底辺おじさん、助けた異世界転生美少女の異世界魔法と異世界アイテムそして特殊能力ゴミ処理で世界を救う

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第百四十話 新拠点

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「熊公も腕が治ったのなら、そこに座れ」

 ゲンはそう言うと、社長の机に座った。
 三人掛けの応接用のソファーの両サイドにシュラとミサが座っている。
 ということで、俺はその間に座った。両手に花状態だ。
 反対側に、独眼竜と熊公が座った。

 独眼竜が羨ましそうに俺を見てくる。
 だが、残念。ミサにはお慕いする人がいるのだ。
 俺達など眼中に無い。

「やれやれ、やっと落着いた」

 俺は背もたれに、もたれてため息をついた。

「伊達よ、俺達が何をしているのか理解をしているのか」

 ゲンが独眼竜の顔を見て質問した。

「おおよそ理解はしていますが、俺は実を言いますと、裏社会はあまり詳しくありません。もともと格闘家で、暴動の時にショッピングモールの守備隊を指揮していて、その流れからこうなっているだけの者です」

「いや、裏社会など知らん方がいい。では熊公、このまま土日に祭りが始まったらどうなると思う」

「……答えてもよろしいのですか?」

「うむ」

「俺達は、のんきに祭りなどをしている奴らをカモにして、荒稼ぎをするつもりでさあ」

「な、何だと!」

 独眼竜が熊公の顔を見て怒りをあらわにした。

「さて、そこで相談だ」

「もし、この街の利権を少しやると言ったら、俺達の為に働く気にはならねえか」

「なんだって」

「どうせ、この先、運送と、飲食と風俗は必要となる。師純興業を熊田興業にして、事業をしねえかという相談だ。折角殿様もいるのだし殿様の認可もそのまま手に入るぞ」

「なっ!!」

 あまりの急な話に驚いている。

「おい黒服共、てめーらも気がついているのだろう。こっちで話しを聞きゃあがれ!!」

 隣の部屋に吹飛ばされていた、黒服達がゲンの剣幕に驚いて、凄い勢いで走ってきた。

「あっ、あの、あなたはいったいどの様なお方なのですか?」

 黒服の一人が質問した。

「俺は、関東ゲン一家のゲンだ。こっちの金髪が関東木田家の大殿様だ! 今はゲン一家も木田家の傘下で働いている。てめーらも木田家の傘下に入り、祭りの成功に尽力しろ」

「関東ゲン一家のゲンさん!!」

 こいつらもゲンのことは知っているようだ。

「具体的にはどの様にすれば?」

「バカヤロー!! 戦争しまくって全部てめーらの下につけて、この街を牛耳ろって事だ! 分からねーのか!! 土日に騒ぎが起きたら両手をぶったぎってけじめをつけろ!! わかったな!!」

「はっ、はい!!」

「兄弟、しばらく俺はこいつらの監督をする。大掃除の始まりだ。だが、無事治安が整ったら、こいつらに真っ当な仕事をやらしてやって欲しい」

「ふふふ、日数が無いけど大丈夫か?」

「おいっ! 熊公どうなんだ。兄弟が聞いているじゃねえか。もたもたしねえで答えろ!!」

「や、やります。が、少々手荒になりますがよろしいですか」

 熊田の顔つきがかわった。
 キモがすわったようだ。たのもしい。

「市民には危険が無いようにな」

「はっ!!」

「兄弟、武器がいる。出してくれ」

 俺は、隣の広い会議室に一杯の鉄剣を出した。

「す、すげーー」

「ぼさっとするな! これを持ってすぐにかかれ!!」

「おっ! おおう!!」

 そう言うと、熊田達が階下の手下と上がってきて、剣を手に走り去っていった。

「伊達、おめーさんは、裏社会の事を知らねえなら、そのまま知らねえままでいい。ただ、熊公がうまく仕事を済ませたら、真っ当な仕事を渡してやってくれ」

「それは、良いのですが、俺も治安隊を作って治安には気を使っていたのですが……」

「ふふふ、治安隊といやあ警察だ。裏社会の人間の犯罪は表に出てこねえ。こんな世の中では、仕返しが恐くて届け出も出来やしねえしな。証拠が無けりゃあ動けねえ治安隊に捕まるのは、元善良な市民の犯罪者だけだ。ふふふっ、裏社会を敵にまわして平気なのは兄弟ぐれーだ。俺でさえ、何度も殺されかけている」

 まてまて、俺は滅茶苦茶こえーよ。
 平気な訳がねえだろー!!

「まあ、熊公が本気を出して、街を支配してくれれば、犯罪はぐっと減る。熊公が恐ーから街が静かになるのさ」

 どうやら、治安隊は本当のワルにはなめられているようだ。



「うおーーーっ!!! 殿をおまもりしろーーー」

 熊公が出て行ったら、入れ違いで伊達家中の者が大勢入ってきた。
 手には、バットや鉄パイプを持っている。

「ばか者ーーーー!! 静かにしろーー!!」

 窓から顔を出し、独眼竜が叫んだ。

「大殿。そ、その、我々も武器を頂けませんか」

 独眼竜が言いにくそうに、武器を要求してきた。
 伊達家の銃は使え無くなってしまったようだ。
 銃弾が生産されていないので、使えば無くなってしまう。
 これからは刀剣が武器の主流になりそうだ。

「下の倉庫に作って置いておくよ、持って行くといい」

「はっ、ありがたき幸せ」

 ゲンはこのまま、ゲン一家の配下も呼び寄せ、熊田興業と共に街の大掃除をした。
 熊田興業という、陸奥の運送業と歓楽街をしきる会社が誕生した。

 俺は、駅前の元服屋さんの入っていたビルをもらい受け、大山大商店を開店した。
 一般のお客さんは入れず、ひっそりと開店した。
 ここを東北の拠点にし、伊達家の米の収穫やゴミ処理をミサとシュラをお供に金曜日まで精力的にこなした。

 金曜日の昼、勉強は一休みで、あずさとヒマリがやって来た。
 俺とミサとシュラ、あずさ、ヒマリは街の治安の確認の為、屋台村に出かけた。
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