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第十九話 領主との初対面
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いつものように狩りに行くため、広場で待ち合わせをしていると、街が少し喧騒としている。
伍イ団の五人は気にせず森に狩りに出かけた。
森では五人バラバラで狩りをしていた、ガイもロイも今では、熊ぐらいの魔獣なら一撃で倒すことが出来る。
レイも魔法が順調で、短剣も使うようになった。
メイの魔法は強力になり、倒せる魔獣はガイやロイよりかなり大きい。
あいは今、魔獣の治癒をするので忙しい。
伍イ団がそれだけ魔獣を倒しまくっているということだった。
「魔封石も満タンになったし、今日はこれで終わろうか」
「しかし、魔封石を満タンにするのに時間が掛かるようになったなー」
「三日もかかるなんてな」
ガイが白く光る魔封石を見ながらつぶやく。
「仕方がないさ、容量が増えてんだからさ」
ロイがいいながら魔封石をのぞきこむ。
「じゃあいこう」
グエン商会
「えっ、もう満タンですか、早いですね、魔封石の階級が上がります。白金貨二枚の魔封石になります。個人用が金貨四十枚の魔封石です」
「売り上げは、白金貨二枚です」
「私はお金いらないです」
「魔獣の治癒しかしていませんので」
「何言っているのよ、あいちゃん」
「私は五等分でなければ受け取りません」
「あいちゃんが言ったんだからね」
レイが少し怒っていう。
さすがに、頑固なあいでも、相手の方が正しすぎれば素直にしたがう。
「はい、すみません、ありがとうございます」
受付嬢は、伍イ団は良い団だなーと、ほっこりしてしまい、危うく仕事を忘れるところだった。
帰ろうとする伍イ団に、あせって声をかける。
「皆さん、ササ領主様から仕事の依頼が指名で来ていまして」
「内容は直接話したいとのことです」
「明日の夕方に領主邸へ行って頂きたいのですが大丈夫でしょうか」
ガイが仲間を見る、全員、ふん、ふん、頷いている。
「大丈夫です」
「ではいつものです」
受付嬢は移動符を渡してきた。
ササ領主邸
「伍イ団ですが」
「はい、承っております」
「貧民のあいですが」
あいがガイのまねをする。
「はい、承っております」
スンナリ通して貰えた。
広間のドアを開けると前回と違い、入ってすぐに大きな、椅子が置いてあった。椅子の背もたれは大きくて、衝立の様に中の様子が、見えないようになっている。
その衝立椅子(ついたていす)の向こうから、ぺちゃぺちゃ、くちゃくちゃ、はしたなく何かを食べる音がする。
こちらからは全く様子が分らないため、なにがあるのか予想もつかなかった。
あいが一番に衝立の向こう側に出て横を向く。
そのとたん、操り人形が紐を全部切られたように、ぺたんと座り込んでしまった。
伍イ団の四人はあいが死んでしまったのかと思った。
しばらくの沈黙のあと、あいは、迷子になった幼児のようにワンワン泣き出した。
「わあーーん、わああーーん」
「うわあーん、うああわあーん」
しばらく絶叫のように泣いた。
「うぐをうぇへほうぇふくふぇええん」
何か言っているようだが全くわからない。
四人はあいを介抱するため、あいの横にきて驚いた。
椅子には四角い顔の中年のおっさんが、両手に料理を持ち、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしてあいを見ているからだ。
一番驚いているのはこのおっさんだった。
なんで、こうなったのか、何があったのか分らなかった。
前回までのお詫びの積もりで、貧民のあいを歓迎している気持ちを、伝えようとしただけなのだ。
ただ、手づかみでぺちゃくちゃ音を立て料理を食べ、貧民服を着ただけなのだ。
