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魔姫の章
113.大事な人
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ーーわたしはあの時逃げ出した。あのままあの家に居れば、わたしもお母さんと同じ様に殺されていた。だから、幼いわたしは逃げるしか無かった。
「よくもお母さんを………ッ!!」
あの日以来、わたしはこの女に対する怒りや憎しみを忘れた事なんて無かった。表面上は普通に過ごしていても、心の奥底では常に憎しみの炎が燻っていた。
それは一年経っても二年経っても、そして五年経った今でもちっとも変わらない。あの日逃げる様に家を出た時と何も変わらなかった。
でも、今はもう逃げる必要は無い。わたしももう十五歳。身体はまだあの女より小さいけど、精神的に成長したし、魔法だってあの頃よりもたくさん覚えた。今こそ、お母さんの仇を打ってやる。
ああ、でもわたしは攻撃魔法なんて使えない。回復魔法と補助魔法専門だから、誰かを殺す為の魔法なんて使えないんだった。
ふと、わたしは自分が握っている物を見た。それは銀色の杖。先端には綺麗な宝玉が誂えてあって、周りは円形状になっている。もちろん円形の部分も固い金属で出来ている。
何だ、魔法なんて必要なかった。これで殴り殺せばいいんだ。あんな何の力も無い女、毒殺なんて姑息な手段でお母さんを亡き者にした非力な女なんか、これで充分だ。
鋭利な刃物じゃないから、何度も何度も殴らないと死なないかもしれないけど、あの女にはお似合いだ。せいぜい苦しんで苦しんで、もがきながら死ねばいい。
だってお母さんは、何ヶ月も苦しんだのだ。日に日に痩せ細っていって、寝ていても毎日うなされていた。
「苦しかったよねお母さん」
それもこれも、全ては目の前の義理母によるもの。この女が毎日の様にお母さんをいびり、大声で文句を言い罵声を浴びせ続けたせいで、お母さんは心を病んでしまった。更に追い打ちの様に食事に毒を盛り、その結果お母さんは心と身体の両方を蝕まわれ、遂には帰らぬ人になった。
当時のわたしは自分を責めた。もっと早く毒の事に気付いていれば………わたしが解毒魔法を会得していれば、少なくともお母さんは死なずに済んだのにと。そして自分を責めれば責める程、義理母に対する憎しみが強くなった。
お母さんを殺したあの女が、何故のうのうと今も生きているのかと。あんな女、生きていては駄目だろうと。
そう、生きていては駄目なのだ。だから今すぐわたしが殺してやる。苦しませて苦しませて、お母さんの苦しみを存分に味わせてから殺してやる。やっと、その機会が訪れたのだ。
泣き叫べ、助けてと懇願しろ、自分の行いを懺悔して、生まれて来た事を後悔しながら死ね。お前はそれ程の事をしたんだ。
そしてわたしは、手の中の杖をギュッと握りしめた。
■■■
色欲の神フォーゼリアは、リティアに銀色の杖を渡す際にこう言った。憎悪の神の試練で必要になるだろうからと。
リティアではなく、あの場に誰が居たとしても皆同じ事を思っただろう。
次の試練はきっと過酷で、遠距離での回復魔法が必要になる………と。だが実際はそうでは無かった。フォーゼリアがこの杖を渡したのは、凶器として使用させる為。それはエルマーに誰かを殺める手段が無かったから。
攻撃魔法は会得しておらず、武器なども持っていない。そんな無力なエルマーに鈍器としてこの杖を渡したのだ。
つまりフォーゼリアは、最奥の試練の間に居ながら入口の扉の前に居たエルマーが、心の奥底に憎しみを抱いている事を看破していた。そしてエルマーが『憎悪の神の試練』を受ける事になると確信していたのだ。
(相変わらずの用意周到さよ)
杖を固く握りしめ、義理母へと歩み寄るエルマーを見つめる憎悪の神ゾライオス。
(わざわざ神話級の銀杖を渡したのは、試練を突破出来た時の褒美だとでも言うのか)
しかしゾライオスはエルマーを見て首を横に振る。その表情はほとんど無表情だか、僅かに残念そうな表情も覗かせていた。
(残念だが、あの娘は既に自らの憎悪に焼かれている。どうあってもこの試練には打ち勝てぬだろう)
ゾライオスとて、試練に挑む者が試練に落ちる事など望んではいない。フォーゼリア同様、勇者と魔王の戦いを古の時代から傍観し、その変わらぬ結末に対して魔族を憐れみ魔族に肩入れする事にしたのだ。ましてや目の前の者達は初めて色欲の神の試練を突破し、初めてこの憎悪の神の試練に挑んで来た者達。
出来る事なら合格させてあげたい。そして合格した先に待つ勇者と魔王の戦いがどう変化するのか、はたまた何も変わらないのか、その結末を見届けたい。
しかし神である自分が試練に介入する事も、彼女に肩入れする事も許されない。試練だけは、必ず自分達の力で合格しなくてはならないのだ。
一歩ずつ、銀色の杖を握りしめて義理母へと近づくエルマー。その瞳に映るのは母の仇のみ。もうすぐ、もうすぐ母を殺したこの女を自分の手で殺す事が出来る。
「はぁはぁ………ようやく………」
義理母は動こうとはしない。それもその筈、目の前の女はゾライオスが創り出した幻。本物は今頃、エルマーの実家で悠々自適に暮らしている事だろう。
しかしエルマーには関係ない。これが幻だなどという考えすら浮かんで来ない。目の前の女は紛れもなく母の仇である義理母。幼い自分すら殺そうとした憎き害悪。殺さなければ、絶対に殺さなければならないのだ。
(終わりか………せめて、その身の内に巣食う憎悪を解き放つが良い。その後に汝の胸に去来するのは達成感か、はたまた絶望か)
どちらにしても、以前の彼女には二度と戻れない。それが、神から与えられし絶大な力を求めた代償。試練に合格出来なかった者が一生背負う事になる、どこまでも深い業。
「お母さん………見ててね………ッ!!」
エルマーが大きく杖を振り上げた。そして、その杖を思い切り振り下ろすーーーーー
ーー直前で、唇に柔らかいものが触れた。
「…………………」
憎悪に捕われて、殺意一色に染まっていたエルマーの瞳に光が戻る。
「ん……………」
エルマーの目の前に、綺麗な顔があった。
「…………ん?」
その顔は、エルマーのよく知る顔。幼い頃からずっと一緒に居て、十歳の頃から一緒の家で暮らした少女。
「んん…………」
その少女は瞳を閉じていた。そしてその唇を……………エルマーの唇に押し当てている。
「ッッ!!!!??」
その状況を理解し、エルマーの顔が一瞬で真っ赤に染まる。そして慌てて唇を離すと、物凄い勢いで後ろに後ずさった。
「なっ………なななななぁぁーーーっ!!?」
「あっ!エルマーちゃん気が付いた!?」
ミミリが顔を上げ、嬉しそうにエルマーを見るが、エルマーは顔を真っ赤に染めて動揺している。
「ミ、ミミミミミリ!?あんた何してーー」
「だって!ずっと呼んでるのにエルマーちゃん全然ミミリに気付いてくれないし!」
「だ、だからってあんた!い、いきなりこんな………」
キスされてしまった。自分にとっては初めてのキスを、あのミミリに。
「ごめんね。でもミミリはエルマーちゃんの事好きだから、別にチューするぐらいーー」
ピシッと固まるエルマー。聞き捨てならない単語がミミリの口から飛び出し、思わず狼狽えてしまう。
「す、すすす、好きって!……え?ミミリが?わ、わたしの事を……!?」
首を傾げるミミリ。今さら何を当たり前の事で驚いているのだと言わんばかりの表情を浮べる。
