19 / 86
第十九話 サエの決意
しおりを挟む
「あのー透明……」
「ああ、ガドで良いよ」
「ガドさん、あいさんと一緒に仲間のところへ、来ていただきたいのですが」
ヒノが頼みにくそうにあいの方を見て同行を依頼している。
「私と配下の者は、ここ数日泥水をすすり、食べ物は食べていません。あいさんの牛丼を仲間にも、食べさせて上げたいのです」
「すぐに行くぞ」
おれがそう言うと、ヒノがもじもじしている。
「どうした?」
「あのー、私が走るより、ガドさんに運んでもらった方が速いので、先程の様に運んでいただけませんか」
ちっ、抱っこして運ぶって事か。
「わかった、連れて行ってやるよ。案内してくれ。あいは、場所がわかったら後から来てくれ」
「はい」
「行ってしまったのう。ヒミ、ところでお前達のステータスって全部嘘なのか」
「いいえ、パートナーのところだけ作りました。おばあ様の魔女も本当のことです」
「ふむ。じゃあ早いところ、嫁というのは嘘だと言った方が良いのではないか」
「それですが、私は嫁のままでいたいのですが、だめでしょうか?」
「あんな奴で大丈夫か」
「おばあさん、ガドくんは、あんな奴ではありません」
あいがキッとまゆをつり上げながら、まなに話しかけた。
「ガドくんは顔が恐いので、とっつき悪いですが、人と会話するのが嫌いで、とっつき悪いですが、常に弱い人の側に立って行動する人です」
「ほう、だからあいはガドが好きなのか?」
「す、す、す、好きではありません。エッチな人は嫌いです。あ、ガドくんがついたみたいです。私は行ってきます」
「ちっ、逃げてしまったか」
「あのーおばあさん。何故ガドくんをここまで信頼しているのですか?」
サエはずっと疑問に思っていたことを聞いてみた。
「ふふふ、ガドはのう、わしのいた世界ではわしの三大眷属と言われて、人々の畏怖や尊敬を集める者じゃった。同一人物ではないのだろうがそっくりなのじゃ。きっと、同じぐらい役に立ってくれるとおもってのー。じゃが、わしの世界のガドはああもスケベではなかったがのー」
「じゃあ、やっぱり別人ですね」
「どうするサエ、お前さんは普通の人間じゃ、ここから先、深入りする必要はないぞ」
「足手まといと、言うことですか?」
「まあ、簡単に言ってしまえばそうじゃ。じゃが、それを言ってしまえば、わしから見れば、あいとガド以外は皆同じじゃがのう。ガドのお気に入りみたいだから、来たいのならば止めはせん」
「では、いきます。そして、ガドさんや、おばあさんの戦いの証人になります」
「うむ、良かろう」
「ああ、ガドで良いよ」
「ガドさん、あいさんと一緒に仲間のところへ、来ていただきたいのですが」
ヒノが頼みにくそうにあいの方を見て同行を依頼している。
「私と配下の者は、ここ数日泥水をすすり、食べ物は食べていません。あいさんの牛丼を仲間にも、食べさせて上げたいのです」
「すぐに行くぞ」
おれがそう言うと、ヒノがもじもじしている。
「どうした?」
「あのー、私が走るより、ガドさんに運んでもらった方が速いので、先程の様に運んでいただけませんか」
ちっ、抱っこして運ぶって事か。
「わかった、連れて行ってやるよ。案内してくれ。あいは、場所がわかったら後から来てくれ」
「はい」
「行ってしまったのう。ヒミ、ところでお前達のステータスって全部嘘なのか」
「いいえ、パートナーのところだけ作りました。おばあ様の魔女も本当のことです」
「ふむ。じゃあ早いところ、嫁というのは嘘だと言った方が良いのではないか」
「それですが、私は嫁のままでいたいのですが、だめでしょうか?」
「あんな奴で大丈夫か」
「おばあさん、ガドくんは、あんな奴ではありません」
あいがキッとまゆをつり上げながら、まなに話しかけた。
「ガドくんは顔が恐いので、とっつき悪いですが、人と会話するのが嫌いで、とっつき悪いですが、常に弱い人の側に立って行動する人です」
「ほう、だからあいはガドが好きなのか?」
「す、す、す、好きではありません。エッチな人は嫌いです。あ、ガドくんがついたみたいです。私は行ってきます」
「ちっ、逃げてしまったか」
「あのーおばあさん。何故ガドくんをここまで信頼しているのですか?」
サエはずっと疑問に思っていたことを聞いてみた。
「ふふふ、ガドはのう、わしのいた世界ではわしの三大眷属と言われて、人々の畏怖や尊敬を集める者じゃった。同一人物ではないのだろうがそっくりなのじゃ。きっと、同じぐらい役に立ってくれるとおもってのー。じゃが、わしの世界のガドはああもスケベではなかったがのー」
「じゃあ、やっぱり別人ですね」
「どうするサエ、お前さんは普通の人間じゃ、ここから先、深入りする必要はないぞ」
「足手まといと、言うことですか?」
「まあ、簡単に言ってしまえばそうじゃ。じゃが、それを言ってしまえば、わしから見れば、あいとガド以外は皆同じじゃがのう。ガドのお気に入りみたいだから、来たいのならば止めはせん」
「では、いきます。そして、ガドさんや、おばあさんの戦いの証人になります」
「うむ、良かろう」
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
【R18】童貞のまま転生し悪魔になったけど、エロ女騎士を救ったら筆下ろしを手伝ってくれる契約をしてくれた。
飼猫タマ
ファンタジー
訳あって、冒険者をしている没落騎士の娘、アナ·アナシア。
ダンジョン探索中、フロアーボスの付き人悪魔Bに捕まり、恥辱を受けていた。
そんな折、そのダンジョンのフロアーボスである、残虐で鬼畜だと巷で噂の悪魔Aが復活してしまい、アナ·アナシアは死を覚悟する。
しかし、その悪魔は違う意味で悪魔らしくなかった。
自分の前世は人間だったと言い張り、自分は童貞で、SEXさせてくれたらアナ·アナシアを殺さないと言う。
アナ·アナシアは殺さない為に、童貞チェリーボーイの悪魔Aの筆下ろしをする契約をしたのだった!
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい
一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。
しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。
家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。
そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。
そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。
……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる