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第9章『春の夜明け作戦』編
第4話 第一〇一特務魔法旅団「アカツキ旅団」の初陣
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・・4・・
6の月10の日
午前11時20分
キシュナウ中心街から北5キーラ・市街地北部近郊地点
第2方面軍最前線・連合王国軍第5師団前線司令部
アルヴィンおじさん達、第一方面軍が予定より若干の遅延が発生していたもののダボロドロブを攻略している中、僕達第二方面軍もキシュナウ攻略戦を始めて約二週間が経過した。
郊外に展開していた魔物軍団は補給が充実している点にものを言わせて圧倒的な火力を投射する事で理想的にドクトリンを現実するかの如く押し潰して壊滅へと追い込んだ。少数が理由は不明だけれど、洗脳が解ける魔物がいたけれど代償として廃人のようになっており、捕虜にしても仕方ない程酷い有様だからとやむなく射殺をせざるを得なかった。
いくら魔物とはいえ無抵抗な敵を殺すのには抵抗がある。これらを担当した兵への精神的負担を鑑みて一旦後方へ下げて対処し、今は一次予備を前線へと投入して市街戦に突入していた。
実は市街戦に突入する前、再度投降を促すビラを撒いたけれど効果は思ったより良くなかった。
連日の空爆と士気の低下によって耐えかねた妖魔帝国軍の一部の部隊は隊長格の自己判断で投降をしてきたのだけれど、よりにもよって投降した味方を殺害しようとした敵部隊とこちらの部隊が各所で戦闘に突入したからだ。
結局、この一連の戦闘で捕虜になるはずだった敵兵の一部は後ろから撃たれる事になり死亡、射撃中止を厳命していたこっちも死傷者が発生してしまったので戦闘再開せざるを得なかった。前世でもどこかの国が同じような事をしたのを思い出したけれど、これも戦争だ。どうしようもない。
さて、僕はというと、攻略戦における計画に則ってもう一つの立場であるアカツキ旅団の旅団長として旅団を伴い、副官のリイナとエイジスと共に最前線である第六師団野戦司令部で戦況を見守っていた。
「アカツキ少将、想定はしていたがこの市街戦は厄介であるな……」
「ええ。地上のみであればまだ楽なのですが敵は冬の間に地下道もそれなりに構築したようですからね。ダボロドロブより手こずるハメにはなっています」
第六師団の師団長であるジェイソン中将は黒煙が立ち上り絶え間なく銃声と砲声が響くキシュナウ市街地北中部を見つめながら言う。
彼の言うように、キシュナウ市街戦はジトゥーミラと違う様相を呈していた。敵軍が瓦礫と化した市街地だけでなく地下にも立てこもって頑強な抵抗をしているからだ。しかも昼夜を問わずの決死の攻撃なのだから現場の兵達は気が休まる時がない。
でも、こちらだってやられっぱなしな訳がない。対策は既に講じてあった。
「とはいえ、アカツキ少将や参謀本部の立案した手法のお陰で対処は出来ているようであるな。地上に対しては連隊単位で管理が大変だが戦闘地域からの要請だけでなく、我らが女神のエイジスが敵を捕捉。魔法無線装置で後方のカノン砲や野砲部隊による砲撃や、召喚士攻撃隊の空爆によって吹き飛ばしている」
「地下に籠る敵に対しても出入口や通気口の場所が判明すれば当該箇所に持続系火属性魔法を放射。もしくは小型で威力を落とした魔石を発破して地下道そのものを潰して対処しています。これにより、市街地北部から北中部の地下道はかなりを破壊出来ましたし順調に浸透しているかと」
「妖魔軍からしたらまさに悪夢よね。地下でなら戦えるかと思ったらそれを逆手に取られて閉所に対して火炎放射を浴びせられ、たまらず逃げ出したら今度は銃撃が待ち受けているもの。地上だって安全じゃないわ。空からは爆弾や砲弾の雨が降り注ぐのだもの」
ジトゥーミラ・レポートや偵察などによって精密な地図が作成されたキシュナウ市街戦においても、前世の知識が役に立った。
地上に関してはこれまでの経験の蓄積を応用している。現場やエイジスのレーダーの特定などにより砲爆撃が必要な地点の座標を後方の砲兵部隊や召喚士攻撃隊部隊へ連絡して逐次支援砲爆撃を実行。それが終われば歩兵が突入して該当地区を制圧するという手法を取っている。ただでさえ兵器の世代間格差があるというのに、情報通信分野でも不利に陥っている敵軍に対しては非常に効果的だった。限定的ではあるものの、この戦い方は本世界においては先進的であるからだ。
地下に対しても容赦はしない。持続系火属性魔法は前世で例えるならば火炎放射器だ。あの兵器はトーチカや地下壕に対してかなり有効だったけれど、それはここでも同じだった。
通常の火属性魔法に比べて消費魔力が大きいので使い方には注意しなければならないけれど、それは使用可能時間が限られている前世の火炎放射器も同様だ。火炎放射器を持つ兵の役目を果たす魔法能力者には護衛を付けた上で、敵がいる地下道や通気口に対して放射。これによって地下に籠っていた敵兵は丸焼けにされるか、運良く生存して地上へ逃げ出しても次に待っているのは待機していた歩兵部隊による掃討だ。
既存の技術や魔法を兵器として体系化させた結果、キシュナウ市街戦は敵の持久戦の思惑を見事に打ち破っていて、 敵の残存兵力は魔物軍団が僅か二万に、魔人編成兵力も二万を既に切っていた。
次々と入る地区の制圧。だけど、敵も手強く抵抗を続けていた。
「キシュナウ北中部シュフェト地区に展開中の連隊から応援要請有り! 比較的高練度の魔人編成部隊、推定三個大隊の攻撃が激しく侵攻停止とのこと!」
「真っ直ぐ進めば、まだ存在していれば敵の司令部に通じる地区だからね。予想通りの展開、か」
「ということは、旅団の投入かしらね」
「おお、かのアカツキ旅団の投入か!」
「はい。この時の為の第一〇一特務魔法旅団です。旅団麾下二個連隊の内、一個連隊を投入します。そして、事前の作戦通り我々がシュフェト地区を制圧しこじ開けて突出部を形成。さらに我々の東西にいる部隊に挟み撃ちにするように攻勢を仕掛けてもらいます」
「うむ! それならば一挙に複数地区を制圧出来るな! すぐさま該当する部隊に連絡をしよう!」
「あとはよろしくお願いします、ジェイソン中将閣下」
「万事任せたまえ!」
「リイナ、僕達も動こうか」
「了解よ」
「エイジス、シュフェト地区とその周辺を重点的にレーダー観測を」
「サー、マイマスター」
僕とリイナ、エイジスは師団司令部からすぐそこに控えている第一〇一特務魔法旅団麾下第一連隊――この旅団にはもう一つ第二連隊隊があるけれど、不測の事態対処の為の予備として待機させてある――の兵達がいる場所へ向かう。そこには開戦以来頼りにしているアレン大尉達の大隊もいた。
第一連隊連隊長は三十代半ばで魔法能力者としてはがっしりとしている体格の男性、ウィンザー大佐だ。元々は中央統合軍の王都駐屯師団所属で、魔法能力者ランクはA-と旅団の中でも高い人物なんだよね。
彼は僕達に気付くと、即行動と言動に移す。
「連隊傾注! アカツキ少将閣下ご到着だぞ!」
アレン大尉達にしても、選抜されたよりすぐりだからウィンザー大佐の言葉にすぐに反応。見る者を感心させる整列と、模範的な敬礼を行う。
僕は答礼すると表情をさらに引き締めて、いつもより声音を低くして演説を始める。
「第一連隊、二千三百名の諸君。ついに初実戦、初の栄光を打ち立てる機会がやってきた。これより本部隊は、敵軍推定三個大隊の抵抗が激しいシュフェト地区へと向かう。当該地区には約千五百の味方が交戦中だが、相手が魔人だけに侵攻が止められてしまっているらしい。だけど、我々ならたかだか三個大隊なんて敵じゃないだろう? ウィンザー大佐、何故だと思う?」
「はっ! 何故ならば、我々は栄光ある連合王国軍陸軍の精鋭、第一〇一特務魔法旅団だからであります!」
「その通りだ、ウィンザー大佐。僕達は精鋭無比の選ばれし者。諸君達には魔法があり、小さな野砲でもある魔法銃を持っている。つまり、諸君等一人一人が野砲並みの火力を持っているわけだ。だったら負けるはずがないよね?」
『その通りであります、アカツキ少将閣下ッッ!!』
味方の士気を極限まで高める為に、僕は不敵な笑みを皆に見せる。連隊の兵士達は僕の思惑通り、獰猛な笑顔を現して返答する。自分達が連合王国軍魔法能力者の中でも選ばれた者であること、生産数が未だ少ない魔法銃を持っていること、何よりこの旅団に所属しているのを誇りにしているのが顔つきからもよく表れていた。
「アカツキ少将閣下、我々にはもう二つ負けない要素があります!」
「へえ、それは一体なんだいアレン大尉?」
「一つはアブソリュートを手に持ち、魔人共を凍てつかせるリイナ大佐がおられること! もう一つはアカツキ少将閣下がおられることです!」
「その通り! 我々にはアカツキ少将閣下とリイナ大佐がおられる!」
「アカツキ少将閣下の召喚武器、自動人形のエイジス殿もおられるぞ! 神の瞳に等しき彼女の前に、魔人共の抵抗なぞ無意味!」
「然り! 我々は栄光ある連合王国陸軍第一〇一特務魔法連隊なり!」
アレン大尉には事前の打ち合わせで今の発言をしてもらうよう言っておいたけれど、効果は覿面だった。余程でもない限りは心折られない、屈強な部隊がそこにあった。
僕とリイナは互いに顔を見合わすと頷き、僕は声を張り上げる。
「であるのならば諸君達の果たすべきは一つ! シュフェト地区にて未だ抵抗を続ける魔人部隊の僅かに残った希望を打ち砕け! そして、我々がキシュナウ市街地北中部から中部に至る突破口を作り出せ! 総員、行動開始せよ!」
『うおおおおおおおお!!!!』
六の月十の日の午後二時半。
第一〇一特務魔法旅団にとっての初戦闘はこの直後に開始された。
6の月10の日
午前11時20分
キシュナウ中心街から北5キーラ・市街地北部近郊地点
第2方面軍最前線・連合王国軍第5師団前線司令部
アルヴィンおじさん達、第一方面軍が予定より若干の遅延が発生していたもののダボロドロブを攻略している中、僕達第二方面軍もキシュナウ攻略戦を始めて約二週間が経過した。
郊外に展開していた魔物軍団は補給が充実している点にものを言わせて圧倒的な火力を投射する事で理想的にドクトリンを現実するかの如く押し潰して壊滅へと追い込んだ。少数が理由は不明だけれど、洗脳が解ける魔物がいたけれど代償として廃人のようになっており、捕虜にしても仕方ない程酷い有様だからとやむなく射殺をせざるを得なかった。
いくら魔物とはいえ無抵抗な敵を殺すのには抵抗がある。これらを担当した兵への精神的負担を鑑みて一旦後方へ下げて対処し、今は一次予備を前線へと投入して市街戦に突入していた。
実は市街戦に突入する前、再度投降を促すビラを撒いたけれど効果は思ったより良くなかった。
連日の空爆と士気の低下によって耐えかねた妖魔帝国軍の一部の部隊は隊長格の自己判断で投降をしてきたのだけれど、よりにもよって投降した味方を殺害しようとした敵部隊とこちらの部隊が各所で戦闘に突入したからだ。
結局、この一連の戦闘で捕虜になるはずだった敵兵の一部は後ろから撃たれる事になり死亡、射撃中止を厳命していたこっちも死傷者が発生してしまったので戦闘再開せざるを得なかった。前世でもどこかの国が同じような事をしたのを思い出したけれど、これも戦争だ。どうしようもない。
さて、僕はというと、攻略戦における計画に則ってもう一つの立場であるアカツキ旅団の旅団長として旅団を伴い、副官のリイナとエイジスと共に最前線である第六師団野戦司令部で戦況を見守っていた。
「アカツキ少将、想定はしていたがこの市街戦は厄介であるな……」
「ええ。地上のみであればまだ楽なのですが敵は冬の間に地下道もそれなりに構築したようですからね。ダボロドロブより手こずるハメにはなっています」
第六師団の師団長であるジェイソン中将は黒煙が立ち上り絶え間なく銃声と砲声が響くキシュナウ市街地北中部を見つめながら言う。
彼の言うように、キシュナウ市街戦はジトゥーミラと違う様相を呈していた。敵軍が瓦礫と化した市街地だけでなく地下にも立てこもって頑強な抵抗をしているからだ。しかも昼夜を問わずの決死の攻撃なのだから現場の兵達は気が休まる時がない。
でも、こちらだってやられっぱなしな訳がない。対策は既に講じてあった。
「とはいえ、アカツキ少将や参謀本部の立案した手法のお陰で対処は出来ているようであるな。地上に対しては連隊単位で管理が大変だが戦闘地域からの要請だけでなく、我らが女神のエイジスが敵を捕捉。魔法無線装置で後方のカノン砲や野砲部隊による砲撃や、召喚士攻撃隊の空爆によって吹き飛ばしている」
「地下に籠る敵に対しても出入口や通気口の場所が判明すれば当該箇所に持続系火属性魔法を放射。もしくは小型で威力を落とした魔石を発破して地下道そのものを潰して対処しています。これにより、市街地北部から北中部の地下道はかなりを破壊出来ましたし順調に浸透しているかと」
「妖魔軍からしたらまさに悪夢よね。地下でなら戦えるかと思ったらそれを逆手に取られて閉所に対して火炎放射を浴びせられ、たまらず逃げ出したら今度は銃撃が待ち受けているもの。地上だって安全じゃないわ。空からは爆弾や砲弾の雨が降り注ぐのだもの」
ジトゥーミラ・レポートや偵察などによって精密な地図が作成されたキシュナウ市街戦においても、前世の知識が役に立った。
地上に関してはこれまでの経験の蓄積を応用している。現場やエイジスのレーダーの特定などにより砲爆撃が必要な地点の座標を後方の砲兵部隊や召喚士攻撃隊部隊へ連絡して逐次支援砲爆撃を実行。それが終われば歩兵が突入して該当地区を制圧するという手法を取っている。ただでさえ兵器の世代間格差があるというのに、情報通信分野でも不利に陥っている敵軍に対しては非常に効果的だった。限定的ではあるものの、この戦い方は本世界においては先進的であるからだ。
地下に対しても容赦はしない。持続系火属性魔法は前世で例えるならば火炎放射器だ。あの兵器はトーチカや地下壕に対してかなり有効だったけれど、それはここでも同じだった。
通常の火属性魔法に比べて消費魔力が大きいので使い方には注意しなければならないけれど、それは使用可能時間が限られている前世の火炎放射器も同様だ。火炎放射器を持つ兵の役目を果たす魔法能力者には護衛を付けた上で、敵がいる地下道や通気口に対して放射。これによって地下に籠っていた敵兵は丸焼けにされるか、運良く生存して地上へ逃げ出しても次に待っているのは待機していた歩兵部隊による掃討だ。
既存の技術や魔法を兵器として体系化させた結果、キシュナウ市街戦は敵の持久戦の思惑を見事に打ち破っていて、 敵の残存兵力は魔物軍団が僅か二万に、魔人編成兵力も二万を既に切っていた。
次々と入る地区の制圧。だけど、敵も手強く抵抗を続けていた。
「キシュナウ北中部シュフェト地区に展開中の連隊から応援要請有り! 比較的高練度の魔人編成部隊、推定三個大隊の攻撃が激しく侵攻停止とのこと!」
「真っ直ぐ進めば、まだ存在していれば敵の司令部に通じる地区だからね。予想通りの展開、か」
「ということは、旅団の投入かしらね」
「おお、かのアカツキ旅団の投入か!」
「はい。この時の為の第一〇一特務魔法旅団です。旅団麾下二個連隊の内、一個連隊を投入します。そして、事前の作戦通り我々がシュフェト地区を制圧しこじ開けて突出部を形成。さらに我々の東西にいる部隊に挟み撃ちにするように攻勢を仕掛けてもらいます」
「うむ! それならば一挙に複数地区を制圧出来るな! すぐさま該当する部隊に連絡をしよう!」
「あとはよろしくお願いします、ジェイソン中将閣下」
「万事任せたまえ!」
「リイナ、僕達も動こうか」
「了解よ」
「エイジス、シュフェト地区とその周辺を重点的にレーダー観測を」
「サー、マイマスター」
僕とリイナ、エイジスは師団司令部からすぐそこに控えている第一〇一特務魔法旅団麾下第一連隊――この旅団にはもう一つ第二連隊隊があるけれど、不測の事態対処の為の予備として待機させてある――の兵達がいる場所へ向かう。そこには開戦以来頼りにしているアレン大尉達の大隊もいた。
第一連隊連隊長は三十代半ばで魔法能力者としてはがっしりとしている体格の男性、ウィンザー大佐だ。元々は中央統合軍の王都駐屯師団所属で、魔法能力者ランクはA-と旅団の中でも高い人物なんだよね。
彼は僕達に気付くと、即行動と言動に移す。
「連隊傾注! アカツキ少将閣下ご到着だぞ!」
アレン大尉達にしても、選抜されたよりすぐりだからウィンザー大佐の言葉にすぐに反応。見る者を感心させる整列と、模範的な敬礼を行う。
僕は答礼すると表情をさらに引き締めて、いつもより声音を低くして演説を始める。
「第一連隊、二千三百名の諸君。ついに初実戦、初の栄光を打ち立てる機会がやってきた。これより本部隊は、敵軍推定三個大隊の抵抗が激しいシュフェト地区へと向かう。当該地区には約千五百の味方が交戦中だが、相手が魔人だけに侵攻が止められてしまっているらしい。だけど、我々ならたかだか三個大隊なんて敵じゃないだろう? ウィンザー大佐、何故だと思う?」
「はっ! 何故ならば、我々は栄光ある連合王国軍陸軍の精鋭、第一〇一特務魔法旅団だからであります!」
「その通りだ、ウィンザー大佐。僕達は精鋭無比の選ばれし者。諸君達には魔法があり、小さな野砲でもある魔法銃を持っている。つまり、諸君等一人一人が野砲並みの火力を持っているわけだ。だったら負けるはずがないよね?」
『その通りであります、アカツキ少将閣下ッッ!!』
味方の士気を極限まで高める為に、僕は不敵な笑みを皆に見せる。連隊の兵士達は僕の思惑通り、獰猛な笑顔を現して返答する。自分達が連合王国軍魔法能力者の中でも選ばれた者であること、生産数が未だ少ない魔法銃を持っていること、何よりこの旅団に所属しているのを誇りにしているのが顔つきからもよく表れていた。
「アカツキ少将閣下、我々にはもう二つ負けない要素があります!」
「へえ、それは一体なんだいアレン大尉?」
「一つはアブソリュートを手に持ち、魔人共を凍てつかせるリイナ大佐がおられること! もう一つはアカツキ少将閣下がおられることです!」
「その通り! 我々にはアカツキ少将閣下とリイナ大佐がおられる!」
「アカツキ少将閣下の召喚武器、自動人形のエイジス殿もおられるぞ! 神の瞳に等しき彼女の前に、魔人共の抵抗なぞ無意味!」
「然り! 我々は栄光ある連合王国陸軍第一〇一特務魔法連隊なり!」
アレン大尉には事前の打ち合わせで今の発言をしてもらうよう言っておいたけれど、効果は覿面だった。余程でもない限りは心折られない、屈強な部隊がそこにあった。
僕とリイナは互いに顔を見合わすと頷き、僕は声を張り上げる。
「であるのならば諸君達の果たすべきは一つ! シュフェト地区にて未だ抵抗を続ける魔人部隊の僅かに残った希望を打ち砕け! そして、我々がキシュナウ市街地北中部から中部に至る突破口を作り出せ! 総員、行動開始せよ!」
『うおおおおおおおお!!!!』
六の月十の日の午後二時半。
第一〇一特務魔法旅団にとっての初戦闘はこの直後に開始された。
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