青春活動

獅子倉 八鹿

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玄冬

げんとう2

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『んー、あきは、りょーさんが行くなら行こうかな』
 蒼依のチャットの数分後に、三宅さんからのチャットが来ている。
 少し朝早い時間ではあったが、みんな起きていたようだ。

『その日なら一日用事がないので大丈夫です。』
『やったー! 楽しみ!』

 相変わらず蒼依は絵文字や顔文字をつけてチャットを送ってくる。
 こいつは、三宅さんと対面してどんな話し方をするつもりなんだろう。
 絶対フォローしないからな。困るなら一人で困っていてくれ。

この後も、二人のやりとりが続いている。
『あきさんにお会いするの、初めてなので緊張します』
『私も、ドキドキするな』
『九遠さんはバイト先で見るので見慣れてるんですが』
『あはは、それはそう』

その投稿から続けて、蒼依が入力している。
『ていうかりょーさん、敬語じゃなくていいよ! 別に職場でもないし、堅苦しくなくて大丈夫。私もりょーちゃんって呼びたいな』
『分かりました。敬語が癖になってるんで、敬語ナシは多分難しいですが』
 三宅さんのコメントの最後に、人が両腕で丸マークを作っている絵文字が付いた。
 絵文字を付けるタイプとは思わなかった。人は見かけによらないとはこのことか。

『てか、言い出しっぺの九遠はまだ出てこないのかな~?』
『二度寝してそう』
 そこでチャットは終了している。
 三宅さんの予想は半分正解だ。

『二度寝しようとしたらチャットの通知がうるさくて起きた』
 俺からも敬語を使わず、チャットを打つ。
『おはようございます』
 三宅さんからは、太陽の絵文字付きの文章が届く。
『二度寝阻止できてあきは嬉しいよ。早起き大事』
 蒼依からは、心にも思ってなさそうな文章が届いた。
『りょーさん、挨拶ありがとう。あきは大学に行ったら背後に気をつけとくことを推奨する』
『うわー、こわーい』
 蒼依の心にも思っていなさそうな発言に笑いをこらえながら、次の文章を探していると、三宅さんからチャットが来た。

『では、私はそろそろHRが始まるので失礼します』
 そうだ。彼女は高校生。俺が呑気に二度寝しようとしている時にも、彼女はせっせと登校し、教室に入っていたのだ。
『そっか、もうそんな時間か。行ってらっしゃい』
『またねー』
 蒼依からのコメントが表示されたところでWINGを閉じ、スマホを枕元に置くと、再び瞼を閉じた。
今度は邪魔する通知も来ず、眠りにつくことができた。
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