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1章 妖怪警察見習いに……?!
7話 花子さん登場!
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――午後11時。
わたしたちは「トイレの花子さん」が出ると言われている
西館4階の女子トイレ前にたどり着いた。
「そうだった……!ごめん一つ、言い忘れてたことがあった。
……花子さんの呼び方なんだけど」
と芦木場くんがわたしによってきて、耳打ちして教えてくれた。
ちっ近い!近いよ芦木場くん!なんかドキドキして聞いた内容が入ってこない!
でも、教えてくれたようにやらなくちゃ!
「よし!さっそくやってみて」
「うっうん。やってみるね!すーーはーーー。よし!」
わたしは深呼吸をして、気持ちを落ち着かせてから、
「ハナちゃ~ん!遊びましょ~!!!」
わたしは手前から4番目のトイレの個室に向かい、ノックを4回し、
芦木場くんに言われた通りに友達を呼ぶように、トイレに向かって叫んだ。
『なんか今日はやけに元気な子が来てるわね。何かしら』
誰もいないはずのトイレからかわいらしい女の子の声がしてきた。
出てきたのはわたしが思い描いていた、
花子さんのビジュアルじゃない姿をした女の子だった!
目の前に姿を現したのは、茶髪のボブヘアで、私たちの学校の制服によく似たセーラ服を着ている。
スカートも短く、ハイソックスをはいていてちょっとギャルっぽい。
妖怪というより、普通の今どきのかわいらしい女の子だ。
わたしは思い描いていた花子さん像は、
黒髪おかっぱ頭で赤いスカートをはいた女の子がイメージなので、
驚きをかくせない。
なんか、普通にかわいい女の子だな。
わたしはついつい見とれてしまった。
『あら、芦木場じゃない。それに見かけない女の子ね。
今日は何の用かしら?遊んでくれるの?』
「はっ初めまして。ハナちゃん。わたしは安芸千晴。
今日から、芦木場くんのお仕事の見習いとして働くことになりました」
『千晴ちゃんね~。まあ、よろしく。
さっき、ハナちゃんって呼んでくれてたから、
芦木場から聞いていると思うけど、わたし、花子って呼ばれるの嫌いなの。
これからもハナちゃんって呼んでね。』
「ハナちゃん。今日は安芸が初任務なんだ。
任務内容がハナちゃんの様子見なんだよ。
なんか、最近変わったこととかある?」
『なるほどね~って、様子見が任務って妖怪警察は暇なの?
失礼しちゃうわ。まあ、別に特には変わりないけど。
まぁ強いてあげるとしたら、最近は肝試しをしに来る子たちが減ったから、
わたしもだけど、他の七不思議連中もみんな暇してると思うわよ。』
ハナちゃんはふてくされたように言う。
ハナちゃんが言うには人を驚かせるの生きがいにしている、
七不思議の妖怪たちは、人が夜に来ないとやることがなく暇をもてあそばしているらしい。
確かに、実際、夜に学校で肝試ししようとか話題にならないからね。
夜の学校に集まっているところをばれたら、怒られちゃうからね先生とか親に。
まあ今、わたしたち、勝手に学校に忍び込んでますけどね。
『――そうだわ!あなたたち、暇なんでしょ!ちょうどいいわ!
わたしの話に付き合いなさい!久しぶりにガールズトークしたいなって思っていたのよ!
ちょっと千晴ちゃんかりるわ!猫又も女よね?あんたもまざりな。
芦木場はその間どっか別のところにいってきなさい!』
「え?ガールズトーク?!」
「はあ……こうなったハナちゃんは何言っても無駄だからな。しょうがない……。
申し訳ないけど安芸、ハナちゃんの話に付き合ってやってくれ。」
「わたしも?まあ、千晴からはなれる気がないからいいけど。まざってあげるわ」
ハナちゃんの提案にびっくり。
休み時間に女の子同士で話すみたいにガールズトークがしたいと言いだすのだ。
芦木場くんあきれちゃってるよ。ネネはなんか乗り気だし。
これは、急だけどハナちゃんとガールズトークする流れになってるね。
「はぁ~……おれは他の七不思議の妖怪たちの様子を見てくるよ。
30分したらすぐもどってくるね。ハナちゃんは悪さをしない、
危なくない妖怪だから大丈夫だと思うけど……何かあったら、
すぐに逃げて、おれにスマホで連絡してくれ」
「わっっわかった!待ってるね……!
芦木場くんも気を付けていってらっしゃい……!」
『芦木場はいちいち失礼なやつね。普通に女の子同士でお話しするだけだから、
とって食ったりしないわよ』
芦木場くんは大きなため息をつきながら、女子トイレからはなれていった。
まさかのいきなり単独行動しなくちゃいけなくなっちゃったよ!?
それもあのトイレの花子さんとガールズトークって!
どういう事?!?
初任務、どうなっちゃうの――??
わたしたちは「トイレの花子さん」が出ると言われている
西館4階の女子トイレ前にたどり着いた。
「そうだった……!ごめん一つ、言い忘れてたことがあった。
……花子さんの呼び方なんだけど」
と芦木場くんがわたしによってきて、耳打ちして教えてくれた。
ちっ近い!近いよ芦木場くん!なんかドキドキして聞いた内容が入ってこない!
でも、教えてくれたようにやらなくちゃ!
「よし!さっそくやってみて」
「うっうん。やってみるね!すーーはーーー。よし!」
わたしは深呼吸をして、気持ちを落ち着かせてから、
「ハナちゃ~ん!遊びましょ~!!!」
わたしは手前から4番目のトイレの個室に向かい、ノックを4回し、
芦木場くんに言われた通りに友達を呼ぶように、トイレに向かって叫んだ。
『なんか今日はやけに元気な子が来てるわね。何かしら』
誰もいないはずのトイレからかわいらしい女の子の声がしてきた。
出てきたのはわたしが思い描いていた、
花子さんのビジュアルじゃない姿をした女の子だった!
目の前に姿を現したのは、茶髪のボブヘアで、私たちの学校の制服によく似たセーラ服を着ている。
スカートも短く、ハイソックスをはいていてちょっとギャルっぽい。
妖怪というより、普通の今どきのかわいらしい女の子だ。
わたしは思い描いていた花子さん像は、
黒髪おかっぱ頭で赤いスカートをはいた女の子がイメージなので、
驚きをかくせない。
なんか、普通にかわいい女の子だな。
わたしはついつい見とれてしまった。
『あら、芦木場じゃない。それに見かけない女の子ね。
今日は何の用かしら?遊んでくれるの?』
「はっ初めまして。ハナちゃん。わたしは安芸千晴。
今日から、芦木場くんのお仕事の見習いとして働くことになりました」
『千晴ちゃんね~。まあ、よろしく。
さっき、ハナちゃんって呼んでくれてたから、
芦木場から聞いていると思うけど、わたし、花子って呼ばれるの嫌いなの。
これからもハナちゃんって呼んでね。』
「ハナちゃん。今日は安芸が初任務なんだ。
任務内容がハナちゃんの様子見なんだよ。
なんか、最近変わったこととかある?」
『なるほどね~って、様子見が任務って妖怪警察は暇なの?
失礼しちゃうわ。まあ、別に特には変わりないけど。
まぁ強いてあげるとしたら、最近は肝試しをしに来る子たちが減ったから、
わたしもだけど、他の七不思議連中もみんな暇してると思うわよ。』
ハナちゃんはふてくされたように言う。
ハナちゃんが言うには人を驚かせるの生きがいにしている、
七不思議の妖怪たちは、人が夜に来ないとやることがなく暇をもてあそばしているらしい。
確かに、実際、夜に学校で肝試ししようとか話題にならないからね。
夜の学校に集まっているところをばれたら、怒られちゃうからね先生とか親に。
まあ今、わたしたち、勝手に学校に忍び込んでますけどね。
『――そうだわ!あなたたち、暇なんでしょ!ちょうどいいわ!
わたしの話に付き合いなさい!久しぶりにガールズトークしたいなって思っていたのよ!
ちょっと千晴ちゃんかりるわ!猫又も女よね?あんたもまざりな。
芦木場はその間どっか別のところにいってきなさい!』
「え?ガールズトーク?!」
「はあ……こうなったハナちゃんは何言っても無駄だからな。しょうがない……。
申し訳ないけど安芸、ハナちゃんの話に付き合ってやってくれ。」
「わたしも?まあ、千晴からはなれる気がないからいいけど。まざってあげるわ」
ハナちゃんの提案にびっくり。
休み時間に女の子同士で話すみたいにガールズトークがしたいと言いだすのだ。
芦木場くんあきれちゃってるよ。ネネはなんか乗り気だし。
これは、急だけどハナちゃんとガールズトークする流れになってるね。
「はぁ~……おれは他の七不思議の妖怪たちの様子を見てくるよ。
30分したらすぐもどってくるね。ハナちゃんは悪さをしない、
危なくない妖怪だから大丈夫だと思うけど……何かあったら、
すぐに逃げて、おれにスマホで連絡してくれ」
「わっっわかった!待ってるね……!
芦木場くんも気を付けていってらっしゃい……!」
『芦木場はいちいち失礼なやつね。普通に女の子同士でお話しするだけだから、
とって食ったりしないわよ』
芦木場くんは大きなため息をつきながら、女子トイレからはなれていった。
まさかのいきなり単独行動しなくちゃいけなくなっちゃったよ!?
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