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35話
しおりを挟む「・・・俺さ、小さい頃からずっと、自分がいる世界とは別の世界があって、そこにはドキドキワクワクエロエロキュンキュンするようなことで溢れてるって思ってたんだ・・・」
「はあ」
突然の俺の話に、さすがのファンナさんも困惑してるっぽい。
まあでも聞いてくれ、俺の心の静かな叫びを・・・。
「でさ、ここがその別の世界なわけじゃん?」
「マコト様の憧れていた別の世界ですね」
「ところが蓋を開けてみると、そこは俺の思ってたのとは全ッッ然違う世界だったわけさ。いやわかってるよ? 俺が文句を言えるような筋合いはないって」
ファンナさんは俺が何を言いたいのかわからず不思議そうな顔だけど、それでも何も言わずに聞いてくれてる。
「・・・たださ、ずっと憧れて、夢にまで見た世界が、こうも違ってたら涙の一粒も出ちゃうんだよ・・・だって、男の子だもん・・・」
「え~と・・・。ごめんなさい。マコト様が何を悲しんでいるのか、私には良くわからないんですけど?」
「うん、いいんだ。この世界は何も悪くない。もちろんファンナさんも悪くない。この世界では俺の方がイレギュラー。悪いのは俺。ただ、ちょっと愚痴りたかっただけなのさ・・・」
「・・・つまり、この世界が大好きということですね?」
「なんでっ!? 何処をどう聞いたらそう思えたっ!?」
「大丈夫ですよ! 私も大好きですから!」
「話し通じてねえ!! とにかくこの世界で俺に出来ることは何もなさそうだし、早く元の世界に帰りたいって思ってんだよ! ファンナさんに迷惑かけっぱなしも悪いしな」
「私のことは気にしなくても良いんですが、そう簡単にいくかどうか・・・」
「何だよ? 姫さんが俺をこの世界に引っ張り込んだんだから、姫さんに頼めばすぐ帰れるはずだろ?」
「実は、そのことなんですが――」
「失礼します。姫様がお見えになられます」
俺より頭2つ分くらい小さい、メイド服を着た、上品そうな2足立ち白ネコがそう言いながら部屋に入って来た。
ネコメイドはドアの横に立ち頭を下げると、今度はカワウソの着ぐるみを着たブルドッグ(元々ブルドッグなんだから着ぐるみいらなくね?)と、ゾウの着ぐるみを着た70歳くらいの人間のじいさんが入って来た。
なんで着ぐるみ? って一瞬思ったけど、そういえば着ぐるみが正装なんだっけ。
「おおっ」
そして最後に、子供っぽい歩き方で金髪の縦ロールをひょこひょこ動かし、思わず声が出てしまうくらい、可愛いドレスに身を包んだ可愛い姫さんが姿を現した。
最初見た時も思ったけど、姫さんだけは普通に可愛い。見た感じ16~18だな。
おっぱいは残念ながら残念な感じだけど、それも何か可愛く思えてしまう。
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