39 / 390
第3章第二次妖魔大戦開戦編
第4話 朝の平穏は一報にて崩壊する
しおりを挟む
・・4・・
アルネシア連合王国・王都アルネセイラ
ノースロード別邸・寝室
午前7時34分
「ん、んぅ……」
微睡む意識の中、僕は寝返りをうつと目を覚ます。霞んだ視界、目を擦ると部屋の輪郭がはっきりとして窓から漏れる朝日を目にする。庭の木に止まっているのであろう小鳥の鳴き声が耳に入る。穏やかないつもの朝だった。
視点を変えて、ベッドの隣にいる彼女に目を移す。シルクのパジャマ姿のリイナはすやすやと寝ており、まだ夢の世界にいるようだ。
「普段の言動は残念だけど、寝顔は可愛いんだよなあ」
僕は微笑みながら、彼女の頬を指でつついてみる。
すると彼女はむにゃむにゃとしながら、
「旦那様ぁ、メイド服も似合っているわぁ……」
前言撤回!!
なんて寝言だ!! どんな夢を見ているんだよ君は!!
「……やっぱり残念美人だよ君は。ったく、もう……」
半ば呆れた目線を向けてもリイナはよく寝ているので反応はない。目が覚めてしまった僕はベッドから降りると、寝間着の上に薄手の羽織ものを着て寝室を出る。
休息日の日曜とはいえ流石に朝の七時半過ぎともなれば既に使用人達は動き出しており、すれ違いざまに挨拶をしていく。僕もおはようと返すと、向かった先は玄関で外だった。
玄関の扉を開けると、眩しい朝日が降り注いでいた。両手を上にあげて体を伸ばし、軽くストレッチをしてみる。五の月下旬の朝は清々しく晴れており、そよ風が心地よかった。
「アカツキ様、おはようございます」
僕が穏やかな気分で晩春の朝の光を浴びていると、庭の方から現れたのはいつものメイド服姿のレーナだった。
「おはよう、レーナ。いい朝だね」
「はい。とても気持ちがいい朝です。奥方様はどちらに?」
「ん? 僕一人だよ。まだぐっすり寝ていると思う」
「そうでしたか。朝食はあと三十分から一時間後になりますので、お伝えしにいかなければなりませんね」
そうでしたか。というレーナの声は少し弾んでいた。なんでなのかは分からないけど。
「いや、いいよ。僕が起こしに行く。レーナも忙しいでしょ?」
レーナは僕が王都に拠点を移して別邸に住むようになってから、若いながらも屋敷のメイドを纏める役目に就いている。僕自身が忙しい上に訪問者もそこそこの頻度で訪れるから、色々苦労をさせているかもしれない。だから、こんな日くらいはゆっくりしてほしいんだ。
「お気遣いありがとうございます。今日はご予定もありませんし、我々にとっても穏やかな日ですから」
「休息日だからね。確か訪問者もいないから、のんびりしなよ」
「はい。いつも私達に配慮して頂き嬉しく思います、アカツキ様」
「これくらいは気にしないでよ。しかし、本当にいい天気だなあ。こんな日は外に出るもよし、窓際に座って紅茶を嗜みながら本を読むもよし。いい休日だ」
「お外に出られるのでしたら、報告して頂ければすぐに御者には伝えますよ」
「そうだねえ。朝食を食べながら考えようかなあ」
「かしこまりました」
「じゃあ、僕はリイナを起こしに行ってくるから。時間を見計らってダイニングに向かうからよろしくー」
「はい、アカツキ様。今日の朝食は、エッグベネディットに季節野菜のサラダ、キール地方産の貝を使ったチャウダーです。コーヒーもご用意しておきますね」
「いいねえ、美味しそうだ。楽しみにしておくよ」
「はい」
僕はレーナから朝食のメニューを聞いて微笑みながら彼女に手を振って後にする。エッグベネディットはエッグベネディクトの事で、スープ類はクラムチャウダーのようだ。料理長の作るご飯はなんでも美味しいから日々楽しみなんだよねえ。
起きる時に持ってきた懐中時計の針は朝の八時過ぎを指していた。
寝室に戻ると、リイナはまだ夢の世界だった。昨日は訓練の日でねちっこく攻める戦法を僕が取ったから結構魔力を消費したから疲れたのだろうか。ちなみに、僕の名誉のために言っておくけど正攻法ではリイナにかてないからそうしてるだけだからね? 戦い方を試すのは研究にもなるし。
「リイナ、朝だよー。起きなよー」
「あと、五分……」
わあ、お決まりのセリフが返ってきたぞう。
僕はリイナの体を揺するけれど、まだ寝ていたい様子で目を開けようとしない。
「朝ごはん、そろそろだぞー?」
「旦那様が朝ごはん……」
「はぁ!? 何言ってんの!?」
「…………冗談よ。おはよう、旦那様」
リイナは目を開けると、いたずらが上手くいった子供みたいに笑う。ちくしょう可愛い。
「僕を驚かせるレパートリーを増やすのやめようね……」
「だって、旦那様の反応が楽しいのだもの」
「えええ……」
「それより旦那様。朝のキス」
リイナはせがむように顔をこちらに近付ける。この一年彼女と過ごして、彼女の仕草や表情に愛らしいと感じるあたり、僕も大概になった気がする。
毎朝している、唇と唇が触れるだけのキスを交わすと、リイナは嬉しそうに笑ってベッドから体を起こした。
「朝のダンナニウム補充完了ね。これで三日は戦えるわ」
「ダンナニウムはどれだけ高効率なんだ……」
「あなたがいればなんでも出来そうと確信するくらいよ」
「ひょえ……」
面白おかしい会話を交わすのもはや一年が過ぎた。僕も楽しんでいる節があると思う。ていうか楽しい。
なんでもない日常の会話を交わすと、リイナが部屋着に替えると言うので僕は外に出る。ドレスとかでもない限りは自分で着替えるからだ。
リイナは、見ないの? と残念そうに言うけれど、これもいつもの冗談だ。たわわを朝から眺めるなんて刺激が強すぎる。
部屋着に替える事自体は女性とはいえそう長くはないので僕はぼうっとしながら待つ。
すると、廊下の向こうからドタバタと走る音が聞こえた。
なんだなんだ、こんな朝からそんなに慌てて。
「伝令! 伝令! 朝早くに失礼しますアカツキ大佐!」
「お、おはよう。どうしたんだい? 所属は?」
「はぁ、はぁ……。自分は第一師団第一一六大隊第四中隊所属のロイです……。階級は、曹長……」
「ロイ曹長、何があった? 落ち着いて」
曲がり角から現れたのはメイドでもなく執事でも無く、軍服を着て顔を真っ青にした若い男性軍人だった。
彼の表情と振る舞いから猛烈に嫌な予感がする。当然、それは現実になってしまった。
「本日、〇五二五にイリス法国において魔物の大量出現観測を確認の報が駐法国大使館有り。〇七三五、連合王国など人類諸国へ妖魔帝国が宣戦布告。既に法国は戦場となり、出現した魔物は数万の模様! 戦争、妖魔との戦争がはじまりました!」
アルネシア連合王国・王都アルネセイラ
ノースロード別邸・寝室
午前7時34分
「ん、んぅ……」
微睡む意識の中、僕は寝返りをうつと目を覚ます。霞んだ視界、目を擦ると部屋の輪郭がはっきりとして窓から漏れる朝日を目にする。庭の木に止まっているのであろう小鳥の鳴き声が耳に入る。穏やかないつもの朝だった。
視点を変えて、ベッドの隣にいる彼女に目を移す。シルクのパジャマ姿のリイナはすやすやと寝ており、まだ夢の世界にいるようだ。
「普段の言動は残念だけど、寝顔は可愛いんだよなあ」
僕は微笑みながら、彼女の頬を指でつついてみる。
すると彼女はむにゃむにゃとしながら、
「旦那様ぁ、メイド服も似合っているわぁ……」
前言撤回!!
なんて寝言だ!! どんな夢を見ているんだよ君は!!
「……やっぱり残念美人だよ君は。ったく、もう……」
半ば呆れた目線を向けてもリイナはよく寝ているので反応はない。目が覚めてしまった僕はベッドから降りると、寝間着の上に薄手の羽織ものを着て寝室を出る。
休息日の日曜とはいえ流石に朝の七時半過ぎともなれば既に使用人達は動き出しており、すれ違いざまに挨拶をしていく。僕もおはようと返すと、向かった先は玄関で外だった。
玄関の扉を開けると、眩しい朝日が降り注いでいた。両手を上にあげて体を伸ばし、軽くストレッチをしてみる。五の月下旬の朝は清々しく晴れており、そよ風が心地よかった。
「アカツキ様、おはようございます」
僕が穏やかな気分で晩春の朝の光を浴びていると、庭の方から現れたのはいつものメイド服姿のレーナだった。
「おはよう、レーナ。いい朝だね」
「はい。とても気持ちがいい朝です。奥方様はどちらに?」
「ん? 僕一人だよ。まだぐっすり寝ていると思う」
「そうでしたか。朝食はあと三十分から一時間後になりますので、お伝えしにいかなければなりませんね」
そうでしたか。というレーナの声は少し弾んでいた。なんでなのかは分からないけど。
「いや、いいよ。僕が起こしに行く。レーナも忙しいでしょ?」
レーナは僕が王都に拠点を移して別邸に住むようになってから、若いながらも屋敷のメイドを纏める役目に就いている。僕自身が忙しい上に訪問者もそこそこの頻度で訪れるから、色々苦労をさせているかもしれない。だから、こんな日くらいはゆっくりしてほしいんだ。
「お気遣いありがとうございます。今日はご予定もありませんし、我々にとっても穏やかな日ですから」
「休息日だからね。確か訪問者もいないから、のんびりしなよ」
「はい。いつも私達に配慮して頂き嬉しく思います、アカツキ様」
「これくらいは気にしないでよ。しかし、本当にいい天気だなあ。こんな日は外に出るもよし、窓際に座って紅茶を嗜みながら本を読むもよし。いい休日だ」
「お外に出られるのでしたら、報告して頂ければすぐに御者には伝えますよ」
「そうだねえ。朝食を食べながら考えようかなあ」
「かしこまりました」
「じゃあ、僕はリイナを起こしに行ってくるから。時間を見計らってダイニングに向かうからよろしくー」
「はい、アカツキ様。今日の朝食は、エッグベネディットに季節野菜のサラダ、キール地方産の貝を使ったチャウダーです。コーヒーもご用意しておきますね」
「いいねえ、美味しそうだ。楽しみにしておくよ」
「はい」
僕はレーナから朝食のメニューを聞いて微笑みながら彼女に手を振って後にする。エッグベネディットはエッグベネディクトの事で、スープ類はクラムチャウダーのようだ。料理長の作るご飯はなんでも美味しいから日々楽しみなんだよねえ。
起きる時に持ってきた懐中時計の針は朝の八時過ぎを指していた。
寝室に戻ると、リイナはまだ夢の世界だった。昨日は訓練の日でねちっこく攻める戦法を僕が取ったから結構魔力を消費したから疲れたのだろうか。ちなみに、僕の名誉のために言っておくけど正攻法ではリイナにかてないからそうしてるだけだからね? 戦い方を試すのは研究にもなるし。
「リイナ、朝だよー。起きなよー」
「あと、五分……」
わあ、お決まりのセリフが返ってきたぞう。
僕はリイナの体を揺するけれど、まだ寝ていたい様子で目を開けようとしない。
「朝ごはん、そろそろだぞー?」
「旦那様が朝ごはん……」
「はぁ!? 何言ってんの!?」
「…………冗談よ。おはよう、旦那様」
リイナは目を開けると、いたずらが上手くいった子供みたいに笑う。ちくしょう可愛い。
「僕を驚かせるレパートリーを増やすのやめようね……」
「だって、旦那様の反応が楽しいのだもの」
「えええ……」
「それより旦那様。朝のキス」
リイナはせがむように顔をこちらに近付ける。この一年彼女と過ごして、彼女の仕草や表情に愛らしいと感じるあたり、僕も大概になった気がする。
毎朝している、唇と唇が触れるだけのキスを交わすと、リイナは嬉しそうに笑ってベッドから体を起こした。
「朝のダンナニウム補充完了ね。これで三日は戦えるわ」
「ダンナニウムはどれだけ高効率なんだ……」
「あなたがいればなんでも出来そうと確信するくらいよ」
「ひょえ……」
面白おかしい会話を交わすのもはや一年が過ぎた。僕も楽しんでいる節があると思う。ていうか楽しい。
なんでもない日常の会話を交わすと、リイナが部屋着に替えると言うので僕は外に出る。ドレスとかでもない限りは自分で着替えるからだ。
リイナは、見ないの? と残念そうに言うけれど、これもいつもの冗談だ。たわわを朝から眺めるなんて刺激が強すぎる。
部屋着に替える事自体は女性とはいえそう長くはないので僕はぼうっとしながら待つ。
すると、廊下の向こうからドタバタと走る音が聞こえた。
なんだなんだ、こんな朝からそんなに慌てて。
「伝令! 伝令! 朝早くに失礼しますアカツキ大佐!」
「お、おはよう。どうしたんだい? 所属は?」
「はぁ、はぁ……。自分は第一師団第一一六大隊第四中隊所属のロイです……。階級は、曹長……」
「ロイ曹長、何があった? 落ち着いて」
曲がり角から現れたのはメイドでもなく執事でも無く、軍服を着て顔を真っ青にした若い男性軍人だった。
彼の表情と振る舞いから猛烈に嫌な予感がする。当然、それは現実になってしまった。
「本日、〇五二五にイリス法国において魔物の大量出現観測を確認の報が駐法国大使館有り。〇七三五、連合王国など人類諸国へ妖魔帝国が宣戦布告。既に法国は戦場となり、出現した魔物は数万の模様! 戦争、妖魔との戦争がはじまりました!」
0
お気に入りに追加
146
あなたにおすすめの小説
英雄召喚〜帝国貴族の異世界統一戦記〜
駄作ハル
ファンタジー
異世界の大貴族レオ=ウィルフリードとして転生した平凡サラリーマン。
しかし、待っていたのは平和な日常などではなかった。急速な領土拡大を目論む帝国の貴族としての日々は、戦いの連続であった───
そんなレオに与えられたスキル『英雄召喚』。それは現世で英雄と呼ばれる人々を呼び出す能力。『鬼の副長』土方歳三、『臥龍』所轄孔明、『空の魔王』ハンス=ウルリッヒ・ルーデル、『革命の申し子』ナポレオン・ボナパルト、『万能人』レオナルド・ダ・ヴィンチ。
前世からの知識と英雄たちの逸話にまつわる能力を使い、大切な人を守るべく争いにまみれた異世界に平和をもたらす為の戦いが幕を開ける!
完結まで毎日投稿!
最強の職業は付与魔術師かもしれない
カタナヅキ
ファンタジー
現実世界から異世界に召喚された5人の勇者。彼等は同じ高校のクラスメイト同士であり、彼等を召喚したのはバルトロス帝国の3代目の国王だった。彼の話によると現在こちらの世界では魔王軍と呼ばれる組織が世界各地に出現し、数多くの人々に被害を与えている事を伝える。そんな魔王軍に対抗するために帝国に代々伝わる召喚魔法によって異世界から勇者になれる素質を持つ人間を呼びだしたらしいが、たった一人だけ巻き込まれて召喚された人間がいた。
召喚された勇者の中でも小柄であり、他の4人には存在するはずの「女神の加護」と呼ばれる恩恵が存在しなかった。他の勇者に巻き込まれて召喚された「一般人」と判断された彼は魔王軍に対抗できないと見下され、召喚を実行したはずの帝国の人間から追い出される。彼は普通の魔術師ではなく、攻撃魔法は覚えられない「付与魔術師」の職業だったため、この職業の人間は他者を支援するような魔法しか覚えられず、強力な魔法を扱えないため、最初から戦力外と判断されてしまった。
しかし、彼は付与魔術師の本当の力を見抜き、付与魔法を極めて独自の戦闘方法を見出す。後に「聖天魔導士」と名付けられる「霧崎レナ」の物語が始まる――
※今月は毎日10時に投稿します。
異世界で穴掘ってます!
KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語
幻想遊撃隊ブレイド・ダンサーズ
黒陽 光
SF
その日、1973年のある日。空から降りてきたのは神の祝福などではなく、終わりのない戦いをもたらす招かれざる来訪者だった。
現れた地球外の不明生命体、"幻魔"と名付けられた異形の怪異たちは地球上の六ヶ所へ巣を落着させ、幻基巣と呼ばれるそこから無尽蔵に湧き出て地球人類に対しての侵略行動を開始した。コミュニケーションを取ることすら叶わぬ異形を相手に、人類は嘗てない絶滅戦争へと否応なく突入していくこととなる。
そんな中、人類は全高8mの人型機動兵器、T.A.M.S(タムス)の開発に成功。遂に人類は幻魔と対等に渡り合えるようにはなったものの、しかし戦いは膠着状態に陥り。四十年あまりの長きに渡り続く戦いは、しかし未だにその終わりが見えないでいた。
――――これは、絶望に抗う少年少女たちの物語。多くの犠牲を払い、それでも生きて。いなくなってしまった愛しい者たちの遺した想いを道標とし、抗い続ける少年少女たちの物語だ。
表紙は頂き物です、ありがとうございます。
※カクヨムさんでも重複掲載始めました。
異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。
地獄の手違いで殺されてしまったが、閻魔大王が愛猫と一緒にネット環境付きで異世界転生させてくれました。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作、面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
高橋翔は地獄の官吏のミスで寿命でもないのに殺されてしまった。だが流石に地獄の十王達だった。配下の失敗にいち早く気付き、本来なら地獄の泰広王(不動明王)だけが初七日に審理する場に、十王全員が勢揃いして善後策を協議する事になった。だが、流石の十王達でも、配下の失敗に気がつくのに六日掛かっていた、高橋翔の身体は既に焼かれて灰となっていた。高橋翔は閻魔大王たちを相手に交渉した。現世で残されていた寿命を異世界で全うさせてくれる事。どのような異世界であろうと、異世界間ネットスーパーを利用して元の生活水準を保証してくれる事。死ぬまでに得ていた貯金と家屋敷、死亡保険金を保証して異世界で使えるようにする事。更には異世界に行く前に地獄で鍛錬させてもらう事まで要求し、権利を勝ち取った。そのお陰で異世界では楽々に生きる事ができた。
最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした
服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜
大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。
目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!
そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。
まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!
魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!
悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業
ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる