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第281章『アジビラ』
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第281章『アジビラ』
「無様晒したってのも有るが……それだけじゃねぇ、お前の目の前で……旦那の二の舞になるところだった」
「……え……?」
「……お前の中で俺と旦那が同列だとは思ってねぇ。それでも、真吾や他の海兵隊の連中よりは気に掛けられてる、そう思ってるんだが、それは俺の勘違いか?」
突然の敦賀の言葉、困惑気味に顔を上げたタカコへと問い掛ければ、益々困惑の度合いは色濃くなる。いきなりこんな事を話し出しては当然か、敦賀はそう考えながら額へと一つ口付けを落とし言葉を続けた。
「一昨日、俺を抱き上げて呼び掛けるお前を見て、何でだか『ああ、二年半前のあの日、旦那を亡くした時もこいつはこうだったんだろうな』って、そう思った。それ位必死の形相だったんだよ、お前。それで、目の前で、腕の中で旦那を亡くしたお前に同じ光景を俺が見せる事になるのか……そう思った。俺と旦那が同列だとは思ってねぇ、それでも、同じ様な光景をお前に見せるところだった、お前の傷を抉るところだった……悪かった、あんなツラさせて」
敦賀が言葉を紡ぎ出す度に歪むタカコの顔、いつの間にか涙腺は決壊し双眸から涙が溢れ出し、敦賀はその様子を見て目を細め、頭をそっと胸元へと抱き抱える。
「……泣くな、俺はこうして生きてるから……それと、お前の教えを活かしきれなくて、悪かった」
その言葉に腕の中の頭がふるふると振られる感触がして、背中へと細い両腕が回されて入院着を、きゅ、と掴むのが伝わって来た。
「……皆、血だらけで、バラバラに……なってる人もいて……あの時に、比べればまだ全然、マシだったんだけど、見た瞬間……思い、出して……!」
「……ああ、思い出させて、悪かった」
吹き飛ばされた仲間、バラバラになった人体、流れる血、破壊された周辺、細部は違ったとしても大勢の仲間を一瞬で喪った光景に立ち戻らせるには充分だったのだろう。出会ったあの日以来、そんな光景に遭遇する事は無かったのだから余計に衝撃的だったに違い無い。宥める様に髪に額に口付けを落とし背中をそっと撫で摩ってやれば、暫くして漸く落ち着いたのか、鼻を啜りながらタカコが口を開く。
「……もう、大丈夫、あと……今回の件、本当に悪かった。私がもっとしっかり――」
「だから、それは仁一がさっき言ってたろうがよ。俺等はお前に何から何迄面倒見てもらわにゃ何も出来ねぇガキなんかじゃねぇ、お前はしっかりすべき事をしたし、それを教わった俺等が教えを活かしきれなかっただけだ。俺等の行動にお前は責任も権限も持たねぇ、責任が有るとすりゃ俺達自身か真吾と龍興だ、お前じゃない。俺達にはお前とは独立した違う責任や立場や誇りが有る、お前はそれを否定するのか?」
口調とは違い少々厳しい敦賀の言葉、タカコはそれに押し黙り、そして、敦賀の背へと回した腕に力を込めた。
「……そうだな、ごめん」
「だから、もう謝るな」
「……うん」
責任を感じるのは分かる、痛い程に分かる、立場が逆なら自分も同じ様に感じるだろう。それでも実際彼女には何の咎も無い、これ以上自分を責めるな、大和軍人達の面子を潰してくれるな、そう言いながら目を細めて一度強く抱き締め、顎を掬い上げて唇へと口付けを一つ落とす。
「……二日も休んだんだ、そろそろ戻らねぇとな」
「って……本気で退院するのかよお前」
「当たり前だ、怪我は幸いそう大した事は無ぇし、念の為の検査で入院しただけだ。怪我の治療は医務室で大和田先生にやってもらえば良い。ちょっと待ってろ、着替えるから」
鼻先が触れ合う距離でそんな遣り取りをすれば、呆れた様な溜息を吐いたタカコから口付けられ、初めてのその行為に一瞬思考と行動が停止したものの更に口付けを返し、そこで漸く身体を離し着替えて荷物を纏めようと動き出した。
と、病室の引き戸が引かれてその向こうから第一分隊の面々が顔を出したのはそんな時。
「先任?もう入って良いか?俺等も退院するわ、先生と看護師には話して来たから、さっさと帰ろう」
そう言って室内へと入って来たのは島津、その彼が引き戸の脇の壁際に立つタカコを見てにやりと笑い、肩をぽん、と一つ叩く。
「本当に仲良いよなお前等。式には呼んでくれよ?」
「……は?」
「またまた、隠すな隠すな。いつも一緒にいるしぴったりくっついてるし、人目の無いところではイチャイチャしてるんだろ?今だって俺等が来なけりゃ――」
「違うし!私とこいつはそんなんじゃねぇし!」
「いやん、タカコちゃんってば、照れちゃってかーわいー。お前等がいつ結婚するかって賭け、俺も乗ってるんだからさ、いつするか教えてくれよ」
「はぁ!?お前もかよ!」
「おうよ。薮内、現状どれ位の奴が賭け乗ってる?」
「えーっと……確か六百人前後ですね、台帳見れば正確な数字分かりますけど」
「お前が胴元かよ!健吾も何台帳管理なんかしてんだよ!」
「賭け金は総司令執務室の金庫に――」
「きぃぃぃ!海兵隊は上から下迄何やってんだ!!おい敦賀!てめぇ最先任だろうが何とか言え!!」
「…………」
「おいちょっと待て!敦賀!お前も何丸め込まれてやがる!」
島津の前振りで突然始まった賑やかさ、皆身支度を整えながらその発生源であるタカコの様子に内心安堵の息を漏らす。やはりタカコにはこんな風に明るく強気でいて欲しいのだ、それが自分達の勝手な願望とは言え、意識してか無意識か、それを彼女が実行している事に感謝しつつ、怒る彼女を笑って宥めつつ病室を出て、もう一度医師と看護師に挨拶をした後は外へと出て待っていたトラックの荷台へと乗り込んだ。
「もうマジで信じらんねぇ!何なんだよお前等!申し訳無い気持ちになって損したわ!敦賀!何で黙ってるんだ!!」
「…………」
未だに収まらないのかぷりぷりと怒るタカコ、敦賀はその隣で煙草に火を点け、ふぅ、と煙を吐き出すが無言のまま。以前大和田に言い出された時には一緒になって怒っていたのに何なんだ、そう言って更に怒るカコを周囲が笑って宥めつつ走る事十五分程、一行を乗せたトラックは博多の海兵隊基地へと到着した。
「司令、失礼します。島津以下十一名、只今帰投し――」
戻って直ぐに向かったのは総司令執務室、退院と帰投の報告をと入室する第一分隊の面々に続いてタカコも室内へ入れば、そこの空気が異様に殺気立ちピリピリとしている事に気が付き、今し方迄の調子を引っ込め状況を把握する事に注力する。
執務室にいたのは部屋の主である高根と、そしてその盟友である黒川、副司令の小此木、博多駐屯地司令の横山、沿岸警備隊博多基地司令の浅田、その他近隣の陸軍駐屯地司令の面々が揃い、高根は執務机の椅子に身を埋め、他は或る者は応接セットのソファに座り或る者は立ったまま、手にした新聞や何かのビラなのか書類程の大きさの紙を手にしそこに視線を落としていた。
「……戻ったか、御苦労だった」
「はい……何か、有りましたか」
労りの言葉を掛ける高根の声は酷く硬く、どうも只事ではない様子だと島津自身も自らの周囲の空気を僅かに張り詰めさせつつ問い掛ければ、返って来たのは小此木から手渡された一枚の紙だった。
「何ですか、これ――」
「……総司令、何ですか、これは」
紙に印刷された内容を見た瞬間に絶句する島津、横にいた敦賀が島津の手にしたそれを覗き込み、こちらは内容を把握した後は言葉の端々に怒りを漲らせ高根へと問い掛ける。
『軍部は訓練の為に子供を殺した』
先日の演習中の爆破、その写真が幾つも紙面に印刷されていた。
「無様晒したってのも有るが……それだけじゃねぇ、お前の目の前で……旦那の二の舞になるところだった」
「……え……?」
「……お前の中で俺と旦那が同列だとは思ってねぇ。それでも、真吾や他の海兵隊の連中よりは気に掛けられてる、そう思ってるんだが、それは俺の勘違いか?」
突然の敦賀の言葉、困惑気味に顔を上げたタカコへと問い掛ければ、益々困惑の度合いは色濃くなる。いきなりこんな事を話し出しては当然か、敦賀はそう考えながら額へと一つ口付けを落とし言葉を続けた。
「一昨日、俺を抱き上げて呼び掛けるお前を見て、何でだか『ああ、二年半前のあの日、旦那を亡くした時もこいつはこうだったんだろうな』って、そう思った。それ位必死の形相だったんだよ、お前。それで、目の前で、腕の中で旦那を亡くしたお前に同じ光景を俺が見せる事になるのか……そう思った。俺と旦那が同列だとは思ってねぇ、それでも、同じ様な光景をお前に見せるところだった、お前の傷を抉るところだった……悪かった、あんなツラさせて」
敦賀が言葉を紡ぎ出す度に歪むタカコの顔、いつの間にか涙腺は決壊し双眸から涙が溢れ出し、敦賀はその様子を見て目を細め、頭をそっと胸元へと抱き抱える。
「……泣くな、俺はこうして生きてるから……それと、お前の教えを活かしきれなくて、悪かった」
その言葉に腕の中の頭がふるふると振られる感触がして、背中へと細い両腕が回されて入院着を、きゅ、と掴むのが伝わって来た。
「……皆、血だらけで、バラバラに……なってる人もいて……あの時に、比べればまだ全然、マシだったんだけど、見た瞬間……思い、出して……!」
「……ああ、思い出させて、悪かった」
吹き飛ばされた仲間、バラバラになった人体、流れる血、破壊された周辺、細部は違ったとしても大勢の仲間を一瞬で喪った光景に立ち戻らせるには充分だったのだろう。出会ったあの日以来、そんな光景に遭遇する事は無かったのだから余計に衝撃的だったに違い無い。宥める様に髪に額に口付けを落とし背中をそっと撫で摩ってやれば、暫くして漸く落ち着いたのか、鼻を啜りながらタカコが口を開く。
「……もう、大丈夫、あと……今回の件、本当に悪かった。私がもっとしっかり――」
「だから、それは仁一がさっき言ってたろうがよ。俺等はお前に何から何迄面倒見てもらわにゃ何も出来ねぇガキなんかじゃねぇ、お前はしっかりすべき事をしたし、それを教わった俺等が教えを活かしきれなかっただけだ。俺等の行動にお前は責任も権限も持たねぇ、責任が有るとすりゃ俺達自身か真吾と龍興だ、お前じゃない。俺達にはお前とは独立した違う責任や立場や誇りが有る、お前はそれを否定するのか?」
口調とは違い少々厳しい敦賀の言葉、タカコはそれに押し黙り、そして、敦賀の背へと回した腕に力を込めた。
「……そうだな、ごめん」
「だから、もう謝るな」
「……うん」
責任を感じるのは分かる、痛い程に分かる、立場が逆なら自分も同じ様に感じるだろう。それでも実際彼女には何の咎も無い、これ以上自分を責めるな、大和軍人達の面子を潰してくれるな、そう言いながら目を細めて一度強く抱き締め、顎を掬い上げて唇へと口付けを一つ落とす。
「……二日も休んだんだ、そろそろ戻らねぇとな」
「って……本気で退院するのかよお前」
「当たり前だ、怪我は幸いそう大した事は無ぇし、念の為の検査で入院しただけだ。怪我の治療は医務室で大和田先生にやってもらえば良い。ちょっと待ってろ、着替えるから」
鼻先が触れ合う距離でそんな遣り取りをすれば、呆れた様な溜息を吐いたタカコから口付けられ、初めてのその行為に一瞬思考と行動が停止したものの更に口付けを返し、そこで漸く身体を離し着替えて荷物を纏めようと動き出した。
と、病室の引き戸が引かれてその向こうから第一分隊の面々が顔を出したのはそんな時。
「先任?もう入って良いか?俺等も退院するわ、先生と看護師には話して来たから、さっさと帰ろう」
そう言って室内へと入って来たのは島津、その彼が引き戸の脇の壁際に立つタカコを見てにやりと笑い、肩をぽん、と一つ叩く。
「本当に仲良いよなお前等。式には呼んでくれよ?」
「……は?」
「またまた、隠すな隠すな。いつも一緒にいるしぴったりくっついてるし、人目の無いところではイチャイチャしてるんだろ?今だって俺等が来なけりゃ――」
「違うし!私とこいつはそんなんじゃねぇし!」
「いやん、タカコちゃんってば、照れちゃってかーわいー。お前等がいつ結婚するかって賭け、俺も乗ってるんだからさ、いつするか教えてくれよ」
「はぁ!?お前もかよ!」
「おうよ。薮内、現状どれ位の奴が賭け乗ってる?」
「えーっと……確か六百人前後ですね、台帳見れば正確な数字分かりますけど」
「お前が胴元かよ!健吾も何台帳管理なんかしてんだよ!」
「賭け金は総司令執務室の金庫に――」
「きぃぃぃ!海兵隊は上から下迄何やってんだ!!おい敦賀!てめぇ最先任だろうが何とか言え!!」
「…………」
「おいちょっと待て!敦賀!お前も何丸め込まれてやがる!」
島津の前振りで突然始まった賑やかさ、皆身支度を整えながらその発生源であるタカコの様子に内心安堵の息を漏らす。やはりタカコにはこんな風に明るく強気でいて欲しいのだ、それが自分達の勝手な願望とは言え、意識してか無意識か、それを彼女が実行している事に感謝しつつ、怒る彼女を笑って宥めつつ病室を出て、もう一度医師と看護師に挨拶をした後は外へと出て待っていたトラックの荷台へと乗り込んだ。
「もうマジで信じらんねぇ!何なんだよお前等!申し訳無い気持ちになって損したわ!敦賀!何で黙ってるんだ!!」
「…………」
未だに収まらないのかぷりぷりと怒るタカコ、敦賀はその隣で煙草に火を点け、ふぅ、と煙を吐き出すが無言のまま。以前大和田に言い出された時には一緒になって怒っていたのに何なんだ、そう言って更に怒るカコを周囲が笑って宥めつつ走る事十五分程、一行を乗せたトラックは博多の海兵隊基地へと到着した。
「司令、失礼します。島津以下十一名、只今帰投し――」
戻って直ぐに向かったのは総司令執務室、退院と帰投の報告をと入室する第一分隊の面々に続いてタカコも室内へ入れば、そこの空気が異様に殺気立ちピリピリとしている事に気が付き、今し方迄の調子を引っ込め状況を把握する事に注力する。
執務室にいたのは部屋の主である高根と、そしてその盟友である黒川、副司令の小此木、博多駐屯地司令の横山、沿岸警備隊博多基地司令の浅田、その他近隣の陸軍駐屯地司令の面々が揃い、高根は執務机の椅子に身を埋め、他は或る者は応接セットのソファに座り或る者は立ったまま、手にした新聞や何かのビラなのか書類程の大きさの紙を手にしそこに視線を落としていた。
「……戻ったか、御苦労だった」
「はい……何か、有りましたか」
労りの言葉を掛ける高根の声は酷く硬く、どうも只事ではない様子だと島津自身も自らの周囲の空気を僅かに張り詰めさせつつ問い掛ければ、返って来たのは小此木から手渡された一枚の紙だった。
「何ですか、これ――」
「……総司令、何ですか、これは」
紙に印刷された内容を見た瞬間に絶句する島津、横にいた敦賀が島津の手にしたそれを覗き込み、こちらは内容を把握した後は言葉の端々に怒りを漲らせ高根へと問い掛ける。
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