68 / 208
第六十八話 女神降臨
しおりを挟む
「ぐあああーーー」
くそーー!!
治癒魔法を受けているが、両腕の骨折が出血すら止らねえ。
ガタン!!
「いてーーー、もう少し静かに走らせろ!!」
「はっ、コウケン様申し訳ありません」
「うむ、いやすまん。声を荒げてしまった」
こんな悪い道で、馬車をこのスピードで走らせれば、揺れるのは当たり前だ。
むしろよくやってくれている。
「た、大変です」
「どうした」
俺は、王都の防壁の上を見て愕然とした。
防壁の上に無数のスザクがいる。
「あ、あれが、すべてスザクなのか……」
一体でも、滅茶苦茶強いスザクがあの数。
「王都はもはや陥落しているのか。ウーリエへ向え」
ウーリエは魔王国の西部最大の城塞都市、恐らく王都の我軍の兵士達はすでに向っているだろう。
「コウケン様、見て下さい」
兵士の指の先を見ると、二十メートルはある防壁から、飛び降りる女の姿がある。
スカートをはいているのか、可愛らしい下着が丸出しになっている。
ドン!!
その女は何が起きたのか身投げをしたようだ。
いや、砂埃をあげながら、こっちに走ってきた。
「私の名前は、シュラ、コウケン様にお目通り願いたい!!」
何という美しい女性だ。
「俺が、コウケンだ」
し、しまった、何者なのかもわからんのに答えてしまった。
美しい女性であり、さっき下着まで見てしまったから、油断してしまった。
女は勝手に馬車に乗ってきた。
「そうですか。あなたがコウケン様ですか。フォリス様からこれを渡すように言われてきました」
女が渡してきたのは、真っ黒な液体の入った小瓶だった。
黒いだけでも不気味だが、まわりにまがまがしい黒い霧がまとわりついて、余計に不気味さをましている。
フォリスというのは、たしかスザクと一緒に来ていたあのかわいい少女か。
「これを、どうしろと」
「うふふ、飲んでください」
「ふ、ふざけるな、こんな不気味なものが飲めるかー!!」
「あら、どうしてですか」
「毒なら死ぬだろう」
「うふふふ、私はスザク十人と戦って、勝てる位の強さがあります。あなたを殺すだけなら、毒など必要としません」
な、なんだとーー。
あの化け物のスザクより強いだと、魔王は一体どれだけの戦力を持っているのだ。
しかも、この女、近くで見ればみるほど女神の様に美しい。臭いはないな。
「確かに、お前が言うことが真実なら……」
俺が、ぐだぐだ言っていたら、女神が蓋を開けて一口飲んだ。
「きゃあああああーー」
「だ、大丈夫かーー!!」
「うふふふ、冗談です」
なーー、なんだこの女ーー!!
この状況で、何でこんなことをするんだー。
「どうぞ」
女神の様に美しい笑顔で進めてくる。
俺は思わず、女神が口をつけたところに口をつけて飲んだ。
味はエリクサーの味がする。
「こ、これは……」
液体を口に入れ、喉を通った瞬間、怪我が治り体調まで万全になった。
「シュドウ! ここにエリクサーを運んで下さい」
シュラという女が何も無いところに声をかけたら、馬車一杯に小瓶が現れた。
「なっ……」
俺が驚いていると。
「怪我をしている兵士に飲ませてあげて下さい。次はウーリエで会いましょう。フォリス様からのお言葉です」
そう言うと、シュラという女神が、馬車から飛び降りた。
飛び降りた時、少しだけスカートがめくれ、下着がのぞいている。
女神はそのまま姿が見えなくなるまで見送ってくれた。
くそーー!!
治癒魔法を受けているが、両腕の骨折が出血すら止らねえ。
ガタン!!
「いてーーー、もう少し静かに走らせろ!!」
「はっ、コウケン様申し訳ありません」
「うむ、いやすまん。声を荒げてしまった」
こんな悪い道で、馬車をこのスピードで走らせれば、揺れるのは当たり前だ。
むしろよくやってくれている。
「た、大変です」
「どうした」
俺は、王都の防壁の上を見て愕然とした。
防壁の上に無数のスザクがいる。
「あ、あれが、すべてスザクなのか……」
一体でも、滅茶苦茶強いスザクがあの数。
「王都はもはや陥落しているのか。ウーリエへ向え」
ウーリエは魔王国の西部最大の城塞都市、恐らく王都の我軍の兵士達はすでに向っているだろう。
「コウケン様、見て下さい」
兵士の指の先を見ると、二十メートルはある防壁から、飛び降りる女の姿がある。
スカートをはいているのか、可愛らしい下着が丸出しになっている。
ドン!!
その女は何が起きたのか身投げをしたようだ。
いや、砂埃をあげながら、こっちに走ってきた。
「私の名前は、シュラ、コウケン様にお目通り願いたい!!」
何という美しい女性だ。
「俺が、コウケンだ」
し、しまった、何者なのかもわからんのに答えてしまった。
美しい女性であり、さっき下着まで見てしまったから、油断してしまった。
女は勝手に馬車に乗ってきた。
「そうですか。あなたがコウケン様ですか。フォリス様からこれを渡すように言われてきました」
女が渡してきたのは、真っ黒な液体の入った小瓶だった。
黒いだけでも不気味だが、まわりにまがまがしい黒い霧がまとわりついて、余計に不気味さをましている。
フォリスというのは、たしかスザクと一緒に来ていたあのかわいい少女か。
「これを、どうしろと」
「うふふ、飲んでください」
「ふ、ふざけるな、こんな不気味なものが飲めるかー!!」
「あら、どうしてですか」
「毒なら死ぬだろう」
「うふふふ、私はスザク十人と戦って、勝てる位の強さがあります。あなたを殺すだけなら、毒など必要としません」
な、なんだとーー。
あの化け物のスザクより強いだと、魔王は一体どれだけの戦力を持っているのだ。
しかも、この女、近くで見ればみるほど女神の様に美しい。臭いはないな。
「確かに、お前が言うことが真実なら……」
俺が、ぐだぐだ言っていたら、女神が蓋を開けて一口飲んだ。
「きゃあああああーー」
「だ、大丈夫かーー!!」
「うふふふ、冗談です」
なーー、なんだこの女ーー!!
この状況で、何でこんなことをするんだー。
「どうぞ」
女神の様に美しい笑顔で進めてくる。
俺は思わず、女神が口をつけたところに口をつけて飲んだ。
味はエリクサーの味がする。
「こ、これは……」
液体を口に入れ、喉を通った瞬間、怪我が治り体調まで万全になった。
「シュドウ! ここにエリクサーを運んで下さい」
シュラという女が何も無いところに声をかけたら、馬車一杯に小瓶が現れた。
「なっ……」
俺が驚いていると。
「怪我をしている兵士に飲ませてあげて下さい。次はウーリエで会いましょう。フォリス様からのお言葉です」
そう言うと、シュラという女神が、馬車から飛び降りた。
飛び降りた時、少しだけスカートがめくれ、下着がのぞいている。
女神はそのまま姿が見えなくなるまで見送ってくれた。
0
お気に入りに追加
54
あなたにおすすめの小説
天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜
八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。
第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。
大和型三隻は沈没した……、と思われた。
だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。
大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。
祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。
※異世界転移が何番煎じか分からないですが、書きたいのでかいています!
面白いと思ったらブックマーク、感想、評価お願いします!!※
※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
【完結】おじいちゃんは元勇者
三園 七詩
ファンタジー
元勇者のおじいさんに拾われた子供の話…
親に捨てられ、周りからも見放され生きる事をあきらめた子供の前に国から追放された元勇者のおじいさんが現れる。
エイトを息子のように可愛がり…いつしか子供は強くなり過ぎてしまっていた…
はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。
せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。
おっさん料理人と押しかけ弟子達のまったり田舎ライフ
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
真面目だけが取り柄の料理人、本宝治洋一。
彼は能力の低さから不当な労働を強いられていた。
そんな彼を救い出してくれたのが友人の藤本要。
洋一は要と一緒に現代ダンジョンで気ままなセカンドライフを始めたのだが……気がつけば森の中。
さっきまで一緒に居た要の行方も知れず、洋一は途方に暮れた……のも束の間。腹が減っては戦はできぬ。
持ち前のサバイバル能力で見敵必殺!
赤い毛皮の大きなクマを非常食に、洋一はいつもの要領で食事の準備を始めたのだった。
そこで見慣れぬ騎士姿の少女を助けたことから洋一は面倒ごとに巻き込まれていく事になる。
人々との出会い。
そして貴族や平民との格差社会。
ファンタジーな世界観に飛び交う魔法。
牙を剥く魔獣を美味しく料理して食べる男とその弟子達の田舎での生活。
うるさい権力者達とは争わず、田舎でのんびりとした時間を過ごしたい!
そんな人のための物語。
5/6_18:00完結!
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
HOT 1位!ファンタジー 3位! ありがとうございます!
父親が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
その他、多数投稿しています!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
神々の間では異世界転移がブームらしいです。
はぐれメタボ
ファンタジー
第1部《漆黒の少女》
楠木 優香は神様によって異世界に送られる事になった。
理由は『最近流行ってるから』
数々のチートを手にした優香は、ユウと名を変えて、薬師兼冒険者として異世界で生きる事を決める。
優しくて単純な少女の異世界冒険譚。
第2部 《精霊の紋章》
ユウの冒険の裏で、田舎の少年エリオは多くの仲間と共に、世界の命運を掛けた戦いに身を投じて行く事になる。
それは、英雄に憧れた少年の英雄譚。
第3部 《交錯する戦場》
各国が手を結び結成された人類連合と邪神を奉じる魔王に率いられた魔族軍による戦争が始まった。
人間と魔族、様々な意思と策謀が交錯する群像劇。
第4部 《新たなる神話》
戦争が終結し、邪神の討伐を残すのみとなった。
連合からの依頼を受けたユウは、援軍を率いて勇者の後を追い邪神の神殿を目指す。
それは、この世界で最も新しい神話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる