76 / 250
第6章 旧首都・東京奪還前哨戦編
第1話 統合司令本部作戦会議で話されるは①
しおりを挟む ・・2・・
11月25日
午前10時過ぎ
兵庫県伊丹市陸軍伊丹駐屯地内・日本軍統合司令本部
孝弘達のいる魔法軍第一特務連隊を含む旧中央高地方面軍改め東京西部方面軍と、今川中佐のいる西方特殊作戦大隊含む太平洋方面軍がドラゴンと交戦しこれを殲滅した翌日。
首都東京が陥落してから臨時首都となっている大阪の近郊、兵庫県伊丹市に所在する陸軍伊丹駐屯地には、ある作戦に関する最終確認を含むいくつかの議題について話し合う為、日本陸軍・海軍・空軍・海兵隊・魔法軍及び五軍を束ねる統合参謀本部の一同が集っていた。なぜ伊丹かというと、首都が陥落し大阪が臨時首都となってから、軍統合作戦司令本部は伊丹に置かれていたからである。
その伊丹駐屯地内にある大会議室。カーキ色の軍服である陸軍組、季節柄冬服仕様に変わった紺色軍服である海軍組、空を思わせる白色軍服の空軍組、ベージュ色の海兵隊組、そして黒色の魔法軍組が大きな部屋に集まる様は中々に壮観であり荘厳さもあった。
壮観はともかく荘厳さも持ち合わせているのは、各軍及び統合作戦本部のトップがいるからであろう。
各軍トップと統合参謀本部のトップを順に紹介していこう。
「図体のデカい化け物や天使に続いてドラゴンとは。一番下の息子が好きなアニメを空想の産物だからこそ楽しめるよなと笑えんくなったな」
昨日の戦闘詳報に目を通し、目頭を押さえながら低い声で言ったのは、陸軍参謀総長の馬場彰陸軍大将。五〇代半ばながらまだまだ現役と言わんばかりの鋼の肉体を持つ軍人然とした男性軍人である。彼が陸軍参謀総長に就任したのは一年半前。今の立場にようやく慣れてきた頃にこの大戦が始まったが比較的柔軟性のある性格からか、はたまた三男が異世界系統の物語を好んで読んだり観たりして予備知識があったからなのか、五軍の中では異世界からの侵略者の存在を現実であると割り切った人物である。本人自体小説や映画を好んで読んだり観たりしていたのもあったかもしれないが。
「海軍はこれまで役回りが少なかったが、今後のことを考えるといよいよという感が強いようだね。だとしてもドラゴンの存在は受け入れ難いよね。どんどんこの世界が離れた世界に感じてしまう。まあでも、現実は現実か」
とある作戦に関係する書類を見つつ、昨日艦載機部隊が交戦したドラゴンについての速報も読んでいるのは、海軍参謀総長の大石浩三海軍大将。年齢は馬場大将より二つ上で五〇代後半。狸を思わせる恰幅の良さと牧場の羊を思わせる穏やかさを併せ持つが、海軍戦略においては狐のような狡猾さを持っているという、掴みにくい性格の人物である。ただ一つ確実に言えることは、海軍の総指揮者に相応しい才能を保有していることだろうか。
「今後ドラゴンと真正面に立つのは魔法軍と我が空軍。魔法軍と並んで替えが効かん我々としては、また一つ頭痛の種が増えたというわけか……。戦闘機にも限りがある事を考えると、配置転換は必須だな……」
戦闘機部隊からの報告に目を通しドラゴンの脅威性とおおよその個体戦力から、会議の前より今後の方策に頭を悩ましているのは空軍参謀総長の佐々川智則空軍大将。五軍のトップ陣の中では二番目に若い五〇代初頭の男性軍人だ。海軍大将の中身が狐なら、こちらは外見が狐を思わせるやや痩せ身である。歴代空軍トップの中では慎重派の彼はとにかく石橋を叩いて渡りたがる。それが故に現時点で空軍は戦力が温存されていると言ってもいい。ただし決める時は即断即決で事を運ばせるのだから、将兵からは慕われていた。彼自身が責任は自分が取るからと幕下に好きにやらせている所もあるが。
「これまで俺達は常に最前線で戦い続けてきたが、今回は激戦になりそうだな……。海兵隊は兵力が陸よりずっと少ない。が、やらねば機を逃す。今がやらねばならん時だろうよ」
