世界で一番美少女な許嫁が勇者に寝取られた新米剣士の受難な日々

綾瀬 猫

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剣士の章

148.今宵君と5※

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 魔王城のアルトに用意されたアルトの部屋の中には、腰を打ち付けるパンパンという音と共に、結合部からジュプジュプという水音が響き渡っていた。


「ああっ、うっ……はぁ……はぁ……」
「リティア……はぁはぁ……痛みは無い?」


 最初こそ破瓜の痛みが辛かったリティアだが、アルトが挿入後はゆっくりゆっくりと抽挿を繰り返してくれた為、痛みは次第に消えていった。


「う……ん……んんっ……大……丈夫だよ……あっ……あっ…」


 痛みが消えてしまえば、後に残るのは身を駆け巡る快感のみ。かつて経験した事の無い快感がリティアを包み込み、その快感を与えてくれるアルトに身を委ねている。
 全てが初めての経験。男性に裸を見られたのも、男性器を間近で見たのも、身体中を舐められ愛撫された事も、絶頂に至った事も、そして男性器を挿入されたのも。

 最初は不安だらけだった性行為だが、全てアルトと一緒に乗り越えられた。そして乗り越えた先に待っていたのは、まさに想像もしていなかった程の突き抜ける快感と、どこまでも深い多幸感。
 アルトに抱きしめられ、アルトの体温を感じ、アルトの鼓動を聞きながら、アルトと繋がっている。
 
 アルトがこの身体で気持ち良くなってくれて、何度も求めてくれる。耳元で何度も「好きだよ、愛してるよ」と言われる度に幸せが全身を駆け巡り、子宮がキュッと切なく締まり、もっとアルトと一緒に気持ち良くなりたくて、蜜が溢れ出しアルトの陰茎に絡みつく。


「ああっアルト……んんっ……」
「気持ちいいよリティア……こんなに気持ちいいなんて知らなかった……」
「わ、わたしも……ンン……き、気持ち……あっ……イイ……ッ!」
「はぁはぁ……リティアの可愛い声、もっと聞かせて」
「いや……あっ……変な声いっぱい出て……あうっ……は、恥ずかし……ああ……ッ!」


 リティアの膣内で溢れた甘い蜜と、先ほどリティアの膣内で射精したアルト自身の精液が混ざり合い、アルトの硬くなった陰茎の抽挿を助ける。
 桃色の亀頭、そのカリの部分が何度もリティアの膣内にある性感帯をこすり上げ、その度に押し寄せる快感に抗う事が出来ずに、次第にリティアは昇り詰めてゆく。


「アルト……わ、わたし……はうっ!……頭の中が……んんっ!……ボーッとして……ああっ」


 乳首の時とも、陰核クリトリスの時とも違う種類の快感。全身が徐々にふわふわとした感覚になり、身体の中からジワジワと広がる様な快感が、リティアを包み込んでゆく。


「はぁはぁ……俺も……また射精そう……」
「んん……このまま……アアッ………また中に……んんっ!」


 お互い一番高い所へ向かって、一緒に昇り詰めてゆく。先ほどからお互い自分一人だけでそこに至っていた。だがようやく、こうして一緒にそこに向かっているのだ。アルトは激しく腰を振り、リティアはアルトに抱きつきながら髪を振り乱す。


「ああっだめだめアルト!お、おかしく……あうぅ!おかしくなっちゃうよぉぉーーッ!!」
「イクよリティア!もう射精すよ!リティアも一緒に!」


 リティアのヌルヌルとした膣壁がアルトのモノを包み込む様に形を変え、アルトから精液を絞り出すかの如くキューッと締め付ける。その陰茎にはリティアの蜜と処女喪失の証たる血が混ざり合い、桃色に色をを変えてリティアの膣口から出たり入ったりを繰り返している。
 ふっくらと盛り上がった大陰唇はアルトのモノを咥え込み、愛液や精液でテカテカと卑猥に濡れていた。


