異世界妖魔大戦〜転生者は戦争に備え改革を実行し、戦勝の為に身を投ずる〜

 死んだはずの僕が蘇ったのは異世界。しかもソーシャルゲームのように武器を召喚し激レア武器を持つ強者に軍戦略が依存している世界だった。

 前世、高槻亮(たかつきあきら)は21世紀を生きた日本陸軍特殊部隊の軍人だった。しかし彼の率いる部隊は不測の事態で全滅してしまい、自身も命を失ってしまう。
 しかし、目を覚ますとそこは地球とは違う世界だった。
 二度目の人生は異世界。
 彼は軍人貴族の長男アカツキ・ノースロードという、二十二歳にも関わらず十代前半程度でしかも女性と見間違えられるような外見の青年として生きていくこととなる。運命のイタズラか、二度目の人生も軍人だったのだ。

 だが、この異世界は問題があり過ぎた。
 魔法が使えるのはいい。むしろ便利だ。
 技術水準は産業革命期付近。銃等の兵器類も著しい発展を迎える頃だから大歓迎であろう。
 しかし、戦術レベルなら単独で戦況をひっくり返せる武器がソーシャルゲームのガチャのように出現するのはどういうことなのか。確率もゲームなら運営に批判殺到の超低出現確率。当然ガチャには石が必要で、最上位のレア武器を手に入れられるのはほんのひと握りだけ。しかし、相応しい威力を持つからかどの国も慢心が酷かった。彼の所属するアルネシア連合王国も他国よりはマシとは言え安全保障は召喚武器に依存していた。
 近年は平穏とはいえ、敵国の妖魔帝国軍は健在だと言うのに……。

 彼は思う。もし戦争になったらガチャ武器に依存したこの世界の軍では勝てない。だから、改革を進めよう。

 これは、前世も今世も軍人である一人の男と世界を描いた物語。



【イラスト:伊於さん(Twitter:@io_xxxx)】
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