陸軍大将の馬場大将より声が低く、時には熊の唸り声にも聞こえる声で部下と話しているのは、海兵隊総司令官の高田尚志海兵隊大将。海軍大将の大石は二つ上の先輩にあたる。外見は低い声音が良く似合う熊のような大男。この中で最も身長が高く、陸軍大将の馬場より体格が大きい。海兵隊のトップらしく思い切りのいい性格だが、部下を人一倍心配する優しい人柄も持ち合わせていた。
彼が激戦において損耗を心配しているのは性格ゆえだろうが、海兵隊自体がこの三ヶ月で陸軍に並ぶ損害を被っているのもあった。海兵隊は定数四二二〇〇人と魔法軍より少ないのに、既に六〇〇〇近い死傷者――予備役から引っ張り出したり新兵教育を早めているから補充は出来ているが、とはいえ約六〇〇〇の死傷者は手痛い――を出しているからである。
「補充が効かんのは魔法軍も同じ。むしろ人材面に限れば魔法軍が最も補充が効きづらい。戦争は才能をいとも容易く溶かすとは先達はよく言ったものだ。決着が早めに着くのならそれが一番いい」
「ああ、全く。互いに悩ましいもんだね」
隣にいた空軍大将の佐々川が同意した発言を出したのは、魔法軍総長の中澤雅紀魔法軍大将。五軍の中では最も若い四〇代後半の男性軍人だ。彼の容貌と性格から想起させられるのは狼。魔法軍自体に魔法の才と実力のある者がトップになるという風潮があるが、彼もそれに違わず絶大な力を持っており、魔法能力者ランクはSランク。璃佳ほどの魔力保有量は無いものの経験と戦闘眼は璃佳を圧倒しており、模擬戦では璃佳が未だに一五回中一度しか勝っていない相手でもある。だからだろう、璃佳が畏敬の念を持って接する相手の一人だ。
「統合参謀本部統合参謀総長、香川高信上級大将閣下、入室されます」
若手士官の声に一斉に反応し、起立する五軍のトップ陣。ネット通信を介して遠隔参加している前線司令部の面々――璃佳もその中にいる一人だった――も起立をしていた。
大会議室の扉が開かれ、現れたのは六〇代初頭の男性軍人。身長は一六〇センチ半ばと男性にしてはやや小柄。髪の毛にも白髪が混じっているが、纏う覇気は五軍トップ陣の誰にも負けてはいなかった。
彼こそが日本軍五軍を束ねる統合参謀本部統合参謀総長、香川高信上級大将であった。
香川上級大将が現れると、全員が敬礼をして迎える。
並んだ長机の最前面、その真ん中に立った彼が敬礼すると、
「総員着席良し。早速会議を始めようかね」
『はっ!』
11月25日
午前10時過ぎ
兵庫県伊丹市陸軍伊丹駐屯地内・日本軍統合司令本部
孝弘達のいる魔法軍第一特務連隊を含む旧中央高地方面軍改め東京西部方面軍と、今川中佐のいる西方特殊作戦大隊含む太平洋方面軍がドラゴンと交戦しこれを殲滅した翌日。
首都東京が陥落してから臨時首都となっている大阪の近郊、兵庫県伊丹市に所在する陸軍伊丹駐屯地には、ある作戦に関する最終確認を含むいくつかの議題について話し合う為、日本陸軍・海軍・空軍・海兵隊・魔法軍及び五軍を束ねる統合参謀本部の一同が集っていた。なぜ伊丹かというと、首都が陥落し大阪が臨時首都となってから、軍統合作戦司令本部は伊丹に置かれていたからである。
その伊丹駐屯地内にある大会議室。カーキ色の軍服である陸軍組、季節柄冬服仕様に変わった紺色軍服である海軍組、空を思わせる白色軍服の空軍組、ベージュ色の海兵隊組、そして黒色の魔法軍組が大きな部屋に集まる様は中々に壮観であり荘厳さもあった。
壮観はともかく荘厳さも持ち合わせているのは、各軍及び統合作戦本部のトップがいるからであろう。
各軍トップと統合参謀本部のトップを順に紹介していこう。
「図体のデカい化け物や天使に続いてドラゴンとは。一番下の息子が好きなアニメを空想の産物だからこそ楽しめるよなと笑えんくなったな」
昨日の戦闘詳報に目を通し、目頭を押さえながら低い声で言ったのは、陸軍参謀総長の馬場彰陸軍大将。五〇代半ばながらまだまだ現役と言わんばかりの鋼の肉体を持つ軍人然とした男性軍人である。彼が陸軍参謀総長に就任したのは一年半前。今の立場にようやく慣れてきた頃にこの大戦が始まったが比較的柔軟性のある性格からか、はたまた三男が異世界系統の物語を好んで読んだり観たりして予備知識があったからなのか、五軍の中では異世界からの侵略者の存在を現実であると割り切った人物である。本人自体小説や映画を好んで読んだり観たりしていたのもあったかもしれないが。
