世界で一番美少女な許嫁が勇者に寝取られた新米剣士の受難な日々

綾瀬 猫

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聖女の章

75.寝取られ中編ー屈服ー※

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 アリオンの愛撫は大体いつも同じだ。


「んっ………あっ…………」


 首筋に舌を這わせ、そのまま鎖骨、肩へと降りて来て、手の中にすっぽりと収まる小ぶりな胸を揉みしだきながら、反対側の膨らみに舌を這わせ、やがて頂点の薄桃色の蕾を口に含む。


「あぁ………いやっ………」


 口の中でコロコロと舌で蕾を転がし、一度離してはチュッパチュッパと吸ったり離したりを繰り返す。


「んんっ!あっ………はうっ………」


 ひとしきり乳首への愛撫を楽しんだ後は、腹部から腰へと再び舌を這わせる。そして太ももまで降りて来た所で、その細い太ももを持ち上げる。


「今日も凄く濡れているねセリナ。君も随分と淫らになった」
「違っ………ああ………ッ!」


 太ももの間に顔を埋め、蜜で濡れそぼった性器ヴァギナに舌を這わせ、蜜を舐めとる。
 そしてそのまま陰核クリトリスを刺激し、大体いつもここで軽い絶頂を迎える。それがいつものアリオンの愛撫のパターンだった。


「うう………あっ……ふっ………」


 しかしこの日は違った。その舌はいつまでも小陰唇を往復し、蜜を舐めたり吸ったりしているだけ。なかなか秘豆へは伸びて来ない。いつもならソコばかり舐めて、強い刺激で無理やり絶頂イカされるのに、今日は全く舐めて来ない。


「んん………あ………ううっ」


 それはそれでもどかしい。もう少しで絶頂けるのに、なかなか強い刺激が来ない。弱い快感を与えられ、次第に絶頂きたいという気持ちが強くなる。
 フィリアとの毎日の性交で、身体はすっかり絶頂する悦びを知ってしまった。それはフィリアだけでは無く、あんなに嫌だったアリオン相手でも今は以前ほど嫌では無い。もちろん、しなくて済むなら夜伽などしたく無いのは今でも変わらないが。


 しばらく花弁への愛撫が続き、セリナが悶々としていると、ようやくアリオンの舌が桃色の突起へと伸びてくる。


「ああっ!!あんっ、あっ、んん……ッ!」


 突然強い快感がセリナに押し寄せる。そう、そのまま刺激してくれれば絶頂へと至れる。セリナは押し寄せる快感に身を委ねた。

 しかし、セリナが絶頂する前にアリオンは愛撫を止めてしまった。絶頂けなかったセリナの身体は虚無感を感じてしまう。


「はぁはぁ………うう…………」
「どうしたんだい?気持ち良く無かったかい?」


 思わず口から出そうになる否定の言葉。そんな事は無い。気持ち良かった。でも物足りない。
 そんな事、口が裂けても言える筈が無い。それではまるで、自分からアリオンを求めている様では無いか。


「は、早く………終わらせて欲しいだけです………」
「そうかい。では早速れようか」


 いつもなら嫌な筈の陰茎ペニスの挿入。しかし今は、早く挿れて欲しい。それでイク事が出来る筈だから。膣内を陰茎で擦られればーーーーー


 しかしアリオンはここでもセリナを焦らす。亀頭にセリナの愛液を塗りつけ、濡れた亀頭で陰核クリトリスを何度も擦る。


「ああっ……いやっ………ンンッ!!」


 気持ち悪い。そんなモノで大事な所を擦り付けないで。
 そんな事してないで、早く挿れて。早くイカせて。

 尚もクチュクチュと、亀頭で秘豆を擦り付けるアリオン。セリナの膣内から蜜が溢れ出す。


 気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い。


 でも気持ちいい。気持ちいいけど物足りない。


「ふふ、愛液が溢れ出ているよ。期待しているのかな?」
「そんな事………ああっ………あっ………だめ………」


 思わず腰が動いてしまうセリナ。ずっと焦らされて、イキたいのにイケなくて涙が浮かんで来る。

 こんな屈辱は無い。こんな、好きでも無い男に、いい様にコントロールされている。自分の淫らな部分がさらけ出されてしまう。


「腰が動いているよセリナ。ほら、どうして欲しいんだい?」
「うう…………」


 言えない。そんな事、言える筈が無い。そんな屈辱的な言葉など、絶対に言わない。


「ほら、何なら今日はずっとこうしていようか?たまには悪く無いかもね」


 こんな状態がずっと続くーーーー、こんな悶々とした状態が続けば、頭がおかしくなる。身体がどうにかなってしまう。
 現に今も、身体の芯が信じられない程に熱い。もっと快感が欲しくて堪らない。早くイキたくて堪らない。


「お願いします………早く………」
「何かな?何を早く?」
「いやっ………もう、だめなの………だから………」


 懇願する様な目でアリオンを見つめるセリナ。アリオンは口角を上げるが、セリナに挿れようとはしない。


「恥ずかしがらずにはっきり言ってごらん?ほら、大きな声で!」
「い、挿れてください………!もっと気持ち良くしてください!」


 その瞬間、アリオンの陰茎ペニスがセリナの膣内へと侵入して来る。


「ああああっ!!あっ!んんあぁぁ!」


 激しく抽挿を繰り返すアリオン。焦らされて溢れたセリナの愛液が、アリオンの男根に絡み付きジュプジュプと水音を上げる。
 散々焦らされたセリナの身体は、いつもよりも早い速度で昇りつめて行くが、絶頂する前にアリオンが腰の動きを止める。


「ああっ……はあっ……はぁはぁ………うう……」


 またしてもイケなかったセリナ。恨めしそうにアリオンを見る。


「ははは、ごめんごめん。じゃあもう一度」


 そう言って、今度はゆっくりと抽挿を開始する。いつもなら腰を動かしながら胸に手を伸ばして来るアリオンだが、今日はそうしない。ゆっくりと、焦らす様に抽挿を繰り返す。


「あっ……ああ………っ……あん………」


 もう少し、もう少しで絶頂へと至れそうなのだが、少しだけ快感が足りない。もっと早く腰を動かして欲しい。いつものように激しく突いて欲しい。次第にそんな思考で染まっていくセリナ。


「うう……も、もっと……ああっ……」
「ふふ、もっと気持ち良くなりたいのなら、自分で胸でも弄ってみたらどうだい?」


 そんな恥ずかしい真似、出来る筈など無い。相手がフィリアならまだしも、アリオンにそんな姿を見られるなんて絶対に出来ない。

 ーー頭ではそう考えていた筈なのに、気付いた時には自分で自分の乳首を刺激していた。


「ああっ!はう………ッ!!ンンッ!」


 一心不乱に自分の乳首を刺激するセリナ。しかしそこで、再びアリオンが腰の動きを止めてしまった。
 

「いやっ………と、止めないで………もう少しなのに………」


 もう少しで絶頂けるのに、何故こんなに焦らすのか。
 嫌々と首を振るセリナ。焦らされ過ぎて、もう頭が変になりそうだった。


「もう少し素直になろうか。そうしたらイかせてあげるよ」


 そう言いながら再び抽挿を開始するアリオン。既にセリナの息はかなり荒い。


「気持ちいいかい?素直に言ってごらん」
「はぁはぁ………」


 返事をしないセリナ。そんな事言えないと、懇願するようにアリオンを見つめる。


「やはりもう止めるかい?そろそろ君も苦しそうだけど」
「はぁはぁ………うう……き、気持ち………いいです………」
「良く言えたね。ほらご褒美だ」


 セリナの言葉を聞き、激しく腰を振るアリオン。セリナの身体に大きな快感が押し寄せて来る。


「ああああっ!!い、いやっ………!だ、だめぇぇーーーーッ!!」
「駄目ならやめるかい?」


 ブンブンと首を横に振るセリナ。ここでやめられたら、本当におかしくなってしまう。


「ああ………ッ!き、気持ちいいです!はう………ッ!!」
「はぁはぁ……僕もだよセリナ。ほら、最後はどうして欲しい?ちゃんと聞かせて」
「あっ、ンンッ!イ………イキたいです………イかせて………ああっ……」


 口角を釣り上げるアリオン。ようやく、自分に絶頂を求める様になった。


「良く言えたね!じゃあ一緒にイこう!はぁはぁはぁはぁ!」
「ああっだめ!だめだめだめ!イ、イクイクッ!!」


 ようやく絶頂が見え始め、セリナの身体が悦び始める。膣内からは白濁した愛液が溢れ出し、膣壁全体でアリオンの陰茎を締め付ける。


「うっ!イクよセリナ!一緒にイクよ!」
「イクッ!ああああっイッちゃうイッちゃう!あああぁぁぁーーーーッ!!」


 ビクンビクンッと、大きく身体が跳ね上がるセリナ。何度も直前で焦らされ、ようやく絶頂へと至れた悦びに身体が包まれる。
 あんなに嫌だったアリオンとの行為で、初めて心から気持ちいいと屈服してしまった。自分から求めてしまった。





 ーーアルトが見ていた事など知る由もなく。




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