「おーーい、おーーい」
「おーい、おーい」
あいはおっさんの膝にすがりつき泣いている。
大分落ち着いてきている。
伍イ団の四人は、あいちゃん、貧民に寄り添われるのに一番弱いからなー。ここまでされたら持つわけ無いよなー。
あいちゃん大丈夫かなと思った。
あいは、感動と、うれしさと、懺悔と、色々な感情に襲われていた。
領主という立場の人間が、平民でも嫌がる貧民服を着ていた。
その上、貧民と同じ食事方法で料理を食べている。
どれほど貧民に寄り添ってくれるのかと。
感動しすぎて一瞬、気を失った、全身に力が入らなくなった。
あとはもう勝手に声が出て、勝手に涙がでた。
「すまぬ、わたしのしたことで、そなたをこれほど悲しませるとは」
四角いおっさんは椅子からおり、あいに向かって手をついて、頭を下げた。
あいはぶんぶん頭を振った。
「うひーーっぐ、ふぃいーーっぐ」
あいは何か言おうとしたが、泣きすぎてしゃっくりがでて、しゃべることが出来なかった。
伍イ団の四人はあいを席に座らせようとして、さらに驚いた。
テーブルの上には、陶器に入った温かい牛乳の置いてある席、肉が一杯置いてある席、エビ料理の一杯置いてある席、麺料理の置いてある席、辛い料理が置いてある席と、伍イ団のメンバーの好みの料理が置いてある席が用意されていた。
あいを牛乳の席に座らせると、それぞれ好みの料理の席に座った。
この人どこまでやるのかと、四人は思った。
四角いおっさんこと領主ササは、皆が席に着くと食事をするように促した。
全員が手づかみで食べ出すと、自分も手づかみで食べ、ぺちゃぺちゃ音を出した。
ササは、何か異変を感じた、変な音を立てているのが自分だけなのを。
「あー、音は出さないのかね」
ようやく落ち着いたあいが答える。
「行儀が悪いです」
ひとしきり料理を楽しんだ後、メイがササに声をかけた。
「さあ、大人の話し合いでも始めるかね」
「あんたが言うんかい!」
声には出さないがメイ以外の者は皆おもっていた。
メイの見た目はこの中で一番幼い美少女なのだ。
伍イ団の五人は気にせず森に狩りに出かけた。
森では五人バラバラで狩りをしていた、ガイもロイも今では、熊ぐらいの魔獣なら一撃で倒すことが出来る。
レイも魔法が順調で、短剣も使うようになった。
メイの魔法は強力になり、倒せる魔獣はガイやロイよりかなり大きい。
あいは今、魔獣の治癒をするので忙しい。
伍イ団がそれだけ魔獣を倒しまくっているということだった。
「魔封石も満タンになったし、今日はこれで終わろうか」
「しかし、魔封石を満タンにするのに時間が掛かるようになったなー」
「三日もかかるなんてな」
ガイが白く光る魔封石を見ながらつぶやく。
「仕方がないさ、容量が増えてんだからさ」
ロイがいいながら魔封石をのぞきこむ。
「じゃあいこう」
グエン商会
「えっ、もう満タンですか、早いですね、魔封石の階級が上がります。白金貨二枚の魔封石になります。個人用が金貨四十枚の魔封石です」
「売り上げは、白金貨二枚です」
「私はお金いらないです」
「魔獣の治癒しかしていませんので」
「何言っているのよ、あいちゃん」
「私は五等分でなければ受け取りません」
「あいちゃんが言ったんだからね」
レイが少し怒っていう。
さすがに、頑固なあいでも、相手の方が正しすぎれば素直にしたがう。
「はい、すみません、ありがとうございます」
受付嬢は、伍イ団は良い団だなーと、ほっこりしてしまい、危うく仕事を忘れるところだった。
帰ろうとする伍イ団に、あせって声をかける。
「皆さん、ササ領主様から仕事の依頼が指名で来ていまして」
「内容は直接話したいとのことです」
「明日の夕方に領主邸へ行って頂きたいのですが大丈夫でしょうか」
ガイが仲間を見る、全員、ふん、ふん、頷いている。
「大丈夫です」
「ではいつものです」
受付嬢は移動符を渡してきた。
ササ領主邸
「伍イ団ですが」
「はい、承っております」
「貧民のあいですが」
あいがガイのまねをする。
「はい、承っております」
スンナリ通して貰えた。
広間のドアを開けると前回と違い、入ってすぐに大きな、椅子が置いてあった。椅子の背もたれは大きくて、衝立の様に中の様子が、見えないようになっている。
その衝立椅子(ついたていす)の向こうから、ぺちゃぺちゃ、くちゃくちゃ、はしたなく何かを食べる音がする。
こちらからは全く様子が分らないため、なにがあるのか予想もつかなかった。
あいが一番に衝立の向こう側に出て横を向く。
そのとたん、操り人形が紐を全部切られたように、ぺたんと座り込んでしまった。
伍イ団の四人はあいが死んでしまったのかと思った。
しばらくの沈黙のあと、あいは、迷子になった幼児のようにワンワン泣き出した。
「わあーーん、わああーーん」
「うわあーん、うああわあーん」
しばらく絶叫のように泣いた。
「うぐをうぇへほうぇふくふぇええん」
何か言っているようだが全くわからない。
四人はあいを介抱するため、あいの横にきて驚いた。
椅子には四角い顔の中年のおっさんが、両手に料理を持ち、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしてあいを見ているからだ。
一番驚いているのはこのおっさんだった。
なんで、こうなったのか、何があったのか分らなかった。
前回までのお詫びの積もりで、貧民のあいを歓迎している気持ちを、伝えようとしただけなのだ。
ただ、手づかみでぺちゃくちゃ音を立て料理を食べ、貧民服を着ただけなのだ。
「おーーい、おーーい」
「おーい、おーい」
あいはおっさんの膝にすがりつき泣いている。
大分落ち着いてきている。
伍イ団の四人は、あいちゃん、貧民に寄り添われるのに一番弱いからなー。ここまでされたら持つわけ無いよなー。
あいちゃん大丈夫かなと思った。
あいは、感動と、うれしさと、懺悔と、色々な感情に襲われていた。
領主という立場の人間が、平民でも嫌がる貧民服を着ていた。
その上、貧民と同じ食事方法で料理を食べている。
どれほど貧民に寄り添ってくれるのかと。
感動しすぎて一瞬、気を失った、全身に力が入らなくなった。
あとはもう勝手に声が出て、勝手に涙がでた。
「すまぬ、わたしのしたことで、そなたをこれほど悲しませるとは」
四角いおっさんは椅子からおり、あいに向かって手をついて、頭を下げた。
あいはぶんぶん頭を振った。
「うひーーっぐ、ふぃいーーっぐ」
あいは何か言おうとしたが、泣きすぎてしゃっくりがでて、しゃべることが出来なかった。
伍イ団の四人はあいを席に座らせようとして、さらに驚いた。
テーブルの上には、陶器に入った温かい牛乳の置いてある席、肉が一杯置いてある席、エビ料理の一杯置いてある席、麺料理の置いてある席、辛い料理が置いてある席と、伍イ団のメンバーの好みの料理が置いてある席が用意されていた。
あいを牛乳の席に座らせると、それぞれ好みの料理の席に座った。
この人どこまでやるのかと、四人は思った。
四角いおっさんこと領主ササは、皆が席に着くと食事をするように促した。
全員が手づかみで食べ出すと、自分も手づかみで食べ、ぺちゃぺちゃ音を出した。
ササは、何か異変を感じた、変な音を立てているのが自分だけなのを。
「あー、音は出さないのかね」
ようやく落ち着いたあいが答える。
「行儀が悪いです」
ひとしきり料理を楽しんだ後、メイがササに声をかけた。
「さあ、大人の話し合いでも始めるかね」
「あんたが言うんかい!」
声には出さないがメイ以外の者は皆おもっていた。
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