エリーゼにレクチャーされながらその方法を学び(その時はアルト、ミミリ、エリーゼの三人で行為に及んだ)、次にそのミミリがリティアに実践でそのやり方をレクチャーした(アルト、リティア、ミミリの三人で行為に及ぶ)。
リティアが実際にこうして、アルトの陰茎を口で愛撫するようになってからもう二週間程。その愛撫は日に日に上達し、アルトはいつも押し寄せる射精感を我慢するのに必死だった(何度か我慢出来ずに口の中に射精した事もある)。
「んっ……んん………んっ」
いつの間にか、その小さな口いっぱいにアルトの陰茎を含み、顔を上下に動かすリティア。唇でカリの部分を刺激され、舌で亀頭を刺激され、次第に精液が昇って来るのを感じる。これ以上されると、その勢いを止める事が出来ずに放出してしまうと悟ったアルトは、リティアに声を掛ける。
「リティア……そろそろ……」
「んっ……」
綺麗な黒髪を耳に掛けながら、リティアはアルトの陰茎から口を離す。そして上目遣いにアルトを見上げ、少し不安そうに訊ねた。
「気持ち良かった……?」
「うん。日に日に上手になっていくね」
「そっか……そうなんだ……」
今度はどことなく嬉しそうな表情を浮かべるリティア。そのまま自分でベッドに横たわり、膝を立てる。こうすると、アルトが足を開いて入って来やすい事をこの二ヶ月の間に学んだのだ。
そんなリティアの細い足に手を掛け、足を優しく開くアルト。これ以上無い程に硬く肥大した自らの亀頭を、リティアの濡れそぼった膣口へと充てがう。そのまま腰を落とすと、すっかり慣れ親しんだリティアの膣内にアルトの陰茎が飲み込まれてゆく。そしてアルト、リティア双方に訪れる、甘美な快楽の瞬間。
「んあぁ……ああっ……」
何度経験しても、アルトが入って来るこの瞬間が好きだった。今日もアルトと繋がれた、一つになれたと強く実感出来るからだ。
「動くよリティア」
「ん……いいよアルト」
そしてアルトが抽挿を開始する。先ほどリティアに口でされているので、少し敏感になっているアルトの陰茎。あまり早く動かすとすぐに果ててしまうので、ゆっくりと腰を動かす。
「はっ、あっ、はッ、はっ……ああっ」
「はぁはぁ……気持ちいいよリティア」
ゆっくりと奥まで進み、また戻る。浅い所で何度も往復したかと思えば、また一番奥まで進む。その度にリティアには、低い波と高い波の快感が押し寄せる。さながら心電図の波形のように不規則な波が、絶えずリティアの身体を駆け巡る。
「ああっアルト……き、気持ち……いい……」
その美しい顔を悶えさせ、快感に身を委ねるリティア。アルトはそんなリティアの背中に手を回し、その華奢な身体を抱き起こした。そのまま対面座位の体位のまま、リティアの身体を上下に動かす。
「はあっ!ああっ、あっ!はっ、んんああっ!」
先ほどよりも深くアルトの陰茎が入り込んで来る。そして遂に最奥まで届き、リティアの一番気持ちの良い場所を硬くなった亀頭が刺激する。
「ああっ、お、奥まで……ンン……ッ……届いて……んあぁ」
アルトの胸に押し当てられたリティアの柔らかな双丘が、身体の動きに合わせて上下に揺れる。綺麗な桜色の蕾はアルトの硬い胸板に擦り付けられ、次第に肥大してゆく。それが更なる快感を与え、アルトの陰茎にはリティアの膣内で分泌された白濁した愛液が絡み付き、それが潤滑油となってアルトも射精への準備段階へと至る。
「んんっ!ん、んっ……」
唇を重ね、互いの舌を絡め合う二人。その間もリティアの身体は上下に揺れており、膣内、乳首、そして口内の三ヶ所から快感を与えられる。
血は熱く全身を駆け巡り、リティアの頬が紅く火照る。尚も快感はリティアを高みへと押し上げ、遂には絶頂へと昇り詰めてゆく。
「はぁはぁアルト……ッ!わたしもう……あんっ!イッ、イッちゃう……ああっ!」
「俺も……中に射精すよリティア」
「ああんっ!だ、射精してアルト……ッ!ああっ、ああっ、うっ……ああぁぁ」
互いの陰毛までも愛液で汚しながら、その瞬間の為に腰を動かし続けるアルトとリティア。そしてーーーー
「くっ……イクッ……!う……ああっ」
「ああっ、イッイクイク!イッちゃうアルトーーーーッ!!ああぁぁーーーーッ!!」
そして果てるアルトと、アルトにしがみつきながら絶頂へと至るリティア。二人はそのままベッドに倒れ込み、しばらく抱き合ったまま余韻に浸る。
「はぁはぁ……気持ち良かったアルト……」
「はぁはぁ……うん。俺もだよリティア」
行為の後のいつものこの時間。しばらくベッドで一緒に横になりながらお喋りする、二人きりの時間。嫁が五人も居ると、なかなか二人きりになれる時間が無い。だからこの時間はリティアにとって、アルトとの行為と同じくらい大切な時間なのだが、何やらここ数日アルトに元気が無いように感じていた。
何か悩み事があるのだろうか?もしそうなら、何でも話して欲しい。そんな思いに駆られて、リティアはアルトに訊ねてみる。
「アルト、最近少し元気無いね」
「………そう?」
「うん……何か悩み事?」
表には出さないようにしていた筈なのだが、どうやらリティアには気付かれていたらしい。リティアとは他の四人よりも二人で接する機会が多いので、どうやら隠し通せるものでも無かったと観念するアルト。
「いや……俺ってこのままでいいのかなって思ってさ……」
首を傾げるリティア。アルトの言わんとしている事がイマイチ分からない。そんなリティアの目を見ながら、アルトが続きの言葉を口にする。
「毎日リティアやみんなとこうしているのは凄く幸せなんだけどさ……エリーゼやノエルがほとんど毎日働いてるのに俺は働かなくてもいいのかなって。って言うより、魔王ってそもそも何をすればいいんだろうって思ってさ」
魔王の存在意義とは、もちろん勇者との聖戦で勝敗を決する為である。しかしその勇者もアルトが倒してしまった今、魔王として何をすればいいのかが分からない。
妻が五人も居る。言わば家長として皆を養っている身分なのに、働かないで毎日好きな事ばかりしている現状に、漠然とした不安を覚えるのだ。このままでは、駄目な大人になってしまうのではないかと。
「えっと……つまりアルトは働きたいって事?」
「まあ……掻い摘んで言えばそういう事かな……」
「んー……でもアルトのお仕事って魔族と人族との交流を進める事だよね?それって立派に働いているって事にならないの?」
「それは……まあそうなんだけど」
確かにアルトの仕事……と言うか目標は、この世界で人族、魔族の境界を無くして皆が共に生きる世界を作る事だ。その為の第一段階がエリーゼやノエル、レックとサリーの使節団であり、もちろん人族側にも魔族から数人使節団を送っている。
あとは時期を見て更に使節団を互いの領土に送り、更なる交流を図る事なのだが………現状では特にやる事が無い。
アルトが思い描く『仕事』とは、額に汗水流し、毎日目に見える何かしらの成果を上げる事である。毎日好きなように暮らしながら、ただ状況を見守っているのはアルトの言うところの『仕事』とは違うのだ。
「もちろん人族と魔族との交流は全力で取り組むんだけど、他に何かさ……毎日働いてるっていう実感が持てる何かを始めたいんだ」
「そっか……それが最近元気が無かった原因なんだね」
話して貰えて良かった。だが、アルトの悩みを解決する具体的な答えを、残念ながらリティアは持ち合わせていない。そういうのが得意なのはーーーー
「エルマーに相談してみる?何か知恵を貸してくれると思うよ」
アルトの五人の嫁の中での頭脳担当エルマー。確かに彼女なら、何かしらの方向性くらいは示してくれる気がした。
「うん、そうしてみるよ。あれ、そう言えばエルマーっていつも何処に居るの?」
「エルマーなら毎日お城の図書室に篭ってるよ?今回の聖戦と、アルトが始めた魔族と人族の交流を後世に残す為に、全部文献にするんだって」