「あっ、ああっ!アルト、アルト!わ、わたしもう………あ、ああぁぁーーーッ」
射精すよリティア!あ……くっ………ああ……ッ!!」


 ビュッビュッと、リティアの膣内で大量に射精するアルト。それは先ほどの射精よりも何倍も気持ち良く、全身を快感が駆け抜け思わずブルリと震える。


「ーーーーッああっ、ああ………ッ」


 アルトがリティアの膣内に放出している間、リティアの華奢な身体はビクンビクンッと大きく跳ね上がっていた。
 全身が溶けてしまったのではと錯覚するほど身体の全ての感覚が曖昧になり、視界には真っ白な世界だけが広がっていた。
 頭の中は何も考えられずに無に染まり、ただただ全身に押し寄せている快感の波に身を委ね、波が引くのを待つ事しか出来ない。身体に力が全く入らず、ぐったりとしたまま真っ白い世界をぼんやりと眺めていた。

 こんなにも幸せで気持ちの良い瞬間が、この世界にあった事が驚きだった。
 色欲の試練でアルトの記憶を見せられるまで、ほとんど何の知識も持っていなかった。あの試練で無理やり性欲に目覚めさせるまで、一切の性欲など無かった。
 それがあの時から身体は徐々に変化し、次第に心の中も変化していった。
 いつの間にかアルトの事が気になり、アルトとセリナの事を思うと胸が切なく、悲しくなったのは割と最近の事。

 
(アルト……わたしを選んでくれて……ありがとう……)


 幸せに包まれながら、リティアはそのまま意識を手放したのだった。




■■■



 目が覚めると、ちゃんと布団を掛けられていた。視界に映る天井は自分の部屋と同じ様な造りだったが、やはり何処か違うと違和感を感じる。


「リティア、起きた?」


 隣から、大好きな声が聞こえて来る。その声音はどこまでも優しくて、聞いているだけで心が安らかになる。


「うん……ごめんね、寝ちゃってた?」
「少しだけね。まだ真夜中だよ」


 どうやらさほど深い眠りには落ちなかったらしい。アルトが肘を付いて頭を手に乗せながらリティアを見て微笑んでいる。
 少しだけ捲れた布団から、アルトの引き締まった胸元が見える。おそらく、二人とも裸のままなのだろう。アルトが気を利かせて布団を掛けてくれたのだと悟る。


「そっか。アルトの布団……あったかいね」
「そう?きっといい布団なんだね」


 そういう事を言いたかった訳ではないのに、変な答えが返って来て思わずクスッと笑ってしまうリティア。そういう所が何だかアルトらしくて可笑しかった。


「ねえアルト……さっきの約束……嘘じゃない?」
「約束……責任取るってやつ?」
「うん。本当に……ずっと一緒に居てくれる……?」


 リティアが不安そうにそう訊ねると、アルトはフッと笑ってもう片方の手をリティアの頭に伸ばした。そしてそのまま優しく頭を撫でる。


「もちろん。ずっと一緒に居ようリティア」
「嬉しい………でも、一つだけどうしても聞いておきたいの」
「え、何?」


 少しだけ言い淀むリティア。しかし覚悟を決めてアルトに真剣な眼差しを向けて口を開く。


「セリナさんの事。アルト、セリナさんに会ったら……とうするの?」
「…………うん」


 それはアルトがずっと向き合って来た問題。いつまでも答えが出ず………いや、答えは出ていたが覚悟が決まらなかった問題。だがその覚悟が、今夜ようやく決まった。もう曖昧にしたりしない。


「理想は勇者一人だけを倒す事だ。そうすれば”救世の三職”とは無理に戦う必要は無いって思ってる。でもそれは本当に理想だ。きっとそんな甘い戦いにはならない」
「うん」
「だから……もしもセリナが敵として立ち塞がるなら……リティアやエルマー、ミミリの命を脅かすのであれば………」


