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玄冬
げんとう1
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起きると、部屋が冷蔵庫になっていた。
昨晩は少し暑かったため、設定温度を普段より上げて冷房を付けたが、失敗だった。
夏の死神は俺の命を刈り取らないまま去っていったが、今度は冬の死神が俺の命を狙ってきているのかもしれない。
寒さに震えながら、エアコンを暖房に変え、布団の中から共有チャットに投稿した。
『お疲れ様です。来週の日曜日、昼から3人で集まれたらと思います。予定はどうですか?』
発端は、学食での、蒼依の一言だった。
「あきね、新メンバーに会いたいなっ」
カツ丼セットをかき込みながら突拍子なく行われた、蒼依による発言に、俺は口に入れていた学食のカレーを吹き出しそうになる。
「す、すまん。今度は飲み物を口に入れた時を狙うわ」
「ねら、うなっ」
むせながらも、怒りを込めながら伝える。
なかなか落ち着かず、蒼依が背中を撫でてくれた。
「で、りょーさんに会いたいと」
落ち着いてから確認すると、蒼依はしっかりと頷いた。
「会える距離にいるわけだしさ、会ってみたいんだよね。論破の女王かと思ってたけど、思ったより普通だし」
三宅さんが青春活動に参加しても、大きなトラブルはなかった。
ほとんど交流もなかったが、勉強中の写真や校庭と思われる場所での写真など、三宅さんの投稿する高校生らしい写真に、俺は青春を感じていた。
勢い余ってメンバーに入れることになったが、意外と良い方向に進んだかもしれない。
「そうだな……」
蒼依の考えには賛同するが、すぐに行動には移せない。
「一つ問題があってな」
「問題?」
「多分三宅さん、受験中」
「受験はもう少し先じゃないか? 今十一月だろ?」
怪訝そうな顔をしながら蒼依はスマホを開き、何か操作している。
「やっぱり。共通テストは年明けだよ。勉強中でも息抜きとして一日くらい来れるんじゃない?」
「いや、それがな、最近バイト先で会わないんだよ」
「それは偶然じゃないか?」
「シフト表見たけど、十一月は全く入ってないんだ」
「あー、なら、忙しいのか」
そう言い、二人とも黙り込む。
「まぁ、でもさ、言うだけ言ってみてくれない? 顔も知らない俺が言うより、リーダーで顔も本名も分かる奏汰が提案した方が参加しやすいだろうし」
「分かった」
そう話したのが、一昨日。
昨日の深夜、蒼依から連絡が来て思い出し、起床して送ったという訳だ。
二人とも、チャットの返信はない。
快適な気温になったところで、俺は再び瞼を閉じた。
今日は十一時からバイトがあり、その後三時半頃から講義がある。
しかし、今はまだ八時。アラームはセットしてあるし、まだ寝ても問題ない時間だ。
ピロン。
閉じたところで、通知音が鳴る。
後で確認すると決め、無視をすることにした。
ピロン。
ピロンピロン。
ピロン。
何度も何度も鳴る。
鳴るが、無視する。
ピロン。
ピロン、ピロン。
ピロンピロンピロン。
通知音が眠気を奪ってしまい、仕方なくスマホを確認する。
共有チャットの通知が何通も来ていた。
昨晩は少し暑かったため、設定温度を普段より上げて冷房を付けたが、失敗だった。
夏の死神は俺の命を刈り取らないまま去っていったが、今度は冬の死神が俺の命を狙ってきているのかもしれない。
寒さに震えながら、エアコンを暖房に変え、布団の中から共有チャットに投稿した。
『お疲れ様です。来週の日曜日、昼から3人で集まれたらと思います。予定はどうですか?』
発端は、学食での、蒼依の一言だった。
「あきね、新メンバーに会いたいなっ」
カツ丼セットをかき込みながら突拍子なく行われた、蒼依による発言に、俺は口に入れていた学食のカレーを吹き出しそうになる。
「す、すまん。今度は飲み物を口に入れた時を狙うわ」
「ねら、うなっ」
むせながらも、怒りを込めながら伝える。
なかなか落ち着かず、蒼依が背中を撫でてくれた。
「で、りょーさんに会いたいと」
落ち着いてから確認すると、蒼依はしっかりと頷いた。
「会える距離にいるわけだしさ、会ってみたいんだよね。論破の女王かと思ってたけど、思ったより普通だし」
三宅さんが青春活動に参加しても、大きなトラブルはなかった。
ほとんど交流もなかったが、勉強中の写真や校庭と思われる場所での写真など、三宅さんの投稿する高校生らしい写真に、俺は青春を感じていた。
勢い余ってメンバーに入れることになったが、意外と良い方向に進んだかもしれない。
「そうだな……」
蒼依の考えには賛同するが、すぐに行動には移せない。
「一つ問題があってな」
「問題?」
「多分三宅さん、受験中」
「受験はもう少し先じゃないか? 今十一月だろ?」
怪訝そうな顔をしながら蒼依はスマホを開き、何か操作している。
「やっぱり。共通テストは年明けだよ。勉強中でも息抜きとして一日くらい来れるんじゃない?」
「いや、それがな、最近バイト先で会わないんだよ」
「それは偶然じゃないか?」
「シフト表見たけど、十一月は全く入ってないんだ」
「あー、なら、忙しいのか」
そう言い、二人とも黙り込む。
「まぁ、でもさ、言うだけ言ってみてくれない? 顔も知らない俺が言うより、リーダーで顔も本名も分かる奏汰が提案した方が参加しやすいだろうし」
「分かった」
そう話したのが、一昨日。
昨日の深夜、蒼依から連絡が来て思い出し、起床して送ったという訳だ。
二人とも、チャットの返信はない。
快適な気温になったところで、俺は再び瞼を閉じた。
今日は十一時からバイトがあり、その後三時半頃から講義がある。
しかし、今はまだ八時。アラームはセットしてあるし、まだ寝ても問題ない時間だ。
ピロン。
閉じたところで、通知音が鳴る。
後で確認すると決め、無視をすることにした。
ピロン。
ピロンピロン。
ピロン。
何度も何度も鳴る。
鳴るが、無視する。
ピロン。
ピロン、ピロン。
ピロンピロンピロン。
通知音が眠気を奪ってしまい、仕方なくスマホを確認する。
共有チャットの通知が何通も来ていた。
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