「好きに決まってるでしょ!」
そしてエルマーの元へと駆け寄り、その小さな身体をギュッと抱きしめた。
「ぁ…………」
「ねぇエルマーちゃん、もうやめよ?こんなの………ミミリの好きなエルマーちゃんじゃないよ……」
声に少しだけ涙の色が滲んでいて、エルマーは抱きしめられながら顔を上げてミミリを見た。
「ミミリの好きなエルマーちゃんは、どんなに怒っててもその中には優しさがあって、凄く温かかった。でも今のエルマーちゃんは怖くて……冷たくて………ミミリの知ってる大好きな優しいエルマーちゃんじゃないもの」
「ミミリ………」
「ミミリのお家はみんな仲良しだったから、正直エルマーちゃんの辛さを半分も分かってあげられないけど………でも、大事な人が苦しんでるならミミリだって助けてあげたいよぉ……」
エルマーの頬にポタッと温かい雫が落ちた。
それはミミリの涙。ミミリがエルマーの為に流した涙。その温かい涙が、エルマーの心に染み込んでゆく。
その温かい涙が、エルマーの全身を焦がしていた復讐の炎を消してゆく。
(お母さん……わたし………)
フッと、記憶の中の母が微笑んでくれた気がした。そして、エルマーの頭を優しく撫でてくれた気がしたのだ。
「ミミリ……苦しいから離してください」
「え?………あ、ご、ごめん………」
パッと腕を離すミミリ。そんなミミリの目を見つめながら、エルマーは銀杖をギュッと握りしめた。そしてーーーー
「これ、試練が終わるまでミミリが持っていてください」
杖を、ミミリに差し出した。
「え………?」
「今は……必要ありませんから。試練が終わったら返してください」
「エルマーちゃん!」
「や、約束ですよ?わたしが苦しい時はミミリが助けてください。その………こ、恋人としーーー」
「もちろんだよっ!大事な家族だもん!ミミリ頑張っちゃうんだから!」
再びピシッと固まるエルマー。どうやらエルマーの抱く『好き』とミミリの抱く『好き』は別の意味だったらしい。
でも今は別にこれでいいかと、恥ずかしそうな笑顔を浮べるエルマーだった。
「よくもお母さんを………ッ!!」
あの日以来、わたしはこの女に対する怒りや憎しみを忘れた事なんて無かった。表面上は普通に過ごしていても、心の奥底では常に憎しみの炎が燻っていた。
それは一年経っても二年経っても、そして五年経った今でもちっとも変わらない。あの日逃げる様に家を出た時と何も変わらなかった。
でも、今はもう逃げる必要は無い。わたしももう十五歳。身体はまだあの女より小さいけど、精神的に成長したし、魔法だってあの頃よりもたくさん覚えた。今こそ、お母さんの仇を打ってやる。
ああ、でもわたしは攻撃魔法なんて使えない。回復魔法と補助魔法専門だから、誰かを殺す為の魔法なんて使えないんだった。
ふと、わたしは自分が握っている物を見た。それは銀色の杖。先端には綺麗な宝玉が誂えてあって、周りは円形状になっている。もちろん円形の部分も固い金属で出来ている。
何だ、魔法なんて必要なかった。これで殴り殺せばいいんだ。あんな何の力も無い女、毒殺なんて姑息な手段でお母さんを亡き者にした非力な女なんか、これで充分だ。
鋭利な刃物じゃないから、何度も何度も殴らないと死なないかもしれないけど、あの女にはお似合いだ。せいぜい苦しんで苦しんで、もがきながら死ねばいい。
だってお母さんは、何ヶ月も苦しんだのだ。日に日に痩せ細っていって、寝ていても毎日うなされていた。
「苦しかったよねお母さん」
それもこれも、全ては目の前の義理母によるもの。この女が毎日の様にお母さんをいびり、大声で文句を言い罵声を浴びせ続けたせいで、お母さんは心を病んでしまった。更に追い打ちの様に食事に毒を盛り、その結果お母さんは心と身体の両方を蝕まわれ、遂には帰らぬ人になった。
