122 / 250
第9章 つかの間の休息編
第5話 帰郷のスケジュール
しおりを挟む
・・5・・
香川上級大将と中澤大将との初対面を終えた翌日は、孝弘達にとって後方に来てから初の休日となった。
四人に与えられたのは基地内にある士官用営舎の個室で、空き室になっていたから最低限の家具しか無かったが、一時的な滞在としては十分だった。
孝弘達は前世からの癖で軍人らしく朝に起きると身体がなまらないようにと、ウィンドブレーカーに着替え運動靴――どちらも伊丹に行く前に物品要望で出したものが優先手配されて届いたもの――に履き替えると、ストレッチを行ってからランニングを行った。
朝食後はゆっくりと過ごし、昼食後は軍服に着替えたものの各々が基地の中で可能な範囲で趣味の事をしたり基地内の資料室に行ったりなどしていた。
夕食を摂ってからは基地内にある士官用歓談室でのんびりと談笑したり、この部屋にいた軍人達と交流をするなどしていた。
基地の中であることと話をしたのが軍人か軍属であることを除けばまるで平時のような過ごし方をした彼等。少しの期間とはいえ砲撃音も銃撃音も、そして法撃の音も聞かずに過ごせる日に喜びを感じつつ、前線に戻るまでの間はこの生活を十分に味わおうと改めて思うのだった。
翌日、一三日は日本に今季初の厳しい寒気が訪れた日だった。冬でも比較的暖かい大阪平野にある伊丹基地も朝晩はかなり冷え込み、京都や滋賀の方では雪が降っていそうな空模様。
孝弘達はこの日の午前中、璃佳に自身の臨時執務室に来るよう伝えられていた。
・・Φ・・
12月13日
午前11時前
日本軍統合司令本部・基地内
統合司令本部が置かれている広大な面積を持つ伊丹基地とはいえ、四人が一時宿泊をしている士官用営舎から璃佳の臨時執務室がある本部棟までは徒歩一〇分程度で着く距離にあった。
孝弘達は軍服姿――新しい軍服は二日後に手配されるとのことで、四人が来てるのは前までの第二種軍服である――で一〇階建ての本部棟に入ると璃佳の臨時執務室が置かれている七階へ。この階は佐官級または准将クラスの執務室になっており、最上階ほどでは無いものの落ち着いた雰囲気となっていた。
「七条准将閣下、米原孝弘です。四人共、到着致しました」
「ご苦労さま。入っていいよ」
「はっ! 失礼致します」
孝弘は璃佳の許可を聞いてからドアを開ける。中にいたのは璃佳一人だけ。後で四人は知るのだが、熊川は諸々の調整に追われていて離席しているらしい。
「既に休暇中なのに悪いね」
「お互いさまです」
「ははっ、それもそっか。ま、座ってよ。コーヒーを用意しといたからさ」
「ありがとうございます」
孝弘達は執務室内に置かれているテーブルに腰かけると、璃佳もテーブルの方に席を移した。
「四人とも昨日は丸一日休みだったけど、どうだった?」
「久しぶりにゆっくり出来ました」
「軍人生活に慣れて朝は早起きでしたが、あとは平時の休日みたいな感じでしたね」
「この基地には映写室もあるんすね。近いうちにまた利用しようかと」
「資料室も結構充実してて驚きました」
孝弘、水帆、大輝、知花の順でめいめいに感想を言うと、璃佳はニコッと笑って、
「そっか。のんびり出来て良かったよ」
と返した。それから数分くらいは他愛もない話をしていたが、璃佳は本題を話し始めた。
「君達の帰郷スケジュールが概ね固まったよ。出発は明後日の一五日朝。伊丹に帰ってくるのは一八日の夜になるよ」
「ん? 一日長くなってませんか?」
「一日伸びた訳は今から話すよ。帰郷に関するスケジュールを賢者の瞳に送るから、目を通して」
「了解しました」
孝弘は温かいコーヒーを口につけながら、璃佳から送られたスケジュールをAR画面を通じて目を通す。公式なものではないからか、簡潔に書かれていたが、すぐに一日伸びた訳が分かった。
「なるほど、そういうことでしたか」
「そそ。君達が帰郷する前日にね、井口にある七条本家に寄ってもらいたくてさ。私のお父様が一度会ってみたいって言っててね。あと、伊丹に帰ってきたのなら顔を出しなさい。って。確かに色々と報告することはあるけどね」
「単純に子供の顔が見たいってやつっすかね?」
「大正解だよ、川島中佐。来月以降になったら次いつこっちに戻ってこれるか読めなくなるのもあるんじゃないかな。んで私の一時帰宅、って言っても一泊二日だけど、それと君達の帰郷がほぼ似たタイミングでさ。九条術士の一角たる七条、その主としてSランク能力者がどんな人となりなのか気になるんだと思うよ」
