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第百三十九話 ドラゴンの保護
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「すごいです!!」
ドラゴンの白旗を見ると、まだ燃えている外壁の隙間を抜けて走ってくる人影があります。
ツヅルさんです。アドに駆け寄り抱き上げて、そのまま抱っこして駆け寄って来ます。
「なにがすごいのですか?」
フォリスさんがツヅルさんに質問しました。
「はい、忍術は逃げ延びる為の術なのです。目くらましのために使います。それを攻撃に使ってあの威力です。すごすぎです」
ツヅルさんにはアドが、忍者の神様に見えているのではないでしょうか。
目の輝きが違います。
そんな会話をしていると、チガーさん達とショートさんもやってきました。
「さて、皆さん、賊の首領は基本、どこの国でも死刑です。なにか申開きする事はありますか。私はいつも聞いて貰えなかったので、聞く側にまわった時にはちゃんと言い分を聞きますよ」
僕は、青いドラゴン八人に向って話しかけた。
言葉が通じればよいのですが。
「あの、私はジグリオと申します」
ドラゴンの一人が人間の姿になりました。
とても美しい、青い髪、青白い肌の女性に変化しました。
うろこが服になるのか、白いドレスを着ている。
赤龍もそうですがレベルの高いドラゴンは、人型になることが出来ます。
「はい、ジグリオさんですね。私はアズサです。他の方は姿が変わらないのですか」
「かわりません、この子達の大きさは成龍と同じですが、まだ幼いのでこのままです」
幼いドラゴンと聞いて、フォリスさんの関心がマックスになりました。
何か事情がありそうですね。
「何故このような事をしたのでしょうか」
「私達は、青龍国からの亡命者です。今、青龍国は赤龍国へ侵略戦争を計画しています。だから、反対をするものが次々粛清されています。私は、反対派の貴族の子供達をつれて、国外へ逃亡して来たのです。そしてこの地で静かに隠れ住んでいました」
「何故この時期に戦争などを計画しているのでしょう」
「はい、私達ドラゴン族が恐れるものは、この世界に魔王様ただ一人です。その魔王様が現れて、ふたたび人間の世界を滅ぼそうとしています。わが国の龍王は、魔王の目が人間に向いているならば、そのすきに宿敵赤龍族を滅ぼそうという考えになりました」
げえ、間接的に僕が原因みたいです。
僕は人間を滅ぼそうなどという考えはありません。
平和的に、国土を返してくれれば、住んでいる人も大切に扱うつもりです。
「私は、魔人の国を奪った人間から国土を返却してもらおうとしているだけで、滅ぼす気は無いのですが……。そう見えてしまうのですね」
「えっ、アズサ様は魔王様なのですか?」
ここにいる人達が、凍り付いた。
「だーー、間違えました。魔王様がそう言っているのを聞いた事があるだけです!!」
「そうですか。アズサ様は魔王様によほど近しいお方なのですね」
「は、はい」
よかった。素直な方で、誤魔化せたみたいです。
どうやら、このドラゴンたちは、悪いドラゴンではないようですね。
たまたま、ここに逃げてきて隠れ住んでいたら、賊が集まってきて、こうなったというところでしょうか。
「チガーさん、ジグリオさんは、この国ではどういう処遇になるのでしょうか」
「はっ、わがあるじ。事情は理解しましたが、やはり……」
さすがは、チガーさんですね。
もう僕の気持ちを察してくれています。
でも、この言い方なら、死罪でしょうか。
「ドラゴンが暴れて逃げた場合は、どうでしょうか」
「その場合は我らではどうしようもありませんね」
チガーさんが、悪い笑顔になりました。
「ジグリオさん、皆さんは魔王国で保護します。ここで暴れたことにしますので魔王国に来て下さい」
「は、はい。ありがとうございます」
「うふふ、この砦や、山は、ドラゴンが逃げ出す時にやったことにしてしまいましょう」
「えっ」
回りの人達が驚いています。
ツヅルさんの胸で意識を取り戻したアドが、ニヤリと悪い笑顔をしています。
「だって、山が結構吹き飛んでいますから、責任が取れませーん」
こうして、僕は八人のドラゴンを魔王国に招くことに成功しました。
ちょっと欲しかったんですよね。ドラゴン。
ドラゴンの白旗を見ると、まだ燃えている外壁の隙間を抜けて走ってくる人影があります。
ツヅルさんです。アドに駆け寄り抱き上げて、そのまま抱っこして駆け寄って来ます。
「なにがすごいのですか?」
フォリスさんがツヅルさんに質問しました。
「はい、忍術は逃げ延びる為の術なのです。目くらましのために使います。それを攻撃に使ってあの威力です。すごすぎです」
ツヅルさんにはアドが、忍者の神様に見えているのではないでしょうか。
目の輝きが違います。
そんな会話をしていると、チガーさん達とショートさんもやってきました。
「さて、皆さん、賊の首領は基本、どこの国でも死刑です。なにか申開きする事はありますか。私はいつも聞いて貰えなかったので、聞く側にまわった時にはちゃんと言い分を聞きますよ」
僕は、青いドラゴン八人に向って話しかけた。
言葉が通じればよいのですが。
「あの、私はジグリオと申します」
ドラゴンの一人が人間の姿になりました。
とても美しい、青い髪、青白い肌の女性に変化しました。
うろこが服になるのか、白いドレスを着ている。
赤龍もそうですがレベルの高いドラゴンは、人型になることが出来ます。
「はい、ジグリオさんですね。私はアズサです。他の方は姿が変わらないのですか」
「かわりません、この子達の大きさは成龍と同じですが、まだ幼いのでこのままです」
幼いドラゴンと聞いて、フォリスさんの関心がマックスになりました。
何か事情がありそうですね。
「何故このような事をしたのでしょうか」
「私達は、青龍国からの亡命者です。今、青龍国は赤龍国へ侵略戦争を計画しています。だから、反対をするものが次々粛清されています。私は、反対派の貴族の子供達をつれて、国外へ逃亡して来たのです。そしてこの地で静かに隠れ住んでいました」
「何故この時期に戦争などを計画しているのでしょう」
「はい、私達ドラゴン族が恐れるものは、この世界に魔王様ただ一人です。その魔王様が現れて、ふたたび人間の世界を滅ぼそうとしています。わが国の龍王は、魔王の目が人間に向いているならば、そのすきに宿敵赤龍族を滅ぼそうという考えになりました」
げえ、間接的に僕が原因みたいです。
僕は人間を滅ぼそうなどという考えはありません。
平和的に、国土を返してくれれば、住んでいる人も大切に扱うつもりです。
「私は、魔人の国を奪った人間から国土を返却してもらおうとしているだけで、滅ぼす気は無いのですが……。そう見えてしまうのですね」
「えっ、アズサ様は魔王様なのですか?」
ここにいる人達が、凍り付いた。
「だーー、間違えました。魔王様がそう言っているのを聞いた事があるだけです!!」
「そうですか。アズサ様は魔王様によほど近しいお方なのですね」
「は、はい」
よかった。素直な方で、誤魔化せたみたいです。
どうやら、このドラゴンたちは、悪いドラゴンではないようですね。
たまたま、ここに逃げてきて隠れ住んでいたら、賊が集まってきて、こうなったというところでしょうか。
「チガーさん、ジグリオさんは、この国ではどういう処遇になるのでしょうか」
「はっ、わがあるじ。事情は理解しましたが、やはり……」
さすがは、チガーさんですね。
もう僕の気持ちを察してくれています。
でも、この言い方なら、死罪でしょうか。
「ドラゴンが暴れて逃げた場合は、どうでしょうか」
「その場合は我らではどうしようもありませんね」
チガーさんが、悪い笑顔になりました。
「ジグリオさん、皆さんは魔王国で保護します。ここで暴れたことにしますので魔王国に来て下さい」
「は、はい。ありがとうございます」
「うふふ、この砦や、山は、ドラゴンが逃げ出す時にやったことにしてしまいましょう」
「えっ」
回りの人達が驚いています。
ツヅルさんの胸で意識を取り戻したアドが、ニヤリと悪い笑顔をしています。
「だって、山が結構吹き飛んでいますから、責任が取れませーん」
こうして、僕は八人のドラゴンを魔王国に招くことに成功しました。
ちょっと欲しかったんですよね。ドラゴン。
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