当時のわたしは自分を責めた。もっと早く毒の事に気付いていれば………わたしが解毒魔法を会得していれば、少なくともお母さんは死なずに済んだのにと。そして自分を責めれば責める程、義理母に対する憎しみが強くなった。
お母さんを殺したあの女が、何故のうのうと今も生きているのかと。あんな女、生きていては駄目だろうと。
そう、生きていては駄目なのだ。だから今すぐわたしが殺してやる。苦しませて苦しませて、お母さんの苦しみを存分に味わせてから殺してやる。やっと、その機会が訪れたのだ。
泣き叫べ、助けてと懇願しろ、自分の行いを懺悔して、生まれて来た事を後悔しながら死ね。お前はそれ程の事をしたんだ。
そしてわたしは、手の中の杖をギュッと握りしめた。
■■■
色欲の神フォーゼリアは、リティアに銀色の杖を渡す際にこう言った。憎悪の神の試練で必要になるだろうからと。
リティアではなく、あの場に誰が居たとしても皆同じ事を思っただろう。
次の試練はきっと過酷で、遠距離での回復魔法が必要になる………と。だが実際はそうでは無かった。フォーゼリアがこの杖を渡したのは、凶器として使用させる為。それはエルマーに誰かを殺める手段が無かったから。
攻撃魔法は会得しておらず、武器なども持っていない。そんな無力なエルマーに鈍器としてこの杖を渡したのだ。
つまりフォーゼリアは、最奥の試練の間に居ながら入口の扉の前に居たエルマーが、心の奥底に憎しみを抱いている事を看破していた。そしてエルマーが『憎悪の神の試練』を受ける事になると確信していたのだ。
(相変わらずの用意周到さよ)
杖を固く握りしめ、義理母へと歩み寄るエルマーを見つめる憎悪の神ゾライオス。
(わざわざ神話級の銀杖を渡したのは、試練を突破出来た時の褒美だとでも言うのか)
しかしゾライオスはエルマーを見て首を横に振る。その表情はほとんど無表情だか、僅かに残念そうな表情も覗かせていた。
(残念だが、あの娘は既に自らの憎悪に焼かれている。どうあってもこの試練には打ち勝てぬだろう)
ゾライオスとて、試練に挑む者が試練に落ちる事など望んではいない。フォーゼリア同様、勇者と魔王の戦いを古の時代から傍観し、その変わらぬ結末に対して魔族を憐れみ魔族に肩入れする事にしたのだ。ましてや目の前の者達は初めて色欲の神の試練を突破し、初めてこの憎悪の神の試練に挑んで来た者達。
出来る事なら合格させてあげたい。そして合格した先に待つ勇者と魔王の戦いがどう変化するのか、はたまた何も変わらないのか、その結末を見届けたい。
しかし神である自分が試練に介入する事も、彼女に肩入れする事も許されない。試練だけは、必ず自分達の力で合格しなくてはならないのだ。
一歩ずつ、銀色の杖を握りしめて義理母へと近づくエルマー。その瞳に映るのは母の仇のみ。もうすぐ、もうすぐ母を殺したこの女を自分の手で殺す事が出来る。
「はぁはぁ………ようやく………」
義理母は動こうとはしない。それもその筈、目の前の女はゾライオスが創り出した幻。本物は今頃、エルマーの実家で悠々自適に暮らしている事だろう。
しかしエルマーには関係ない。これが幻だなどという考えすら浮かんで来ない。目の前の女は紛れもなく母の仇である義理母。幼い自分すら殺そうとした憎き害悪。殺さなければ、絶対に殺さなければならないのだ。
(終わりか………せめて、その身の内に巣食う憎悪を解き放つが良い。その後に汝の胸に去来するのは達成感か、はたまた絶望か)
どちらにしても、以前の彼女には二度と戻れない。それが、神から与えられし絶大な力を求めた代償。試練に合格出来なかった者が一生背負う事になる、どこまでも深い業。
「お母さん………見ててね………ッ!!」
エルマーが大きく杖を振り上げた。そして、その杖を思い切り振り下ろすーーーーー
ーー直前で、唇に柔らかいものが触れた。
「…………………」
憎悪に捕われて、殺意一色に染まっていたエルマーの瞳に光が戻る。
「ん……………」
エルマーの目の前に、綺麗な顔があった。
「…………ん?」
その顔は、エルマーのよく知る顔。幼い頃からずっと一緒に居て、十歳の頃から一緒の家で暮らした少女。
「んん…………」
その少女は瞳を閉じていた。そしてその唇を……………エルマーの唇に押し当てている。
「ッッ!!!!??」
その状況を理解し、エルマーの顔が一瞬で真っ赤に染まる。そして慌てて唇を離すと、物凄い勢いで後ろに後ずさった。
「なっ………なななななぁぁーーーっ!!?」
「あっ!エルマーちゃん気が付いた!?」
ミミリが顔を上げ、嬉しそうにエルマーを見るが、エルマーは顔を真っ赤に染めて動揺している。
「ミ、ミミミミミリ!?あんた何してーー」
「だって!ずっと呼んでるのにエルマーちゃん全然ミミリに気付いてくれないし!」
「だ、だからってあんた!い、いきなりこんな………」
キスされてしまった。自分にとっては初めてのキスを、あのミミリに。
「ごめんね。でもミミリはエルマーちゃんの事好きだから、別にチューするぐらいーー」
ピシッと固まるエルマー。聞き捨てならない単語がミミリの口から飛び出し、思わず狼狽えてしまう。
「す、すすす、好きって!……え?ミミリが?わ、わたしの事を……!?」
首を傾げるミミリ。今さら何を当たり前の事で驚いているのだと言わんばかりの表情を浮べる。
「好きに決まってるでしょ!」
そしてエルマーの元へと駆け寄り、その小さな身体をギュッと抱きしめた。
「ぁ…………」
「ねぇエルマーちゃん、もうやめよ?こんなの………ミミリの好きなエルマーちゃんじゃないよ……」
声に少しだけ涙の色が滲んでいて、エルマーは抱きしめられながら顔を上げてミミリを見た。
「ミミリの好きなエルマーちゃんは、どんなに怒っててもその中には優しさがあって、凄く温かかった。でも今のエルマーちゃんは怖くて……冷たくて………ミミリの知ってる大好きな優しいエルマーちゃんじゃないもの」
「ミミリ………」
「ミミリのお家はみんな仲良しだったから、正直エルマーちゃんの辛さを半分も分かってあげられないけど………でも、大事な人が苦しんでるならミミリだって助けてあげたいよぉ……」
エルマーの頬にポタッと温かい雫が落ちた。
それはミミリの涙。ミミリがエルマーの為に流した涙。その温かい涙が、エルマーの心に染み込んでゆく。
その温かい涙が、エルマーの全身を焦がしていた復讐の炎を消してゆく。
(お母さん……わたし………)
フッと、記憶の中の母が微笑んでくれた気がした。そして、エルマーの頭を優しく撫でてくれた気がしたのだ。
「ミミリ……苦しいから離してください」
「え?………あ、ご、ごめん………」
パッと腕を離すミミリ。そんなミミリの目を見つめながら、エルマーは銀杖をギュッと握りしめた。そしてーーーー
「これ、試練が終わるまでミミリが持っていてください」
杖を、ミミリに差し出した。
「え………?」
「今は……必要ありませんから。試練が終わったら返してください」
「エルマーちゃん!」
「や、約束ですよ?わたしが苦しい時はミミリが助けてください。その………こ、恋人としーーー」
「もちろんだよっ!大事な家族だもん!ミミリ頑張っちゃうんだから!」
再びピシッと固まるエルマー。どうやらエルマーの抱く『好き』とミミリの抱く『好き』は別の意味だったらしい。
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