「自分は構いませんよ。七条家を通じてこの新式魔法銃の融通をしてもらってますし、お礼も言いたかったですから」
孝弘の発言に、三人は強く頷いた。水帆と知花は七条家の宝物庫から今の武器を譲ってもらっているし、大輝の武器や供給し続けられていた召喚符も七条本家宝物庫が出処だ。四人とも七条家には少なからず世話になっているのだから、礼を言いたいというのは本心だった。
「そう言ってもらえると助かるよ。七条本家に行く件は急に決まったもので、ぶっちゃけウチの家サイドのワガママみたいなもんだからさ」
璃佳はこう言うものの孝弘は、
(能力者じゃなくても誰でも知ってる九条術士の、それもトップクラスの力を持つ七条家の誘いを断る人なんていないと思うけどなあ)
と内心苦笑いをしていた。
「んじゃ、父上には連絡を入れておくね。なんか準備がいるって言ってたからさ」
「準備ですか……?」
「うん。君達っていう客人を迎えるからじゃないかなあ。君らがオッケーを出してくれれば、ささやかながら歓迎したいって言ってたし」
「なるほど……」
そう返した孝弘、旧華族系のささやかな歓迎ってどんなのになるんだ……? アルストルムだと、七条家って下手すりゃ侯爵クラスだよな……。ドレスコードとかいるか……? いや、非公式だしなあ。と、アルストルム何度も経験したアレコレをもとに服装のことを気にかけていた。
璃佳は孝弘の心の中を察したのか、こう言う。
「ああ、服装は気にしないで。軍服姿じゃ目立つからずっと私服でいいし、そもそも非公式の場だからラフなのでも全然いいよ。私も私服だし」
「アッハイ」
思わず素で答えてしまう孝弘。璃佳は本当に気にするな。といった感じだった。
「話が脇道に逸れたね。ウチの家に寄るのは一泊二日。客間がいくつかあるからそこを使って貰うよ。で、そっからのスケジュールなんだけど――」
璃佳が説明したスケジュールは以下のようになっていた。
◾︎一六日朝、井口市の七条本家出発。車両及び警護人員は七条家より提供。井口から四人の自宅は車で一時間から一時間半圏内にあるため、午前中から昼前には各自宅に着。各家に事前の連絡は機密保持の観点から厳禁とする。
◾︎一六日到着後から一八日夕方まで、各位自宅にて休暇。ただし機密保持の観点から外出は原則不可。自宅の敷地内及び近所であれば行動可能とするが、自身を察知されないよう高度な存在希薄魔法または存在欺瞞魔法を発動するよう。
◾︎上記と同様の理由として、旧来の友人との連絡を取り合うことも禁止とする。
沢山不便をかけてごめんね。(璃佳のコメント)
◾︎一八日夜に伊丹へ到着予定。以後のスケジュールは休暇となるが、訓練に関する予定や幹部高級課程短期特別教育プログラムに関する予定は後日発表とする。
「ざっとこんなもんかな。伊丹に帰っても二〇日までは確実に休みだろうから、そこは安心して。何か質問は?」
璃佳の問いに、四人共質問はない意思を伝える。
「よし。んじゃ、明後日はよろしくね。それまでは休暇として思い思いに過ごすもよし。今日から帰郷の準備をするもよし。って感じで、好きなようにしてていいよ。話は以上。ご苦労さま」
璃佳との帰郷に関する話が終わると、四人は席を立って敬礼すると彼女の執務室を後にした。
機密保持に関する事項が多く帰郷しても不自由な面はいくつもあるが、四人は立場故に仕方がない。と割り切っていた。
それでも、六年半振りに家へ帰れるんだ。という喜ばしい現実を、四人はますます強く感じていたのだった。
香川上級大将と中澤大将との初対面を終えた翌日は、孝弘達にとって後方に来てから初の休日となった。
四人に与えられたのは基地内にある士官用営舎の個室で、空き室になっていたから最低限の家具しか無かったが、一時的な滞在としては十分だった。
孝弘達は前世からの癖で軍人らしく朝に起きると身体がなまらないようにと、ウィンドブレーカーに着替え運動靴――どちらも伊丹に行く前に物品要望で出したものが優先手配されて届いたもの――に履き替えると、ストレッチを行ってからランニングを行った。
朝食後はゆっくりと過ごし、昼食後は軍服に着替えたものの各々が基地の中で可能な範囲で趣味の事をしたり基地内の資料室に行ったりなどしていた。
夕食を摂ってからは基地内にある士官用歓談室でのんびりと談笑したり、この部屋にいた軍人達と交流をするなどしていた。
基地の中であることと話をしたのが軍人か軍属であることを除けばまるで平時のような過ごし方をした彼等。少しの期間とはいえ砲撃音も銃撃音も、そして法撃の音も聞かずに過ごせる日に喜びを感じつつ、前線に戻るまでの間はこの生活を十分に味わおうと改めて思うのだった。
翌日、一三日は日本に今季初の厳しい寒気が訪れた日だった。冬でも比較的暖かい大阪平野にある伊丹基地も朝晩はかなり冷え込み、京都や滋賀の方では雪が降っていそうな空模様。
孝弘達はこの日の午前中、璃佳に自身の臨時執務室に来るよう伝えられていた。
・・Φ・・
12月13日
午前11時前
日本軍統合司令本部・基地内
統合司令本部が置かれている広大な面積を持つ伊丹基地とはいえ、四人が一時宿泊をしている士官用営舎から璃佳の臨時執務室がある本部棟までは徒歩一〇分程度で着く距離にあった。
孝弘達は軍服姿――新しい軍服は二日後に手配されるとのことで、四人が来てるのは前までの第二種軍服である――で一〇階建ての本部棟に入ると璃佳の臨時執務室が置かれている七階へ。この階は佐官級または准将クラスの執務室になっており、最上階ほどでは無いものの落ち着いた雰囲気となっていた。
「七条准将閣下、米原孝弘です。四人共、到着致しました」
「ご苦労さま。入っていいよ」
「はっ! 失礼致します」
孝弘は璃佳の許可を聞いてからドアを開ける。中にいたのは璃佳一人だけ。後で四人は知るのだが、熊川は諸々の調整に追われていて離席しているらしい。
「既に休暇中なのに悪いね」
「お互いさまです」
「ははっ、それもそっか。ま、座ってよ。コーヒーを用意しといたからさ」
「ありがとうございます」
孝弘達は執務室内に置かれているテーブルに腰かけると、璃佳もテーブルの方に席を移した。
「四人とも昨日は丸一日休みだったけど、どうだった?」
「久しぶりにゆっくり出来ました」
「軍人生活に慣れて朝は早起きでしたが、あとは平時の休日みたいな感じでしたね」
「この基地には映写室もあるんすね。近いうちにまた利用しようかと」
「資料室も結構充実してて驚きました」
孝弘、水帆、大輝、知花の順でめいめいに感想を言うと、璃佳はニコッと笑って、
「そっか。のんびり出来て良かったよ」
と返した。それから数分くらいは他愛もない話をしていたが、璃佳は本題を話し始めた。
「君達の帰郷スケジュールが概ね固まったよ。出発は明後日の一五日朝。伊丹に帰ってくるのは一八日の夜になるよ」
「ん? 一日長くなってませんか?」
「一日伸びた訳は今から話すよ。帰郷に関するスケジュールを賢者の瞳に送るから、目を通して」
「了解しました」
孝弘は温かいコーヒーを口につけながら、璃佳から送られたスケジュールをAR画面を通じて目を通す。公式なものではないからか、簡潔に書かれていたが、すぐに一日伸びた訳が分かった。
「なるほど、そういうことでしたか」
「そそ。君達が帰郷する前日にね、井口にある七条本家に寄ってもらいたくてさ。私のお父様が一度会ってみたいって言っててね。あと、伊丹に帰ってきたのなら顔を出しなさい。って。確かに色々と報告することはあるけどね」
「単純に子供の顔が見たいってやつっすかね?」
「大正解だよ、川島中佐。来月以降になったら次いつこっちに戻ってこれるか読めなくなるのもあるんじゃないかな。んで私の一時帰宅、って言っても一泊二日だけど、それと君達の帰郷がほぼ似たタイミングでさ。九条術士の一角たる七条、その主としてSランク能力者がどんな人となりなのか気になるんだと思うよ」
「自分は構いませんよ。七条家を通じてこの新式魔法銃の融通をしてもらってますし、お礼も言いたかったですから」
孝弘の発言に、三人は強く頷いた。水帆と知花は七条家の宝物庫から今の武器を譲ってもらっているし、大輝の武器や供給し続けられていた召喚符も七条本家宝物庫が出処だ。四人とも七条家には少なからず世話になっているのだから、礼を言いたいというのは本心だった。
「そう言ってもらえると助かるよ。七条本家に行く件は急に決まったもので、ぶっちゃけウチの家サイドのワガママみたいなもんだからさ」
璃佳はこう言うものの孝弘は、
(能力者じゃなくても誰でも知ってる九条術士の、それもトップクラスの力を持つ七条家の誘いを断る人なんていないと思うけどなあ)
と内心苦笑いをしていた。
「んじゃ、父上には連絡を入れておくね。なんか準備がいるって言ってたからさ」
「準備ですか……?」
