165 / 180
第百六十五話 新たなる戦い
しおりを挟む
アオは片手で切れたところを持ち上げている。
「このやろーー」
先程レッガ達を一瞬でバラバラにした剣技でアオに襲いかかった。
アオは服を気にして速く動くことが出来ないでいた。
だが、アオの顔に焦りの表情は無く、むしろ嬉しげに笑っている様にも見えた。
「くそがーー」
全ての攻撃をのらりくらりと全て避けられて、ヨミの男がいらだっていた。
そして、アオがチッカの前に重なったとき、鋭い突きを出す。
アオはその攻撃を、体をずらしてかわした。
ヨミの男はそのまま剣を手放した。
男の大きな口が歪み、気色の悪い笑顔になった。
剣はチッカに向かって真っ直ぐ飛んでいく。
アオは後ろにいるチッカの事などまるで気にしていなかったのだ。
「きゃーー」
剣はチッカの鼻先で止まっていた。
「アオ様、人間と戦うときは、ちゃんと味方を守るように、戦って下さい」
クロが剣の柄を持ちチッカに刺さる前に止めたのだ。
「くそー何なんだお前は」
「遊びは終わりだ」
アオが険しい表情で男に近づく。
怒ったアオは服から手を離し本気の攻撃を仕掛けた。
男は声も出せずに倒れた。
その場にいた者の目には何が起ったかわからなかった。
「アオ様、楽しみたいのはわかりますが、遊びすぎです。あとパンツ丸出しです」
クロが少し強い口調でアオに言う。
「なークロ、まな様にはちゃんとうまくやったと言って欲しい」
「わかっています」
「あのーー、まな様っていったい誰なのですか」
チッカが正気を取り戻し目の前にいるクロに質問した。
「まな様というのは、私達のご主人様でとても恐い方です」
白い美少女のクロが不気味な笑顔を見せると、チッカ達隊員五人が震え上がった。
後のことを隊員達に任すと、アオ達はイナ国のパレイ商会に戻った。
数日の後
アオの元にヨミの討伐作戦参加要請があった。
捕まったヨミの部下はオリ国に送られて、オリ国の魔人ゲダの洗脳を受け、イナ国内の支部の場所を白状したのだ。
アオの元にはチッカが補佐として付いていた。
ヨミの支部はイネス郊外の人里離れた森の中にある。
イナ国軍は500人で、アジトを包囲しその一員として参加している。
「アオ様、このアジトにはヨミの一族が数人いると聞きました」
「ふむ」
「アオ様の力が必要となります。宜しくお願いします」
チッカがアオに頭を下げた。
それを見ていた兵士が薄笑いを浮かべ近づいてきた。
「綺麗なねーちゃんだなー」
今回もアオは赤いドレスを着ていた。
こんな戦場では目立ちまくっている。
まわりの兵士から目を付けられてしまったのだ。
「クロ様、なぜアオ様はこのような服をきているのですか」
チッカは近くにクロが居るものとして聞いて見た。
「しかたがありません、まな様に渡されましたから」
「そうですか」
チッカは、まな様という恐ろしいご主人には逆らえないから、しょうが無いと思っていた。
「おいねーちゃん、無視してんじゃねーぜ」
なおもしつこく絡んでくる。
「おい、止めねーか、この人を怒らせるな!」
仲裁に入ったのはレッガだった。
「このやろーー」
先程レッガ達を一瞬でバラバラにした剣技でアオに襲いかかった。
アオは服を気にして速く動くことが出来ないでいた。
だが、アオの顔に焦りの表情は無く、むしろ嬉しげに笑っている様にも見えた。
「くそがーー」
全ての攻撃をのらりくらりと全て避けられて、ヨミの男がいらだっていた。
そして、アオがチッカの前に重なったとき、鋭い突きを出す。
アオはその攻撃を、体をずらしてかわした。
ヨミの男はそのまま剣を手放した。
男の大きな口が歪み、気色の悪い笑顔になった。
剣はチッカに向かって真っ直ぐ飛んでいく。
アオは後ろにいるチッカの事などまるで気にしていなかったのだ。
「きゃーー」
剣はチッカの鼻先で止まっていた。
「アオ様、人間と戦うときは、ちゃんと味方を守るように、戦って下さい」
クロが剣の柄を持ちチッカに刺さる前に止めたのだ。
「くそー何なんだお前は」
「遊びは終わりだ」
アオが険しい表情で男に近づく。
怒ったアオは服から手を離し本気の攻撃を仕掛けた。
男は声も出せずに倒れた。
その場にいた者の目には何が起ったかわからなかった。
「アオ様、楽しみたいのはわかりますが、遊びすぎです。あとパンツ丸出しです」
クロが少し強い口調でアオに言う。
「なークロ、まな様にはちゃんとうまくやったと言って欲しい」
「わかっています」
「あのーー、まな様っていったい誰なのですか」
チッカが正気を取り戻し目の前にいるクロに質問した。
「まな様というのは、私達のご主人様でとても恐い方です」
白い美少女のクロが不気味な笑顔を見せると、チッカ達隊員五人が震え上がった。
後のことを隊員達に任すと、アオ達はイナ国のパレイ商会に戻った。
数日の後
アオの元にヨミの討伐作戦参加要請があった。
捕まったヨミの部下はオリ国に送られて、オリ国の魔人ゲダの洗脳を受け、イナ国内の支部の場所を白状したのだ。
アオの元にはチッカが補佐として付いていた。
ヨミの支部はイネス郊外の人里離れた森の中にある。
イナ国軍は500人で、アジトを包囲しその一員として参加している。
「アオ様、このアジトにはヨミの一族が数人いると聞きました」
「ふむ」
「アオ様の力が必要となります。宜しくお願いします」
チッカがアオに頭を下げた。
それを見ていた兵士が薄笑いを浮かべ近づいてきた。
「綺麗なねーちゃんだなー」
今回もアオは赤いドレスを着ていた。
こんな戦場では目立ちまくっている。
まわりの兵士から目を付けられてしまったのだ。
「クロ様、なぜアオ様はこのような服をきているのですか」
チッカは近くにクロが居るものとして聞いて見た。
「しかたがありません、まな様に渡されましたから」
「そうですか」
チッカは、まな様という恐ろしいご主人には逆らえないから、しょうが無いと思っていた。
「おいねーちゃん、無視してんじゃねーぜ」
なおもしつこく絡んでくる。
「おい、止めねーか、この人を怒らせるな!」
仲裁に入ったのはレッガだった。
0
お気に入りに追加
56
あなたにおすすめの小説
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。

もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。

婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪
naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。
「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」
まっ、いいかっ!
持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります
真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」
婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。
そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。
脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。
王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。

聖女の娘に転生したのに、色々とハードな人生です。
みちこ
ファンタジー
乙女ゲームのヒロインの娘に転生した主人公、ヒロインの娘なら幸せな暮らしが待ってると思ったけど、実際は親から放置されて孤独な生活が待っていた。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる