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魔姫の章
91.最北のギルド
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とにかく誰も知らない、あまり人の居ない所へ行きたかった。
とにかく、王都から少しでも離れたかった。
僅か二日しか居なかった王都。しかしそのたった二日で、アルトの今までの人生そのものを揺るがすほどの辛い経験をした。
最愛の許嫁であるセリナに裏切られ、幼馴染で親友のビリーに裏切られ、好きだと告白してくれたノエルにさえも裏切られた。
もう、誰も信じられなかった。何も信じられなかった。だから王都を飛び出した。朝一番で乗り合いの馬車に乗り、王都を離れた。
あまり人の居ない場所へ行きたかった。でも、冒険者という職業を捨てる気にはなれなかった。それは子供の頃からの夢で、もうセリナと一緒に冒険者をするという夢は途絶えてしまったが、それでも冒険者だけは続けたかった。
「ふう…………やっと到着か」
乗り合い馬車を経由する事数回、そして日数にして王都を出た日から三週間。ようやく辿り着いたのは、王国北地区で最北の街ベルノット。冒険者ギルドのある最北の街であり、人口も少ない田舎街。まさにアルトにはうってつけだった。
王国は王都を中心に、主に南地区と西地区が栄えている。アルトが初めて訪れた東地区の街グレノール規模の街など、南地区や西地区には数多く存在する。そしてもちろんそれ以上に大きな街も幾つもある。
それに対して王国の東地区と北地区はあまり栄えていない。東地区は全体的に土地が痩せていたり、川が少ないので開拓も進まない。アルト達の故郷であるウルスス村の辺りは川も多く、土地もそれなりに肥沃な土地なのだが、王都から距離があり過ぎる。なので東地区はあまり栄えていないのだ。
「随分と小さな街だなぁ。俺にとってはこれぐらいの方がいいけど」
そして現在アルトが居る北地区は、東地区よりも更に悪い。
決して土地が痩せて居る訳ではないのだが、広大な森が随所に存在し、森の中は獣やモンスターであふれかえっている。
冒険者には嬉しい環境だが、一般人にモンスターの相手など出来る筈も無く、結果的に開拓は進まなかった。
更に、北には『魔族領』が存在する。基本的に魔族が魔族領から出て来る事などほとんど無いが、もしも遭遇してしまえばどうなるか分からない。人族にとって魔族とは、未だに未知の種族なのだ。
「さてと………とりあえず冒険者ギルドかな」
先に宿を取ろうかと思ったアルトだが、まだこの街に長居するかどうかは分からない。もちろんこの最北の街を目指して移動して来たのだが、仮に冒険者ギルドへ行って全く依頼が無いようだと冒険者としての生計が立てられない。その場合は他の街を探さなくてはならないので、先に冒険者ギルドの依頼状況を確かめる事にした。
「えっと、ここだよね。随分と小さいな」
それほど広い街ではないので冒険者ギルドはすぐに見つかった。しかしその冒険者ギルドは、グレノールや王都で見た冒険者ギルドよりもかなり小さな建物で、見たところ冒険者も出入りはしていない。
若干の不安を感じつつ扉を開けるアルト。恐る恐る中へ入ると、ホールには誰もおらず受付カウンターに眼鏡を掛けた受付嬢が座っているだけだった。受付嬢はアルトを見ると首を傾げる。見た事の無い青年が突然現れたので、状況が飲み込めないといった感じだ。
「ようこそ冒険者ギルドへ。当ギルドにどんなご用ですか?あ、何か依頼の発注でしょうか?」
どうやらアルトを一般人だと勘違いし、何か依頼を発注しに来たのだと思っているらしい。アルトはとりあえず受付嬢の前まで歩み寄り、話を聞いてみる事にした。
近づいて来たアルトの顔を改めて見て、受付嬢は頬を薄く染める。今までに見た事も無い様な綺麗な顔をした青年に、おそらく二十歳前後の受付嬢は不覚にもときめいてしまった。
(うわぁ……すごくカッコいい子。こんなカッコいい子、この街に居たかなぁ……?)
などと受付嬢が考えていると、アルトがおもむろに口を開く。
「あの、俺冒険者なんですけど」
「…………え?ぼ、冒険者………なんですか?」
「あ、はい。これプレートです」
何やら呆けている受付嬢に冒険者プレートを見せるアルト。そのプレートを見て、呆けていた受付嬢の表情が驚きへと変わる。
「ひゃ!?しかもDランク!?え、え?あの、失礼ですけど年齢は………」
「十五です。一ヶ月半ぐらい前に冒険者になりました。それで、この街の依頼なんーーーー」
「一ヶ月半前ぇ!?それでDランクなの!?え?え?どういう事!?」
「あ、グレノールって街のギルドマスターが直接このプレートをくれて。それより、この街の依頼についてーーーー」
「ギ、ギルドマスターから直接ですか!?凄いじゃないですか!凄く期待されている証拠てすよ!」
「ありがとうございます。ところでこの街の依頼状況をーーーー」
「うわぁ凄いなぁ!お兄さんカッコいいのに期待もされてて、私の彼もお兄さんみたいだったらなぁ」
「は、はぁ…………」
全く話が進まない。結局アルトと受付嬢のこのやり取りは、この後もしばらく続くのだった。
■■■
「ごめんなさい」
「あ、いえ、俺の方こそちゃんと伝えられなくて」
アルトがようやく訊きたい事を訊けたのは、それからしばらくしての事だった。こんなに口数の多い、人の話を聞かない女性と話をするのなど初めてだったアルトは、終始気圧されてしまって最後には完全に閉口していた。途中で我にかえった受付嬢が、額に汗を浮かべながらアルトに謝罪したのである。
「えっと………この街の依頼状況ですよね。正直に言うと、依頼はほとんどありません。人口の少ない街ですから」
「はぁ………そうなんですか」
唯一恐れていた事が現実となった。依頼が無いのではこの街で生計を立てられない。何処か他の街へ移動するしかない。
「あ、でも素材の買い取りはやってますので、他の冒険者の皆さんはモンスターや獣の素材を集めて生計を立ててますよ」
受付嬢の説明に、今後の身の振り方を考えていたアルトが顔を上げる。
「素材………モンスターの?」
「はい。この辺りの森には比較的弱いモンスターが現れるので、皆さんは大体その森を狩場にしてます」
モンスター。話には聞いていたが、実際に見た事は無い。その強さは種類によって異なり、中には獣よりも弱いモンスターも存在する。
「その森にはどんなモンスターが?」
「はい。昼間だと”粘液蜥蜴”や”豪腕熊”ですね。粘液蜥蜴は酸性の粘液で攻撃して来ますが、魔道士や弓士が居れば遠距離から楽に倒せます。豪腕熊は物凄い力で木もなぎ倒しますが、動きが遅いので遠距離攻撃ででダメージを与えて、最後は近距離攻撃で仕留めるのがセオリーです」
つまり、どちらのモンスターも遠距離攻撃の出来る者が必須と言う訳だ。
「他には何か居ますか?」
「他は夜ですね。”闇蝙蝠”というモンスターが居て、こちらは血を吸って来ます。動きが素早いので、やはり遠距離攻撃必須ですね」
つまり、どのモンスターもアルト一人では討伐が難しいと言う事だ。倒す為には遠距離攻撃の出来る者とパーティを組む必要があるが、残念ながら今日初めて訪れたこの街に、そんな知り合いなど居ない。そうなると自分から話し掛けてパーティに入れて貰うしかないがーーーー
「あと、皆さん大体朝から狩りに出かけて、帰って来るのは夕刻ですね。一応私の方から皆さんに紹介も出来ますけど、どうしますか?」
「うーん………」
出来れば今は誰かとパーティを組みたくない。王都で色々な事があり、誰かを信用する事に対して恐怖心が芽生えてしまった。また裏切られたらと思うと、誰かと行動を共にしたい気持ちになどならない。
やはり無理だ。誰かとパーティを組むのは嫌だし、でもそれだとモンスターの討伐は出来ない。仕方無いので他の街を探すしかない、そう結論づけた時、受付嬢が口を開いた。
「原始の森に行けば………一人でも討伐出来るモンスターが居るかもですけど」
「………原始の森?」
「はい。実は冒険者の中でも知る人ぞ知る狩場で、他の街からわざわざ原始の森に狩りに来る冒険者の方も居ます。中には剣士だけのパーティも居るので、アルトさん一人でも何とかなるかもしれませんが、一つだけ問題が」
「教えてください。どんな問題ですか?」
アルトが真剣な表情を浮かべる。それを見た受付嬢は再び頬を薄く染め、ゴホンッと咳を一つして語り始めた。
「実は原始の森を寝床にしている”魔狼”というモンスターが居まして、普段は二、三匹で行動しているのですが、今はちょうど繁殖期で群れで行動している事が多いんです。もしも魔狼の群れに遭遇すると………正直アルトさんお一人では…………」
「その魔狼にさえ気を付ければ、他に厄介なモンスターは居ないと?」
「はい。とは言っても原始の森は広大で、そのほとんどが未踏なんですが『謎の遺跡』までは強いモンスターが居ないのは確認済みです」
「謎の遺跡?」
またもや聞いた事の無い名前が受付嬢の口から飛び出す。
「その名の通り、全てが謎に包まれた遺跡です。いつ頃建てられたのか、何の目的で建てられたのか。中へ入るとすぐに大きな扉があるのですが、その扉はどうやっても開かないみたいです。鍵穴も無いらしくて」
「なるほど…………」
受付嬢の話を聞きながら、アルトは密かに決心していた。
原始の森へ行ってみよう。もしかしたら、上手くモンスターを狩って素材を入手出来るかもしれない。そうすれば、この街で冒険者を続ける事が出来る。
受付嬢に礼を述べ、ギルドを後にするアルト。そんなアルトの後ろ姿を、受付嬢が心配そうに眺めていたーーーー
とにかく、王都から少しでも離れたかった。
僅か二日しか居なかった王都。しかしそのたった二日で、アルトの今までの人生そのものを揺るがすほどの辛い経験をした。
最愛の許嫁であるセリナに裏切られ、幼馴染で親友のビリーに裏切られ、好きだと告白してくれたノエルにさえも裏切られた。
もう、誰も信じられなかった。何も信じられなかった。だから王都を飛び出した。朝一番で乗り合いの馬車に乗り、王都を離れた。
あまり人の居ない場所へ行きたかった。でも、冒険者という職業を捨てる気にはなれなかった。それは子供の頃からの夢で、もうセリナと一緒に冒険者をするという夢は途絶えてしまったが、それでも冒険者だけは続けたかった。
「ふう…………やっと到着か」
乗り合い馬車を経由する事数回、そして日数にして王都を出た日から三週間。ようやく辿り着いたのは、王国北地区で最北の街ベルノット。冒険者ギルドのある最北の街であり、人口も少ない田舎街。まさにアルトにはうってつけだった。
王国は王都を中心に、主に南地区と西地区が栄えている。アルトが初めて訪れた東地区の街グレノール規模の街など、南地区や西地区には数多く存在する。そしてもちろんそれ以上に大きな街も幾つもある。
それに対して王国の東地区と北地区はあまり栄えていない。東地区は全体的に土地が痩せていたり、川が少ないので開拓も進まない。アルト達の故郷であるウルスス村の辺りは川も多く、土地もそれなりに肥沃な土地なのだが、王都から距離があり過ぎる。なので東地区はあまり栄えていないのだ。
「随分と小さな街だなぁ。俺にとってはこれぐらいの方がいいけど」
そして現在アルトが居る北地区は、東地区よりも更に悪い。
決して土地が痩せて居る訳ではないのだが、広大な森が随所に存在し、森の中は獣やモンスターであふれかえっている。
冒険者には嬉しい環境だが、一般人にモンスターの相手など出来る筈も無く、結果的に開拓は進まなかった。
更に、北には『魔族領』が存在する。基本的に魔族が魔族領から出て来る事などほとんど無いが、もしも遭遇してしまえばどうなるか分からない。人族にとって魔族とは、未だに未知の種族なのだ。
「さてと………とりあえず冒険者ギルドかな」
先に宿を取ろうかと思ったアルトだが、まだこの街に長居するかどうかは分からない。もちろんこの最北の街を目指して移動して来たのだが、仮に冒険者ギルドへ行って全く依頼が無いようだと冒険者としての生計が立てられない。その場合は他の街を探さなくてはならないので、先に冒険者ギルドの依頼状況を確かめる事にした。
「えっと、ここだよね。随分と小さいな」
それほど広い街ではないので冒険者ギルドはすぐに見つかった。しかしその冒険者ギルドは、グレノールや王都で見た冒険者ギルドよりもかなり小さな建物で、見たところ冒険者も出入りはしていない。
若干の不安を感じつつ扉を開けるアルト。恐る恐る中へ入ると、ホールには誰もおらず受付カウンターに眼鏡を掛けた受付嬢が座っているだけだった。受付嬢はアルトを見ると首を傾げる。見た事の無い青年が突然現れたので、状況が飲み込めないといった感じだ。
「ようこそ冒険者ギルドへ。当ギルドにどんなご用ですか?あ、何か依頼の発注でしょうか?」
どうやらアルトを一般人だと勘違いし、何か依頼を発注しに来たのだと思っているらしい。アルトはとりあえず受付嬢の前まで歩み寄り、話を聞いてみる事にした。
近づいて来たアルトの顔を改めて見て、受付嬢は頬を薄く染める。今までに見た事も無い様な綺麗な顔をした青年に、おそらく二十歳前後の受付嬢は不覚にもときめいてしまった。
(うわぁ……すごくカッコいい子。こんなカッコいい子、この街に居たかなぁ……?)
などと受付嬢が考えていると、アルトがおもむろに口を開く。
「あの、俺冒険者なんですけど」
「…………え?ぼ、冒険者………なんですか?」
「あ、はい。これプレートです」
何やら呆けている受付嬢に冒険者プレートを見せるアルト。そのプレートを見て、呆けていた受付嬢の表情が驚きへと変わる。
「ひゃ!?しかもDランク!?え、え?あの、失礼ですけど年齢は………」
「十五です。一ヶ月半ぐらい前に冒険者になりました。それで、この街の依頼なんーーーー」
「一ヶ月半前ぇ!?それでDランクなの!?え?え?どういう事!?」
「あ、グレノールって街のギルドマスターが直接このプレートをくれて。それより、この街の依頼についてーーーー」
「ギ、ギルドマスターから直接ですか!?凄いじゃないですか!凄く期待されている証拠てすよ!」
「ありがとうございます。ところでこの街の依頼状況をーーーー」
「うわぁ凄いなぁ!お兄さんカッコいいのに期待もされてて、私の彼もお兄さんみたいだったらなぁ」
「は、はぁ…………」
全く話が進まない。結局アルトと受付嬢のこのやり取りは、この後もしばらく続くのだった。
■■■
「ごめんなさい」
「あ、いえ、俺の方こそちゃんと伝えられなくて」
アルトがようやく訊きたい事を訊けたのは、それからしばらくしての事だった。こんなに口数の多い、人の話を聞かない女性と話をするのなど初めてだったアルトは、終始気圧されてしまって最後には完全に閉口していた。途中で我にかえった受付嬢が、額に汗を浮かべながらアルトに謝罪したのである。
「えっと………この街の依頼状況ですよね。正直に言うと、依頼はほとんどありません。人口の少ない街ですから」
「はぁ………そうなんですか」
唯一恐れていた事が現実となった。依頼が無いのではこの街で生計を立てられない。何処か他の街へ移動するしかない。
「あ、でも素材の買い取りはやってますので、他の冒険者の皆さんはモンスターや獣の素材を集めて生計を立ててますよ」
