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第198章『再会』
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第198章『再会』
『ボスー!会いたかったー!』
『……へ?』
突然相手の口から発せられた聞き覚えの有る声、そして口調。それに思わず間抜けな声を漏らして動きを失えば、広げられた両腕にがっしりと抱き締められる。
『――マリオ!?』
『そうだよ!マリオだよボス!俺が殺す迄は絶対に死なないと思ってたけど生きてて良かった!』
突然に目の前で始まった遣り取り、あの影――男はタカコを襲っていた筈だが一体全体どういう事だと動きを失う敦賀、敦賀を襲っていた筈のもう一つの影も動きを止め、取り残されていた小さな影と揃ってタカコの方へと向かって歩き出した。
『ちょっと待て!お前今私を殺そうとしただろう!背後からいきなり襲うとかなんて卑怯な奴なんだ!』
『俺がそんな事するわけ無いじゃないか!ボスを殺す時はじっくりねちねち時間を掛けて甚振り殺すって決めてるのに!ゆっくりと生気が失せていくボスの目を見ながらボスに突き立てたナイフをグリグリやるって昔から決めてるんだから!』
『……そうだよな、お前みたいなシリアルキラーが待ち伏せた挙句にあっさり殺すとか無いわ。うん、私が悪かった』
『ボス!俺の事理解しててくれて嬉しい!! 上陸した後は潜伏してたんだけどさ、妙な動きを察知して、で、その後を追ってここに来たんだよ。で、取り敢えず殺しておくかと思ってコソコソ動いてたんだけど、迫撃砲の砲撃見つけてここに来たら反撃にあってさ。それを片付けて上に上がって来たらボスがいたってわけ』
『マスター、御無事で何よりです』
『ジェフ!お前もか!』
『ボス、私もいますよ』
『リーサも!』
『アリサです』
目の前で繰り広げられるタカコと、マリオと呼ばれた男達との会話、その状況の突拍子も無さに敦賀は内心唖然とし、やがて湧き上がって来たのは静かな怒り。
「……おい、タカコ……状況を説明しろ……何がどうなってやがる」
その低く怒りを滲ませた声音にタカコは漸く我に返ったのか、敦賀へと向き直り少々バツが悪そうに頭を掻いた。
「ああ、そうだった、紹介するよ。私の部下だ、こっちの頭おかしいのがマリオ・ジュリアーニと、お前を襲った方がジェフリー・ウォーレン、この子がアリサ・マクギャレットだ。三人共、こちらはこの国の海兵隊の最先任上級曹長の敦賀、私の命の恩人だ、挨拶を」
タカコがそう言えば三人はそれに従い敦賀に歩み寄る、再び姿を現した月と星の光と遠くの炎の光に照らされて漸くその姿をはっきりと目にすれば、男二人は自分と同じ程の身長と体格で年の頃は四十程、ジュリアーニと呼ばれた男はこげ茶色の髪に緑色の瞳、ウォーレンと呼ばれた男は金色の髪に水色の瞳、どちらも自分達大和人とは大きく面容が隔たり、少し前に漂着船の内外に散らばっていた死体と同じ様な見た目。女の方はタカコとそっくりな体格で年の頃もほぼ同じ、こちらは大和系の血筋なのか髪も瞳も黒く顔立ちも自分達と変わらない、顔の半分程を覆う火傷らしき大きな痕が目を引いた。三人共言葉は無く、こちらを何とも言えない眼差しで見詰めている。
「……俺達のボスを助けてくれて有り難うね」
「……感謝する」
「…………」
人の心の機微にはそう敏くはないが幾ら何でもこれは分かる、敦賀はそう思いつつ無言のまま彼等三人をじっと見返す、三人から敦賀へと向けられているもの、これは、明確な敵意。
「……で?来たのはお前達三人だけなのか?」
取り敢えずは命の危険が有るわけではない様だ、何とも不愉快な状況には違い無いが一先ず落ち着いても良いらしい、敦賀がそんな事を考えているとタカコが三人に話し掛ける。
「はい、最低限の人員は本部に残さなければいけなかったので……マスター、他は何処に?」
「そうだよ、タカユキがボスの傍にいないなんてどうしたの?他の奴だって」
タカコのその言葉に対しての答え、それに続く当然と言えば当然なのであろう疑問に思わず敦賀の身体が動き、三人と彼女の間に割って入った。
「それは、俺が話す」
「……坊やに聞いてるわけじゃないんだけどな、どいてくんない?」
