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魔姫の章
104.帰還
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色欲の神の試練の遺跡入口でリティアとアルトの帰りを待つエルマーとミミリ。
そんな二人が見てる目の前で突然、石畳の床に魔法陣が現れた。魔法陣は淡い緑色の光を放ち、その光の中からは帰りを待ち望んだリティアとアルトの姿が突如として現れる。
「リティア!」
「リティアちゃん!アルト君!」
魔法陣で転移して来た二人に声を掛けるエルマーとミミリ。待っている間ずっと心配だったのだが、リティアの元気そうな顔を見てホッと胸を撫で下ろすエルマーとミミリ。
「ただいま二人とも。無事に試練合格出来たよ」
そう言ってはにかむリティアに、思わず抱きつくエルマーとミミリ。
「わっ!?」
「良かった………無事で良かった」
「うんうん!リティアちゃんなら大丈夫だと思ってたけど、やっぱり無事に帰って来ると安心しちゃう!」
「ふふ、ありがとう。でも試練はアルトさんのお陰で合格出来たの」
リティアの言葉を聞き、アルトを見るエルマーとミミリ。そんな二人の視線を受けて、アルトは首を横に振る。
「俺は何もしてないよ。そもそも未だに何で合格だったのか分からないし」
「え?そうなのそうなの?」
「そうなんですかリティア?」
「う、うん。でもわたしはアルトさんのお陰だって思う」
何やら事情をよく飲み込めないエルマーとミミリ。それもその筈、実際に試練を受けて合格した本人達にもよく分からないのだから。
「それにしても………物凄く魔力が上がってますねリティア………これが試練の力ですか」
「アルト君もすっごい強くなったの分かるよ!今なら魔狼なんてバシバシギューッだよ!」
バシバシギューッの意味がよく分からないアルトだったが、確かに今なら魔狼程度には苦戦しない気がした。それほどまでに飛躍的に強くなった実感が、自分にもあったのだ。
「それでね、二人に相談なんだけどーーー」
リティアは試練の間での事を二人に語る。アルトにこの先も協力して貰う事、次の憎悪の神の試練を受けようと思っている事、そしてフォーゼリアから杖を貰った事。その杖をエルマーに渡すリティア。
「これは………物凄い力を感じます。ほ、本当にわたしが貰ってもいいんですか?」
「うん。次の試練で必要になるってフォーゼリア様も仰ってたから」
何やら含みのある笑いだったが、きっと気のせいだとリティアは自分に言い聞かせる。こんなにも凄い力を与えてくれた色欲の神フォーゼリア。彼女は悪い神では無いと、自分の直感を信じる。そのフォーゼリアの試練でリティアは、望まぬうちにアルトに貞操を奪われていたかもしれなかった事などもう頭の中には無い。有るのはフォーゼリアに対して、そしてアルトに対しての信頼だ。
「分かりました、では遠慮なく頂きます」
「うん。その杖を使えば遠距離でも回復魔法を行使出来るって仰ってたけど」
「は?遠距離から!?」
リティアのその言葉に驚きを隠せないエルマー。一般的に回復魔法とは、直に触れていないと効果が無いものである。それを遠距離でなど、かなり反則的な杖だ。それが本当なら、遠くに居ながら仲間の傷を瞬時に癒せる。それは継戦力を飛躍的に上げられる事を意味するのだ。
「そうみたい。出来そう?」
「分かりません………試した事なんて無いですしーーーー」
ゴチンッ!!
何やら辺りに鈍い音が響く。
「うひょへッ!痛い痛い!」
見ると、ミミリが突然壁に額を打ち付けていた。ダラダラと血が流れている。
「なっ!?なななな何してるんですかミミリ!!」
「え?いやー、ほら、エルマーちゃんの遠距離回復の練習にと思って」
額からダラダラ血を流しながら、何故かニコニコしているミミリ。エルマーの顔から血の気が引いて行く。
「な、何考えてるんですかッ!!今すぐ回復魔法をーーーー」
慌ててミミリに近づこうとするエルマーだが、それをミミリが手で制す。
「待って待って!なんの為にわたしが怪我したと思ってるの!?ほらほら、そこから遠距離回復だよエルマーちゃん!」
「うっ!わ、分かりました」
確かに、これはミミリが痛い思いをして作ってくれた機会だ。戦いの最中にぶっつけ本番で試すよりは、こうして事前に練習しておいた方がいいに決まっている。そんなミミリの思いを受け取り、エルマーは杖に魔力を込める。
「行きますよ、治癒!」
エルマーの魔力が銀色の杖へと流れ、そして杖の先端から魔力が放出された。それは光の粒子となってミミリに降り注ぐ。するとーーーー
「お?およ?およよ!?」
ミミリの額の傷が塞がってゆく。血も完全に止まり、傷口も綺麗に無くなりエルマーはホッと胸を撫で下ろす。
「わぁ!ありがとうエルマーちゃーーー」
「もう、馬鹿ミミリ!あんな事して、顔に傷が残ったらどうするつもりですかっ!!」
ミミリが言い終わる前に、エルマーが険しい表情を浮かべてミミリを怒鳴りつける。
「へ?だってエルマーちゃんの回復魔法凄いの知ってるしーーー」
「わたしの魔法だって完璧じゃないんですよ!?もしも治らなかったらどうするんですか!」
「うぅ……そんなに怒らなくても………」
しょんぼりとするミミリ。そんなミミリをエルマーがそっと抱きしめる。とは言え、身長差があるので抱きついているようにしか見えないが。
「エルマーちゃん?」
「もう……こんな無茶は止めてください」
「う、うん。分かった、約束約束!」
そして何となく恥ずかしそうに笑い合う二人。そんな二人を見ながら、アルトが口を開く。
「仲いいね」
「ふふふ、昔からなんですよ~。本当の姉妹みたいでしょう?」
とは言ったものの、ミミリは昔から変わらないが、エルマーはもっと温厚で目つきの優しい少女だった筈だと、リティアは昔を思い出していた。
父が魔王になり、エルマー達と何年も離れて暮らしていたリティアだが、再び再会した時にはもうエルマーはあんな感じになっていた。
口調が厳しいのは昔からだったが、それに輪をかけて性格も厳しくなり、目つきも鋭くなっていた。
(成長してるんだし、みんな色々あるよね?)
と、無理やり自分を納得させるリティアだったが、実はそれは間違いだったのだと後に知る事になる。
「ところでリティア、先ほどの話ですと次の試練への道が出来上っているという話でしたけど」
一度話を戻すエルマー。それはリティアの説明の中にあった、次の憎悪の神の試練へ行く道の話。色欲の神フォーゼリアが、道を差し示そうと言いながら天井に向けて光を発していた。そして彼女曰く、遺跡の外に新しい道が出来上っているという話だったのだ。
「あ、そうそう。確認してみよっか?」
そしてアルトを含めた四人で遺跡の外に出る。出た所で周りを見渡すが、特に変わった様子は無い。正面の林道はリティア達が森の入口から通って来た林道で、周りは完全に森に覆われている。
それを確認し、一同は遺跡の後ろへと回ってみる。そこにはリティア達が乗って来た馬車が停めてあり、馬車を引く馬も元気そうだ。
「………………」
自分の馬が魔狼に食い殺された場面を思い出し、アルトはいたたまれない気持ちになった。そして、こんな所に馬を放っておいて大丈夫なのかと心配になる。もしもモンスターが現れたら、自分の馬同様モンスターに襲われてしまうのではないのかと。
それを伝えようとしたその時、ミミリが大きな声を上げる。
「ああ!見て見てあそこ、道が出来てるよ!」
それは前方。遺跡にしてみれば後方だが、森の一角が完全に林道になっていた。道は奥の方まで続いている。
「来た時はあんな所に道はありませんでした。つまりリティアの話は間違い無いみたいですね」
「あはは……もしかして少し疑ってた?」
そんな会話をしながら空を見上げると、既に空が茜色に染まっている。今からあの林道を進むのは非常に危険だと、四人は共通の考えを巡らせる。
「とりあえず、今日はここに泊まりましょう。遺跡の周りは結界が張ってあって安全ですから」
「………結界?」
アルトが疑問を口にする。すると、エルマーではなくミミリが元気良く答えた。
「そうみたいだよアルト君!結界が張ってあるからモンスターとかも中に入れないんだって~。だから馬車もお馬さんも安心!安全!」
なるほど、だからこんな所に馬車を置いているのかと合点が行くアルト。先ほどアルトが魔狼に襲われた場所は、惜しくもその結界の外だったらしい。もう少し遺跡の方まで逃げる事が出来ていれば、魔狼はアルトに襲いかかれなかったのだ。
「そういう事です。さて、では馬車から遺跡の中に色々運びましょう」
エルマーがそう言うと、リティアが少し頬を染めて少し言い難そうに口を開く。
「あ、あの、わたし着替えたいから、みんなは先に遺跡に戻っててくれる?」
「着替えですか?見たところ特に汚れてませんけど」
「し、試練の時に少し汗かいちゃって!だから、ね?」
リティアが必死な顔をする。皆は不思議そうな表情を浮かべながらも、特に断る理由も無いので一旦遺跡へと戻る。それを見届けたリティアは、顔を赤くしながら馬車の荷台へと乗り込むのだった。
そんな二人が見てる目の前で突然、石畳の床に魔法陣が現れた。魔法陣は淡い緑色の光を放ち、その光の中からは帰りを待ち望んだリティアとアルトの姿が突如として現れる。
「リティア!」
「リティアちゃん!アルト君!」
魔法陣で転移して来た二人に声を掛けるエルマーとミミリ。待っている間ずっと心配だったのだが、リティアの元気そうな顔を見てホッと胸を撫で下ろすエルマーとミミリ。
「ただいま二人とも。無事に試練合格出来たよ」
そう言ってはにかむリティアに、思わず抱きつくエルマーとミミリ。
「わっ!?」
「良かった………無事で良かった」
「うんうん!リティアちゃんなら大丈夫だと思ってたけど、やっぱり無事に帰って来ると安心しちゃう!」
「ふふ、ありがとう。でも試練はアルトさんのお陰で合格出来たの」
リティアの言葉を聞き、アルトを見るエルマーとミミリ。そんな二人の視線を受けて、アルトは首を横に振る。
「俺は何もしてないよ。そもそも未だに何で合格だったのか分からないし」
「え?そうなのそうなの?」
「そうなんですかリティア?」
「う、うん。でもわたしはアルトさんのお陰だって思う」
何やら事情をよく飲み込めないエルマーとミミリ。それもその筈、実際に試練を受けて合格した本人達にもよく分からないのだから。
「それにしても………物凄く魔力が上がってますねリティア………これが試練の力ですか」
「アルト君もすっごい強くなったの分かるよ!今なら魔狼なんてバシバシギューッだよ!」
バシバシギューッの意味がよく分からないアルトだったが、確かに今なら魔狼程度には苦戦しない気がした。それほどまでに飛躍的に強くなった実感が、自分にもあったのだ。
「それでね、二人に相談なんだけどーーー」
リティアは試練の間での事を二人に語る。アルトにこの先も協力して貰う事、次の憎悪の神の試練を受けようと思っている事、そしてフォーゼリアから杖を貰った事。その杖をエルマーに渡すリティア。
「これは………物凄い力を感じます。ほ、本当にわたしが貰ってもいいんですか?」
「うん。次の試練で必要になるってフォーゼリア様も仰ってたから」
何やら含みのある笑いだったが、きっと気のせいだとリティアは自分に言い聞かせる。こんなにも凄い力を与えてくれた色欲の神フォーゼリア。彼女は悪い神では無いと、自分の直感を信じる。そのフォーゼリアの試練でリティアは、望まぬうちにアルトに貞操を奪われていたかもしれなかった事などもう頭の中には無い。有るのはフォーゼリアに対して、そしてアルトに対しての信頼だ。
「分かりました、では遠慮なく頂きます」
「うん。その杖を使えば遠距離でも回復魔法を行使出来るって仰ってたけど」
「は?遠距離から!?」
リティアのその言葉に驚きを隠せないエルマー。一般的に回復魔法とは、直に触れていないと効果が無いものである。それを遠距離でなど、かなり反則的な杖だ。それが本当なら、遠くに居ながら仲間の傷を瞬時に癒せる。それは継戦力を飛躍的に上げられる事を意味するのだ。
「そうみたい。出来そう?」
「分かりません………試した事なんて無いですしーーーー」
ゴチンッ!!
何やら辺りに鈍い音が響く。
「うひょへッ!痛い痛い!」
見ると、ミミリが突然壁に額を打ち付けていた。ダラダラと血が流れている。
「なっ!?なななな何してるんですかミミリ!!」
「え?いやー、ほら、エルマーちゃんの遠距離回復の練習にと思って」
額からダラダラ血を流しながら、何故かニコニコしているミミリ。エルマーの顔から血の気が引いて行く。
「な、何考えてるんですかッ!!今すぐ回復魔法をーーーー」
慌ててミミリに近づこうとするエルマーだが、それをミミリが手で制す。
「待って待って!なんの為にわたしが怪我したと思ってるの!?ほらほら、そこから遠距離回復だよエルマーちゃん!」
「うっ!わ、分かりました」
確かに、これはミミリが痛い思いをして作ってくれた機会だ。戦いの最中にぶっつけ本番で試すよりは、こうして事前に練習しておいた方がいいに決まっている。そんなミミリの思いを受け取り、エルマーは杖に魔力を込める。
「行きますよ、治癒!」
エルマーの魔力が銀色の杖へと流れ、そして杖の先端から魔力が放出された。それは光の粒子となってミミリに降り注ぐ。するとーーーー
「お?およ?およよ!?」
ミミリの額の傷が塞がってゆく。血も完全に止まり、傷口も綺麗に無くなりエルマーはホッと胸を撫で下ろす。
「わぁ!ありがとうエルマーちゃーーー」
「もう、馬鹿ミミリ!あんな事して、顔に傷が残ったらどうするつもりですかっ!!」
ミミリが言い終わる前に、エルマーが険しい表情を浮かべてミミリを怒鳴りつける。
「へ?だってエルマーちゃんの回復魔法凄いの知ってるしーーー」
「わたしの魔法だって完璧じゃないんですよ!?もしも治らなかったらどうするんですか!」
「うぅ……そんなに怒らなくても………」
しょんぼりとするミミリ。そんなミミリをエルマーがそっと抱きしめる。とは言え、身長差があるので抱きついているようにしか見えないが。
「エルマーちゃん?」
「もう……こんな無茶は止めてください」
「う、うん。分かった、約束約束!」
そして何となく恥ずかしそうに笑い合う二人。そんな二人を見ながら、アルトが口を開く。
「仲いいね」
「ふふふ、昔からなんですよ~。本当の姉妹みたいでしょう?」
とは言ったものの、ミミリは昔から変わらないが、エルマーはもっと温厚で目つきの優しい少女だった筈だと、リティアは昔を思い出していた。
父が魔王になり、エルマー達と何年も離れて暮らしていたリティアだが、再び再会した時にはもうエルマーはあんな感じになっていた。
口調が厳しいのは昔からだったが、それに輪をかけて性格も厳しくなり、目つきも鋭くなっていた。
(成長してるんだし、みんな色々あるよね?)
と、無理やり自分を納得させるリティアだったが、実はそれは間違いだったのだと後に知る事になる。
「ところでリティア、先ほどの話ですと次の試練への道が出来上っているという話でしたけど」
一度話を戻すエルマー。それはリティアの説明の中にあった、次の憎悪の神の試練へ行く道の話。色欲の神フォーゼリアが、道を差し示そうと言いながら天井に向けて光を発していた。そして彼女曰く、遺跡の外に新しい道が出来上っているという話だったのだ。
「あ、そうそう。確認してみよっか?」
そしてアルトを含めた四人で遺跡の外に出る。出た所で周りを見渡すが、特に変わった様子は無い。正面の林道はリティア達が森の入口から通って来た林道で、周りは完全に森に覆われている。
それを確認し、一同は遺跡の後ろへと回ってみる。そこにはリティア達が乗って来た馬車が停めてあり、馬車を引く馬も元気そうだ。
「………………」
自分の馬が魔狼に食い殺された場面を思い出し、アルトはいたたまれない気持ちになった。そして、こんな所に馬を放っておいて大丈夫なのかと心配になる。もしもモンスターが現れたら、自分の馬同様モンスターに襲われてしまうのではないのかと。
それを伝えようとしたその時、ミミリが大きな声を上げる。
「ああ!見て見てあそこ、道が出来てるよ!」
それは前方。遺跡にしてみれば後方だが、森の一角が完全に林道になっていた。道は奥の方まで続いている。
「来た時はあんな所に道はありませんでした。つまりリティアの話は間違い無いみたいですね」
「あはは……もしかして少し疑ってた?」
そんな会話をしながら空を見上げると、既に空が茜色に染まっている。今からあの林道を進むのは非常に危険だと、四人は共通の考えを巡らせる。
「とりあえず、今日はここに泊まりましょう。遺跡の周りは結界が張ってあって安全ですから」
「………結界?」
アルトが疑問を口にする。すると、エルマーではなくミミリが元気良く答えた。
「そうみたいだよアルト君!結界が張ってあるからモンスターとかも中に入れないんだって~。だから馬車もお馬さんも安心!安全!」
なるほど、だからこんな所に馬車を置いているのかと合点が行くアルト。先ほどアルトが魔狼に襲われた場所は、惜しくもその結界の外だったらしい。もう少し遺跡の方まで逃げる事が出来ていれば、魔狼はアルトに襲いかかれなかったのだ。
「そういう事です。さて、では馬車から遺跡の中に色々運びましょう」
エルマーがそう言うと、リティアが少し頬を染めて少し言い難そうに口を開く。
「あ、あの、わたし着替えたいから、みんなは先に遺跡に戻っててくれる?」
「着替えですか?見たところ特に汚れてませんけど」
「し、試練の時に少し汗かいちゃって!だから、ね?」
リティアが必死な顔をする。皆は不思議そうな表情を浮かべながらも、特に断る理由も無いので一旦遺跡へと戻る。それを見届けたリティアは、顔を赤くしながら馬車の荷台へと乗り込むのだった。
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