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第11章 北関東・会津郡山方面奪還作戦編Ⅱ
第9話 郡山市街戦②
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・・9・・
「異世界からの侵略者だもの。この際もうなんでもアリと思うしかないんじゃない?」
「ああ……、改めてそう感じたよ……」
『SA8よりSA1、熊型召喚体の仮脅威度判定完了。A-からAと思われます』
「A-からAは不味いな……。SA3、SA5から7と配置転換。現地点にゴーレム二体を残し三体をこちらへ。熊型に各一体をあて、一体は周辺を担当。いけるか?」
『SA5了解です。SA3とスイッチします』
『SA3了解だ。二体残せばこっちは支えられる。え、ああ、変わりたい? 了解』
『茜じゃ。無線を借りておる。儂の狐火をゴーレム一体につき三体つける。こちらは任せよ』
「SA1了解。支援感謝する」
『んむ。ほれ、返すぞ』
『ってわけでオレが向かう。転換中の一時火力減少はそっちでカバーしてくれよ』
「了解」
孝弘は配置転換の命令を出すと、自分も位置を変える。近くに四階建ての新しめのアパートがあったからその屋上へと水帆と共に場所を移した。熊型召喚体の動きを捉えやすくする為だ。自身の攻撃をしやすくする為でもある。その頃には熊型召喚体は動き始めていた。
『SA8よりSA1。熊型召喚体を一時的にビックベア1、2と呼称します。二体は時速四〇で接近中。距離一一五〇』
「あの図体で時速四〇はヤバいな……」
『フェアル部隊三名、ビックベア1・2へ機関銃攻撃開始。…………効果は薄い。外皮硬度はかなりのようです』
「了解。となると俺のコレも貫通系術式が必要だな……」
「貫通系術式ね。了解」
『友軍戦車一両、後退しつつ主砲発射』
孝弘は賢者の瞳を介してその攻撃を見ていた。戦車が狙ったのはビックベア2の方だったが、ソレは偶然ではあるだろうがとんでもない動きを見せる。
「戦車砲を回避!?」
「ウッソでしょ?!」
『ビックベアの回避力及び速度は見た目以上です。ちっ、これだから有能な召喚士が敵にいると面倒なんですよ』
「違いない。仕方ない、誘導術式も加えるか」
主砲を回避された戦車の車長が無線から「んな馬鹿なことあるかよちくしょう!」と口調を荒くして悲痛な叫びを上げる声が聞こえてくるが、孝弘は彼等に同情しつつも試製三六式での射撃を試みる。
「貫通系術式及び誘導術式追加。風属性。目標ロック、ショット」
『後方の残存オーク二体が急加速!』
「クソっ、射線に入られる!!」
孝弘はこの後の未来が読めていた。宏光からの無線通り、ビックベア二体の後ろに控えていたオークが増速。ビックベアの前に割り込んだのだ。
いくら三〇ミリ弾とはいえオーク二体という分厚い肉壁を貫通してからも効力は残せない。孝弘が放った魔弾は術式通り誘導弾のように動くものの割り込んてきたオークに命中し二体とも絶命するが、肝心のビックベアは無傷だった。
ビックベアは倒れたオークには目もくれず咆哮を上げる。すると、ビックベア1は淡い緑白色に光る腕を振り下ろした。
『警告。魔力反応。風属性。目標後退中の戦車』
「ったく賢い熊だこと! 『術式変更』、『誘導式風刃』」
すかさず反応したのは術式詠唱中で後は法撃を放つだけだった水帆だった。彼女は咄嗟の判断で風属性魔法に誘導方式を付与すると、法撃を放つ。
ビックベアが風の刃を放ったのと水帆が放ったのは同時だった。
ビックベアの風刃は戦車の一五〇メートルまで迫るが、そこに水帆が放った高速の風刃が命中。相打ちの形となる。
『こちら戦車二二、助かった!!』
『SA8よりSA1、ビックベア二体共になおも前進。後続に残存ゴブリンとCT。距離九五〇』
「デカブツばっかりに構ってられないな。大輝のは、よし。なら大丈夫。水帆、目標を後方のゴブリンやCTに」
「了解よ!」
孝弘はレーダーで大輝とゴーレムがいる位置をちらりとだけ見ると問題ないと判断。自身の攻撃目標をビックベア二体の後ろにいる一群へと移す。
孝弘と水帆が銃撃と法撃を行った直後、待っていた友がやってきた。
『やったれ武士達ィ!!』
ビックベアは正面の孝弘や水帆達に気を取られており、横方向への警戒が薄らいでいたのが幸いだった。
ゴーレム二体はビックベアに向けて吶喊する。
ビックベア1はゴーレムが懇親の力を込めた右腕の一発をモロに食らって吹っ飛ぶ。ビックベア2は茜がつけていた狐火の一つが直撃しよろけ、加えてもう一体のゴーレムが土の薙刀の石突の部分で思い切り突いてみせた。
『まだまだァ! 『岩石砲、直上攻撃術式』!!』
孝弘のいるアパートに面した道路に到着した大輝は法撃を放つ。
上空に打ち上げられた岩石はビックベア2がいる地点まで飛ぶと急降下。その頭部にモロに直撃する。ぐしゃりと何かが潰れる音がした。
『ビックベア2沈黙!!』
『しゃおらぁ!! 見たかクソベア野郎!!』
『ビックベア1、川島中佐のゴーレムと交戦中! 起き上がりました』
『倍近くの背丈がナンボのもんだっての!! 孝弘、水帆、援護頼んだ!』
「ああ」
「任せなさいな」
ゴブリンやCTは戦車部隊や特務小隊の隊員達など周辺の他部隊に任せ、孝弘と水帆はビックベア1のいる方へと向きを変える。
『二人とも後ろに穴を作ってくれ!』
「了解」
「分かったわ」
孝弘と水帆は大輝の指示通り、射撃と法撃をビックベアではなくその後方に当てた。二人の攻撃でビックベアの二十数メートル後方に深さ数十センチの穴が開く。
その間に大輝のゴーレムはビックベアを後ずさりさせていた。体格はビックベアの方が大きいがゴーレムの力は強く、薙刀による攻撃を熊は防ぎつつも前へは進めない。そこへさらに、狐火二つがビックベアにアタック。これをビックベアは避けようとやや小さめのバックステップをしたのだが、この行動が間違いだった。大輝のゴーレム強力で、防戦で手一杯だったせいである。
「よし、転倒したぞ!」
『貰ったァ!』
ゴーレムはこの隙を逃すはずもなく、転倒したビックベア1の胴体に薙刀の刃を突き立てる。
『グォオオォォォォ!!!!』
ビックベア1は暴れるが最早遅かった。もう一体のゴーレムが頭部に刃を突き立てたのだ。
『SA8よりSA3、ビックベア1沈黙!』
『いよっしっっ!! ビックベア、討ち取ったァ!!』
大輝の宣言に、周りにいた将兵達から歓声が上がる。
何度もCTが襲いかかるだけでなく、度重なる敵召喚士による召喚生命体の出現。極めつけは熊型召喚体の出現でやや押されていた戦況はこれを期に一気にひっくり返る。
何度も召喚生命体を出すことで一時的に数で押していた神聖帝国軍は意図をくじかれ、切り札の一つのつもりだった大型熊召喚体も倒された。こうなると敵戦線は瓦解して当然だった。当然だが郡山北西部から北部にいた日本軍は反撃を強め、この日の夕方までにさらに一キロ半の前進を果たしたのだった。
「異世界からの侵略者だもの。この際もうなんでもアリと思うしかないんじゃない?」
「ああ……、改めてそう感じたよ……」
『SA8よりSA1、熊型召喚体の仮脅威度判定完了。A-からAと思われます』
「A-からAは不味いな……。SA3、SA5から7と配置転換。現地点にゴーレム二体を残し三体をこちらへ。熊型に各一体をあて、一体は周辺を担当。いけるか?」
『SA5了解です。SA3とスイッチします』
『SA3了解だ。二体残せばこっちは支えられる。え、ああ、変わりたい? 了解』
『茜じゃ。無線を借りておる。儂の狐火をゴーレム一体につき三体つける。こちらは任せよ』
「SA1了解。支援感謝する」
『んむ。ほれ、返すぞ』
『ってわけでオレが向かう。転換中の一時火力減少はそっちでカバーしてくれよ』
「了解」
孝弘は配置転換の命令を出すと、自分も位置を変える。近くに四階建ての新しめのアパートがあったからその屋上へと水帆と共に場所を移した。熊型召喚体の動きを捉えやすくする為だ。自身の攻撃をしやすくする為でもある。その頃には熊型召喚体は動き始めていた。
『SA8よりSA1。熊型召喚体を一時的にビックベア1、2と呼称します。二体は時速四〇で接近中。距離一一五〇』
「あの図体で時速四〇はヤバいな……」
『フェアル部隊三名、ビックベア1・2へ機関銃攻撃開始。…………効果は薄い。外皮硬度はかなりのようです』
「了解。となると俺のコレも貫通系術式が必要だな……」
「貫通系術式ね。了解」
『友軍戦車一両、後退しつつ主砲発射』
孝弘は賢者の瞳を介してその攻撃を見ていた。戦車が狙ったのはビックベア2の方だったが、ソレは偶然ではあるだろうがとんでもない動きを見せる。
「戦車砲を回避!?」
「ウッソでしょ?!」
『ビックベアの回避力及び速度は見た目以上です。ちっ、これだから有能な召喚士が敵にいると面倒なんですよ』
「違いない。仕方ない、誘導術式も加えるか」
主砲を回避された戦車の車長が無線から「んな馬鹿なことあるかよちくしょう!」と口調を荒くして悲痛な叫びを上げる声が聞こえてくるが、孝弘は彼等に同情しつつも試製三六式での射撃を試みる。
「貫通系術式及び誘導術式追加。風属性。目標ロック、ショット」
『後方の残存オーク二体が急加速!』
「クソっ、射線に入られる!!」
孝弘はこの後の未来が読めていた。宏光からの無線通り、ビックベア二体の後ろに控えていたオークが増速。ビックベアの前に割り込んだのだ。
いくら三〇ミリ弾とはいえオーク二体という分厚い肉壁を貫通してからも効力は残せない。孝弘が放った魔弾は術式通り誘導弾のように動くものの割り込んてきたオークに命中し二体とも絶命するが、肝心のビックベアは無傷だった。
ビックベアは倒れたオークには目もくれず咆哮を上げる。すると、ビックベア1は淡い緑白色に光る腕を振り下ろした。
『警告。魔力反応。風属性。目標後退中の戦車』
「ったく賢い熊だこと! 『術式変更』、『誘導式風刃』」
すかさず反応したのは術式詠唱中で後は法撃を放つだけだった水帆だった。彼女は咄嗟の判断で風属性魔法に誘導方式を付与すると、法撃を放つ。
ビックベアが風の刃を放ったのと水帆が放ったのは同時だった。
ビックベアの風刃は戦車の一五〇メートルまで迫るが、そこに水帆が放った高速の風刃が命中。相打ちの形となる。
『こちら戦車二二、助かった!!』
『SA8よりSA1、ビックベア二体共になおも前進。後続に残存ゴブリンとCT。距離九五〇』
「デカブツばっかりに構ってられないな。大輝のは、よし。なら大丈夫。水帆、目標を後方のゴブリンやCTに」
「了解よ!」
孝弘はレーダーで大輝とゴーレムがいる位置をちらりとだけ見ると問題ないと判断。自身の攻撃目標をビックベア二体の後ろにいる一群へと移す。
孝弘と水帆が銃撃と法撃を行った直後、待っていた友がやってきた。
『やったれ武士達ィ!!』
ビックベアは正面の孝弘や水帆達に気を取られており、横方向への警戒が薄らいでいたのが幸いだった。
ゴーレム二体はビックベアに向けて吶喊する。
ビックベア1はゴーレムが懇親の力を込めた右腕の一発をモロに食らって吹っ飛ぶ。ビックベア2は茜がつけていた狐火の一つが直撃しよろけ、加えてもう一体のゴーレムが土の薙刀の石突の部分で思い切り突いてみせた。
『まだまだァ! 『岩石砲、直上攻撃術式』!!』
孝弘のいるアパートに面した道路に到着した大輝は法撃を放つ。
上空に打ち上げられた岩石はビックベア2がいる地点まで飛ぶと急降下。その頭部にモロに直撃する。ぐしゃりと何かが潰れる音がした。
『ビックベア2沈黙!!』
『しゃおらぁ!! 見たかクソベア野郎!!』
『ビックベア1、川島中佐のゴーレムと交戦中! 起き上がりました』
『倍近くの背丈がナンボのもんだっての!! 孝弘、水帆、援護頼んだ!』
「ああ」
「任せなさいな」
ゴブリンやCTは戦車部隊や特務小隊の隊員達など周辺の他部隊に任せ、孝弘と水帆はビックベア1のいる方へと向きを変える。
『二人とも後ろに穴を作ってくれ!』
「了解」
「分かったわ」
孝弘と水帆は大輝の指示通り、射撃と法撃をビックベアではなくその後方に当てた。二人の攻撃でビックベアの二十数メートル後方に深さ数十センチの穴が開く。
その間に大輝のゴーレムはビックベアを後ずさりさせていた。体格はビックベアの方が大きいがゴーレムの力は強く、薙刀による攻撃を熊は防ぎつつも前へは進めない。そこへさらに、狐火二つがビックベアにアタック。これをビックベアは避けようとやや小さめのバックステップをしたのだが、この行動が間違いだった。大輝のゴーレム強力で、防戦で手一杯だったせいである。
「よし、転倒したぞ!」
『貰ったァ!』
ゴーレムはこの隙を逃すはずもなく、転倒したビックベア1の胴体に薙刀の刃を突き立てる。
『グォオオォォォォ!!!!』
ビックベア1は暴れるが最早遅かった。もう一体のゴーレムが頭部に刃を突き立てたのだ。
『SA8よりSA3、ビックベア1沈黙!』
『いよっしっっ!! ビックベア、討ち取ったァ!!』
大輝の宣言に、周りにいた将兵達から歓声が上がる。
何度もCTが襲いかかるだけでなく、度重なる敵召喚士による召喚生命体の出現。極めつけは熊型召喚体の出現でやや押されていた戦況はこれを期に一気にひっくり返る。
何度も召喚生命体を出すことで一時的に数で押していた神聖帝国軍は意図をくじかれ、切り札の一つのつもりだった大型熊召喚体も倒された。こうなると敵戦線は瓦解して当然だった。当然だが郡山北西部から北部にいた日本軍は反撃を強め、この日の夕方までにさらに一キロ半の前進を果たしたのだった。
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