ジュリアーニのそんな言葉は実際は至極尤もで、タカコの仲間の状況をタカコに聞いているのだから彼女が答えるのが当然なのだ。しかし、その実際を知っている敦賀にしてみれば、あの重い事実を彼女自身の口から語らせたくはない、そう思ったのもまた自然な事だった。
「……敦賀、良いんだ、私には居合わせた者として指揮官として事実を語る義務が有る」
そんな彼を制したのは、タカコの静かな言葉と肩に置かれた右手、彼女の方を見てみれば笑みを湛えつつもその眼差しは毅然としていて、筋を通させろと、そこに示された意志を汲み、敦賀は口許を引き結びつつそっと脇へと身体をずらす。
「……有り難う……マリオ、ジェフ、アリサ、私以外は皆……死んだよ」
その言葉は薄らと予想は出来ていたのか三人はそれを聞いても動じない、
「二年と四ヶ月程前、私達が消息を絶った時の話だ。輸送機が突然トラブルを起こし、エンジンも油圧系統も無線も、何もかもがいきなり死んだ……その後必死に機体の姿勢制御や不時着を試みたが駄目だった……墜落したよ。その時に私とタカユキ以外は皆死んだ」
続けられるタカコの言葉、タカユキ以外は、では彼は生きているのかと顔を見合わせ、
「……タカユキは?」
と、そう問い掛けた。
止めろ、そいつの傷をそれ以上抉るなと、敦賀がもう一度割って入ろうとすればそれは再度タカコに押し止められる。
「……手の施し様が無かった……内臓はブチ撒けられて、脊椎も完全に折れてたんだ……楽にしてくれ……そう言われた……だから……私が殺した」
三人を見る真っ直ぐな視線、言葉は詰まりつつも視線は終ぞ逸らされる事は無く、逆にタカコの言葉を聞いた三人が視線を逸らし、
「……ごめん」
「……申し訳有りません」
「……申し訳、有りません」
と、消え入りそうな声を搾り出した。
「……おい、ここはここで制圧出来たんだろう、指揮所の様子が気になる、戻るぞ」
暗く沈んだ空気の中に響く敦賀の言葉、そう言えばそうだ、とタカコが他の三人に弾薬だけでも回収しろと指示を出しながら動き出す。
「……何も……何も出来なかったんだ、あの時」
「……無理すんな……別に話せとは言わねぇよ」
「……いや、話したいんだ……聞いてくれるか……お前と……それと、タツさんにも話したい」
「……分かった、とにかく、指揮所に戻るぞ、話はそれからだ」
『ボスー!会いたかったー!』
『……へ?』
突然相手の口から発せられた聞き覚えの有る声、そして口調。それに思わず間抜けな声を漏らして動きを失えば、広げられた両腕にがっしりと抱き締められる。
『――マリオ!?』
『そうだよ!マリオだよボス!俺が殺す迄は絶対に死なないと思ってたけど生きてて良かった!』
突然に目の前で始まった遣り取り、あの影――男はタカコを襲っていた筈だが一体全体どういう事だと動きを失う敦賀、敦賀を襲っていた筈のもう一つの影も動きを止め、取り残されていた小さな影と揃ってタカコの方へと向かって歩き出した。
『ちょっと待て!お前今私を殺そうとしただろう!背後からいきなり襲うとかなんて卑怯な奴なんだ!』
『俺がそんな事するわけ無いじゃないか!ボスを殺す時はじっくりねちねち時間を掛けて甚振り殺すって決めてるのに!ゆっくりと生気が失せていくボスの目を見ながらボスに突き立てたナイフをグリグリやるって昔から決めてるんだから!』
『……そうだよな、お前みたいなシリアルキラーが待ち伏せた挙句にあっさり殺すとか無いわ。うん、私が悪かった』
『ボス!俺の事理解しててくれて嬉しい!! 上陸した後は潜伏してたんだけどさ、妙な動きを察知して、で、その後を追ってここに来たんだよ。で、取り敢えず殺しておくかと思ってコソコソ動いてたんだけど、迫撃砲の砲撃見つけてここに来たら反撃にあってさ。それを片付けて上に上がって来たらボスがいたってわけ』
『マスター、御無事で何よりです』
『ジェフ!お前もか!』
『ボス、私もいますよ』
『リーサも!』
『アリサです』
目の前で繰り広げられるタカコと、マリオと呼ばれた男達との会話、その状況の突拍子も無さに敦賀は内心唖然とし、やがて湧き上がって来たのは静かな怒り。
「……おい、タカコ……状況を説明しろ……何がどうなってやがる」
その低く怒りを滲ませた声音にタカコは漸く我に返ったのか、敦賀へと向き直り少々バツが悪そうに頭を掻いた。
「ああ、そうだった、紹介するよ。私の部下だ、こっちの頭おかしいのがマリオ・ジュリアーニと、お前を襲った方がジェフリー・ウォーレン、この子がアリサ・マクギャレットだ。三人共、こちらはこの国の海兵隊の最先任上級曹長の敦賀、私の命の恩人だ、挨拶を」
タカコがそう言えば三人はそれに従い敦賀に歩み寄る、再び姿を現した月と星の光と遠くの炎の光に照らされて漸くその姿をはっきりと目にすれば、男二人は自分と同じ程の身長と体格で年の頃は四十程、ジュリアーニと呼ばれた男はこげ茶色の髪に緑色の瞳、ウォーレンと呼ばれた男は金色の髪に水色の瞳、どちらも自分達大和人とは大きく面容が隔たり、少し前に漂着船の内外に散らばっていた死体と同じ様な見た目。女の方はタカコとそっくりな体格で年の頃もほぼ同じ、こちらは大和系の血筋なのか髪も瞳も黒く顔立ちも自分達と変わらない、顔の半分程を覆う火傷らしき大きな痕が目を引いた。三人共言葉は無く、こちらを何とも言えない眼差しで見詰めている。
「……俺達のボスを助けてくれて有り難うね」
「……感謝する」
「…………」
人の心の機微にはそう敏くはないが幾ら何でもこれは分かる、敦賀はそう思いつつ無言のまま彼等三人をじっと見返す、三人から敦賀へと向けられているもの、これは、明確な敵意。
「……で?来たのはお前達三人だけなのか?」
取り敢えずは命の危険が有るわけではない様だ、何とも不愉快な状況には違い無いが一先ず落ち着いても良いらしい、敦賀がそんな事を考えているとタカコが三人に話し掛ける。
「はい、最低限の人員は本部に残さなければいけなかったので……マスター、他は何処に?」
「そうだよ、タカユキがボスの傍にいないなんてどうしたの?他の奴だって」
タカコのその言葉に対しての答え、それに続く当然と言えば当然なのであろう疑問に思わず敦賀の身体が動き、三人と彼女の間に割って入った。
「それは、俺が話す」
「……坊やに聞いてるわけじゃないんだけどな、どいてくんない?」
ジュリアーニのそんな言葉は実際は至極尤もで、タカコの仲間の状況をタカコに聞いているのだから彼女が答えるのが当然なのだ。しかし、その実際を知っている敦賀にしてみれば、あの重い事実を彼女自身の口から語らせたくはない、そう思ったのもまた自然な事だった。
「……敦賀、良いんだ、私には居合わせた者として指揮官として事実を語る義務が有る」
そんな彼を制したのは、タカコの静かな言葉と肩に置かれた右手、彼女の方を見てみれば笑みを湛えつつもその眼差しは毅然としていて、筋を通させろと、そこに示された意志を汲み、敦賀は口許を引き結びつつそっと脇へと身体をずらす。
「……有り難う……マリオ、ジェフ、アリサ、私以外は皆……死んだよ」
その言葉は薄らと予想は出来ていたのか三人はそれを聞いても動じない、
「二年と四ヶ月程前、私達が消息を絶った時の話だ。輸送機が突然トラブルを起こし、エンジンも油圧系統も無線も、何もかもがいきなり死んだ……その後必死に機体の姿勢制御や不時着を試みたが駄目だった……墜落したよ。その時に私とタカユキ以外は皆死んだ」
続けられるタカコの言葉、タカユキ以外は、では彼は生きているのかと顔を見合わせ、
「……タカユキは?」
と、そう問い掛けた。
止めろ、そいつの傷をそれ以上抉るなと、敦賀がもう一度割って入ろうとすればそれは再度タカコに押し止められる。
「……手の施し様が無かった……内臓はブチ撒けられて、脊椎も完全に折れてたんだ……楽にしてくれ……そう言われた……だから……私が殺した」
三人を見る真っ直ぐな視線、言葉は詰まりつつも視線は終ぞ逸らされる事は無く、逆にタカコの言葉を聞いた三人が視線を逸らし、
「……ごめん」
「……申し訳有りません」
「……申し訳、有りません」
と、消え入りそうな声を搾り出した。
「……おい、ここはここで制圧出来たんだろう、指揮所の様子が気になる、戻るぞ」
暗く沈んだ空気の中に響く敦賀の言葉、そう言えばそうだ、とタカコが他の三人に弾薬だけでも回収しろと指示を出しながら動き出す。
「……何も……何も出来なかったんだ、あの時」
「……無理すんな……別に話せとは言わねぇよ」
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