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第109章『柵の外』
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太宰府の黒川が博多の海兵隊基地の異変の知らせを受け取ったのは出勤前の自宅にて、そろそろ出ようかと身支度を整え、鏡の前でネクタイを締めていた時に玄関に不意に現れた気配にそちらを見てみれば、そこには博多に放っている草の一人が若干青褪めた顔をして立っていた。
「何が有った」
滅多な事では日中に接触はして来ない筈の彼等が何故こんな朝方から、博多で何か有ったなと直ぐに思い至り冷たく硬い声音で問い掛ければ、彼の口から漏れたのは瞬時には理解し難いものだった。
「……博多の海兵隊基地内にて活骸が大量発生した模様です……発生直後に全ての門は海兵隊の手によって完全封鎖され外部への被害拡大は無い模様ですが、内部の被害は……現在敷地の外から中を覗く限りでも死者は百名は下らないと……活骸の総数は不明です」
「本土内にまた活骸が発生だと!?しかも今度は海兵隊基地内にとはどういう事だ!」
「分かりません、自分も概況を纏めただけでとにかくお知らせをと思いこちらに向かったもので……」
「もういい……お前も来い、博多に向かう!」
「はっ!」
黒川の脳裏に蘇ったのは昨年の活骸の本土侵攻、その後の陸軍の独自調査で、特定の区画から忽然と姿を消した民間人と現れた活骸がほぼ同数である事が判明した。そこから黒川が導き出した結論は『活骸は何等かの方法で変異した、或いはさせられた人間ではないか』というもの。恐らくは高根も同じ結論へと辿り着いているだろうが、まさかそれが自陣営で起きるとは思ってもみなかっただろう。
単なる服を纏っているだけなら何の躊躇も抱かずに制圧へと転じる事も出来るだろうが今日は出撃の日、恐らくは前夜前日からほぼ全ての兵員が基地内へと入り戦闘服に身を包んでいる筈だ、自分とよく似たものを目の当たりにしては斬りつける刃も鈍るに違い無い。それどころか場合によっては戦友が変貌する姿をその場で見る事になるかも知れないのだ、そうなれば彼等の受ける心理的打撃はどれ程のものになるか、想像もしたくない。
「佐竹は何か動いてるのか!?」
「いえ、自分が博多を出たのは一時間程前ですが、佐竹司令は内部からも対応を進言されていた様ですが、要請が無いから動く必要は無い、と」
「あの……無能が……!」
誇り高き陸軍に無能の烙印でも捺す気か、殺してやる、そう吐き捨てて運転席へと滑り込めば後ろへと草が乗り込んで来る、扉が閉まる音と同時に鍵を回し凄まじい勢いで博多へと向けて走り出す。
佐竹が海兵隊に対して激しい憎悪の念を抱いているというのは昔から知っているが、彼等の危機すら見捨てようとする屑だったとはと歯を軋らせる。彼等が今心血を注いでいる試験は大和の未来をより確実に掴み取る為のもの、その為に本来であればこの国や自分達には何の関係も無い筈の彼女が、タカコがどれだけの事を犠牲にし続けて来たのか分かっているのかと、怒りで視界が赤く染まる様な錯覚すら覚えた。
とにかく今は博多に急ごう、佐竹がその調子では例え海兵隊側から救援の要請が入ったとしても満足には動くまい。頭がそれでは博多に所属する陸軍の人間が独断で兵員を動かす事等出来よう筈も無い、自分が博多へと赴き佐竹から指揮権を剥奪し代わりに陣頭指揮を執らなければ、生き残り今尚必死で戦っているであろう仲間を、陸軍は見殺しにする事になる。
そして何よりも、自分がタカコを失いたくはない。きっと彼女の事だ、今も生き延びて仲間と共に戦っているに違いない、あの勝ち気でよく笑う優しい彼女を、愛しい存在を失いたくない。愛する者がこの手から離れて逝く等、もう二度と経験したくないのだ。
もし彼女の身に何か有ったとすれば、その時には自分はもう自我を保つ事も出来ずに佐竹を殺すだろう。そうならない為にも一刻も早く救援に、その為には博多へと到着しなければ、気ばかりが急く中、黒川は博多駐屯地へと続く道を、先を塞ぐ車を追い越しながら凄まじい速度で進んで行った。
普段であれば四十分程の道程、それを飛ばしまくり十五分で駐屯地へと辿り着き、抜き打ちの査察かと驚く兵士達を無視し司令執務室へと突き進む。
「佐竹!海兵隊基地内で活骸発生との報告を聞いたが陸軍が動く気配無しとはどういう事だ!」
扉を蹴破る勢いで怒鳴りつけながら中へと入れば、そこにはぼろぼろの姿の海兵隊員が数名、一人は佐竹に向かって殴り掛かろうとでもしていたのか残りに羽交い締めにされ押さえ込まれ、突然物凄い剣幕で入って来た西方旅団総監の姿に動きを失い、黒川の姿を呆然と見詰めていた。
「君達は脱出して来たのか、基地内はどうなってる」
努めて優しく穏やかな口調で語り掛ければ、それで緊張の糸が切れたのか全員がその場に崩れ落ち嗚咽を漏らし始める、余程の事が有ったのだろうと落ち着くのを待とうかと彼等の前に片膝を突けば、一人が悲鳴とも慟哭ともつかない悲痛な声で助けを求めて来た。
「仲間が……活骸になっ……司令も、先任も、部隊長や中隊……長もっ、小隊長も!皆、まだ、大勢が、中、にっ……!」
「……まだ大勢が生きているんだな?中で、戦っているんだな?」
「……っ……はいっ……!……お願い……です……たす、け、て……!」
良かった、海兵隊は、大和の未来はまだ終わりではない、それに内心安堵し、崩れ落ちてしまった海兵達へと向けて黒川は力強く声を掛け立ち上がる。
「救援要請、今確かにこの西方総監の黒川が受け取った。現時点を以て博多駐屯地の指揮は私が執る、編成を整えて出るには一時間程掛かるだろうがそれ迄何とか持ち堪えてくれ。君達は直ぐに戻って中の高根総司令達にそう伝えてくれ、良いな?」
「……はいっ……!」
「あり……が……と……ござい、ます……!」
「礼は良い、当然の事だ、早く戻って伝えてやれ」
支え合う様にして立ち上がり執務室を出て行く海兵隊員達、黒川はその背中を見送った後、今迄は完全に存在を無視していた佐竹へと向き直る。
「総監!これでは私の立場が!」
「黙れ、この薄汚い豚が……お前、まさか彼等のあの必死の救援要請を無視でもするつもりだったか?」
「そう言われましても!海兵隊内部での活骸発生等、我々には対処する手引書も経験も有りません!活骸との戦いの専門集団である海兵隊自身が――」
「その専門集団が我々に救援を求めて来てるんだ、どれ程深刻な状態か分かるだろう!何か手伝える事が無いか、それすら検討する事も無く追い返そうとしたのか!海兵隊を失えば大和二千五百万の命は即座に危険に晒される、それを理解していないとは言わせんぞ……大和国に対する反逆と見做されても文句は言えんな……おい!誰かこの無能を拘束しておけ!何処の誰の尻や靴を舐めたか後でじっくり聞いてやる!」
これ以上話していたら本当に殴り殺してしまいそうだ、それを何とか押し止め廊下で様子を窺っていた兵士達に命令し黒川は執務室を出た。
この無能は後でじっくりと尋問すれば良い、今はとにかく海兵隊の救援に向かわなければ、そう思い廊下を進めば、先程とは別の草の一人が黒川の体格に合わせて見繕って来たであろう戦闘服をそっと差し出し静かに去って行く。
「……待ってろよ……今、行くからな……!」
黒川はそれを受け取り静かにそう言うと、外へと向けて歩き出した。
太宰府の黒川が博多の海兵隊基地の異変の知らせを受け取ったのは出勤前の自宅にて、そろそろ出ようかと身支度を整え、鏡の前でネクタイを締めていた時に玄関に不意に現れた気配にそちらを見てみれば、そこには博多に放っている草の一人が若干青褪めた顔をして立っていた。
「何が有った」
滅多な事では日中に接触はして来ない筈の彼等が何故こんな朝方から、博多で何か有ったなと直ぐに思い至り冷たく硬い声音で問い掛ければ、彼の口から漏れたのは瞬時には理解し難いものだった。
「……博多の海兵隊基地内にて活骸が大量発生した模様です……発生直後に全ての門は海兵隊の手によって完全封鎖され外部への被害拡大は無い模様ですが、内部の被害は……現在敷地の外から中を覗く限りでも死者は百名は下らないと……活骸の総数は不明です」
「本土内にまた活骸が発生だと!?しかも今度は海兵隊基地内にとはどういう事だ!」
「分かりません、自分も概況を纏めただけでとにかくお知らせをと思いこちらに向かったもので……」
「もういい……お前も来い、博多に向かう!」
「はっ!」
黒川の脳裏に蘇ったのは昨年の活骸の本土侵攻、その後の陸軍の独自調査で、特定の区画から忽然と姿を消した民間人と現れた活骸がほぼ同数である事が判明した。そこから黒川が導き出した結論は『活骸は何等かの方法で変異した、或いはさせられた人間ではないか』というもの。恐らくは高根も同じ結論へと辿り着いているだろうが、まさかそれが自陣営で起きるとは思ってもみなかっただろう。
単なる服を纏っているだけなら何の躊躇も抱かずに制圧へと転じる事も出来るだろうが今日は出撃の日、恐らくは前夜前日からほぼ全ての兵員が基地内へと入り戦闘服に身を包んでいる筈だ、自分とよく似たものを目の当たりにしては斬りつける刃も鈍るに違い無い。それどころか場合によっては戦友が変貌する姿をその場で見る事になるかも知れないのだ、そうなれば彼等の受ける心理的打撃はどれ程のものになるか、想像もしたくない。
「佐竹は何か動いてるのか!?」
「いえ、自分が博多を出たのは一時間程前ですが、佐竹司令は内部からも対応を進言されていた様ですが、要請が無いから動く必要は無い、と」
「あの……無能が……!」
誇り高き陸軍に無能の烙印でも捺す気か、殺してやる、そう吐き捨てて運転席へと滑り込めば後ろへと草が乗り込んで来る、扉が閉まる音と同時に鍵を回し凄まじい勢いで博多へと向けて走り出す。
佐竹が海兵隊に対して激しい憎悪の念を抱いているというのは昔から知っているが、彼等の危機すら見捨てようとする屑だったとはと歯を軋らせる。彼等が今心血を注いでいる試験は大和の未来をより確実に掴み取る為のもの、その為に本来であればこの国や自分達には何の関係も無い筈の彼女が、タカコがどれだけの事を犠牲にし続けて来たのか分かっているのかと、怒りで視界が赤く染まる様な錯覚すら覚えた。
とにかく今は博多に急ごう、佐竹がその調子では例え海兵隊側から救援の要請が入ったとしても満足には動くまい。頭がそれでは博多に所属する陸軍の人間が独断で兵員を動かす事等出来よう筈も無い、自分が博多へと赴き佐竹から指揮権を剥奪し代わりに陣頭指揮を執らなければ、生き残り今尚必死で戦っているであろう仲間を、陸軍は見殺しにする事になる。
そして何よりも、自分がタカコを失いたくはない。きっと彼女の事だ、今も生き延びて仲間と共に戦っているに違いない、あの勝ち気でよく笑う優しい彼女を、愛しい存在を失いたくない。愛する者がこの手から離れて逝く等、もう二度と経験したくないのだ。
もし彼女の身に何か有ったとすれば、その時には自分はもう自我を保つ事も出来ずに佐竹を殺すだろう。そうならない為にも一刻も早く救援に、その為には博多へと到着しなければ、気ばかりが急く中、黒川は博多駐屯地へと続く道を、先を塞ぐ車を追い越しながら凄まじい速度で進んで行った。
普段であれば四十分程の道程、それを飛ばしまくり十五分で駐屯地へと辿り着き、抜き打ちの査察かと驚く兵士達を無視し司令執務室へと突き進む。
「佐竹!海兵隊基地内で活骸発生との報告を聞いたが陸軍が動く気配無しとはどういう事だ!」
扉を蹴破る勢いで怒鳴りつけながら中へと入れば、そこにはぼろぼろの姿の海兵隊員が数名、一人は佐竹に向かって殴り掛かろうとでもしていたのか残りに羽交い締めにされ押さえ込まれ、突然物凄い剣幕で入って来た西方旅団総監の姿に動きを失い、黒川の姿を呆然と見詰めていた。
「君達は脱出して来たのか、基地内はどうなってる」
努めて優しく穏やかな口調で語り掛ければ、それで緊張の糸が切れたのか全員がその場に崩れ落ち嗚咽を漏らし始める、余程の事が有ったのだろうと落ち着くのを待とうかと彼等の前に片膝を突けば、一人が悲鳴とも慟哭ともつかない悲痛な声で助けを求めて来た。
「仲間が……活骸になっ……司令も、先任も、部隊長や中隊……長もっ、小隊長も!皆、まだ、大勢が、中、にっ……!」
「……まだ大勢が生きているんだな?中で、戦っているんだな?」
「……っ……はいっ……!……お願い……です……たす、け、て……!」
良かった、海兵隊は、大和の未来はまだ終わりではない、それに内心安堵し、崩れ落ちてしまった海兵達へと向けて黒川は力強く声を掛け立ち上がる。
「救援要請、今確かにこの西方総監の黒川が受け取った。現時点を以て博多駐屯地の指揮は私が執る、編成を整えて出るには一時間程掛かるだろうがそれ迄何とか持ち堪えてくれ。君達は直ぐに戻って中の高根総司令達にそう伝えてくれ、良いな?」
「……はいっ……!」
「あり……が……と……ござい、ます……!」
「礼は良い、当然の事だ、早く戻って伝えてやれ」
支え合う様にして立ち上がり執務室を出て行く海兵隊員達、黒川はその背中を見送った後、今迄は完全に存在を無視していた佐竹へと向き直る。
「総監!これでは私の立場が!」
「黙れ、この薄汚い豚が……お前、まさか彼等のあの必死の救援要請を無視でもするつもりだったか?」
「そう言われましても!海兵隊内部での活骸発生等、我々には対処する手引書も経験も有りません!活骸との戦いの専門集団である海兵隊自身が――」
「その専門集団が我々に救援を求めて来てるんだ、どれ程深刻な状態か分かるだろう!何か手伝える事が無いか、それすら検討する事も無く追い返そうとしたのか!海兵隊を失えば大和二千五百万の命は即座に危険に晒される、それを理解していないとは言わせんぞ……大和国に対する反逆と見做されても文句は言えんな……おい!誰かこの無能を拘束しておけ!何処の誰の尻や靴を舐めたか後でじっくり聞いてやる!」
これ以上話していたら本当に殴り殺してしまいそうだ、それを何とか押し止め廊下で様子を窺っていた兵士達に命令し黒川は執務室を出た。
この無能は後でじっくりと尋問すれば良い、今はとにかく海兵隊の救援に向かわなければ、そう思い廊下を進めば、先程とは別の草の一人が黒川の体格に合わせて見繕って来たであろう戦闘服をそっと差し出し静かに去って行く。
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