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4、暗躍
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人族の国“チャオ”
国民30万人、兵士は6万人・・その2割が兵士である軍事国家である。
予備兵4万、3分の1は戦える国民・・・・である。
首都はマグナ・・3万の市民が暮らしている。
チャオは、昔から軍事国家だったわけではない。
20年前までは、カリオス王家の元、
農業を主体とした、普通の国家だった。
当時の親衛隊長・アプスタートが、反旗を翻し、カリオス王に取って代わった。
アプスタート、身長190cmを超え、その鍛えられた体躯は、ギリシャの彫刻のような風貌であり、
金色の長い髪、燃えるような赤い目は、
一度見れば、忘れることの出来ない容姿であった。出仕は不明である。
一説によると、カリオス王の王妃・エクスの沃化に惑わされた故の所業とも言われた。
実際、エクスは、そのまま、カリオス王の王妃となった。
王妃エクスは、国民の前に姿を見せることはない・・
カリオス王に取って代わった“アプスタート”は、
ジュウェル歴230年に、アプスタート王朝を起こした。
ここに、230年続いたカリオス王朝は終焉を迎えた。
アプスタート王には、2人の王子がいる。
第1王子・・ストルタス王子 23歳
前王カリオスとエクスの間の子であるが、
アプスタートが、妻・エクスと共に自分の養子とした。
普通では、この考えられない行いに、
市民の間では、この王子は、
実は、アプスタートとエクスとの子ではないかという風説が流れた。
第2王子・・サプリタ王子 16歳
5歳の時より幽閉され、詳細は明らかにされていない。
王子の目の色が、アプスタート王ともエクスとも違う目の色をしていたため、
アプスタート王が、エクスを疑い幽閉したとも言われている。
アプスタート王は、まず、国の富国強兵を進めた。
具体的には、軍事力の強化と、魔術革命である。
それまで、魔法はエルフ族のみが使用でき、人族には無理だとされていた。
そのため、エルフ国との諍(イサカ)いの際、圧倒的な人数を誇るチャオでも、
エルフとの戦いに敗れることが多かった。
エルフ国から攻めてくることはなかったが・・
突然と現れた“マルーン”
彼は、スクロールという巻物を携え、
人族であろうとも、魔術という様式で、魔法の現下をなしえた。
チャオは
東にエルフ国“メディオクリス”、
西に魔物の国“ルピティス”
北に暗黒の国“スペロ”
という地理的不利を、魔術と軍事力の底上げで、
逆に支配以下に収めようと画策していた。
マルーンは、アプスタートに召し抱えられ、
現在、宰相として、国王に次ぐ実力者となっていた。
人族の国“チャオ”
3つの境界線に、1万ずつの守備隊を置き、
首都マグナには、精強を誇る、3つの部隊がある。
その数、総勢3万人
第1部隊は、赤い稲妻と呼ばれ、赤を基調とした部隊
隊長は、バニタス、大剣使いで身長2mを超える巨躯は、
周りの人間に恐怖感を与える。
総数1万5千人
第2部隊は、青い閃光と言われる、青を基調とした部隊
隊長は、メデオ、中肉中背、目立ちはしないが、
いつの間にか、居なければいけない場所に居るという、
不思議な部隊である。
総数8千人
第3部隊は、獣の咆哮と言われる、緑を基調とした部隊
隊長は、アンブル、獣人の血が混じる、農民出身の隊長
また、その配下には、奴隷となり戦闘能力のある獣人たちも含む。
獣人たちは、マルーンの魔術器具(腕輪)を付けることによって、
自分たちの自由意思を奪っていた。
総数2千人
マルーンは、奴隷(主に獣人たち)制度を実施することにより、
市民たちに、自分より下(・・)の人間がいるということを認識させ、
そちらへ不満を集めることで、反乱の目をつぶしていた。
ただ、無理な軍事国家への変換は、国民の疲弊を呼び、
外に目を向けなければ、
国民の不満は、現王朝に向けられてしまうだろう。
その事を、現王・アプスタートは、良く理解していた。
アプスタートは、その牙を、まず、エルフ国に向けようとしていた。
魔法と魔術、その差が無くなった今、
エルフ国5000人では、チャオに対抗するすべはなかった。
エルフ王、クペランテ・シークリアは、
副国王、アミシャス・サブスライト
と共に、外交で平和を得るため、チャオへと向かっていた。
その数、総勢100人、馬での旅路であった。
外交に失敗すれば、一人として、
生きて帰ることは叶わないと知りながらの旅路である。
「アミよ、後どの位で、チャオか」
「王よ、後、1日というところでしょうか?」
副国王アミシャスは答えた。
「もし、この外交が失敗すれば、メディオクリスは、物を言わない妖精だけの
国になってしまうことでしょう」
「アマール神が姿を消して、10年余り、それ以降エルフは生まれておらぬ」
アミシャス王は、そうつぶやくと、青い空を見上げ、
かの地にいる、バルチャームの事を思い出していた。
「バルよ、外交が成したとしても、お前には、困難な試練が待っている」
「不甲斐ない父を、許しておくれ」
エルフ使節団の一行は、暗い気持ちを引きずったまま、
人族の国“チャオ”へ近づいていた。
「宰相さま」
ここは、宰相の間と呼ばれ、王の寝室の隣にあった。
「ルブラムか? 首尾はどうだ」
黒いモヤが発生すると、そこから人影が現れた。
「邪魔者が現れましたが、結果は予想通りかと」
「邪魔者とは?」
「黒髪の人族と、エルフの成り損ないの妖精が2体」
「ミスセンテスか、黒髪の人族とは気になるな」
「その者、身体より我々と違う剣を召喚し、相当な使い手かと見受けられました」
「気にはなるが、今は放っておけ」
「明日には、エルフ国の視察団が到着するであろう」
「エルフ王から、祭壇(・・・)の場所を聞き出さなければならぬ」
「あの方の為にもな、ルブラム、手筈通りに動け」
「仰せのままに」
そう言うと、ルブラムという男は、また、黒いモヤとなって消えた。
「黒髪の人族・・まさかな」
国民30万人、兵士は6万人・・その2割が兵士である軍事国家である。
予備兵4万、3分の1は戦える国民・・・・である。
首都はマグナ・・3万の市民が暮らしている。
チャオは、昔から軍事国家だったわけではない。
20年前までは、カリオス王家の元、
農業を主体とした、普通の国家だった。
当時の親衛隊長・アプスタートが、反旗を翻し、カリオス王に取って代わった。
アプスタート、身長190cmを超え、その鍛えられた体躯は、ギリシャの彫刻のような風貌であり、
金色の長い髪、燃えるような赤い目は、
一度見れば、忘れることの出来ない容姿であった。出仕は不明である。
一説によると、カリオス王の王妃・エクスの沃化に惑わされた故の所業とも言われた。
実際、エクスは、そのまま、カリオス王の王妃となった。
王妃エクスは、国民の前に姿を見せることはない・・
カリオス王に取って代わった“アプスタート”は、
ジュウェル歴230年に、アプスタート王朝を起こした。
ここに、230年続いたカリオス王朝は終焉を迎えた。
アプスタート王には、2人の王子がいる。
第1王子・・ストルタス王子 23歳
前王カリオスとエクスの間の子であるが、
アプスタートが、妻・エクスと共に自分の養子とした。
普通では、この考えられない行いに、
市民の間では、この王子は、
実は、アプスタートとエクスとの子ではないかという風説が流れた。
第2王子・・サプリタ王子 16歳
5歳の時より幽閉され、詳細は明らかにされていない。
王子の目の色が、アプスタート王ともエクスとも違う目の色をしていたため、
アプスタート王が、エクスを疑い幽閉したとも言われている。
アプスタート王は、まず、国の富国強兵を進めた。
具体的には、軍事力の強化と、魔術革命である。
それまで、魔法はエルフ族のみが使用でき、人族には無理だとされていた。
そのため、エルフ国との諍(イサカ)いの際、圧倒的な人数を誇るチャオでも、
エルフとの戦いに敗れることが多かった。
エルフ国から攻めてくることはなかったが・・
突然と現れた“マルーン”
彼は、スクロールという巻物を携え、
人族であろうとも、魔術という様式で、魔法の現下をなしえた。
チャオは
東にエルフ国“メディオクリス”、
西に魔物の国“ルピティス”
北に暗黒の国“スペロ”
という地理的不利を、魔術と軍事力の底上げで、
逆に支配以下に収めようと画策していた。
マルーンは、アプスタートに召し抱えられ、
現在、宰相として、国王に次ぐ実力者となっていた。
人族の国“チャオ”
3つの境界線に、1万ずつの守備隊を置き、
首都マグナには、精強を誇る、3つの部隊がある。
その数、総勢3万人
第1部隊は、赤い稲妻と呼ばれ、赤を基調とした部隊
隊長は、バニタス、大剣使いで身長2mを超える巨躯は、
周りの人間に恐怖感を与える。
総数1万5千人
第2部隊は、青い閃光と言われる、青を基調とした部隊
隊長は、メデオ、中肉中背、目立ちはしないが、
いつの間にか、居なければいけない場所に居るという、
不思議な部隊である。
総数8千人
第3部隊は、獣の咆哮と言われる、緑を基調とした部隊
隊長は、アンブル、獣人の血が混じる、農民出身の隊長
また、その配下には、奴隷となり戦闘能力のある獣人たちも含む。
獣人たちは、マルーンの魔術器具(腕輪)を付けることによって、
自分たちの自由意思を奪っていた。
総数2千人
マルーンは、奴隷(主に獣人たち)制度を実施することにより、
市民たちに、自分より下(・・)の人間がいるということを認識させ、
そちらへ不満を集めることで、反乱の目をつぶしていた。
ただ、無理な軍事国家への変換は、国民の疲弊を呼び、
外に目を向けなければ、
国民の不満は、現王朝に向けられてしまうだろう。
その事を、現王・アプスタートは、良く理解していた。
アプスタートは、その牙を、まず、エルフ国に向けようとしていた。
魔法と魔術、その差が無くなった今、
エルフ国5000人では、チャオに対抗するすべはなかった。
エルフ王、クペランテ・シークリアは、
副国王、アミシャス・サブスライト
と共に、外交で平和を得るため、チャオへと向かっていた。
その数、総勢100人、馬での旅路であった。
外交に失敗すれば、一人として、
生きて帰ることは叶わないと知りながらの旅路である。
「アミよ、後どの位で、チャオか」
「王よ、後、1日というところでしょうか?」
副国王アミシャスは答えた。
「もし、この外交が失敗すれば、メディオクリスは、物を言わない妖精だけの
国になってしまうことでしょう」
「アマール神が姿を消して、10年余り、それ以降エルフは生まれておらぬ」
アミシャス王は、そうつぶやくと、青い空を見上げ、
かの地にいる、バルチャームの事を思い出していた。
「バルよ、外交が成したとしても、お前には、困難な試練が待っている」
「不甲斐ない父を、許しておくれ」
エルフ使節団の一行は、暗い気持ちを引きずったまま、
人族の国“チャオ”へ近づいていた。
「宰相さま」
ここは、宰相の間と呼ばれ、王の寝室の隣にあった。
「ルブラムか? 首尾はどうだ」
黒いモヤが発生すると、そこから人影が現れた。
「邪魔者が現れましたが、結果は予想通りかと」
「邪魔者とは?」
「黒髪の人族と、エルフの成り損ないの妖精が2体」
「ミスセンテスか、黒髪の人族とは気になるな」
「その者、身体より我々と違う剣を召喚し、相当な使い手かと見受けられました」
「気にはなるが、今は放っておけ」
「明日には、エルフ国の視察団が到着するであろう」
「エルフ王から、祭壇(・・・)の場所を聞き出さなければならぬ」
「あの方の為にもな、ルブラム、手筈通りに動け」
「仰せのままに」
そう言うと、ルブラムという男は、また、黒いモヤとなって消えた。
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