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玄冬
げんとう13
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「うわー、三角関係か。青春だ、それも」
「その青春は体験したくなかったけど」
「で、明日もそのお友達と会うから気まずいとな。ふむふむ」
「魔法でなんとかなりませんか、首席さん」
冗談混じりに、助けを求めてみる。
「無理に決まってるでしょ。首席だからって何でもできません。自分で何とかしなさい」
案の定怒られてしまった。
「サボっちゃえば? そんな日もあるさ」
「でも後日人にノート見せてもらうの面倒じゃん。その友達に見せてもらうのも難しいだろうし」
「そこは開き直ろう。大丈夫。ちょっとサボっても死なない」
自身たっぷりに言うアリシャを見ていると、なんとかなる気がしてきた。
「とりあえず、明日はそうするわ」
「うむうむ」
「大学で会ったら、話しかけていい?」
「うん、いいよ。もし、もうイセカイトビラに来ないんだったら、連絡先も交換しちゃうけど」
思ってもみない言葉に、俺は驚きを隠せない。
「行ったらお財布が致命傷受けるから、多分行かない」
「そう言うと思った。出る前はまた来るって言ってたのに、全然顔出さないから。もしかして会計の時に泣いてしまったかなって」
「よく知ってるじゃん」
「他のコンカフェに比べて、値段設定高めなんだ、あそこ」
笑い合いながら、俺達は連絡先を交換した。
気が楽になった俺は、コンビニでゲームを購入するためのギフトカードと肉まんを買い、熱々の肉まんを頬張りながらアパートへ戻った。
次の日、バイト先に休むと連絡を入れ、ずっと欲しかったゲームを購入すると、それをプレイして過ごした。
その次の日は、講義はあったが、蒼依は受講していない。
他の友人と受講し、終了後にバイトをし、家に帰る。帰ったらゲームをする。
そんな日々を、何回も何回も繰り返した。
思ったより、何事もなかったように過ごすことが出来ていた。
青春活動開始前の、青春から遠い日々に近いが、この日々に不満がある訳でもない。
この日々には、この日々の楽しさがある。
これはこれで、いいのかもしれない。
最初は一生体験できないまま死んでしまうと考えていたのだから、一度でも青春を味わえて良かったのかもしれない。
メッセージアプリの通知が鳴る。
『話したいことがある』
蒼依からのメッセージだった。
『それは、直接会った方がいい?』
ゲームを一時停止し、メッセージを返した。
『出来れば。いつも寮でバドミントンやってた場所に来て欲しい』
『今から支度して行く』
そう返信すると、俺は簡単に出かける支度をし、寮へと向かった。
顔を合わせた時、どんな顔をすればいいか考えながら。
「その青春は体験したくなかったけど」
「で、明日もそのお友達と会うから気まずいとな。ふむふむ」
「魔法でなんとかなりませんか、首席さん」
冗談混じりに、助けを求めてみる。
「無理に決まってるでしょ。首席だからって何でもできません。自分で何とかしなさい」
案の定怒られてしまった。
「サボっちゃえば? そんな日もあるさ」
「でも後日人にノート見せてもらうの面倒じゃん。その友達に見せてもらうのも難しいだろうし」
「そこは開き直ろう。大丈夫。ちょっとサボっても死なない」
自身たっぷりに言うアリシャを見ていると、なんとかなる気がしてきた。
「とりあえず、明日はそうするわ」
「うむうむ」
「大学で会ったら、話しかけていい?」
「うん、いいよ。もし、もうイセカイトビラに来ないんだったら、連絡先も交換しちゃうけど」
思ってもみない言葉に、俺は驚きを隠せない。
「行ったらお財布が致命傷受けるから、多分行かない」
「そう言うと思った。出る前はまた来るって言ってたのに、全然顔出さないから。もしかして会計の時に泣いてしまったかなって」
「よく知ってるじゃん」
「他のコンカフェに比べて、値段設定高めなんだ、あそこ」
笑い合いながら、俺達は連絡先を交換した。
気が楽になった俺は、コンビニでゲームを購入するためのギフトカードと肉まんを買い、熱々の肉まんを頬張りながらアパートへ戻った。
次の日、バイト先に休むと連絡を入れ、ずっと欲しかったゲームを購入すると、それをプレイして過ごした。
その次の日は、講義はあったが、蒼依は受講していない。
他の友人と受講し、終了後にバイトをし、家に帰る。帰ったらゲームをする。
そんな日々を、何回も何回も繰り返した。
思ったより、何事もなかったように過ごすことが出来ていた。
青春活動開始前の、青春から遠い日々に近いが、この日々に不満がある訳でもない。
この日々には、この日々の楽しさがある。
これはこれで、いいのかもしれない。
最初は一生体験できないまま死んでしまうと考えていたのだから、一度でも青春を味わえて良かったのかもしれない。
メッセージアプリの通知が鳴る。
『話したいことがある』
蒼依からのメッセージだった。
『それは、直接会った方がいい?』
ゲームを一時停止し、メッセージを返した。
『出来れば。いつも寮でバドミントンやってた場所に来て欲しい』
『今から支度して行く』
そう返信すると、俺は簡単に出かける支度をし、寮へと向かった。
顔を合わせた時、どんな顔をすればいいか考えながら。
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