 そこで一度言葉を切り、最後の台詞に覚悟を乗せる。


「俺はセリナを斬る」


 アルトが言い終えると、リティアは悲しそうな表情を浮かべた。その表情を見たアルトがリティアに声を掛ける。


「リティア………?もしかして……反対?」
「………ううん、アルトがわたし達の事を思って出してくれた結論だから反対はしないし、嬉しいよ。でもね………」
「うん」
「セリナさんを……救う道は無いのかなって……」
「………救う道?」


 リティアに言われて思案する。おそらく勇者との戦いは、どちらかが死ぬ事でしか決着しない。アルトの考える人族と魔族の共存という考えを勇者アリオンが受け入れ、これ以上の無意味な戦いをやめてくれれば良いが、おそらくそれは無いだろうとアルトは確信している。あの勇者はそういう人物ではない。きっとそんな提案をした所で、一笑に付されるだけだろう。

 つまり勇者は倒すしか、殺すしか無い。勇者が生きている限り戦いは終わらないし、アルトの目指す世界に進む為には、今代の勇者と魔王の戦いの先にその道を標さないといけない。
 だが、勇者の死を前にしてセリナに救いなどあるのだろうか?セリナは勇者を選んだ。勇者を愛している。愛する者の死を目の当たりにした者に、どんな救いがあるのだろうか。

 そこでふと、以前聞いた話の一つを思い出す。確かーーーーー


(いや……それだと………)


 分からない。また分からなくなりそうだ。だが、考える事を諦めて結論付けるよりは、最後まで考え続ける事に意味はある気がする。


「そうだね、最後まで考えてみる。でもそれでも、最終的にどうにもならなかったその時は………」
「うん。アルトの思うままに」


 こくりと頷くアルト。そのままリティアに話し掛ける。


「ありがとうリティア。セリナの心配までしてくれて」
「ううん……アルトを好きになったセリナさんの気持ちは凄く良く分かるから……」
「はは……逃げられちゃったけどね」
「アルト………」


 それについてはリティアは何も言わない。セリナの事をあまり知らない自分が何か言った所で、それは真実とは程遠いのかもしれない。そんな曖昧な憶測でアルトの気持ちを揺らしたくないから。


「あ、聞いてくれるアルト?」


 無理やり明るい声を出してアルトに話し掛けるリティア。アルトは「ん?」と首を傾げた。


「わたしね、エルマーとミミリともずっと一緒に居たいの。二人はわたしの大事な友達……ううん、家族だから」


 なんだそんな事かとアルトは微笑む。そして優しくリティアに言った。


「そうなるよ。全部終わったら、みんなずっと一緒だよ」


 アルトの答えを聞き、リティアは少し驚いた様な表情を浮かべるが、次の瞬間には満面の笑顔を浮かべた。


「嬉しい!絶対そうしようねアルト!あ、でも……わたしの事を一番に想って……ね?」
「……ん?」


 何やらリティアの言っている事の意味が分からないアルト。一番も何も、もうリティアしか見えないというのに。


「えっと……今夜は……此処で眠ってもいい?」
「うん、もちろん。えっと……もう少しこっちに来る?」


 そう言ってアルトが布団を少し持ち上げると、リティアは嬉しそうにモゾモゾとアルトにくっついた。そのまま二人は見つめ合い、横を向いて唇を重ねる。


「んん……んっ……」


 しばらくそうしていると、リティアの腹部に何やら硬いモノが当たった。
 キョトンとした表情をして唇を離すリティア。しかしそれが何なのかを悟ると、次第に頬が紅く染まってゆく。


「え、えっと……」
「うう……ご、ごめん……」


 申し訳なさそうに、それでいて恥ずかしそうな表情を浮かべるアルトにリティアが訊ねる。


「えっと……もう一回………する?」
「リティアさえ良ければお願いします」


 何故いきなり敬語なのだろうと可笑くなるリティア。そのまま二人は布団の中で抱き合い、再び身体を重ねた。
 部屋の中にはリティアの甘い嬌声が、幸せそうに響き渡ったのだった。




 
 
 

 
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