受付嬢の説明に、今後の身の振り方を考えていたアルトが顔を上げる。
「素材………モンスターの?」
「はい。この辺りの森には比較的弱いモンスターが現れるので、皆さんは大体その森を狩場にしてます」
モンスター。話には聞いていたが、実際に見た事は無い。その強さは種類によって異なり、中には獣よりも弱いモンスターも存在する。
「その森にはどんなモンスターが?」
「はい。昼間だと”粘液蜥蜴”や”豪腕熊”ですね。粘液蜥蜴は酸性の粘液で攻撃して来ますが、魔道士や弓士が居れば遠距離から楽に倒せます。豪腕熊は物凄い力で木もなぎ倒しますが、動きが遅いので遠距離攻撃ででダメージを与えて、最後は近距離攻撃で仕留めるのがセオリーです」
つまり、どちらのモンスターも遠距離攻撃の出来る者が必須と言う訳だ。
「他には何か居ますか?」
「他は夜ですね。”闇蝙蝠”というモンスターが居て、こちらは血を吸って来ます。動きが素早いので、やはり遠距離攻撃必須ですね」
つまり、どのモンスターもアルト一人では討伐が難しいと言う事だ。倒す為には遠距離攻撃の出来る者とパーティを組む必要があるが、残念ながら今日初めて訪れたこの街に、そんな知り合いなど居ない。そうなると自分から話し掛けてパーティに入れて貰うしかないがーーーー
「あと、皆さん大体朝から狩りに出かけて、帰って来るのは夕刻ですね。一応私の方から皆さんに紹介も出来ますけど、どうしますか?」
「うーん………」
出来れば今は誰かとパーティを組みたくない。王都で色々な事があり、誰かを信用する事に対して恐怖心が芽生えてしまった。また裏切られたらと思うと、誰かと行動を共にしたい気持ちになどならない。
やはり無理だ。誰かとパーティを組むのは嫌だし、でもそれだとモンスターの討伐は出来ない。仕方無いので他の街を探すしかない、そう結論づけた時、受付嬢が口を開いた。
「原始の森に行けば………一人でも討伐出来るモンスターが居るかもですけど」
「………原始の森?」
「はい。実は冒険者の中でも知る人ぞ知る狩場で、他の街からわざわざ原始の森に狩りに来る冒険者の方も居ます。中には剣士だけのパーティも居るので、アルトさん一人でも何とかなるかもしれませんが、一つだけ問題が」
「教えてください。どんな問題ですか?」
アルトが真剣な表情を浮かべる。それを見た受付嬢は再び頬を薄く染め、ゴホンッと咳を一つして語り始めた。
「実は原始の森を寝床にしている”魔狼”というモンスターが居まして、普段は二、三匹で行動しているのですが、今はちょうど繁殖期で群れで行動している事が多いんです。もしも魔狼の群れに遭遇すると………正直アルトさんお一人では…………」
「その魔狼にさえ気を付ければ、他に厄介なモンスターは居ないと?」
「はい。とは言っても原始の森は広大で、そのほとんどが未踏なんですが『謎の遺跡』までは強いモンスターが居ないのは確認済みです」
「謎の遺跡?」
またもや聞いた事の無い名前が受付嬢の口から飛び出す。
「その名の通り、全てが謎に包まれた遺跡です。いつ頃建てられたのか、何の目的で建てられたのか。中へ入るとすぐに大きな扉があるのですが、その扉はどうやっても開かないみたいです。鍵穴も無いらしくて」
「なるほど…………」
受付嬢の話を聞きながら、アルトは密かに決心していた。
原始の森へ行ってみよう。もしかしたら、上手くモンスターを狩って素材を入手出来るかもしれない。そうすれば、この街で冒険者を続ける事が出来る。
受付嬢に礼を述べ、ギルドを後にするアルト。そんなアルトの後ろ姿を、受付嬢が心配そうに眺めていたーーーー
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