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第四十九話 問題発生
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翌朝、皆の朝食と片付けが終わり、食堂には、ヒュアちゃんとンデラさん、そしてローズ、僕の四人だけになった。
やっとゆっくり出来そうなので、お茶の用意をして、一口飲もうとしたとき。
「ノコ様ーー」
S級冒険者が二人扉を開けて飛び込んできた。
「どうしたのですか?」
せっかくの静かな時間を邪魔されて、僕は少しだけ不機嫌になった。
「ああ、ノコ様、ローズの姉御、ギルド長の使いで来ました」
二人は僕の向かいの席に座りました。
ンデラさんが、すぐに席を立ちお茶の準備に入ってくれました。
「東の大森林で、魔石が大量に落ちていて、モンスターが全くいなくなったということです。これについて、ノコ様は何か知りませんか」
サビアさんが、何だか含みのある笑顔で質問します。
「こ、心当たりがありませんね。ゆ、ゆ、勇者様がやって下さったのではありませんか」
「ぶっ」
僕が答えたら、ローズが吹き出している。
「そうですか。まあそう言うとは思っていました」
シロイさんが、半笑いで答えます。
「要件はそれだけですか」
「いいえ、本題はここからです」
ずいっとシロイさんが乗り出して僕の顔をのぞき込みます。
「勇者様が北のダンジョン攻略に出向かれました」
僕は、ピンと来た。きっと新しく手に入った武器、ドラゴンソードが使いたいのだと。
「そうですか」
「問題は、ここからです、このダンジョン攻略に、国立魔法学園の成績優秀な生徒六十名が同行することになりました」
「えっ、き、危険です」
僕は少し焦っている。あの勇者と一緒では最悪の場合、命を落としかねない。
「ですが、国の危機を何度も救っている勇者様が一緒なら安全と、学園長は判断したみたいです」
「……」
つまり、ギルド長は僕が勇者に実力以上の名声を与えたせいで、学園の生徒に危険が迫るのだと言っているのだ。
「はぁ、わかりました。僕も同行します」
「サビアさん、シロイさん、このあとの予定はありますか」
「いいえ」
「では、この家の留守番を頼めませんか」
「わかりました」
「ノコ様ー!」
今度はユーリさんが来ました。
「はい、何ですか」
「少し問題が発生したのじゃ、エルフ族が怒っているのじゃ」
「えっ」
「誘拐されていたエルフ族の中に、貴族の娘がいて不当な扱いを受けたと怒っているのじゃ」
「そうですか」
はーーっ、次々問題が発生しますねー。
「わかりました、ダンジョンの件が終ったら、エルフの国に行きましょう」
「それなら、わちきの国、第四魔王国にも来て欲しいのでありんす」
「えっ」
今度はアクエラさんが現れた。
「わちきの妹の、国王アクリムがあいさつをしたいとのことでありんす」
「そ、そうですか。でしたら、こちらの件が落ち着いたら伺うとお伝え下さい」
はーー、まだンデラさんの件も終ってないのに、次から次へと忙しくなりました。
「ローズ、まずは南のダンジョンへ急いで行きましょう」
「はい」
僕の体は一つしか無いので、まずは子供達の安全を優先した。
やっとゆっくり出来そうなので、お茶の用意をして、一口飲もうとしたとき。
「ノコ様ーー」
S級冒険者が二人扉を開けて飛び込んできた。
「どうしたのですか?」
せっかくの静かな時間を邪魔されて、僕は少しだけ不機嫌になった。
「ああ、ノコ様、ローズの姉御、ギルド長の使いで来ました」
二人は僕の向かいの席に座りました。
ンデラさんが、すぐに席を立ちお茶の準備に入ってくれました。
「東の大森林で、魔石が大量に落ちていて、モンスターが全くいなくなったということです。これについて、ノコ様は何か知りませんか」
サビアさんが、何だか含みのある笑顔で質問します。
「こ、心当たりがありませんね。ゆ、ゆ、勇者様がやって下さったのではありませんか」
「ぶっ」
僕が答えたら、ローズが吹き出している。
「そうですか。まあそう言うとは思っていました」
シロイさんが、半笑いで答えます。
「要件はそれだけですか」
「いいえ、本題はここからです」
ずいっとシロイさんが乗り出して僕の顔をのぞき込みます。
「勇者様が北のダンジョン攻略に出向かれました」
僕は、ピンと来た。きっと新しく手に入った武器、ドラゴンソードが使いたいのだと。
「そうですか」
「問題は、ここからです、このダンジョン攻略に、国立魔法学園の成績優秀な生徒六十名が同行することになりました」
「えっ、き、危険です」
僕は少し焦っている。あの勇者と一緒では最悪の場合、命を落としかねない。
「ですが、国の危機を何度も救っている勇者様が一緒なら安全と、学園長は判断したみたいです」
「……」
つまり、ギルド長は僕が勇者に実力以上の名声を与えたせいで、学園の生徒に危険が迫るのだと言っているのだ。
「はぁ、わかりました。僕も同行します」
「サビアさん、シロイさん、このあとの予定はありますか」
「いいえ」
「では、この家の留守番を頼めませんか」
「わかりました」
「ノコ様ー!」
今度はユーリさんが来ました。
「はい、何ですか」
「少し問題が発生したのじゃ、エルフ族が怒っているのじゃ」
「えっ」
「誘拐されていたエルフ族の中に、貴族の娘がいて不当な扱いを受けたと怒っているのじゃ」
「そうですか」
はーーっ、次々問題が発生しますねー。
「わかりました、ダンジョンの件が終ったら、エルフの国に行きましょう」
「それなら、わちきの国、第四魔王国にも来て欲しいのでありんす」
「えっ」
今度はアクエラさんが現れた。
「わちきの妹の、国王アクリムがあいさつをしたいとのことでありんす」
「そ、そうですか。でしたら、こちらの件が落ち着いたら伺うとお伝え下さい」
はーー、まだンデラさんの件も終ってないのに、次から次へと忙しくなりました。
「ローズ、まずは南のダンジョンへ急いで行きましょう」
「はい」
僕の体は一つしか無いので、まずは子供達の安全を優先した。
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