「うん。君達っていう客人を迎えるからじゃないかなあ。君らがオッケーを出してくれれば、ささやかながら歓迎したいって言ってたし」
「なるほど……」
そう返した孝弘、旧華族系のささやかな歓迎ってどんなのになるんだ……? アルストルムだと、七条家って下手すりゃ侯爵クラスだよな……。ドレスコードとかいるか……? いや、非公式だしなあ。と、アルストルム何度も経験したアレコレをもとに服装のことを気にかけていた。
璃佳は孝弘の心の中を察したのか、こう言う。
「ああ、服装は気にしないで。軍服姿じゃ目立つからずっと私服でいいし、そもそも非公式の場だからラフなのでも全然いいよ。私も私服だし」
「アッハイ」
思わず素で答えてしまう孝弘。璃佳は本当に気にするな。といった感じだった。
「話が脇道に逸れたね。ウチの家に寄るのは一泊二日。客間がいくつかあるからそこを使って貰うよ。で、そっからのスケジュールなんだけど――」
璃佳が説明したスケジュールは以下のようになっていた。
◾︎一六日朝、井口市の七条本家出発。車両及び警護人員は七条家より提供。井口から四人の自宅は車で一時間から一時間半圏内にあるため、午前中から昼前には各自宅に着。各家に事前の連絡は機密保持の観点から厳禁とする。
◾︎一六日到着後から一八日夕方まで、各位自宅にて休暇。ただし機密保持の観点から外出は原則不可。自宅の敷地内及び近所であれば行動可能とするが、自身を察知されないよう高度な存在希薄魔法または存在欺瞞魔法を発動するよう。
◾︎上記と同様の理由として、旧来の友人との連絡を取り合うことも禁止とする。
沢山不便をかけてごめんね。(璃佳のコメント)
◾︎一八日夜に伊丹へ到着予定。以後のスケジュールは休暇となるが、訓練に関する予定や幹部高級課程短期特別教育プログラムに関する予定は後日発表とする。
「ざっとこんなもんかな。伊丹に帰っても二〇日までは確実に休みだろうから、そこは安心して。何か質問は?」
璃佳の問いに、四人共質問はない意思を伝える。
「よし。んじゃ、明後日はよろしくね。それまでは休暇として思い思いに過ごすもよし。今日から帰郷の準備をするもよし。って感じで、好きなようにしてていいよ。話は以上。ご苦労さま」
璃佳との帰郷に関する話が終わると、四人は席を立って敬礼すると彼女の執務室を後にした。
機密保持に関する事項が多く帰郷しても不自由な面はいくつもあるが、四人は立場故に仕方がない。と割り切っていた。
それでも、六年半振りに家へ帰れるんだ。という喜ばしい現実を、四人はますます強く感じていたのだった。
0
お気に入りに追加
50
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
スナイパー令嬢戦記〜お母様からもらった"ボルトアクションライフル"が普通のマスケットの倍以上の射程があるんですけど〜
シャチ
ファンタジー
タリム復興期を読んでいただくと、なんでミリアのお母さんがぶっ飛んでいるのかがわかります。
アルミナ王国とディクトシス帝国の間では、たびたび戦争が起こる。
前回の戦争ではオリーブオイルの栽培地を欲した帝国がアルミナ王国へと戦争を仕掛けた。
一時はアルミナ王国の一部地域を掌握した帝国であったが、王国側のなりふり構わぬ反撃により戦線は膠着し、一部国境線未確定地域を残して停戦した。
そして20年あまりの時が過ぎた今、皇帝マーダ・マトモアの崩御による帝国の皇位継承権争いから、手柄を欲した時の第二皇子イビリ・ターオス・ディクトシスは軍勢を率いてアルミナ王国への宣戦布告を行った。
砂糖戦争と後に呼ばれるこの戦争において、両国に恐怖を植え付けた一人の令嬢がいる。
彼女の名はミリア・タリム
子爵令嬢である彼女に戦後ついた異名は「狙撃令嬢」
542人の帝国将兵を死傷させた狙撃の天才
そして戦中は、帝国からは死神と恐れられた存在。
このお話は、ミリア・タリムとそのお付きのメイド、ルーナの戦いの記録である。
他サイトに掲載したものと同じ内容となります。
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
転生先のご飯がディストピア飯だった件〜逆ハーレムはいらないから美味しいご飯ください
木野葛
恋愛
食事のあまりの不味さに前世を思い出した私。
水洗トイレにシステムキッチン。テレビもラジオもスマホある日本。異世界転生じゃなかったわ。
と、思っていたらなんか可笑しいぞ?
なんか視線の先には、男性ばかり。
そう、ここは男女比8:2の滅び間近な世界だったのです。
人口減少によって様々なことが効率化された世界。その一環による食事の効率化。
料理とは非効率的な家事であり、非効率的な栄養摂取方法になっていた…。
お、美味しいご飯が食べたい…!
え、そんなことより、恋でもして子ども産め?
うるせぇ!そんなことより美味しいご飯だ!!!
冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない
一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。
クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。
さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。
両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。
……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。
それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。
皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。
※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。
ヒューマンテイム ~人間を奴隷化するスキルを使って、俺は王妃の体を手に入れる~
三浦裕
ファンタジー
【ヒューマンテイム】
人間を洗脳し、意のままに操るスキル。
非常に希少なスキルで、使い手は史上3人程度しか存在しない。
「ヒューマンテイムの力を使えば、俺はどんな人間だって意のままに操れる。あの美しい王妃に、ベッドで腰を振らせる事だって」
禁断のスキル【ヒューマンテイム】の力に目覚めた少年リュートは、その力を立身出世のために悪用する。
商人を操って富を得たり、
領主を操って権力を手にしたり、
貴族の女を操って、次々子を産ませたり。
リュートの最終目標は『王妃の胎に子種を仕込み、自らの子孫を王にする事』
王家に近づくためには、出世を重ねて国の英雄にまで上り詰める必要がある。
邪悪なスキルで王家乗っ取りを目指すリュートの、ダーク成り上がり譚!
異世界帰りの俺は、スキル『ゲート』で現実世界を楽しむ
十本スイ
ファンタジー
ある日、唐突にバスジャック犯に殺されてしまった少年――同本日六(どうもとひろく)。しかし目が覚めると、目の前には神と名乗る男がいて、『日本に戻してもらう』ことを条件に、異世界を救うことになった。そして二年後、見事条件をクリアした日六は、神の力で日本への帰還を果たした。しかし目の前には、日六を殺そうとするバスジャック犯が。しかし異世界で培った尋常ではないハイスペックな身体のお蔭で、今度は難なく取り押さえることができたのである。そうして日六は、待ち望んでいた平和な世界を堪能するのだが……。それまで自分が生きていた世界と、この世界の概念がおかしいことに気づく。そのきっかけは、友人である夜疋(やびき)しおんと、二人で下校していた時だった。突如見知らぬ連中に拉致され、その行き先が何故かしおんの自宅。そこで明かされるしおんの……いや、夜疋家の正体。そしてこの世界には、俺が知らなかった真実があることを知った時、再び神が俺の前に降臨し、すべての謎を紐解いてくれたのである。ここは……この世界は――――並行世界(パラレルワールド)だったのだ。
奴隷と呼ばれた俺、追放先で無双する
宮富タマジ
ファンタジー
「レオ、お前は奴隷なのだから、勇者パーティから追放する!」
王子アレンは鋭い声で叫んだ。
奴隷でありながら、勇者パーティの最強として君臨していたレオだったが。
王子アレンを中心とした新たな勇者パーティが結成されることになり
レオは追放される運命に陥った。
王子アレンは続けて
「レオの身分は奴隷なので、パーティのイメージを損なう!
国民の前では王族だけの勇者パーティがふさわしい」
と主張したのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる