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舞踏会への切符
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キャルロット領地で起きたウィリアムの崩御は他の領内でも僅かながら噂される様になっていた。
この頃、オルレアン公王室とキャピュレット家の両家はそれぞれ、慎重に不可解な事案の調査を始めていたのだった。
一方、リバース子爵に占拠されたウィリアムの屋敷では着々と内政の刷新が行われるのであった。
その内容とは、農民や商人等に今までになく法外な重税を課すというものであった。
そのために憲兵を増員し、厳しく取り締まるというものであった。
この方針に我慢の出来ない者が密かに謀反を計画していたのだった。
この時、エラは爵位喪失によってメイドとして従事させられるのであった。
今まで金髪の長い髪を緩く纏めていたエラの髪はしっかり束ねた後にアップし、帽子の中に髪を隠したような姿であった。
但し、この処遇はエラ自身にとってもまんざら都合の悪いものでも無かった。
外の情報ないし最悪は馬を走らせて憲兵を薙ぎ倒し、キャピュレット家の領地へ逃走・亡命するという選択も出来たからである。
仮に逃走・亡命を選択するとなれば、剣術を鍛えて来たエラにしかほぼ不可能な所業であった。
但し、エラはこれからの判断に迷っていた。
それは今は亡き側近、アルフレッドから託されたオルレアン公に宛てる手紙そのまま渡すべきかの判断であった。
事実認識としてはオルレアン公の伝令によって父、ウィリアムを含めた軍が消滅しており、オルレアン公王室に対しての疑義を持っていたのである。
無論、リバース子爵にも疑惑を持っていたが判断できる情報を持ち合わせてはいなかった。
エラが屋敷の仕事を従事する上で、給仕に仕える者を誰も把握出来てはいなかった。
派手な化粧を施し、派手な服を纏った姿であった元義母のルイーズ婦人。
彼女が振舞っていた行為は過去に仕えていた給仕を事実上の首にしていたのだった。
パンを焼くにしても小麦を水車で脱穀して粉砕した後に初めて一つの材料となる。
パン一つの為にミルクやビールなどを用意して更に手で捏ね、更にそこから薪を割って火を起こさねばならない。
エラはこの経験により、始めて今まで仕えて来た者に心から感謝するのだった。
ここからエラは給仕に仕えている者を次々と巻き込み、人望と求心力を得る事になる。
身分が消失していても、1か月も満たない僅かな期間でエラはここで慕われる様になっていた。
この間、抜かりなくエラは農村地帯の情報もしっかり耳にしていたのだった。
憲兵の服などを盗んで変装してはこっそり馬を走らせ、農村地帯に出向いた。
身分を持たないエラに「エラ様」または「お嬢様」と呼ばれ、歓迎された。
幸いな事に老齢で白い口髭を生やし、ガタイの良いジャン。
三角巾をしている少し体格の良い婦人、ステラ。
ぼさぼさの髪が酷くなったサスペンダー姿のジャック、それに真似たポールも健在だった。
「エラ様、また手伝ってくれるのかい?」
神妙な顔をしたステラは少し困惑していた様だった。
しかし、エラ本当の目的は手伝う事による対価で本当の周辺情報を得る事であった。
「気にしないで、ステラ。私は大丈夫よ。」
エラはこの様に返答し、笑顔で腕の力こぶを見せるのだった。
そしてこの時に不穏な情報提供はジャックとポールも協力したのだった。
「お嬢様がいねーと、ちょっと調子狂うわ。」
人差し指で鼻下を擦りながら少し照れたように言う、これがジャックの口癖だった。
この時、既に暴動の予兆は起きていたのだった。
「お嬢様、リバース子爵に対しての謀反計画が始まってる。」
ジャックが素直に言うとポールがこの言葉の後に続けた。
「結構、俺たちも我慢するのに限界なんだ。」
この話を聞いたエラは憲兵と戦っても無益な死が増える事をよく理解していた。
エラは少し強い口調ながら諭すよう、この様に答えるのだった。
「あなた達の気持ちは分かる。
でも今はもう少し我慢して欲しい。
私が必ずなんとかして見せる。」
この頃、時を同じくしてキャピュレット家のアンドレ侯爵子息はキャルロット領にひっそり潜り込む方法を模索していた。
キャルロット領内で何が起きているのか真相が不明であったからである。
何より、内心はエラの身柄を心配していた。
アンドレはキャルロット領に入る行商人と交渉し、行商人に変装して侵入する事に成功したのだった。
但し、アンドレは行商の経験が無いため、直ぐにバレるであろう事もアンドレ本人が自覚しているのであった。
ここで偶然にも農村地帯から戻ろうとするエラと鉢合わせする事になるのであった。
エラが馬を走らせていると、近くに怪しい行商人が見えてくる。
どうにも恰好がおかしい、何より布で顔を完全に隠している所が怪しかった。
憲兵に変装していたエラは敢えて、変装がバレない様に仕事をするフリを始めたのだった。
「おい、そこの行商人、顔を見せろ。」
エラは憲兵のフリをして詰問を始めた。
所が怪しい行商人は、今まで咳き込んでいないのにも関わらず、大げさに咳き込み始めたのであった。
「ちょっと具合が悪いので町に寄らせて頂きたい。」
大げさに咳き込みながら喋った声にエラは何か聞き覚えがあった。
「顔を見せてみよ。(少しでよい)」
最後は小声でひっそりと伝えたのだった。
少し顔を覗いて見たエラの顔は驚愕のあまり一変した。
「アンドレ!あんた何やってんのっ?!!!」
慌てたアンドレは即座にエラの口元を塞いで静かにする様、必死にジェスチャーしたのだった。
二人とも変装したグル、2人で行動すれば怪しさ100倍である。
ひとまず、人目につかない様に屋敷近くの森で合流する事を耳打ちするのであった。
「わかった、行ってよいぞ。」
こうしてエラは詰問がさも終わったかの様に振舞ったのだった。
暫くするとエラとアンドレの2人は合流を果たす事になる。
顔に巻き付けた布を解いたアンドレは、整った顔を見せて茶髪の髪をかき上げる。
合流を果たした先、2人の1声は同じだった。
「アンドレ、何で変装してんのよっ!」
「それは僕のセリフだっ!」
2人はにらめっこした状態になるとお互いにクスっと笑った。
そしてエラは今までの経緯、それから爵位を喪失した事をアンドレに話すのだった。
すると、アンドレは突拍子もなく、こんな話を始めるのだった。
「僕と結婚して欲しい。
結婚すれば君の爵位は保障される。」
アンドレの顔は相当に真剣だった。
所がエラの顔は少々不機嫌だった。
「今の話の流れから何で唐突にプロポーズが来るのよ!
タイミングがおかしいわ!」
エラがすねた様な顔をしていると、アンドレは真剣な顔で続けた。
「僕は既に婦人から50人婚約を迫られて50人断った。
君しかいない。」
「だから、何でいきなり私になるのよっ!」
エラの顔は不満で膨れていた。
「僕は13歳の時に君へ告白しようとした、だが君の方が強すぎてフラれてしまった。
君なら何があろうとも不慮の事故で僕が君を失って悲む事はない。
それに頭もいい。
せめて僕が負けた時の約束くらいは果たさせて欲しい。」
アンドレはこのような情熱的な言葉を並べると、エラに跪いてエラの片手を取るのだった。
エラは少しだけアンドレに誘惑されそうになっていた。
しかし、エラの答えは決まっていたのだった。
「アンドレ。私は今、貴方の気持ちに答える事は出来ない。
オルレアン公王室に手紙を渡さなければならないの。」
アンドレは少し沈黙するとエラに提案を始めた。
「1週間後、宮廷で舞踏会が開かれる。
君も参加するといい。名前は君の母上、アンヌ・ド・メルバンと申し伝えればバレないだろう。
招待状と衣装と馬車は僕が用意しよう。
これで良いかい?」
エラはこのアンドレの提案に感激したのだった。
「ありがとう、アンドレ。
貴方のその不器用も私は少しだけ好きよ。」
「エラ、よく頑張ったね。」
