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第二百八話 アメリカ行き決定
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「折角、盛り上がっているところ申し訳ねえが、反対の者はいねえか。いたら留守番を変わってやる。……ちっ」
反対の方はいないようです。
ゲン様はそれでも、あきらめが付かないのか、全体をキョロキョロ見渡しています。
「では、俺が想定する敵の布陣と、こっちの布陣を説明する」
シュウ様は凸型の黒い模型を出しました。
それを、京都の場所に三つ置きました。
そして、銀色の模型を、大阪城のまわりに五個置きました。
その内四つを、京都方面へ向けて移動しました。
「黒い模型は羽柴軍、前田隊と柴田隊、そして浅野隊だ。銀色の模型は新政府軍、二番隊、九番隊、十一番隊、十二番隊だ。このうち十一番隊と十二番隊は装備が悪く、兵士の士気も低い。恐らくこの状態でほぼ互角……いや、これで新政府軍の方の分が悪いと思う」
「なるほど」
柳川様が言いました。
「今回の木田軍の目標は、ハルラとの対決及び、遊郭から女性の救出だ。よって、まず京都で戦う羽柴軍と新政府軍の後ろを取り、大阪城に移動出来ないようにしたい。この場所へは、伊達、上杉連合軍に行ってもらいたい。最悪、羽柴軍と新政府軍の両方と戦わないといけない。激戦が予想される」
シュウ様は黒と銀、合計七つの模型の後ろに、青い模型を二つ置きました。その後ろには大阪城と、遊郭があります。
青い模型が伊達軍と上杉軍ですね。
「残りは、全軍大阪城に当たる。敵は十番隊だが、人数も強さも他とは桁違いだろう。全軍が戦っているうちに、十田家の四人と俺で大阪城に潜入する。そしてハルラを倒す」
「お、おおおおーーー!!!!」
「まあ、当日は色々、想定外の事が起きるだろうが、おのおの方の的確な判断を期待する。なお、総攻撃までは、新政府軍にも羽柴軍にもなるべく気付かれたくない。細心の注意を払って隠密行動で頼む」
「大殿、決戦の時間はどの位と考えていますか」
美しい顔をした方が質問しました。
まるで男装の麗人です。
「もちろん、短時間だ。関ヶ原の戦いぐらいだな」
「すると六時間位と言う事ですか」
「うむ、その間を耐えてくれ。羽柴軍とは美濃斎藤家の間で停戦協定中だ、うまくすれば羽柴軍が攻めてこないかもしれない」
「その時は、羽柴軍とは戦わない方が良いのでしょうか」
今度は、眼帯をした立派な体格の方が質問しました。
「大阪城方面に進まなければ放置でいいだろう」
「わかりました」
「ああ一つ言い忘れた。木田家は……」
「不殺をもって最上とする!!!!」
シュウ様が言うのをさえぎって、全員が言いました。
ふ、不殺ですか。戦争で不殺。そんなことが出来るのでしょうか。
「ふふふ、この不殺は、敵を殺さず、味方は敵に殺されずと言う意味だ。全員死ぬ事は許さん! いいな」
「……」
全員、暗い表情で返事をしませんでした。
そうですよね。そう言っている本人が死ぬつもりなのですから。
皆さんの気持ちは、シュウ様に伝わっているのでしょうか。
「うおっ!!」
シュウ様が驚いてのけぞりました。
両目が少し飛び出しています。
何がシュウ様をそんなに驚かせたのでしょうか。
シュウ様の視線の先を見ると、ゲン様のヒザの上の美少女あずさちゃんでした。
特に驚くことは何も無いと思いますが何に驚いたのでしょう。
美少女はとても美しいいい笑顔です。幸せそうな笑顔です。
御光さえ見えます。この笑顔に驚いたのでしょうか?
「あ、あずさ。子供は参加させない。家で勉強だ」
「はああーーーーーーーーーっ!!!!!」
う、うわあっ、凄く恐い顔になりました。
「しょ、しょ、しょうが無いだろう。戦争だ。子供の見るもんじゃ無い」
シュウ様が焦っています。恐怖している様にも見えます。
「……」
今度は無言で下を向きました。
顔に影が落ち、表情は見えません、でもポトリポトリと畳の上に水滴が落ちて、黒く跡になりました。
「だ、伊達、そう言えば米沢牛って、どうなった?」
シュウ様は焦りながら伊達様に質問しました。
眼帯をした男性は、伊達様だったようです。
「よ、米沢牛ですか。それは、食いました」
その伊達様が答えました。
「全部食ったのか?」
「はっ、それはもう一匹残らず食いました」
「ふむ、そうか。藤堂! 松阪牛はどうなった?」
「はっ、松阪牛も食いました。それはもう一匹残らず食いました」
藤堂様まで伊達様の真似をして答えました。
仕方が無いですよね。
食べ物がないのですから、食べられる物は全部食べないといけませんからね。
「うむ、ならば牧場は空いているな」
「はっ、はあ?」
伊達様も藤堂様も質問の真意がわからず、しまらない返事を返しました。
「よし、アメリカのフォード教授のところへ、牛をもらいにいこう。帰りはハワイに行こうかな」
「とうさーーーん!!!」
シュウ様が言い終わると、あずさ様がゲン様のヒザから、すごい勢いでシュウ様に飛びつきました。
「一緒に来てくれるかな」
「行きまーーす」
い、いいともじゃないのね。
「行きまーす!!!!!」
うわあ、舞台の上の美女軍団まで答えています。
「行きます。行きます!!」
ヒマリと、カノンまで答えています。
「わ、私も行きます!」
なんだかよくわかりませんが、遅れを取るわけにはまいりません。
「やれやれだぜ、遊びに行くんじゃねえんだけどなー」
シュウ様は、少し困り顔になりました。
反対の方はいないようです。
ゲン様はそれでも、あきらめが付かないのか、全体をキョロキョロ見渡しています。
「では、俺が想定する敵の布陣と、こっちの布陣を説明する」
シュウ様は凸型の黒い模型を出しました。
それを、京都の場所に三つ置きました。
そして、銀色の模型を、大阪城のまわりに五個置きました。
その内四つを、京都方面へ向けて移動しました。
「黒い模型は羽柴軍、前田隊と柴田隊、そして浅野隊だ。銀色の模型は新政府軍、二番隊、九番隊、十一番隊、十二番隊だ。このうち十一番隊と十二番隊は装備が悪く、兵士の士気も低い。恐らくこの状態でほぼ互角……いや、これで新政府軍の方の分が悪いと思う」
「なるほど」
柳川様が言いました。
「今回の木田軍の目標は、ハルラとの対決及び、遊郭から女性の救出だ。よって、まず京都で戦う羽柴軍と新政府軍の後ろを取り、大阪城に移動出来ないようにしたい。この場所へは、伊達、上杉連合軍に行ってもらいたい。最悪、羽柴軍と新政府軍の両方と戦わないといけない。激戦が予想される」
シュウ様は黒と銀、合計七つの模型の後ろに、青い模型を二つ置きました。その後ろには大阪城と、遊郭があります。
青い模型が伊達軍と上杉軍ですね。
「残りは、全軍大阪城に当たる。敵は十番隊だが、人数も強さも他とは桁違いだろう。全軍が戦っているうちに、十田家の四人と俺で大阪城に潜入する。そしてハルラを倒す」
「お、おおおおーーー!!!!」
「まあ、当日は色々、想定外の事が起きるだろうが、おのおの方の的確な判断を期待する。なお、総攻撃までは、新政府軍にも羽柴軍にもなるべく気付かれたくない。細心の注意を払って隠密行動で頼む」
「大殿、決戦の時間はどの位と考えていますか」
美しい顔をした方が質問しました。
まるで男装の麗人です。
「もちろん、短時間だ。関ヶ原の戦いぐらいだな」
「すると六時間位と言う事ですか」
「うむ、その間を耐えてくれ。羽柴軍とは美濃斎藤家の間で停戦協定中だ、うまくすれば羽柴軍が攻めてこないかもしれない」
「その時は、羽柴軍とは戦わない方が良いのでしょうか」
今度は、眼帯をした立派な体格の方が質問しました。
「大阪城方面に進まなければ放置でいいだろう」
「わかりました」
「ああ一つ言い忘れた。木田家は……」
「不殺をもって最上とする!!!!」
シュウ様が言うのをさえぎって、全員が言いました。
ふ、不殺ですか。戦争で不殺。そんなことが出来るのでしょうか。
「ふふふ、この不殺は、敵を殺さず、味方は敵に殺されずと言う意味だ。全員死ぬ事は許さん! いいな」
「……」
全員、暗い表情で返事をしませんでした。
そうですよね。そう言っている本人が死ぬつもりなのですから。
皆さんの気持ちは、シュウ様に伝わっているのでしょうか。
「うおっ!!」
シュウ様が驚いてのけぞりました。
両目が少し飛び出しています。
何がシュウ様をそんなに驚かせたのでしょうか。
シュウ様の視線の先を見ると、ゲン様のヒザの上の美少女あずさちゃんでした。
特に驚くことは何も無いと思いますが何に驚いたのでしょう。
美少女はとても美しいいい笑顔です。幸せそうな笑顔です。
御光さえ見えます。この笑顔に驚いたのでしょうか?
「あ、あずさ。子供は参加させない。家で勉強だ」
「はああーーーーーーーーーっ!!!!!」
う、うわあっ、凄く恐い顔になりました。
「しょ、しょ、しょうが無いだろう。戦争だ。子供の見るもんじゃ無い」
シュウ様が焦っています。恐怖している様にも見えます。
「……」
今度は無言で下を向きました。
顔に影が落ち、表情は見えません、でもポトリポトリと畳の上に水滴が落ちて、黒く跡になりました。
「だ、伊達、そう言えば米沢牛って、どうなった?」
シュウ様は焦りながら伊達様に質問しました。
眼帯をした男性は、伊達様だったようです。
「よ、米沢牛ですか。それは、食いました」
その伊達様が答えました。
「全部食ったのか?」
「はっ、それはもう一匹残らず食いました」
「ふむ、そうか。藤堂! 松阪牛はどうなった?」
「はっ、松阪牛も食いました。それはもう一匹残らず食いました」
藤堂様まで伊達様の真似をして答えました。
仕方が無いですよね。
食べ物がないのですから、食べられる物は全部食べないといけませんからね。
「うむ、ならば牧場は空いているな」
「はっ、はあ?」
伊達様も藤堂様も質問の真意がわからず、しまらない返事を返しました。
「よし、アメリカのフォード教授のところへ、牛をもらいにいこう。帰りはハワイに行こうかな」
「とうさーーーん!!!」
シュウ様が言い終わると、あずさ様がゲン様のヒザから、すごい勢いでシュウ様に飛びつきました。
「一緒に来てくれるかな」
「行きまーーす」
い、いいともじゃないのね。
「行きまーす!!!!!」
うわあ、舞台の上の美女軍団まで答えています。
「行きます。行きます!!」
ヒマリと、カノンまで答えています。
「わ、私も行きます!」
なんだかよくわかりませんが、遅れを取るわけにはまいりません。
「やれやれだぜ、遊びに行くんじゃねえんだけどなー」
シュウ様は、少し困り顔になりました。
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