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第四十一話 侯爵と魔王

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ローズが学校に手続きをするため、数日家を空けた。
手続きを済ませたローズは、机の上に学校の制服を置いた。
置かれた制服は、どう見てもスカートで、上に女性用の下着も置かれている。

「あのー、ローズさん、僕にこれを着ろと……」

「明日、これを着て、学校へ行っていただきます」

色々思うところもあるけど、女子校に通うというのは、ロマンです。
これは、嫌ですが仕方無しで行くしかありませんね。
ンデラさんの無実を証明する為なのですから。
仕方無しですよ、本当に!


翌朝、朝食を済まし、制服に手を伸ばした。
使用人二十人と、王女様と魔王そしてドラゴンが僕を裸にした。

「わあああー、じ、自分で出来ますからー」

「ご主人様の着替えをするのは使用人の仕事です!」

全員で捕まえられると、もう僕にはあらがう術はない。

「はーーーっ」

僕の着替えが終ると、全員からため息が出る。

「美しい!!」

女性陣がうっとりしています。
褒めているつもりかもしれませんが、僕は嬉しくありません。
男ですから。男なのですからー。

「ノコ様、ほんの少し力を戻しました。気を付けて行ってきてください」

マリーが、僕のひ弱な力を少し戻してくれたようだ。

「では、ノコ様行きますよ」

ローズの魔法で理事長室の前に移動した。



「どうぞ」

ローズがノックをすると中から声がする。

「エリサと、ノノコです。今日からお世話になります」

理事長に、ローズが偽名で自己紹介をする。

「まあ、エリサ先生もおきれいですが、ノノコさんはそれよりも美しいのですね。まるで宝石の様ですね。今日からの学生生活を楽しんでくださいね」

理事長は、優しそうな年配の淑女だった。
僕たちはあいさつを済ますと、理事長室を後にして教室に向かった。

「ノノコちゃん、この学校のクラス分けは成績順です。一年F組に案内しますので付いてきてください」

ローズが嬉しそうな顔をして僕を見ます。
たぶんこの言葉を待っているのだろうと予想が付く。

「はい、先生」

少し、可愛く言ってやった。
案の定ズキューーンってなっている。
ちょろい。

「ここがF組です」

僕が教室の入り口に着くと、待ち構えていた様に担任の先生に教室へ呼ばれた。
そして、クラスに紹介されると、一番後ろの席に座った。
エリサ先生ことローズが廊下で心配そうにしている。
僕は、自分の席に着くと大きな違和感に気が付いた。

男子生徒がいるのだ。
はーーっ、共学なのかこの学校。
そういえば誰も女子校とは言っていませんでした。
それは、僕の早とちりです。
でも、女生徒の制服ってどういうことよーー。

廊下のエリサ先生を見ると、爆笑しています。
やれやれ、男とばれないように学生生活をしなくてはなりません。
こんなヒヤヒヤした学生生活どうやって楽しむんだよー。
あっ、女子校に浮かれてンデラさんの無実の証明の事を忘れていました。
そうです、浮かれている場合ではありません。
やることやってさっさと学校とおさらばするとしましょう。
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