この様に語り掛けたアンドレはエラの頭を優しく撫でる。
エラは自らアンドレを抱きしめ、アンドレもエラを支える様に抱きしめるのだった。
この頃、オルレアン公王室とキャピュレット家の両家はそれぞれ、慎重に不可解な事案の調査を始めていたのだった。
一方、リバース子爵に占拠されたウィリアムの屋敷では着々と内政の刷新が行われるのであった。
その内容とは、農民や商人等に今までになく法外な重税を課すというものであった。
そのために憲兵を増員し、厳しく取り締まるというものであった。
この方針に我慢の出来ない者が密かに謀反を計画していたのだった。
この時、エラは爵位喪失によってメイドとして従事させられるのであった。
今まで金髪の長い髪を緩く纏めていたエラの髪はしっかり束ねた後にアップし、帽子の中に髪を隠したような姿であった。
但し、この処遇はエラ自身にとってもまんざら都合の悪いものでも無かった。
外の情報ないし最悪は馬を走らせて憲兵を薙ぎ倒し、キャピュレット家の領地へ逃走・亡命するという選択も出来たからである。
仮に逃走・亡命を選択するとなれば、剣術を鍛えて来たエラにしかほぼ不可能な所業であった。
但し、エラはこれからの判断に迷っていた。
それは今は亡き側近、アルフレッドから託されたオルレアン公に宛てる手紙そのまま渡すべきかの判断であった。
事実認識としてはオルレアン公の伝令によって父、ウィリアムを含めた軍が消滅しており、オルレアン公王室に対しての疑義を持っていたのである。
無論、リバース子爵にも疑惑を持っていたが判断できる情報を持ち合わせてはいなかった。
エラが屋敷の仕事を従事する上で、給仕に仕える者を誰も把握出来てはいなかった。
派手な化粧を施し、派手な服を纏った姿であった元義母のルイーズ婦人。
彼女が振舞っていた行為は過去に仕えていた給仕を事実上の首にしていたのだった。
パンを焼くにしても小麦を水車で脱穀して粉砕した後に初めて一つの材料となる。
パン一つの為にミルクやビールなどを用意して更に手で捏ね、更にそこから薪を割って火を起こさねばならない。
エラはこの経験により、始めて今まで仕えて来た者に心から感謝するのだった。
ここからエラは給仕に仕えている者を次々と巻き込み、人望と求心力を得る事になる。
身分が消失していても、1か月も満たない僅かな期間でエラはここで慕われる様になっていた。
この間、抜かりなくエラは農村地帯の情報もしっかり耳にしていたのだった。
憲兵の服などを盗んで変装してはこっそり馬を走らせ、農村地帯に出向いた。
身分を持たないエラに「エラ様」または「お嬢様」と呼ばれ、歓迎された。
幸いな事に老齢で白い口髭を生やし、ガタイの良いジャン。
三角巾をしている少し体格の良い婦人、ステラ。
ぼさぼさの髪が酷くなったサスペンダー姿のジャック、それに真似たポールも健在だった。
「エラ様、また手伝ってくれるのかい?」
神妙な顔をしたステラは少し困惑していた様だった。
しかし、エラ本当の目的は手伝う事による対価で本当の周辺情報を得る事であった。
「気にしないで、ステラ。私は大丈夫よ。」
エラはこの様に返答し、笑顔で腕の力こぶを見せるのだった。
そしてこの時に不穏な情報提供はジャックとポールも協力したのだった。
「お嬢様がいねーと、ちょっと調子狂うわ。」
人差し指で鼻下を擦りながら少し照れたように言う、これがジャックの口癖だった。
この時、既に暴動の予兆は起きていたのだった。
「お嬢様、リバース子爵に対しての謀反計画が始まってる。」
ジャックが素直に言うとポールがこの言葉の後に続けた。
「結構、俺たちも我慢するのに限界なんだ。」
この話を聞いたエラは憲兵と戦っても無益な死が増える事をよく理解していた。
エラは少し強い口調ながら諭すよう、この様に答えるのだった。
「あなた達の気持ちは分かる。
でも今はもう少し我慢して欲しい。
私が必ずなんとかして見せる。」
この頃、時を同じくしてキャピュレット家のアンドレ侯爵子息はキャルロット領にひっそり潜り込む方法を模索していた。
キャルロット領内で何が起きているのか真相が不明であったからである。
何より、内心はエラの身柄を心配していた。
アンドレはキャルロット領に入る行商人と交渉し、行商人に変装して侵入する事に成功したのだった。
但し、アンドレは行商の経験が無いため、直ぐにバレるであろう事もアンドレ本人が自覚しているのであった。
ここで偶然にも農村地帯から戻ろうとするエラと鉢合わせする事になるのであった。
エラが馬を走らせていると、近くに怪しい行商人が見えてくる。
どうにも恰好がおかしい、何より布で顔を完全に隠している所が怪しかった。
憲兵に変装していたエラは敢えて、変装がバレない様に仕事をするフリを始めたのだった。
「おい、そこの行商人、顔を見せろ。」
エラは憲兵のフリをして詰問を始めた。
所が怪しい行商人は、今まで咳き込んでいないのにも関わらず、大げさに咳き込み始めたのであった。
「ちょっと具合が悪いので町に寄らせて頂きたい。」
大げさに咳き込みながら喋った声にエラは何か聞き覚えがあった。
「顔を見せてみよ。(少しでよい)」
最後は小声でひっそりと伝えたのだった。
少し顔を覗いて見たエラの顔は驚愕のあまり一変した。
「アンドレ!あんた何やってんのっ?!!!」
慌てたアンドレは即座にエラの口元を塞いで静かにする様、必死にジェスチャーしたのだった。
二人とも変装したグル、2人で行動すれば怪しさ100倍である。
ひとまず、人目につかない様に屋敷近くの森で合流する事を耳打ちするのであった。
「わかった、行ってよいぞ。」
こうしてエラは詰問がさも終わったかの様に振舞ったのだった。
暫くするとエラとアンドレの2人は合流を果たす事になる。
顔に巻き付けた布を解いたアンドレは、整った顔を見せて茶髪の髪をかき上げる。
合流を果たした先、2人の1声は同じだった。
「アンドレ、何で変装してんのよっ!」
「それは僕のセリフだっ!」
2人はにらめっこした状態になるとお互いにクスっと笑った。
そしてエラは今までの経緯、それから爵位を喪失した事をアンドレに話すのだった。
すると、アンドレは突拍子もなく、こんな話を始めるのだった。
「僕と結婚して欲しい。
結婚すれば君の爵位は保障される。」
アンドレの顔は相当に真剣だった。
所がエラの顔は少々不機嫌だった。
「今の話の流れから何で唐突にプロポーズが来るのよ!
タイミングがおかしいわ!」
エラがすねた様な顔をしていると、アンドレは真剣な顔で続けた。
「僕は既に婦人から50人婚約を迫られて50人断った。
君しかいない。」
「だから、何でいきなり私になるのよっ!」
エラの顔は不満で膨れていた。
「僕は13歳の時に君へ告白しようとした、だが君の方が強すぎてフラれてしまった。
君なら何があろうとも不慮の事故で僕が君を失って悲む事はない。
それに頭もいい。
せめて僕が負けた時の約束くらいは果たさせて欲しい。」
アンドレはこのような情熱的な言葉を並べると、エラに跪いてエラの片手を取るのだった。
エラは少しだけアンドレに誘惑されそうになっていた。
しかし、エラの答えは決まっていたのだった。
「アンドレ。私は今、貴方の気持ちに答える事は出来ない。
オルレアン公王室に手紙を渡さなければならないの。」
アンドレは少し沈黙するとエラに提案を始めた。
「1週間後、宮廷で舞踏会が開かれる。
君も参加するといい。名前は君の母上、アンヌ・ド・メルバンと申し伝えればバレないだろう。
招待状と衣装と馬車は僕が用意しよう。
これで良いかい?」
エラはこのアンドレの提案に感激したのだった。
「ありがとう、アンドレ。
貴方のその不器用も私は少しだけ好きよ。」
「エラ、よく頑張ったね。」
この様に語り掛けたアンドレはエラの頭を優しく撫でる。
エラは自らアンドレを抱きしめ、アンドレもエラを支える様に抱きしめるのだった。
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