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22、閑話
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「お父さん、先に行くね」
「ああ、気をつけてな 今日は美味しいフレンチ行くからな」
「うん、楽しみ それじゃ後でね」
今日は、一人娘・香織の高校の卒業式だ
由貴が逝ってから、もう18年も経つのか
あっという間だったな
今のところ、反抗期もないし、なんとかな
「由貴、香織は、お前にそっくりだよ 本当、俺に似なくてよかったな」
俺と由貴は、大学で知り合った。
同じクラブで、俺が、ひとめぼれした。
由貴も俺の事が気になっていたみたいだ。
こういう事って、本当、あるんだな。
高校までは、連戦連敗だったのにな。
大学を卒業して、俺たちは結婚した。
由貴は、心臓の病気をもっていた、激しい運動は出来なかったけど、
良く笑い、俺にとっては、天使のような彼女だった。
結婚して、14年目に子供が出来た時、俺は嬉しかったけど、
とても不安だった。
由貴の身体が、出産に耐えられるのか?
俺は悩んで、悩んで、由貴に、子供を諦めたらと言った。
でも、由貴は、
「貴方と私の子どもよ、しゅう、大丈夫よ」
いつもの笑顔で、そう言われた俺は、反対できなかった。
香織が生まれた時、由貴は天に召された。
もの凄く後悔した。
お前のせいで、由貴は・・思ったけど、
香織が俺に微笑んだような気がして、俺は、泣きながら、その赤ん坊を抱いていた。
それから18年、いろんな事があったけど、ようやくここまで来た。
「さて、そろそろ行かなきゃ、香織の卒業式に間に合わないや」
卒業式は、無事に終わった。
なんか、涙が出そうになったけど、上を向いて、ごまかした。
卒業式が終わって、家に帰り、さあ、フレンチの店に行こうとしたら、
いきなり、雨が降り出してきた。
「うわ、結構降ってるな」
「う~ん、香織、車で行くか」
「お父さん、良いけど、今日、ワイン飲ませてくれるのよね、大丈夫?」
「まあ、代行で帰ればいいから この雨じゃ、香織のそのドレス濡れちゃうしな よし、車で行くか」
フレンチの店に、俺は、香織が生まれた年に出来たワインをお願いしていた。、
「香織、このワイン、お前が生まれた年に造られたワインだよ」
「ええ、でもお父さん、もう1本ワインあるよね、それは?」
「これは、俺と由貴が結婚した年に造られたワインだよ」
「お母さんか 会いたかったな」
「香織、由貴、いや、お母さんは、天国からお前の事を見守っているよ」
「お父さん、お母さんのことを、もっと教えて」
「そうだな」
俺は、香織に、由貴との事を、一生懸命話した。
楽しい時間は、あっという間に過ぎ、帰ろうと、代行を呼んだが、
あいにく、雨は強く振り続けていた。
「うん、家まで10分位か、この雨じゃ、暫く無理かな」
「それに、ワインしか飲んでいないし、大丈夫だろう」
俺は、車で、帰ることにした。
その間違った判断のおかげで、俺は、大事なものを失ってしまった。
自分の命より、かけがえのない物を、絶対に守りたかったものを・・
ふと、眼が覚めた。
どうやら、火の番をしていたのに、うたた寝していたらしい。
「夢か」
目の前では、赤い火が燃えている。
その横では、バル姫が、横になっている。
チャオの街を出て、今日で、4日目の野宿だ。
暗黒の国 スペロまで、あと2~3日らしい。
どうなるかは分からないけど、姫さんだけは守ってみせる。
今度は、間違えないよ。
「ああ、気をつけてな 今日は美味しいフレンチ行くからな」
「うん、楽しみ それじゃ後でね」
今日は、一人娘・香織の高校の卒業式だ
由貴が逝ってから、もう18年も経つのか
あっという間だったな
今のところ、反抗期もないし、なんとかな
「由貴、香織は、お前にそっくりだよ 本当、俺に似なくてよかったな」
俺と由貴は、大学で知り合った。
同じクラブで、俺が、ひとめぼれした。
由貴も俺の事が気になっていたみたいだ。
こういう事って、本当、あるんだな。
高校までは、連戦連敗だったのにな。
大学を卒業して、俺たちは結婚した。
由貴は、心臓の病気をもっていた、激しい運動は出来なかったけど、
良く笑い、俺にとっては、天使のような彼女だった。
結婚して、14年目に子供が出来た時、俺は嬉しかったけど、
とても不安だった。
由貴の身体が、出産に耐えられるのか?
俺は悩んで、悩んで、由貴に、子供を諦めたらと言った。
でも、由貴は、
「貴方と私の子どもよ、しゅう、大丈夫よ」
いつもの笑顔で、そう言われた俺は、反対できなかった。
香織が生まれた時、由貴は天に召された。
もの凄く後悔した。
お前のせいで、由貴は・・思ったけど、
香織が俺に微笑んだような気がして、俺は、泣きながら、その赤ん坊を抱いていた。
それから18年、いろんな事があったけど、ようやくここまで来た。
「さて、そろそろ行かなきゃ、香織の卒業式に間に合わないや」
卒業式は、無事に終わった。
なんか、涙が出そうになったけど、上を向いて、ごまかした。
卒業式が終わって、家に帰り、さあ、フレンチの店に行こうとしたら、
いきなり、雨が降り出してきた。
「うわ、結構降ってるな」
「う~ん、香織、車で行くか」
「お父さん、良いけど、今日、ワイン飲ませてくれるのよね、大丈夫?」
「まあ、代行で帰ればいいから この雨じゃ、香織のそのドレス濡れちゃうしな よし、車で行くか」
フレンチの店に、俺は、香織が生まれた年に出来たワインをお願いしていた。、
「香織、このワイン、お前が生まれた年に造られたワインだよ」
「ええ、でもお父さん、もう1本ワインあるよね、それは?」
「これは、俺と由貴が結婚した年に造られたワインだよ」
「お母さんか 会いたかったな」
「香織、由貴、いや、お母さんは、天国からお前の事を見守っているよ」
「お父さん、お母さんのことを、もっと教えて」
「そうだな」
俺は、香織に、由貴との事を、一生懸命話した。
楽しい時間は、あっという間に過ぎ、帰ろうと、代行を呼んだが、
あいにく、雨は強く振り続けていた。
「うん、家まで10分位か、この雨じゃ、暫く無理かな」
「それに、ワインしか飲んでいないし、大丈夫だろう」
俺は、車で、帰ることにした。
その間違った判断のおかげで、俺は、大事なものを失ってしまった。
自分の命より、かけがえのない物を、絶対に守りたかったものを・・
ふと、眼が覚めた。
どうやら、火の番をしていたのに、うたた寝していたらしい。
「夢か」
目の前では、赤い火が燃えている。
その横では、バル姫が、横になっている。
チャオの街を出て、今日で、4日目の野宿だ。
暗黒の国 スペロまで、あと2~3日らしい。
どうなるかは分からないけど、姫さんだけは守ってみせる。
今度は、間違えないよ。
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