初耳だった。つまり、エルマーはアルトの知らない所で毎日仕事をしていたという事だ。働いているのはエリーゼとノエルだけだと思っていたアルトには、割と衝撃的な事実だった。
「そうか……だからいつも食事の時と……アレの時以外は姿が見えなかったのか……」
「ふふ、エルマーの話だと全部書き終えるのに数年掛かるんだって。古い文献も全部まとめ直すって言ってたから」
そんなに忙しいのであれば、エルマーに話を聞きに行くのも気が引ける。確か今日の夕食前のアレの相手はエルマーだった筈。ならば終わった後で話を聞いてみようと、アルトは今日のエルマーとの行為に思いを寄せるのだったーーーー
※魔王という名のニートに陥っているアルト君の葛藤を描いた後日談です。何話か続きますが、作者は現在百合JKが異世界転移する物語をメインに書いていますので、こちらはあくまで息抜き程度の執筆です。
つまり次の更新はいつになるか未定ですので、あまり期待せずにお待ちくださいませ。
魔王城ではメイド達が忙しく動き回り、アルトとその五人の妻達の身の回りの世話を焼くのだが、そんな生活に慣れているのは”魔姫”としてこの城で暮らしていたリティアのみ。
エルマーとミミリも少し前からこの城で暮らしてはいたが、彼女達の立場はあくまでリティアの従者として。なのでメイド達に身の回りの世話をして貰っていた訳ではない。
エリーゼとノエルに至っては、こんなに広くて豪華な城に暮らすのも初めての経験だ。二人は人族領の片田舎の村出身。今までで寝泊まりした一番大きな建物とは、王都で泊まっていた宿屋。この巨大な城に、あの宿屋が一体何軒入るのだろうかという程の大きさで、もはや比較にすらならない。
そんなアルトの妻五人だが、仕事らしい仕事をしているのはエリーゼとノエルの二人のみ。元々二人は人族と魔族の交流の一貫である『使節団』としてこの魔族領へと来た身。アルトに娶られたからといって、その仕事が消えて無くなった訳では無い。
エリーゼは自分の持つ称号”会計士”の能力を活かして、魔族の商人達に高度な算術を教えている。
ノエルは同じく使節団として魔族領を訪れている兄レックと、同じパーティ仲間のサリーと共に毎日魔族領での見聞を深めている。いずれエリーゼやノエルの見聞きした事が人族領に伝わり、そこから更に交流を深めていく段取りなのでエリーゼもノエルもかなり重要な仕事だ。
そんな人族の嫁二人が勤勉に働く中、我らが魔王アルトはというと、いつもの日課であるリティアとの行為に耽っていた。
「んん……あっ、あっ」
アルトの舌が、リティアの秘裂を優しくなぞる。ほんの少し舌を奥へと進めれば、リティアの甘酸っぱい蜜の味がアルトの口の中いっぱい拡がった。
「あっ……そこ……」
膣口に舌を出し入れされ、気持ち良さそうな声を出すリティア。世界でも類稀な絶世の美少女は、顔をほんのりと上気させている。
そんなリティアの膣口から舌を抜くと、アルトは舌の動きを上へとスライドさせる。舌先に少し硬くなった突起の感触を感じた瞬間、リティアは更に大きな声を上げた。
「ああっ!そこ、そこ気持ちいい……ッああっ!」
陰核を舌先で刺激すると、リティアは身体を仰け反らせて嬌声を上げる。この二ヶ月間、五人の妻達の中でリティアとだけは毎日身体を重ねて来た。今では羞恥心もすっかり無くなり、気持ち良さを隠そうともしない。
アルトも、リティアと毎日していても飽きるという事は一切無かった。もちろん他の四人の妻達とも飽きるなんて事は無いのだが、他の四人とは毎日している訳ではない。
現在の時刻は昼食前で、毎日この時間にリティアと行為に及ぶ。その後は夕食前に他の妻を抱き、そして寝る前にも更に違う誰かと。
つまり毎日、リティアを含めた妻三人としているのだ。それは奇しくも、ミミリが王都で言っていた通りになってしまったのだが、年齢的に体力も精力も旺盛なアルトには苦では無かった。
しかしそんなアルトだが、最近強く思う事がある。悩みと言ってもいいだろう。
(毎日……こんな事ばかりしてていいのかな………)
エリーゼとノエルが毎日働いている中、毎日真っ昼間からこんな事をしていていいのかと。何となくエリーゼとノエルに対して申し訳ない気持ちになると同時に、そもそも魔王って何をすればいいのかと疑問に思ったりもする。
「はっ、あっ……イッ……イク……ッ!」
アルトが陰核を刺激し続けると、リティアの下肢に力が入る。そして次の瞬間には、その華奢で綺麗な身体を何度も震わせた。どうやら絶頂に至ったのだとアルトも理解し、一度愛撫をやめる。
「はぁはぁ……イッ……イッちゃった……」
「うん。気持ち良かったリティア?」
「……ふふ……すっごく」
荒い呼吸を繰り返しながら、その綺麗な顔で微笑むリティア。そしてモゾモゾと身体を起こすと、今度はリティアがアルトの股へと顔を近づける。
そこには、すっかり硬くなり膨張したアルトの陰茎。初めて見た時は恥ずかしさのあまり顔を真っ赤に染めたリティアだが、この二ヶ月ですっかり見慣れて今では愛おしさすら感じる。
そんなアルトの陰茎を優しく手で握り、亀頭に唇を近づける。先走る透明な液を舌でちろりと舐めると、何とも形容し難い味がリティアの味覚を刺激する。
「ん……アルトの味……」
そのまま亀頭を舌でペロペロと舐め回すリティア。男性を口の愛撫で悦ばせる術を知っていたのはエリーゼとノエルだけだったのだが、いつも自分を気持ち良くしてくれるアルトを、こちらからも気持ち良くしてあげたいと願うのは五人の妻全員の思いだ。
先ずは一番性への関心が強いミミリが、エリーゼにレクチャーされながらその方法を学び(その時はアルト、ミミリ、エリーゼの三人で行為に及んだ)、次にそのミミリがリティアに実践でそのやり方をレクチャーした(アルト、リティア、ミミリの三人で行為に及ぶ)。
リティアが実際にこうして、アルトの陰茎を口で愛撫するようになってからもう二週間程。その愛撫は日に日に上達し、アルトはいつも押し寄せる射精感を我慢するのに必死だった(何度か我慢出来ずに口の中に射精した事もある)。
「んっ……んん………んっ」
いつの間にか、その小さな口いっぱいにアルトの陰茎を含み、顔を上下に動かすリティア。唇でカリの部分を刺激され、舌で亀頭を刺激され、次第に精液が昇って来るのを感じる。これ以上されると、その勢いを止める事が出来ずに放出してしまうと悟ったアルトは、リティアに声を掛ける。
「リティア……そろそろ……」
「んっ……」
綺麗な黒髪を耳に掛けながら、リティアはアルトの陰茎から口を離す。そして上目遣いにアルトを見上げ、少し不安そうに訊ねた。
「気持ち良かった……?」
「うん。日に日に上手になっていくね」
「そっか……そうなんだ……」
今度はどことなく嬉しそうな表情を浮かべるリティア。そのまま自分でベッドに横たわり、膝を立てる。こうすると、アルトが足を開いて入って来やすい事をこの二ヶ月の間に学んだのだ。
そんなリティアの細い足に手を掛け、足を優しく開くアルト。これ以上無い程に硬く肥大した自らの亀頭を、リティアの濡れそぼった膣口へと充てがう。そのまま腰を落とすと、すっかり慣れ親しんだリティアの膣内にアルトの陰茎が飲み込まれてゆく。そしてアルト、リティア双方に訪れる、甘美な快楽の瞬間。
「んあぁ……ああっ……」
何度経験しても、アルトが入って来るこの瞬間が好きだった。今日もアルトと繋がれた、一つになれたと強く実感出来るからだ。
「動くよリティア」
「ん……いいよアルト」
そしてアルトが抽挿を開始する。先ほどリティアに口でされているので、少し敏感になっているアルトの陰茎。あまり早く動かすとすぐに果ててしまうので、ゆっくりと腰を動かす。
「はっ、あっ、はッ、はっ……ああっ」
「はぁはぁ……気持ちいいよリティア」
ゆっくりと奥まで進み、また戻る。浅い所で何度も往復したかと思えば、また一番奥まで進む。その度にリティアには、低い波と高い波の快感が押し寄せる。さながら心電図の波形のように不規則な波が、絶えずリティアの身体を駆け巡る。
「ああっアルト……き、気持ち……いい……」
その美しい顔を悶えさせ、快感に身を委ねるリティア。アルトはそんなリティアの背中に手を回し、その華奢な身体を抱き起こした。そのまま対面座位の体位のまま、リティアの身体を上下に動かす。
「はあっ!ああっ、あっ!はっ、んんああっ!」
先ほどよりも深くアルトの陰茎が入り込んで来る。そして遂に最奥まで届き、リティアの一番気持ちの良い場所を硬くなった亀頭が刺激する。
「ああっ、お、奥まで……ンン……ッ……届いて……んあぁ」
アルトの胸に押し当てられたリティアの柔らかな双丘が、身体の動きに合わせて上下に揺れる。綺麗な桜色の蕾はアルトの硬い胸板に擦り付けられ、次第に肥大してゆく。それが更なる快感を与え、アルトの陰茎にはリティアの膣内で分泌された白濁した愛液が絡み付き、それが潤滑油となってアルトも射精への準備段階へと至る。
「んんっ!ん、んっ……」
唇を重ね、互いの舌を絡め合う二人。その間もリティアの身体は上下に揺れており、膣内、乳首、そして口内の三ヶ所から快感を与えられる。
血は熱く全身を駆け巡り、リティアの頬が紅く火照る。尚も快感はリティアを高みへと押し上げ、遂には絶頂へと昇り詰めてゆく。
「はぁはぁアルト……ッ!わたしもう……あんっ!イッ、イッちゃう……ああっ!」
「俺も……中に射精すよリティア」
「ああんっ!だ、射精してアルト……ッ!ああっ、ああっ、うっ……ああぁぁ」
互いの陰毛までも愛液で汚しながら、その瞬間の為に腰を動かし続けるアルトとリティア。そしてーーーー
「くっ……イクッ……!う……ああっ」
「ああっ、イッイクイク!イッちゃうアルトーーーーッ!!ああぁぁーーーーッ!!」
そして果てるアルトと、アルトにしがみつきながら絶頂へと至るリティア。二人はそのままベッドに倒れ込み、しばらく抱き合ったまま余韻に浸る。
「はぁはぁ……気持ち良かったアルト……」
「はぁはぁ……うん。俺もだよリティア」
行為の後のいつものこの時間。しばらくベッドで一緒に横になりながらお喋りする、二人きりの時間。嫁が五人も居ると、なかなか二人きりになれる時間が無い。だからこの時間はリティアにとって、アルトとの行為と同じくらい大切な時間なのだが、何やらここ数日アルトに元気が無いように感じていた。
何か悩み事があるのだろうか?もしそうなら、何でも話して欲しい。そんな思いに駆られて、リティアはアルトに訊ねてみる。
「アルト、最近少し元気無いね」
「………そう?」
「うん……何か悩み事?」
表には出さないようにしていた筈なのだが、どうやらリティアには気付かれていたらしい。リティアとは他の四人よりも二人で接する機会が多いので、どうやら隠し通せるものでも無かったと観念するアルト。
「いや……俺ってこのままでいいのかなって思ってさ……」
首を傾げるリティア。アルトの言わんとしている事がイマイチ分からない。そんなリティアの目を見ながら、アルトが続きの言葉を口にする。
「毎日リティアやみんなとこうしているのは凄く幸せなんだけどさ……エリーゼやノエルがほとんど毎日働いてるのに俺は働かなくてもいいのかなって。って言うより、魔王ってそもそも何をすればいいんだろうって思ってさ」
魔王の存在意義とは、もちろん勇者との聖戦で勝敗を決する為である。しかしその勇者もアルトが倒してしまった今、魔王として何をすればいいのかが分からない。
妻が五人も居る。言わば家長として皆を養っている身分なのに、働かないで毎日好きな事ばかりしている現状に、漠然とした不安を覚えるのだ。このままでは、駄目な大人になってしまうのではないかと。
「えっと……つまりアルトは働きたいって事?」
「まあ……掻い摘んで言えばそういう事かな……」
「んー……でもアルトのお仕事って魔族と人族との交流を進める事だよね?それって立派に働いているって事にならないの?」
「それは……まあそうなんだけど」
確かにアルトの仕事……と言うか目標は、この世界で人族、魔族の境界を無くして皆が共に生きる世界を作る事だ。その為の第一段階がエリーゼやノエル、レックとサリーの使節団であり、もちろん人族側にも魔族から数人使節団を送っている。
あとは時期を見て更に使節団を互いの領土に送り、更なる交流を図る事なのだが………現状では特にやる事が無い。
アルトが思い描く『仕事』とは、額に汗水流し、毎日目に見える何かしらの成果を上げる事である。毎日好きなように暮らしながら、ただ状況を見守っているのはアルトの言うところの『仕事』とは違うのだ。
「もちろん人族と魔族との交流は全力で取り組むんだけど、他に何かさ……毎日働いてるっていう実感が持てる何かを始めたいんだ」
「そっか……それが最近元気が無かった原因なんだね」
話して貰えて良かった。だが、アルトの悩みを解決する具体的な答えを、残念ながらリティアは持ち合わせていない。そういうのが得意なのはーーーー
「エルマーに相談してみる?何か知恵を貸してくれると思うよ」
アルトの五人の嫁の中での頭脳担当エルマー。確かに彼女なら、何かしらの方向性くらいは示してくれる気がした。
「うん、そうしてみるよ。あれ、そう言えばエルマーっていつも何処に居るの?」
「エルマーなら毎日お城の図書室に篭ってるよ?今回の聖戦と、アルトが始めた魔族と人族の交流を後世に残す為に、全部文献にするんだって」
初耳だった。つまり、エルマーはアルトの知らない所で毎日仕事をしていたという事だ。働いているのはエリーゼとノエルだけだと思っていたアルトには、割と衝撃的な事実だった。
「そうか……だからいつも食事の時と……アレの時以外は姿が見えなかったのか……」
「ふふ、エルマーの話だと全部書き終えるのに数年掛かるんだって。古い文献も全部まとめ直すって言ってたから」
そんなに忙しいのであれば、エルマーに話を聞きに行くのも気が引ける。確か今日の夕食前のアレの相手はエルマーだった筈。ならば終わった後で話を聞いてみようと、アルトは今日のエルマーとの行為に思いを寄せるのだったーーーー
※魔王という名のニートに陥っているアルト君の葛藤を描いた後日談です。何話か続きますが、作者は現在百合JKが異世界転移する物語をメインに書いていますので、こちらはあくまで息抜き程度の執筆です。
つまり次の更新はいつになるか未定ですので、あまり期待せずにお待ちくださいませ。
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※しばらくは毎日(17時)更新します。
※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。
※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得
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異世界帰りのオッサン冒険者。
二見敬三。
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※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
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この作品はカクヨムや小説家になろうで連載している物の改訂版です。
投稿は書き終わったらすぐに投稿するので不定期です。
必ず1週間に1回は投稿したいとは思ってはいます。
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誤字脱字や表現が子供っぽいことが多々あると思います。それでも良ければ読んでくださるとありがたいです。
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