「海軍はこれまで役回りが少なかったが、今後のことを考えるといよいよという感が強いようだね。だとしてもドラゴンの存在は受け入れ難いよね。どんどんこの世界が離れた世界に感じてしまう。まあでも、現実は現実か」
とある作戦に関係する書類を見つつ、昨日艦載機部隊が交戦したドラゴンについての速報も読んでいるのは、海軍参謀総長の大石浩三海軍大将。年齢は馬場大将より二つ上で五〇代後半。狸を思わせる恰幅の良さと牧場の羊を思わせる穏やかさを併せ持つが、海軍戦略においては狐のような狡猾さを持っているという、掴みにくい性格の人物である。ただ一つ確実に言えることは、海軍の総指揮者に相応しい才能を保有していることだろうか。
「今後ドラゴンと真正面に立つのは魔法軍と我が空軍。魔法軍と並んで替えが効かん我々としては、また一つ頭痛の種が増えたというわけか……。戦闘機にも限りがある事を考えると、配置転換は必須だな……」
戦闘機部隊からの報告に目を通しドラゴンの脅威性とおおよその個体戦力から、会議の前より今後の方策に頭を悩ましているのは空軍参謀総長の佐々川智則空軍大将。五軍のトップ陣の中では二番目に若い五〇代初頭の男性軍人だ。海軍大将の中身が狐なら、こちらは外見が狐を思わせるやや痩せ身である。歴代空軍トップの中では慎重派の彼はとにかく石橋を叩いて渡りたがる。それが故に現時点で空軍は戦力が温存されていると言ってもいい。ただし決める時は即断即決で事を運ばせるのだから、将兵からは慕われていた。彼自身が責任は自分が取るからと幕下に好きにやらせている所もあるが。
「これまで俺達は常に最前線で戦い続けてきたが、今回は激戦になりそうだな……。海兵隊は兵力が陸よりずっと少ない。が、やらねば機を逃す。今がやらねばならん時だろうよ」
陸軍大将の馬場大将より声が低く、時には熊の唸り声にも聞こえる声で部下と話しているのは、海兵隊総司令官の高田尚志海兵隊大将。海軍大将の大石は二つ上の先輩にあたる。外見は低い声音が良く似合う熊のような大男。この中で最も身長が高く、陸軍大将の馬場より体格が大きい。海兵隊のトップらしく思い切りのいい性格だが、部下を人一倍心配する優しい人柄も持ち合わせていた。
彼が激戦において損耗を心配しているのは性格ゆえだろうが、海兵隊自体がこの三ヶ月で陸軍に並ぶ損害を被っているのもあった。海兵隊は定数四二二〇〇人と魔法軍より少ないのに、既に六〇〇〇近い死傷者――予備役から引っ張り出したり新兵教育を早めているから補充は出来ているが、とはいえ約六〇〇〇の死傷者は手痛い――を出しているからである。
「補充が効かんのは魔法軍も同じ。むしろ人材面に限れば魔法軍が最も補充が効きづらい。戦争は才能をいとも容易く溶かすとは先達はよく言ったものだ。決着が早めに着くのならそれが一番いい」
「ああ、全く。互いに悩ましいもんだね」
隣にいた空軍大将の佐々川が同意した発言を出したのは、魔法軍総長の中澤雅紀魔法軍大将。五軍の中では最も若い四〇代後半の男性軍人だ。彼の容貌と性格から想起させられるのは狼。魔法軍自体に魔法の才と実力のある者がトップになるという風潮があるが、彼もそれに違わず絶大な力を持っており、魔法能力者ランクはSランク。璃佳ほどの魔力保有量は無いものの経験と戦闘眼は璃佳を圧倒しており、模擬戦では璃佳が未だに一五回中一度しか勝っていない相手でもある。だからだろう、璃佳が畏敬の念を持って接する相手の一人だ。
「統合参謀本部統合参謀総長、香川高信上級大将閣下、入室されます」
若手士官の声に一斉に反応し、起立する五軍のトップ陣。ネット通信を介して遠隔参加している前線司令部の面々――璃佳もその中にいる一人だった――も起立をしていた。
大会議室の扉が開かれ、現れたのは六〇代初頭の男性軍人。身長は一六〇センチ半ばと男性にしてはやや小柄。髪の毛にも白髪が混じっているが、纏う覇気は五軍トップ陣の誰にも負けてはいなかった。
彼こそが日本軍五軍を束ねる統合参謀本部統合参謀総長、香川高信上級大将であった。
香川上級大将が現れると、全員が敬礼をして迎える。
並んだ長机の最前面、その真ん中に立った彼が敬礼すると、
「総員着席良し。早速会議を始めようかね」
『はっ!』
0
お気に入りに追加
58
あなたにおすすめの小説
英雄召喚〜帝国貴族の異世界統一戦記〜
駄作ハル
ファンタジー
異世界の大貴族レオ=ウィルフリードとして転生した平凡サラリーマン。
しかし、待っていたのは平和な日常などではなかった。急速な領土拡大を目論む帝国の貴族としての日々は、戦いの連続であった───
そんなレオに与えられたスキル『英雄召喚』。それは現世で英雄と呼ばれる人々を呼び出す能力。『鬼の副長』土方歳三、『臥龍』所轄孔明、『空の魔王』ハンス=ウルリッヒ・ルーデル、『革命の申し子』ナポレオン・ボナパルト、『万能人』レオナルド・ダ・ヴィンチ。
前世からの知識と英雄たちの逸話にまつわる能力を使い、大切な人を守るべく争いにまみれた異世界に平和をもたらす為の戦いが幕を開ける!
完結まで毎日投稿!
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
改造空母機動艦隊
蒼 飛雲
歴史・時代
兵棋演習の結果、洋上航空戦における空母の大量損耗は避け得ないと悟った帝国海軍は高価な正規空母の新造をあきらめ、旧式戦艦や特務艦を改造することで数を揃える方向に舵を切る。
そして、昭和一六年一二月。
日本の前途に暗雲が立ち込める中、祖国防衛のために改造空母艦隊は出撃する。
「瑞鳳」「祥鳳」「龍鳳」が、さらに「千歳」「千代田」「瑞穂」がその数を頼みに太平洋艦隊を迎え撃つ。
札束艦隊
蒼 飛雲
歴史・時代
生まれついての勝負師。
あるいは、根っからのギャンブラー。
札田場敏太(さつたば・びんた)はそんな自身の本能に引きずられるようにして魑魅魍魎が跋扈する、世界のマーケットにその身を投じる。
時は流れ、世界はその混沌の度を増していく。
そのような中、敏太は将来の日米関係に危惧を抱くようになる。
亡国を回避すべく、彼は金の力で帝国海軍の強化に乗り出す。
戦艦の高速化、ついでに出来の悪い四姉妹は四一センチ砲搭載戦艦に改装。
マル三計画で「翔鶴」型空母三番艦それに四番艦の追加建造。
マル四計画では戦時急造型空母を三隻新造。
高オクタン価ガソリン製造プラントもまるごと買い取り。
科学技術の低さもそれに工業力の貧弱さも、金さえあればどうにか出来る!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/sf.png?id=74527b25be1223de4b35)
日本VS異世界国家! ー政府が、自衛隊が、奮闘する。
スライム小説家
SF
令和5年3月6日、日本国は唐突に異世界へ転移してしまった。
地球の常識がなにもかも通用しない魔法と戦争だらけの異世界で日本国は生き延びていけるのか!?
異世界国家サバイバル、ここに爆誕!
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
この争いの絶えない世界で ~魔王になって平和の為に戦いますR
ばたっちゅ
ファンタジー
相和義輝(あいわよしき)は新たな魔王として現代から召喚される。
だがその世界は、世界の殆どを支配した人類が、僅かに残る魔族を滅ぼす戦いを始めていた。
無為に死に逝く人間達、荒廃する自然……こんな無駄な争いは止めなければいけない。だが人類にもまた、戦うべき理由と、戦いを止められない事情があった。
人類を会話のテーブルまで引っ張り出すには、結局戦争に勝利するしかない。
だが魔王として用意された力は、死を予感する力と全ての文字と言葉を理解する力のみ。
自分一人の力で戦う事は出来ないが、強力な魔人や個性豊かな魔族たちの力を借りて戦う事を決意する。
殺戮の果てに、互いが共存する未来があると信じて。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる