319 / 428
北と南の戦い
第三百十九話 校庭のお風呂
しおりを挟む
そのまましばらく軍議に参加し、夕食を済ますと俺は近くの使っていない学校に移動した。
時刻は十八時を過ぎているのだが、冬とは違いまだ昼間のように明るい。
校庭に、まずは銭湯を造り宿舎を作った。
しばらくしたらミサ達が来るはずだから作っておいた。
俺が校庭に来たのは、具足と武器を作るためだ。
と、言っても九州にはたいした武装は無い。新政府軍も一番隊と二番隊、そして十番隊以外はたいした装備を持っていない。
すでに俺の手持ちの金属は鉄以外不足気味だ。
そこで、九州には鉄合金製で我慢してもらおうと思う。
最初に指揮官用の黒い具足を作った。
最初の四つは島津四兄弟専用、名前は薩摩黒鋼島津胴丸具足と名付け、前立て物に島津の家紋をあしらった物を作った。
最後の一つは安東常久殿専用で、名前は筑前黒鋼安東胴丸具足と名付け、前立て物は戦国時代の安東常久殿が使えていた立花家の祗園守家紋を使用して前立て物とした。
祗園守家紋中結びのデザインは斬新で美しい。別名柳川守と言われるものだ。疫病や厄災から守る意味合いまであるありがたい物だ。
「あー、いたいた。うわあ、すごーい」
ミサ達が食事を済ませて、食後のお茶まで済ませてやって来たようだ。
「こ、これは美しい」
島津四兄弟と安東常久殿まで来た。
「いま、指揮官用が出来たところだ」
「島津の家紋! ま、まさかこれは……」
「うん、こっちの四つは島津家。こっちのは、安東常久殿専用だ」
「おおおーっ!!」
「あー、付ける前に風呂に入って来てくれ! せっかくの新品が汚れる。こんなこともあろうかと、風呂はそこに作っておいた」
「な、何と風呂ですか」
「うん、男湯と女湯が別れているから間違えないようにな」
「行きましょう」
謙之信とスケさん、カクさん、フォリスさんを残して、全員行ってしまった。
プロトタイプは出来たので、量産タイプを作る。
量産タイプは、サスリル鋼で銀色に輝く具足だ。
島津家には精鋭用五百人。安東家には四十一人作る予定だ。
さらに武器として、棍を作ろうと思う。
盗られるといけないので、具足に収納されるようにする。
数人分作った所で、男達が風呂から出て来た。
「こ、これは?」
義久が銀色の具足を見つけるとすぐに聞いてきた。
「これは、配下の具足だ。島津家に五百、安東家には四十一作る予定だ」
「おおおーーー!!!!」
五人が喜んでいる。
「装着方法だが、オイサスト! シュヴァイン! と言えば装備できる。解除はアプザーゲだ。やってみてくれ」
「オイサスト!!!!! シュヴァイン!!!!!」
五人がそれぞれ言った。
おっさん達の服が収納されて、パンツ一丁になりその体を繭玉のように鎧が包んだ。
「おおおーー!!!!! すっ、すごい!!!!!」
五人の鎧武者が出来上がった。
「まさか、これは女性がやると……」
歳久が言った。
「うん、想像通りだ。だから木田家では水着を着てもらっている。配下の女性に使用させるのなら、ちゃんと水着を着けてもらってくれ」
「……」
おーーい、なんで返事をしないんだよー。
まさか、お前達……。気持ちはわかるけどなー。
「はぁー! いいお湯だった。あそこが宿舎ね。一足先に休ませてもらうわ」
ミサは、薄着のままで歩いてくると宿舎に歩いて行った。
他の女性陣もそれにならって歩いて行く。
全員お風呂上がりで、いい香りがする。しかも、薄着でセクシーだ。
「美しいですなあー」
五人がうっとり見つめている。
「俺は、作業を続ける。邪魔だからお前達は、帰って眠ってくれ」
「ははっ!!」
五人は具足を付けたまま帰って行った。
しばらく、謙之信とスケさんとカクさんの三人が作業を見ていたが、作業に集中している間にいつのまにかいなくなっていた。
フォリスさんだけは、ずっと静かに見守っていてくれる。
でもきっとアドは、いるはずだ。
「アド、配下と交替で風呂に入って来てくれ、俺もきりのいいところで風呂に入る」
「わかったニャ!!」
丁度半分出来たところで、俺は風呂に向った。
ここで、女湯に入るなどとお約束はしませんよ。
指差呼称で男湯を確認する。
「男湯ヨシ!! 御安全に!!」
俺は男湯に入った。
一応、浴室も確認する。
うむ、誰もいない。
大事な所は誰もいなくても隠す。
そして、いざお風呂へ。
「ニャは! かかったニャ!!」
どうやら、姿を消して潜んでいたようだ。
姿をあらわした幼女は、全裸だった。
まあ、合法ロリだからいいか。
……。
「じゃ! ねーんだよ!! ここは、男湯だーー!! 出て行けーー!!」
「すみませーーん」
――おーーい!
古賀忍者さんまでいたのかよう。
そんでわざわざ、裸を出してから行くんじゃねえ。
せめて水着はつけてくれよなーー。
はあぁーっ、まいるぜ。
「はーーっ、いいお湯ニャ!」
そんでお前は出て行かないのかよ!!
いっそ、すがすがしいわ!!
「まあ、名湯榊原温泉の湯だからな。最高のはずさ」
俺は風呂から上がると、続きを仕上げ時間が余ったので、校舎の屋上にのぼった。
東の空が少し青くなっている。
もうすぐ日の出だ。日の出の時間も早くなったものだ。
だが、気温はずいぶん低い、寒がりの人なら寒いと感じるのじゃ無いだろうか。俺にとっては丁度気持ちがいい気温だ。
銀色の具足が朝日を反射してキラキラ輝き出すと、島津久美子御一行が宿舎から出て来た。
時刻は十八時を過ぎているのだが、冬とは違いまだ昼間のように明るい。
校庭に、まずは銭湯を造り宿舎を作った。
しばらくしたらミサ達が来るはずだから作っておいた。
俺が校庭に来たのは、具足と武器を作るためだ。
と、言っても九州にはたいした武装は無い。新政府軍も一番隊と二番隊、そして十番隊以外はたいした装備を持っていない。
すでに俺の手持ちの金属は鉄以外不足気味だ。
そこで、九州には鉄合金製で我慢してもらおうと思う。
最初に指揮官用の黒い具足を作った。
最初の四つは島津四兄弟専用、名前は薩摩黒鋼島津胴丸具足と名付け、前立て物に島津の家紋をあしらった物を作った。
最後の一つは安東常久殿専用で、名前は筑前黒鋼安東胴丸具足と名付け、前立て物は戦国時代の安東常久殿が使えていた立花家の祗園守家紋を使用して前立て物とした。
祗園守家紋中結びのデザインは斬新で美しい。別名柳川守と言われるものだ。疫病や厄災から守る意味合いまであるありがたい物だ。
「あー、いたいた。うわあ、すごーい」
ミサ達が食事を済ませて、食後のお茶まで済ませてやって来たようだ。
「こ、これは美しい」
島津四兄弟と安東常久殿まで来た。
「いま、指揮官用が出来たところだ」
「島津の家紋! ま、まさかこれは……」
「うん、こっちの四つは島津家。こっちのは、安東常久殿専用だ」
「おおおーっ!!」
「あー、付ける前に風呂に入って来てくれ! せっかくの新品が汚れる。こんなこともあろうかと、風呂はそこに作っておいた」
「な、何と風呂ですか」
「うん、男湯と女湯が別れているから間違えないようにな」
「行きましょう」
謙之信とスケさん、カクさん、フォリスさんを残して、全員行ってしまった。
プロトタイプは出来たので、量産タイプを作る。
量産タイプは、サスリル鋼で銀色に輝く具足だ。
島津家には精鋭用五百人。安東家には四十一人作る予定だ。
さらに武器として、棍を作ろうと思う。
盗られるといけないので、具足に収納されるようにする。
数人分作った所で、男達が風呂から出て来た。
「こ、これは?」
義久が銀色の具足を見つけるとすぐに聞いてきた。
「これは、配下の具足だ。島津家に五百、安東家には四十一作る予定だ」
「おおおーーー!!!!」
五人が喜んでいる。
「装着方法だが、オイサスト! シュヴァイン! と言えば装備できる。解除はアプザーゲだ。やってみてくれ」
「オイサスト!!!!! シュヴァイン!!!!!」
五人がそれぞれ言った。
おっさん達の服が収納されて、パンツ一丁になりその体を繭玉のように鎧が包んだ。
「おおおーー!!!!! すっ、すごい!!!!!」
五人の鎧武者が出来上がった。
「まさか、これは女性がやると……」
歳久が言った。
「うん、想像通りだ。だから木田家では水着を着てもらっている。配下の女性に使用させるのなら、ちゃんと水着を着けてもらってくれ」
「……」
おーーい、なんで返事をしないんだよー。
まさか、お前達……。気持ちはわかるけどなー。
「はぁー! いいお湯だった。あそこが宿舎ね。一足先に休ませてもらうわ」
ミサは、薄着のままで歩いてくると宿舎に歩いて行った。
他の女性陣もそれにならって歩いて行く。
全員お風呂上がりで、いい香りがする。しかも、薄着でセクシーだ。
「美しいですなあー」
五人がうっとり見つめている。
「俺は、作業を続ける。邪魔だからお前達は、帰って眠ってくれ」
「ははっ!!」
五人は具足を付けたまま帰って行った。
しばらく、謙之信とスケさんとカクさんの三人が作業を見ていたが、作業に集中している間にいつのまにかいなくなっていた。
フォリスさんだけは、ずっと静かに見守っていてくれる。
でもきっとアドは、いるはずだ。
「アド、配下と交替で風呂に入って来てくれ、俺もきりのいいところで風呂に入る」
「わかったニャ!!」
丁度半分出来たところで、俺は風呂に向った。
ここで、女湯に入るなどとお約束はしませんよ。
指差呼称で男湯を確認する。
「男湯ヨシ!! 御安全に!!」
俺は男湯に入った。
一応、浴室も確認する。
うむ、誰もいない。
大事な所は誰もいなくても隠す。
そして、いざお風呂へ。
「ニャは! かかったニャ!!」
どうやら、姿を消して潜んでいたようだ。
姿をあらわした幼女は、全裸だった。
まあ、合法ロリだからいいか。
……。
「じゃ! ねーんだよ!! ここは、男湯だーー!! 出て行けーー!!」
「すみませーーん」
――おーーい!
古賀忍者さんまでいたのかよう。
そんでわざわざ、裸を出してから行くんじゃねえ。
せめて水着はつけてくれよなーー。
はあぁーっ、まいるぜ。
「はーーっ、いいお湯ニャ!」
そんでお前は出て行かないのかよ!!
いっそ、すがすがしいわ!!
「まあ、名湯榊原温泉の湯だからな。最高のはずさ」
俺は風呂から上がると、続きを仕上げ時間が余ったので、校舎の屋上にのぼった。
東の空が少し青くなっている。
もうすぐ日の出だ。日の出の時間も早くなったものだ。
だが、気温はずいぶん低い、寒がりの人なら寒いと感じるのじゃ無いだろうか。俺にとっては丁度気持ちがいい気温だ。
銀色の具足が朝日を反射してキラキラ輝き出すと、島津久美子御一行が宿舎から出て来た。
0
お気に入りに追加
135
あなたにおすすめの小説
死んだら男女比1:99の異世界に来ていた。SSスキル持ちの僕を冒険者や王女、騎士が奪い合おうとして困っているんですけど!?
わんた
ファンタジー
DVの父から母を守って死ぬと、異世界の住民であるイオディプスの体に乗り移って目覚めた。
ここは、男女比率が1対99に偏っている世界だ。
しかもスキルという特殊能力も存在し、イオディプスは最高ランクSSのスキルブースターをもっている。
他人が持っているスキルの効果を上昇させる効果があり、ブースト対象との仲が良ければ上昇率は高まるうえに、スキルが別物に進化することもある。
本来であれば上位貴族の夫(種馬)として過ごせるほどの能力を持っているのだが、当の本人は自らの価値に気づいていない。
贅沢な暮らしなんてどうでもよく、近くにいる女性を幸せにしたいと願っているのだ。
そんな隙だらけの男を、知り合った女性は見逃さない。
家で監禁しようとする危険な女性や子作りにしか興味のない女性などと、表面上は穏やかな生活をしつつ、一緒に冒険者として活躍する日々が始まった。
異世界でただ美しく! 男女比1対5の世界で美形になる事を望んだ俺は戦力外で追い出されましたので自由に生きます!
石のやっさん
ファンタジー
主人公、理人は異世界召喚で異世界ルミナスにクラスごと召喚された。
クラスの人間が、優秀なジョブやスキルを持つなか、理人は『侍』という他に比べてかなり落ちるジョブだった為、魔族討伐メンバーから外され…追い出される事に!
だが、これは仕方が無い事だった…彼は戦う事よりも「美しくなる事」を望んでしまったからだ。
だが、ルミナスは男女比1対5の世界なので…まぁ色々起きます。
※私の書く男女比物が読みたい…そのリクエストに応えてみましたが、中編で終わる可能性は高いです。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件
森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。
学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。
そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……
これダメなクラス召喚だわ!物を掌握するチートスキルで自由気ままな異世界旅
聖斗煉
ファンタジー
クラス全体で異世界に呼び出された高校生の主人公が魔王軍と戦うように懇願される。しかし、主人公にはしょっぱい能力しか与えられなかった。ところがである。実は能力は騙されて弱いものと思い込まされていた。ダンジョンに閉じ込められて死にかけたときに、本当は物を掌握するスキルだったことを知るーー。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
ヒューマンテイム ~人間を奴隷化するスキルを使って、俺は王妃の体を手に入れる~
三浦裕
ファンタジー
【ヒューマンテイム】
人間を洗脳し、意のままに操るスキル。
非常に希少なスキルで、使い手は史上3人程度しか存在しない。
「ヒューマンテイムの力を使えば、俺はどんな人間だって意のままに操れる。あの美しい王妃に、ベッドで腰を振らせる事だって」
禁断のスキル【ヒューマンテイム】の力に目覚めた少年リュートは、その力を立身出世のために悪用する。
商人を操って富を得たり、
領主を操って権力を手にしたり、
貴族の女を操って、次々子を産ませたり。
リュートの最終目標は『王妃の胎に子種を仕込み、自らの子孫を王にする事』
王家に近づくためには、出世を重ねて国の英雄にまで上り詰める必要がある。
邪悪なスキルで王家乗っ取りを目指すリュートの、ダーク成り上がり譚!
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる