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第12章 福島方面奪還作戦編
第10話 足止めと敵の全容と
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・・8・・
孝弘達や璃佳達の懸念は現実通りになった。
神聖帝国軍が残したトラップと中途半端に残ったCTへの対処。これだけでも相当手間をかける羽目になっていた。
それだけではない。水源地等における毒物や汚物の投入――水源地二箇所に浄水場三箇所、修理すれば使用可能な基幹水道管に至っては二一箇所!――対して浄化などを実施せざるを得ず無いのだが、これも大層厄介なものだった。何せ人間は水がないと生きていけないし、機器類整備にも必要となる。汚物を含んだ水を使う訳にはいかないし飲める訳もなく、毒物に至ってはそのまま使うのは論外だ。
これに対して司令部はいっそのこと既存の施設を最低限復旧させて後は仮設水道管を新たに敷設。それでも足りない分は数がそう多くないのを承知で給水車をフル稼働させる。といった案を出した。
しかし、この案では第一戦線の全将兵及び機器類に使用する水を賄いきれないだけでなく、新たに仮設する水道管の合計キロ数が尋常ではない量になってしまい資材不足に陥ってしまう事が判明。おまけに浄化さえしてしまえば活用可能な水道管――神聖帝国軍も使っていたのか、思ったより生き残っている水道管が多かった――も丸ごと使えなくなるのは非効率極まりないので却下となった。
さりとて全ての汚染部を浄化するのもまた時間をかなり食うことから以下のようになった。
◾︎汚染された水源地と浄水場は最優先で浄化。基幹水道管は必要最低部分のみを浄化し残りは後回しとする。後回しにした部分は仙台奪還作戦中に並行して実施。これに伴い後方より工兵部隊を臨時で引き抜き作業にあたらせる。
◾︎浄化にあたって用意していた浄化薬剤では到底不足する為、魔法兵の浄化魔法で行う。
※対象が広範に及ぶため、相当数の魔法兵を動員することとなる。これにより魔法兵の魔力消費が想定外となる為、魔法軍は一定の魔力が回復するまで福島から先の進軍は停止。
◾︎上記の復旧及び浄化のみとなる為、仮設水道管の敷設は当初予定を少々上回る程度で済むものの、第一戦線全将兵を賄う分がやや不足する。この不足分は阿武隈川など河川から取水して割り当てとする。
◾︎本折衷案を実施するが、福島市で一時的に留まり補給や休息を行える可能兵数が当初予定の九割となる。これにより進軍計画に影響が発生。作戦日数が遅延する事は必須である。
以上のような状況により福島の拠点化は遅れに遅れていた。作戦遅延日数は五日半。仙台奪還を前に貴重な時間が失われてしまったのである。
それでも日本軍第一戦線は宮城県へ突入し仙台を奪還する為、多少の無理は承知で福島市の拠点化を完了。ようやく福島県境から宮城県南部に入るための準備を終えたのである。
・・Φ・・
2037年2月23日
午後3時半過ぎ
郡山市中心部・第1戦線司令部
美濃部の軍務室
「美濃部中将閣下。第二戦線との共同で実施した白石・大河原・角田・丸森方面への強行航空偵察の結果が出ました。加えて、海軍艦載機部隊及び東北日本海側フェアル部隊による仙台平野方面強行航空偵察の分析も完了。こちらになります」
「…………予想はしていたとはいえ、中々の数ね。仙台平野方面はまだしも、まさか仙台平野の手前で前哨戦にあたる白石・角田方面ですらこれとはね」
「はい。思った以上の兵力数と密度です。ちなみにですが、これは強行航空偵察ですから数値は大雑把なもの。もう少し増える可能性も十分に」
「その点はよく理解しているわ。倉石作戦参謀長」
美濃部は倉石作戦参謀長から受け取った電子資料の中身を読んでから、しわが寄り添うな眉間を指で揉む。
福島からあっさり敵がいなくなったことから分かってはいた。分かってはいたが、まさかこれ程までに敵がいるとは思いたくなかったのである。
「伊丹の本部が東北に残る神聖帝国軍を兵糧攻めして北海道にさっさと進み奪還する案を早々に捨てたのも頷けるわ。こんな数を残したまま、北海道になんて行けるわけが無い。私達が北海道に兵力の中心を移したら、東北にいる神聖帝国軍とバケモノ達は意気揚々と南進するでしょうね」
「はっ。はい。我々に兵力的余裕はさほどありません。北海道奪還に兵力を移したら、南進するヤツらを抑えられる兵力なんてありません」
「ええ。ええ、全く。こんな数からやっと奪還した福島以南に関東を守る兵力なんて無いわよ。少なくとも仙台平野までは取り返さないと、到底北海道なんて行けないわ。とはいっても、盛岡方面にどれくらいの数がいるか次第じゃ、兵糧攻め出来ないでしょうけど」
「美濃部中将閣下の見立てに同意です。…………これは薄々感じていたのですが、連中、露骨に時間稼ぎをしてきていますね。銚子転移門が消えたことで補給が望めなくなったにも関わらずまだ抵抗を続ける。ヤツらはバケモノだけじゃなく、神聖帝国軍が年単位で食うに困らない物資を、戦うに困らない弾薬を持ち込んだんでしょう」
「本っっ当にね。じゃなきゃ、ここまで組織立って戦えるとは思えないわ。物資弾薬を貯め込んだのが全土制圧の際に一大拠点化する為であったとしても、備蓄したモノがあるからこそ戦える。もしかしたら、形勢不利になった場合も見越して……、いいえ、そんな考えは今はよひておきましょう。考えるだけ無駄だわ」
「それが良いかと」
美濃部は目の前に並ぶ数字がまともに戦えるだけの態勢を整えていることに対し、つい現実逃避をしたくなってしまい東北とは別のこと。例えば北海道の事とか神聖帝国軍の考えの予想などをしてしまう。
ただ、それは今すべきことではない。眼前の状態を直視すべきなのだ。
とはいえ、気が重いのも確かだった。
福島で足止めされている間に、やはり神聖帝国軍は防衛ラインを整えていた。兵力の抽出もしただろうし、戦線整理もしたのだろう。それは危険を顧みず航空偵察を果たしてくれた者達が集めた情報からもうかがえる。
美濃部が見つめる電子資料。そこには神聖帝国軍及びCTの兵力についてこう書かれていた。
◾︎仙台奪還前哨戦となる白石・角田方面における総兵力は計約九〇〇〇〇。白石・蔵王・大河原・柴田方面にCT約四〇〇〇〇程度。神聖帝国軍は約一個旅団程度。角田・丸森方面にCT約四〇〇〇〇前後。神聖帝国軍一個旅団程度。
◾︎仙台平野に存在敵推定兵力は全容は掴めなかった――ただしほぼ判明はした――ものの、CT約二二〇〇〇〇から二七〇〇〇〇。神聖帝国軍は約四〇〇〇〇から五〇〇〇〇の一個軍程度。
◾︎二点を合計し、敵推定兵力は最小でもCT約三〇〇〇〇〇。最大で約三五〇〇〇〇。神聖帝国軍は約五〇〇〇〇から六〇〇〇〇程と思われる。
孝弘達や璃佳達の懸念は現実通りになった。
神聖帝国軍が残したトラップと中途半端に残ったCTへの対処。これだけでも相当手間をかける羽目になっていた。
それだけではない。水源地等における毒物や汚物の投入――水源地二箇所に浄水場三箇所、修理すれば使用可能な基幹水道管に至っては二一箇所!――対して浄化などを実施せざるを得ず無いのだが、これも大層厄介なものだった。何せ人間は水がないと生きていけないし、機器類整備にも必要となる。汚物を含んだ水を使う訳にはいかないし飲める訳もなく、毒物に至ってはそのまま使うのは論外だ。
これに対して司令部はいっそのこと既存の施設を最低限復旧させて後は仮設水道管を新たに敷設。それでも足りない分は数がそう多くないのを承知で給水車をフル稼働させる。といった案を出した。
しかし、この案では第一戦線の全将兵及び機器類に使用する水を賄いきれないだけでなく、新たに仮設する水道管の合計キロ数が尋常ではない量になってしまい資材不足に陥ってしまう事が判明。おまけに浄化さえしてしまえば活用可能な水道管――神聖帝国軍も使っていたのか、思ったより生き残っている水道管が多かった――も丸ごと使えなくなるのは非効率極まりないので却下となった。
さりとて全ての汚染部を浄化するのもまた時間をかなり食うことから以下のようになった。
◾︎汚染された水源地と浄水場は最優先で浄化。基幹水道管は必要最低部分のみを浄化し残りは後回しとする。後回しにした部分は仙台奪還作戦中に並行して実施。これに伴い後方より工兵部隊を臨時で引き抜き作業にあたらせる。
◾︎浄化にあたって用意していた浄化薬剤では到底不足する為、魔法兵の浄化魔法で行う。
※対象が広範に及ぶため、相当数の魔法兵を動員することとなる。これにより魔法兵の魔力消費が想定外となる為、魔法軍は一定の魔力が回復するまで福島から先の進軍は停止。
◾︎上記の復旧及び浄化のみとなる為、仮設水道管の敷設は当初予定を少々上回る程度で済むものの、第一戦線全将兵を賄う分がやや不足する。この不足分は阿武隈川など河川から取水して割り当てとする。
◾︎本折衷案を実施するが、福島市で一時的に留まり補給や休息を行える可能兵数が当初予定の九割となる。これにより進軍計画に影響が発生。作戦日数が遅延する事は必須である。
以上のような状況により福島の拠点化は遅れに遅れていた。作戦遅延日数は五日半。仙台奪還を前に貴重な時間が失われてしまったのである。
それでも日本軍第一戦線は宮城県へ突入し仙台を奪還する為、多少の無理は承知で福島市の拠点化を完了。ようやく福島県境から宮城県南部に入るための準備を終えたのである。
・・Φ・・
2037年2月23日
午後3時半過ぎ
郡山市中心部・第1戦線司令部
美濃部の軍務室
「美濃部中将閣下。第二戦線との共同で実施した白石・大河原・角田・丸森方面への強行航空偵察の結果が出ました。加えて、海軍艦載機部隊及び東北日本海側フェアル部隊による仙台平野方面強行航空偵察の分析も完了。こちらになります」
「…………予想はしていたとはいえ、中々の数ね。仙台平野方面はまだしも、まさか仙台平野の手前で前哨戦にあたる白石・角田方面ですらこれとはね」
「はい。思った以上の兵力数と密度です。ちなみにですが、これは強行航空偵察ですから数値は大雑把なもの。もう少し増える可能性も十分に」
「その点はよく理解しているわ。倉石作戦参謀長」
美濃部は倉石作戦参謀長から受け取った電子資料の中身を読んでから、しわが寄り添うな眉間を指で揉む。
福島からあっさり敵がいなくなったことから分かってはいた。分かってはいたが、まさかこれ程までに敵がいるとは思いたくなかったのである。
「伊丹の本部が東北に残る神聖帝国軍を兵糧攻めして北海道にさっさと進み奪還する案を早々に捨てたのも頷けるわ。こんな数を残したまま、北海道になんて行けるわけが無い。私達が北海道に兵力の中心を移したら、東北にいる神聖帝国軍とバケモノ達は意気揚々と南進するでしょうね」
「はっ。はい。我々に兵力的余裕はさほどありません。北海道奪還に兵力を移したら、南進するヤツらを抑えられる兵力なんてありません」
「ええ。ええ、全く。こんな数からやっと奪還した福島以南に関東を守る兵力なんて無いわよ。少なくとも仙台平野までは取り返さないと、到底北海道なんて行けないわ。とはいっても、盛岡方面にどれくらいの数がいるか次第じゃ、兵糧攻め出来ないでしょうけど」
「美濃部中将閣下の見立てに同意です。…………これは薄々感じていたのですが、連中、露骨に時間稼ぎをしてきていますね。銚子転移門が消えたことで補給が望めなくなったにも関わらずまだ抵抗を続ける。ヤツらはバケモノだけじゃなく、神聖帝国軍が年単位で食うに困らない物資を、戦うに困らない弾薬を持ち込んだんでしょう」
「本っっ当にね。じゃなきゃ、ここまで組織立って戦えるとは思えないわ。物資弾薬を貯め込んだのが全土制圧の際に一大拠点化する為であったとしても、備蓄したモノがあるからこそ戦える。もしかしたら、形勢不利になった場合も見越して……、いいえ、そんな考えは今はよひておきましょう。考えるだけ無駄だわ」
「それが良いかと」
美濃部は目の前に並ぶ数字がまともに戦えるだけの態勢を整えていることに対し、つい現実逃避をしたくなってしまい東北とは別のこと。例えば北海道の事とか神聖帝国軍の考えの予想などをしてしまう。
ただ、それは今すべきことではない。眼前の状態を直視すべきなのだ。
とはいえ、気が重いのも確かだった。
福島で足止めされている間に、やはり神聖帝国軍は防衛ラインを整えていた。兵力の抽出もしただろうし、戦線整理もしたのだろう。それは危険を顧みず航空偵察を果たしてくれた者達が集めた情報からもうかがえる。
美濃部が見つめる電子資料。そこには神聖帝国軍及びCTの兵力についてこう書かれていた。
◾︎仙台奪還前哨戦となる白石・角田方面における総兵力は計約九〇〇〇〇。白石・蔵王・大河原・柴田方面にCT約四〇〇〇〇程度。神聖帝国軍は約一個旅団程度。角田・丸森方面にCT約四〇〇〇〇前後。神聖帝国軍一個旅団程度。
◾︎仙台平野に存在敵推定兵力は全容は掴めなかった――ただしほぼ判明はした――ものの、CT約二二〇〇〇〇から二七〇〇〇〇。神聖帝国軍は約四〇〇〇〇から五〇〇〇〇の一個軍程度。
◾︎二点を合計し、敵推定兵力は最小でもCT約三〇〇〇〇〇。最大で約三五〇〇〇〇。神聖帝国軍は約五〇〇〇〇から六〇〇〇〇程と思われる。
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