底辺おじさん、助けた異世界転生美少女の異世界魔法と異世界アイテムそして特殊能力ゴミ処理で世界を救う

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九州激闘編

第三百六十話 恐ろしいほどの怒り

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「大友様、殿からの伝言を預かって来ました」

 二人の使者が同時に言いました。

「ふむ、申してみよ」

「はっ、当家の避難民をこの戦争が終わるまで、受け入れていただきたくお願いしますと……」

 二人の使者は同じ用件だったようです。
 でも、私は大殿に意識をもっていかれて、あとは集中が途切れてしまいました。
 だって大殿、宙に浮くんじゃ無いかと思うほど、喜んでいるんですものー。

「す、すばらしい。俺は感動している。モーレツに感動しているーー!! 市民の安全のため事前に避難させる。特に有馬、ここを逃せば市民が移動出来なくなる。絶妙なタイミングだ! 素晴らしい! いやあ竜造寺も素晴らしい、市民の脱出の為に必死になってくれている。二人とも合格だーーーー!!!!!!」

 大殿は、使者の二人に抱きつかんばかりに喜んでいます。

「て、てめーー!! このくそ豚ーー!!!! 殿を呼び捨てにするんじゃねーー!!!! なーにが合格だー!!!! えらそうにするんじゃねえーー!!」

 二人の使者は、激怒しました。
 私は大殿ばかり見ていて、こいつらの行動にまで注意が行っていませんでした。
 大殿はいい笑顔のまま蹴られて、数メートル飛んでいき三回ころがりました。

 こんなことをされても、大殿の笑顔はそのままです。
 しかし、息の合ったいい蹴りでした。
 大殿は喜びすぎていて、よける気も無かったようです。

「な、何だこいつ、気持ちわりーー!! うわあああああああーーーーーーーー!!!!!!」

 そりゃあそうですよね
 大殿ですもんね。

 真田様、三好様、ベッキー、ミサ様、猿飛佐助ちゃん、霧隠才蔵ちゃんの六人が真っ黒なブレードを、使者の首に付けています。つ、付けたら切れますよね。

「やめないかーー!!」

 大殿があせって言いました。

「し、失礼しました」

 すぐに、ブレードをしまいました。
 でも使者の首には、六つの赤い点が出来ていて、それが少しずつ広がっていきます。

「おい! 使者殿!! きぃーつけて行動せーや。大友にはよう、血の気の多い奴が沢山いるからのう。見てみーや、殺気だっちまってるぜーー!! ひっひっひっ!!」

 うふふ、素敵な殺気がただよっています。
 すごいです。五千人以上の人がギラギラ殺気をギンギンに出しています。
 宇城の大地に殺気が充満しています。
 すごーーい!! なんてすごい光景でしょう!!!!

 あっ!! 使者さんお漏らしをしました。

 しかし、この殺気に当てられもせず笑っているとは、大友様は恐ろしいお方のようです。

「ふぁのー。こ、このお方は、ど、どの様なお方なのでしょうか?」

 御使者様二人が泣きながら聞きました。

「ひゃははは、俺はただのブタですよ。ぶー、ぶー」

 大殿が、「えっ」みたいな顔をしています。
 なんで、うけないのみたいな感じです。
 大殿、この状況の中でうける人がいたら、頭がどうかしていますよー。

「きゃははははーーーー」

 あー、ユウ様とサッチンが爆笑しています。
 大殿がうれしそうに二人を見ました。
 私も笑えばよかったわ。

「常久ー!!」

「はっ!!」

「竜造寺と行動を共にしている、配下の事が気になるだろう?」

「は、はいっ!!」

「報告をしてきたのが、古賀忍軍だったから恐らくさほど時間は立ってねえはずだ。今からでも充分間に合う。安東家総勢四十二人準備しろ、飯が途中でも心配するな。竜造寺の救助が終わったら、この世の物とも思えねえほどうめー、うな重を出してやる」

「野郎共、聞いただろう! 五分で準備しろー!」

 どうやら、大殿は竜造寺様の捨てがまりの、救出に行くつもりのようです。
 うふふ、当然私も同行いたしますよ。
 まわりを見たら、島津様の部隊も、真田様も準備を始めました。

「義弘、真田。お前達はゆっくりしていてくれ、この戦いは安東家と俺と、桃井さん、そして十田衆、ベッキーお前も来い、以上で行う」

 大殿は私の名前を呼ぶとき、こっちを見ていいですかという表情をしました。
 もちろん、私は大きくうなずきました。

「ははっ!!」

 ベッキーがうれしそうに返事をしました。

「島津隊は、部隊を半分に割り北上する部隊と、豊前に向う部隊にわけよ。もう一人隊長がいるなあ。島津四兄弟から一人出してもらってくれ」

「ははっ!」

 義弘様が返事をしました。

「真田隊は、豊前に行く島津隊の方に同行してくれ」

「ははっ!」

「まあ、行動は明日でいい。今日の所はゆっくりしてくれ。豊前の停戦もまだ期間があるしな。じゃあ皆、そろそろ行こうか」

 大殿は、青いUFOに全員を乗せると、一気に久留米まで飛びました。
 そして、久留米からは国道を見ながら進みます。

「ああ、そうだ。ベッキーお前にも具足をやる。安東家と同じ物だ」

「あ、ありがたき幸せ」

 本当に喜んでいます。

「使い方は、常久に聞いておくといいだろう。むっ!?」

 そう言い終わると、大殿は何かを見つけたようです。
 どうやら、竜造寺家の避難民ですね。
 まだまだ、久留米までも道のりは遠いです。

「なんなんだ! なんなんだーーー!!!!!! これはーーーー!!!!」

 大殿が何に怒っているのかは分りませんが、さっきまでの上機嫌が嘘のように、曇ってしまいました。

 う、うっ……。UFOの中に殺気におびえるうなり声が漏れました。

 宇城の五千人以上がギラギラ出していた殺気より、大殿の殺気の方が恐いです。
 ユウ様とサッチンまで、震えています。

 一体なにがあったのでしょうか?
 私には、気の毒な避難民が大きな荷物を背負って、国道を南下して逃げているだけにしか見えません。

「つねひさーーーー!!!! これはどういうことだーーーー!!!!」

「ははっ……!!」

 常久様も、国道を必死で見ています。
 どうやら、わかっていないようです。
 大殿を、これ程怒らすなんて、竜造寺様はいったい何をしたのでしょうか?
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