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第七十二話 かしらの最期
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マリーは目にも止らぬ早業で二人を手で捕まえました。
右手におかしら、左手には若頭を握っています。
二人の体からギシギシ骨のきしむ音が、僕の耳にまで聞こえます。
「ぎゃああああああーー」
その痛みが想像出来て、僕の背筋が寒くなりました。
おかしらの方が痛みに弱いのか、利き手だから力が入りすぎているのか、口の端から泡が出ています。
「ぎゃめでーーー、ぎゃめでぐだざいーーー」
大の男が二人して、目からボロボロ涙を流して懇願しています。
「ふう、マリー離してあげて下さい。それだけ痛めつければ、全身の骨にヒビが入っているでしょう」
僕が言うと、マリーは優しい笑顔になり地面に二人を転がしました。
そして、マリーの表情が歪みました。
男達はギュッと握りしめられて、マリーの手の中で少しお漏らしをしてしまったようです。
マリーが気持ち悪そうに手を見つめています。
かしらと若頭は、ばつが悪そうにヨロヨロとはいずり僕の横を移動していきます。
「マリー、手を綺麗にしたら、捕まっている人を助けて上げましょう」
僕は尊厳を失った二人が、もう何も出来ないだろうと目を離してしまいました。その隙に、二人は床に隠してあった薬を取り出し、口に運びました。
「ぎゃあーーはっはっはっ」
二人の男達は、品の無い声で大きく笑いだしました。
「ノコ様、エリクサーを飲んだようです」
マリーが少し焦っています。
「クスクス、そんなことより気の毒な、さらわれてきた女性達を助けるのが先です」
僕の興味は、お漏らしをした男達から、絶世の美女の方に移っています。
この悪党達全員が神々しいほどの美女と認めている女性がいるのです。
そう、そとに来ている荒ぶる戦女神の主人がどこかに隠されているのです。
僕は美人や貴族と結婚する気はありません、ノコにふさわしい普通の気立てのいい女性と結婚したいと思っているからです。
でもそれはそれ、これはこれです。
見るのは見てみたいじゃあ無いですか。絶世の美女ですよ。
僕はなんといっても男なのですから。
「馬鹿め、貴様らはぜってーに殺す。憶えていろよ!」
そんなことを考えていたら、悪党の親玉は捨て台詞を吐くと逃げて行きました。
もう、すごくどうでもよくなりました。
「うぎゃーー」
んっ、外に逃げ出した親玉二人の、断末魔の声が聞こえました。
扉からちょっぴり顔を出して外を見ると、親玉二人が荒ぶる戦女神様に体を真っ二つに切り倒されています。
S級冒険者を軽々倒す、あの、おかしらを瞬殺とは恐ろしいほどの強さです。
まさに荒ぶる戦女神と呼ぶにふさわしいようです。
そして、荒ぶる戦女神様を見た僕は、賊達が化け物と呼んだ意味がわかりました。
全身真っ赤のゴテゴテで、目の白い所だけがはっきりしている、見るだけで震え上がるほどの化け物です。
僕は、すぐに天井の無い部屋の中に引っ込みました。
ここは、あの二人のご主人の絶世の美女を見つけて、速く返して上げましょう。
僕にはまったく下心はありません、それはもう山を流れる清流の様に清んだこころで考えています。
右手におかしら、左手には若頭を握っています。
二人の体からギシギシ骨のきしむ音が、僕の耳にまで聞こえます。
「ぎゃああああああーー」
その痛みが想像出来て、僕の背筋が寒くなりました。
おかしらの方が痛みに弱いのか、利き手だから力が入りすぎているのか、口の端から泡が出ています。
「ぎゃめでーーー、ぎゃめでぐだざいーーー」
大の男が二人して、目からボロボロ涙を流して懇願しています。
「ふう、マリー離してあげて下さい。それだけ痛めつければ、全身の骨にヒビが入っているでしょう」
僕が言うと、マリーは優しい笑顔になり地面に二人を転がしました。
そして、マリーの表情が歪みました。
男達はギュッと握りしめられて、マリーの手の中で少しお漏らしをしてしまったようです。
マリーが気持ち悪そうに手を見つめています。
かしらと若頭は、ばつが悪そうにヨロヨロとはいずり僕の横を移動していきます。
「マリー、手を綺麗にしたら、捕まっている人を助けて上げましょう」
僕は尊厳を失った二人が、もう何も出来ないだろうと目を離してしまいました。その隙に、二人は床に隠してあった薬を取り出し、口に運びました。
「ぎゃあーーはっはっはっ」
二人の男達は、品の無い声で大きく笑いだしました。
「ノコ様、エリクサーを飲んだようです」
マリーが少し焦っています。
「クスクス、そんなことより気の毒な、さらわれてきた女性達を助けるのが先です」
僕の興味は、お漏らしをした男達から、絶世の美女の方に移っています。
この悪党達全員が神々しいほどの美女と認めている女性がいるのです。
そう、そとに来ている荒ぶる戦女神の主人がどこかに隠されているのです。
僕は美人や貴族と結婚する気はありません、ノコにふさわしい普通の気立てのいい女性と結婚したいと思っているからです。
でもそれはそれ、これはこれです。
見るのは見てみたいじゃあ無いですか。絶世の美女ですよ。
僕はなんといっても男なのですから。
「馬鹿め、貴様らはぜってーに殺す。憶えていろよ!」
そんなことを考えていたら、悪党の親玉は捨て台詞を吐くと逃げて行きました。
もう、すごくどうでもよくなりました。
「うぎゃーー」
んっ、外に逃げ出した親玉二人の、断末魔の声が聞こえました。
扉からちょっぴり顔を出して外を見ると、親玉二人が荒ぶる戦女神様に体を真っ二つに切り倒されています。
S級冒険者を軽々倒す、あの、おかしらを瞬殺とは恐ろしいほどの強さです。
まさに荒ぶる戦女神と呼ぶにふさわしいようです。
そして、荒ぶる戦女神様を見た僕は、賊達が化け物と呼んだ意味がわかりました。
全身真っ赤のゴテゴテで、目の白い所だけがはっきりしている、見るだけで震え上がるほどの化け物です。
僕は、すぐに天井の無い部屋の中に引っ込みました。
ここは、あの二人のご主人の絶世の美女を見つけて、速く返して上げましょう。
僕にはまったく下心はありません、それはもう山を流れる清流の様に清んだこころで考えています。
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