43 / 43
42話
しおりを挟むネコメイドが呼びに行ってる間、俺はポン太と。姫さんは旧知の間柄らしいファンナさんと。そして大臣と神官長は今度どうするかを話し合っていると。
「失礼します。お呼びされていた2名をお連れしました」
「失礼する」
「失礼します」
ネコメイドを先頭に、部屋に入ってきた2人の女の人。
1人は俺よりも少し年上っぽい、騎士の鎧を身に付け、胸を張って堂々と歩く凛々しい女性。
もう1人は俺と同い年くらいで、ツインテールで少し釣り目の、気が強そうなミニスカメイドさんだ。
「「あ」」
思わず声が出てしまった俺と、なぜか俺を見て驚いたような表情のミニスカメイドさん。
ちなみに俺が声を出してしまったのは、凛々しい女の人の方に見覚えがあったからだ。
この人、さっきの戦いの時に俺を助けてくれた女騎士だ。
「センドウバ イザヨイ。お呼びにより参上いたしました」
「あ、リリメス シャルローネ。参りました」
・・・なんだ? なんかミニスカメイドさんにじっと見られてるんだけど?。
あれ? そういえばこの子も何処かで見たことがあるような?。
なんて考えてると姫さんが2人の前に進み、女騎士とミニスカメイドさんは膝を付いた。
「えっと~、2人に~、お願いがあるの~」
「姫様の命とあらば、なんなりと」
「ここにいる人と一緒に~、天上世界の~、賢者さんのところまで~、行ってほしいの~」
姫さんが指し示す俺に2人の視線も移る。
「あ、ど、どうも」
あまり、というか全くと言っていいほど正面から女の人にじっと見られた経験がない俺は、つい目を逸らしながら変な挨拶を小さい声で言うという、あまりにも情けない反応をしてしまった。
・・・だ、だってしょうがないじゃないか! こういうのに慣れてないんだから!。
「承知しました」
「わかりました」
自分の情けない反応を自分で擁護してると、女騎士からもミニスカメイドさんからも特に異論は出ず、それが姫さんの命令なら従うまでと言った感じで承諾した。
綺麗な女騎士と、ミニスカメイドさんとの旅・・・。
これでヨコシマな考えを持つなと言う方が無理な相談だよな。
ついでにポン太も一緒だけど・・・どうしよう俺。ドキドキしちゃう!。
だって思春期(以下略)。
「では姫様」
「うん~。それじゃ~、後は~、お願いね~」
話しはこれで終わりとばかりに、姫さんを先頭に大臣と神官長も部屋を出て行こうとしたけど・・・。
部屋を出る直前、姫さんはドアの前でふと立ち止まり、
「かっこいいとこ~、見たかったな~・・・」
そう残念そうな呟きを残して部屋を出て行ったのだった。
・・・けど、かっこいいとこ見たかったって言われてもな・・・。
「マコト様」
「あ、なに?」
気を取り直してファンナさんに振り返ると、なぜか少し寂しそうな表情を浮かべていた。
0
お気に入りに追加
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
神様との賭けに勝ったので、スキルを沢山貰えた件。
猫丸
ファンタジー
ある日の放課後。突然足元に魔法陣が現れると、気付けば目の前には神を名乗る存在が居た。
そこで神は異世界に送るからスキルを1つ選べと言ってくる。
あれ?これもしかして頑張ったらもっと貰えるパターンでは?
そこで彼は思った――もっと欲しい!
欲をかいた少年は神様に賭けをしないかと提案した。
神様とゲームをすることになった悠斗はその結果――
※過去に投稿していたものを大きく加筆修正したものになります。
全校転移!異能で異世界を巡る!?
小説愛好家
ファンタジー
全校集会中に地震に襲われ、魔法陣が出現し、眩い光が体育館全体を呑み込み俺は気絶した。
目覚めるとそこは大聖堂みたいな場所。
周りを見渡すとほとんどの人がまだ気絶をしていてる。
取り敢えず異世界転移だと仮定してステータスを開こうと試みる。
「ステータスオープン」と唱えるとステータスが表示された。「『異能』?なにこれ?まぁいいか」
取り敢えず異世界に転移したってことで間違いなさそうだな、テンプレ通り行くなら魔王討伐やらなんやらでめんどくさそうだし早々にここを出たいけどまぁ成り行きでなんとかなるだろ。
そんな感じで異世界転移を果たした主人公が圧倒的力『異能』を使いながら世界を旅する物語。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
婚約破棄とか言って早々に私の荷物をまとめて実家に送りつけているけど、その中にあなたが明日国王に謁見する時に必要な書類も混じっているのですが
マリー
恋愛
寝食を忘れるほど研究にのめり込む婚約者に惹かれてかいがいしく食事の準備や仕事の手伝いをしていたのに、ある日帰ったら「母親みたいに世話を焼いてくるお前にはうんざりだ!荷物をまとめておいてやったから明日の朝一番で出て行け!」ですって?
まあ、癇癪を起こすのはいいですけれど(よくはない)あなたがまとめてうちの実家に郵送したっていうその荷物の中、送っちゃいけないもの入ってましたよ?
※またも小説の練習で書いてみました。よろしくお願いします。
※すみません、婚約破棄タグを使っていましたが、書いてるうちに内容にそぐわないことに気づいたのでちょっと変えました。果たして婚約破棄するのかしないのか?を楽しんでいただく話になりそうです。正当派の婚約破棄ものにはならないと思います。期待して読んでくださった方申し訳ございません。
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる