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1章 妖怪警察見習いに……?!
12話 肝試しへレッツゴー!
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「おはよう、てっ……芦木場くん」
「おはよう、安芸」
教室に入ってすぐ、天満くんに出くわした。
あぶない、あぶない……
教室で天満くんって呼んでしまいそうになった。
宝来さんたちに聞かれたら、何言われるかわからないからね。
気をつけないと!
「安芸、今日なんだけど——」
「あっうん、わかってる……。ジンさんのことだよね」
天満くんがさっそく、今夜の任務のことを小声で話始めた。
カワヒラさんからジンさんの話を聞いてから、わたしたちはずっと気がかりだった。
妖怪たちは夜に行動する者が多いので、
日中は何もないのはいつものことだけど、
気になってしょうがない。
天満くんも今までこういう事がなかったと言っている。
「今夜もいつもの時間に校門に――」
「うん、わかった……!」
ジンさんのこともあるし、早く学校、終わらないかな……。
まだ、学校に来たばかりだけど。
「あら、おふたりで何をお話ししていたの?芦木場くん、ちょっといいかしら?」
振り返ると宝来さんと白鳥さんが立っていた。
いけない。またこの二人だ!わたしはさっさと退散させてもらおう。
「それじゃあ、お邪魔になるので、わたしはこれで。またね」
「じゃあまた、安芸。それで宝来、どうかしたの?」
「聞いてくれる芦木場くん――!」
わたしは天満くんと宝来さんたちが話しているのを横目見ながら、
その場をあとにした。
また、宝来さんたちにいろいろ聞かれると厄介だからね……!
逃げるが勝ちだね!
――昼休み。
「千晴~!!今、いい??」
「びっくりした!!どうしたの、咲」
うしろから元気よく、咲に抱き着かれた。
咲は抱き着いた状態でわたしの耳に向って小声でしゃべり始めた。
「実はね。今夜、学校で肝試ししようって話しててさ。
今、クラスの子たちに声かけてるんだ!
今のところ希望者が7人もいるんだよ!千晴もこない?」
「え!肝試し?!」
「声が大きいよ千晴!」
「あっ、ごめん」
前までのわたしならすぐ行くと返事をしていたけど、
今は妖怪警察の見習いの仕事もあるからな……。
なりより今夜はジンさんのことがある……。
すぐに参加すると返事はできないな……。
ちょっと、天満くんに相談したいな。
肝試しを学校でやるなら、
もしかすると妖怪警察の仕事中に皆に出くわしてしまうかもしれない。
それはなんとかさけないと……!
「咲、実は──」
「相変わらず、ふたりとも仲いいね」
言いよどんでいたら、
わたしが喋りだしたのにかぶせて天満くんが声をかけてきた。
ナイスタイミングだよ!天満くん……!
「あっ芦木場くん!いいところに!今、千晴に肝試し誘っていたところなんだ!
よかったら芦木場くんもいっしょに行かない?今夜の予定なんだけど」
咲が天満くんも肝試しに誘いはじめた……?!
天満くんは何て言うんだろう……?
任務こともあるし……断るのかな……。
それにこういう誘いにのる印象ないんだよね。
「肝試し?いいね。参加するよ」
「え?ほんと?やった!ありがとう!
それじゃよろしくね~!千晴も参加でいいんだよね?」
「うっうん。参加する」
「オーケイ!ふたりとも!頭数に入れたからね!
集合は正門前に午後8時集合ね!よろしく!絶対来てよね!
それじゃ他の子にも声掛けてくる~!」
咲は笑顔で手を振って、クラスの他の子を誘いに行った。
「天満くん……。ホントに参加でよかったの?今日の任務……。」
「肝試しは午後8時からだし、任務は肝試しが終わってからでも問題ないよ。
それにみんなが肝試しをしてる最中に何かあったらいけないしね。
黒坊主のこともあったし。」
「そうだね……。肝試し中も気をつけないと」
そのまま、肝試しが終わり次第、任務に取りかかることが決まった。
服は普段着だけど、まだ使えたことないけど……
妖怪を捕縛する用の札はしっかり持っておくように天満くんに言われた。
肝試し中、男女で別れたりして、天満くんと別行動な可能性があるからね……!
何かあった時用に使えなくても念の為持ってないと……!
何も無い事を切に願っているけど……!!
──午後8時
正門前には、肝試しを行うためクラスの子たちが集まっていた。
わたしと天満くんもあわせて総勢12人も集まっている!
そこには大西や大西と仲がいい男子数人。
さらには宝来さんと白鳥さんもいる。
きっとふたりには、天満くんも参加すると言って誘ったんだろうな……。
咲、いろんな人に声かけたんだね……。
この人数を集めるなんて、咲の人脈の良さがうかがえるね。
夜のこの時間に集まって、この人数で何かするってなんかドキドキするね。
「あれ?なんか、東校舎の方からこっちに大人みたいな人が向かってきてない??」
そろそろ、学校内入ろうとみんなで話していると、
大西が校舎の東館の方を指差して、みんなの会話を止めた。
あの服は!警備員さんだ!こちらに向かってきている!
警備員さんはわたしたちに気づき──
「──ん?こらぁぁ!!お前たち!!こんな時間に集まって何をしている!!
さっさと帰りなさい!帰らないと先生と親御さん達に連絡いれるぞ!!」
叫びながらこちらへ向かってくるのは、
この学校の警備員のおじさん、南沢さん。
南沢さんは普段はすごくやさしいおじさんなんだけど、
怒らせると相当こわいらしい……。実際、今もかなり怒っていてこわい!
「あっ!!やばい!南沢さんだ!この時間も警備しての?!
手に入れた情報と違うじゃん!みんな、ごめん!!今日はとりあえず解散!
捕まったらほんとに先生たちにばれちゃう!みんな、頑張って逃げ切ってね!!」
咲は集まっているみんなに大きい声で声をかけた!
そして、みんな一斉に走り出して逃げ去っていた──!
「おはよう、安芸」
教室に入ってすぐ、天満くんに出くわした。
あぶない、あぶない……
教室で天満くんって呼んでしまいそうになった。
宝来さんたちに聞かれたら、何言われるかわからないからね。
気をつけないと!
「安芸、今日なんだけど——」
「あっうん、わかってる……。ジンさんのことだよね」
天満くんがさっそく、今夜の任務のことを小声で話始めた。
カワヒラさんからジンさんの話を聞いてから、わたしたちはずっと気がかりだった。
妖怪たちは夜に行動する者が多いので、
日中は何もないのはいつものことだけど、
気になってしょうがない。
天満くんも今までこういう事がなかったと言っている。
「今夜もいつもの時間に校門に――」
「うん、わかった……!」
ジンさんのこともあるし、早く学校、終わらないかな……。
まだ、学校に来たばかりだけど。
「あら、おふたりで何をお話ししていたの?芦木場くん、ちょっといいかしら?」
振り返ると宝来さんと白鳥さんが立っていた。
いけない。またこの二人だ!わたしはさっさと退散させてもらおう。
「それじゃあ、お邪魔になるので、わたしはこれで。またね」
「じゃあまた、安芸。それで宝来、どうかしたの?」
「聞いてくれる芦木場くん――!」
わたしは天満くんと宝来さんたちが話しているのを横目見ながら、
その場をあとにした。
また、宝来さんたちにいろいろ聞かれると厄介だからね……!
逃げるが勝ちだね!
――昼休み。
「千晴~!!今、いい??」
「びっくりした!!どうしたの、咲」
うしろから元気よく、咲に抱き着かれた。
咲は抱き着いた状態でわたしの耳に向って小声でしゃべり始めた。
「実はね。今夜、学校で肝試ししようって話しててさ。
今、クラスの子たちに声かけてるんだ!
今のところ希望者が7人もいるんだよ!千晴もこない?」
「え!肝試し?!」
「声が大きいよ千晴!」
「あっ、ごめん」
前までのわたしならすぐ行くと返事をしていたけど、
今は妖怪警察の見習いの仕事もあるからな……。
なりより今夜はジンさんのことがある……。
すぐに参加すると返事はできないな……。
ちょっと、天満くんに相談したいな。
肝試しを学校でやるなら、
もしかすると妖怪警察の仕事中に皆に出くわしてしまうかもしれない。
それはなんとかさけないと……!
「咲、実は──」
「相変わらず、ふたりとも仲いいね」
言いよどんでいたら、
わたしが喋りだしたのにかぶせて天満くんが声をかけてきた。
ナイスタイミングだよ!天満くん……!
「あっ芦木場くん!いいところに!今、千晴に肝試し誘っていたところなんだ!
よかったら芦木場くんもいっしょに行かない?今夜の予定なんだけど」
咲が天満くんも肝試しに誘いはじめた……?!
天満くんは何て言うんだろう……?
任務こともあるし……断るのかな……。
それにこういう誘いにのる印象ないんだよね。
「肝試し?いいね。参加するよ」
「え?ほんと?やった!ありがとう!
それじゃよろしくね~!千晴も参加でいいんだよね?」
「うっうん。参加する」
「オーケイ!ふたりとも!頭数に入れたからね!
集合は正門前に午後8時集合ね!よろしく!絶対来てよね!
それじゃ他の子にも声掛けてくる~!」
咲は笑顔で手を振って、クラスの他の子を誘いに行った。
「天満くん……。ホントに参加でよかったの?今日の任務……。」
「肝試しは午後8時からだし、任務は肝試しが終わってからでも問題ないよ。
それにみんなが肝試しをしてる最中に何かあったらいけないしね。
黒坊主のこともあったし。」
「そうだね……。肝試し中も気をつけないと」
そのまま、肝試しが終わり次第、任務に取りかかることが決まった。
服は普段着だけど、まだ使えたことないけど……
妖怪を捕縛する用の札はしっかり持っておくように天満くんに言われた。
肝試し中、男女で別れたりして、天満くんと別行動な可能性があるからね……!
何かあった時用に使えなくても念の為持ってないと……!
何も無い事を切に願っているけど……!!
──午後8時
正門前には、肝試しを行うためクラスの子たちが集まっていた。
わたしと天満くんもあわせて総勢12人も集まっている!
そこには大西や大西と仲がいい男子数人。
さらには宝来さんと白鳥さんもいる。
きっとふたりには、天満くんも参加すると言って誘ったんだろうな……。
咲、いろんな人に声かけたんだね……。
この人数を集めるなんて、咲の人脈の良さがうかがえるね。
夜のこの時間に集まって、この人数で何かするってなんかドキドキするね。
「あれ?なんか、東校舎の方からこっちに大人みたいな人が向かってきてない??」
そろそろ、学校内入ろうとみんなで話していると、
大西が校舎の東館の方を指差して、みんなの会話を止めた。
あの服は!警備員さんだ!こちらに向かってきている!
警備員さんはわたしたちに気づき──
「──ん?こらぁぁ!!お前たち!!こんな時間に集まって何をしている!!
さっさと帰りなさい!帰らないと先生と親御さん達に連絡いれるぞ!!」
叫びながらこちらへ向かってくるのは、
この学校の警備員のおじさん、南沢さん。
南沢さんは普段はすごくやさしいおじさんなんだけど、
怒らせると相当こわいらしい……。実際、今もかなり怒っていてこわい!
「あっ!!やばい!南沢さんだ!この時間も警備しての?!
手に入れた情報と違うじゃん!みんな、ごめん!!今日はとりあえず解散!
捕まったらほんとに先生たちにばれちゃう!みんな、頑張って逃げ切ってね!!」
咲は集まっているみんなに大きい声で声をかけた!
そして、みんな一斉に走り出して逃げ去っていた──!
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