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白秋
はくしゅう19
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行く方向も分からず離れてしまったが、先程蒼依を見かけた方に向かう。
広い公園ではないので、こちらに向かって歩いている姿がすぐ見つかった。
「お、見てよ力作。どんぐりハート」
ニコニコしながら近づき、スマホを操作するとこちらに向ける。
地面に並べられたどんぐりがハート型に並べられており、中にはハート型になるよう落ち葉が二枚、並べられている。
「おー、いいじゃん。ムキムキの男がせっせと並べたとは思えないな」
「俺の中身は女子だから。ところでさ」
冗談か本気か、最近は判別が付かない発言をしなが、蒼依はこちらに顔を近づける。
このタイミングでの話の切り出しと顔のにやけ具合から、内容を察するのは容易だった。
「さっき、女の子と話してたよな? 誰?」
やっぱりそうなるよな。
「同じバイトの高校生」
「高校生か。中学生かと思った」
「まぁ、背低いからな」
普段話す時、目線を下げていることを思い出した。
「あ、そうだ。その子も青春活動に参加します」
ちょうど良いタイミングだった。俺は他のメンバーに先程の話と、三宅さんがどのような性格なのかを伝える。
「うわ、なんか難ありな感じじゃん。最近流行りの論破系? めんど」
本人がこの場にいないことをいいことに、顔をしかめながら歯に衣着せぬ物言いをする。
「許せ」
「まぁ、リーダーの決定には従うね。だってあきは、ただのメンバーだし」
蒼依はそう言うと、俺の腹部に軽くパンチする。
「この一発で許してやるわよ」
「ありがとう」
俺はそう言いながら、蒼依に軽く蹴りを入れる。
次の日。
幸か不幸か、俺はバイトだった。
三宅さんに会うのは、少し気まずい。だからといって、バイトをサボるのも面倒だ。
講義が終わった後、気乗りはしなかったがバイト先に向かう。
パートさんは戻ってきたが、家の関係で以前より出勤日数はだいぶ減ったらしい。
穴埋めのために、新しくアルバイトが入る訳でもなく、比較的自由に出勤時間を決められるパートさんや正社員でなんとか回しているらしい。
その関係で、三宅さんと同じシフトになる日は減らなかった。
「おはようございます」
普段通り挨拶をしながら休憩室に入る。今日も三宅さんは、俺より先に到着してパンを食べている。
パンが口に入っていたらしく、三宅さんは顔だけこちらを向き、頭を下げた。
今は声をかけるタイミングではないと判断し、先に着替えることにした。
着替えて戻ると、三宅さんと目が合う。
「あの、青春活動のアカウント見ました」
「ありがとう。すぐ見つかった?」
「いくつか候補が出て、3つ目くらいに出てきました。オトナの青春部とかいう怪しいアカウントから、美酒鍋太郎とかいう名前のアカウントまで引っかかりましたけど」
「美酒鍋太郎……?」
WINGの検索機能の精度を疑った。オトナの青春部はまだ理解できるが、何をどうやったら、青春活動と検索して美酒鍋太郎が引っかかるんだ。
「いや、ホントに出たんだから仕方ないですよ。嘘ついてませんよ私」
「分かった。で、青春活動のアカウント見てどう思った?」
話を戻す。三宅さんは顔色を変えずに口を開く。
「まぁ、やってみます。参加してみます。あの時失礼なこと言っちゃったし」
「そうか。じゃあ、よろしく」
詳しく話をしようとした矢先、休憩室に店長が入ってきた。
別にやましい話をしている訳では無いが、気まずくなり話をやめた。
広い公園ではないので、こちらに向かって歩いている姿がすぐ見つかった。
「お、見てよ力作。どんぐりハート」
ニコニコしながら近づき、スマホを操作するとこちらに向ける。
地面に並べられたどんぐりがハート型に並べられており、中にはハート型になるよう落ち葉が二枚、並べられている。
「おー、いいじゃん。ムキムキの男がせっせと並べたとは思えないな」
「俺の中身は女子だから。ところでさ」
冗談か本気か、最近は判別が付かない発言をしなが、蒼依はこちらに顔を近づける。
このタイミングでの話の切り出しと顔のにやけ具合から、内容を察するのは容易だった。
「さっき、女の子と話してたよな? 誰?」
やっぱりそうなるよな。
「同じバイトの高校生」
「高校生か。中学生かと思った」
「まぁ、背低いからな」
普段話す時、目線を下げていることを思い出した。
「あ、そうだ。その子も青春活動に参加します」
ちょうど良いタイミングだった。俺は他のメンバーに先程の話と、三宅さんがどのような性格なのかを伝える。
「うわ、なんか難ありな感じじゃん。最近流行りの論破系? めんど」
本人がこの場にいないことをいいことに、顔をしかめながら歯に衣着せぬ物言いをする。
「許せ」
「まぁ、リーダーの決定には従うね。だってあきは、ただのメンバーだし」
蒼依はそう言うと、俺の腹部に軽くパンチする。
「この一発で許してやるわよ」
「ありがとう」
俺はそう言いながら、蒼依に軽く蹴りを入れる。
次の日。
幸か不幸か、俺はバイトだった。
三宅さんに会うのは、少し気まずい。だからといって、バイトをサボるのも面倒だ。
講義が終わった後、気乗りはしなかったがバイト先に向かう。
パートさんは戻ってきたが、家の関係で以前より出勤日数はだいぶ減ったらしい。
穴埋めのために、新しくアルバイトが入る訳でもなく、比較的自由に出勤時間を決められるパートさんや正社員でなんとか回しているらしい。
その関係で、三宅さんと同じシフトになる日は減らなかった。
「おはようございます」
普段通り挨拶をしながら休憩室に入る。今日も三宅さんは、俺より先に到着してパンを食べている。
パンが口に入っていたらしく、三宅さんは顔だけこちらを向き、頭を下げた。
今は声をかけるタイミングではないと判断し、先に着替えることにした。
着替えて戻ると、三宅さんと目が合う。
「あの、青春活動のアカウント見ました」
「ありがとう。すぐ見つかった?」
「いくつか候補が出て、3つ目くらいに出てきました。オトナの青春部とかいう怪しいアカウントから、美酒鍋太郎とかいう名前のアカウントまで引っかかりましたけど」
「美酒鍋太郎……?」
WINGの検索機能の精度を疑った。オトナの青春部はまだ理解できるが、何をどうやったら、青春活動と検索して美酒鍋太郎が引っかかるんだ。
「いや、ホントに出たんだから仕方ないですよ。嘘ついてませんよ私」
「分かった。で、青春活動のアカウント見てどう思った?」
話を戻す。三宅さんは顔色を変えずに口を開く。
「まぁ、やってみます。参加してみます。あの時失礼なこと言っちゃったし」
「そうか。じゃあ、よろしく」
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