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第3章 中央高地戦線編
第15話 甲府城跡突入作戦開始
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10月16日
午前5時半過ぎ
甲府城西高校付近
夜中に発生した敵潜入部隊による対処で各々が寝不足気味とはいえ、作戦が延期されることはありえない。
午前五時半には交代で短い休息を終えた将兵達は、次の目的地へ向かう為の準備を大抵整え終えていた。
さて、その次の目的地はどこか。捕虜から情報は聞き取った。真偽はともかくとして、どちらにせよ向かう先である。距離もさほど遠くはない。
となれば、答えは単純明快なものであった。
璃佳は孝弘達や第一大隊の選抜員――夜中の戦闘と同じメンツ――を集め、第二大隊大隊長の高富はホログラム越しで参加。その答えになる話をしていた。
「作戦二日目の〇六一〇、つまり四〇分後には行動再開になるけど一部目標を変更するよ。最優先目標になったのは甲府城跡。作戦内容は敵本拠の急襲と撃滅。余裕があれば捕虜の確保。元々甲府城跡は理性のある敵がいるのならば有力視されていた地点の一つで、奪還後には前線及び中継拠点として機能させるつもりだった。でも数時間前の戦闘で得た捕虜の情報によれば、敵の本拠は甲府城跡。本当なら一網打尽に出来るし、さらなる捕虜も得られるかもしれない。特に捕虜が言っていた神聖帝国の連中は一人だけでもいいから捕らえておきたい。よって、四半日前のメンバーと選抜一個小隊を加えた部隊で甲府城跡を急襲する」
璃佳が話した作戦内容は妥当といえるものだった。
捕虜が吐いた情報の真偽は未だ不明だが、本当ならば一網打尽に出来るチャンスである。CTを操るらしい神聖帝国の軍人がいるのならば、捕虜にすれば現況を打破できる可能性が出てくるからだ。
敵戦力についても神聖帝国人は未知数だが、属国人については夜中の戦闘で少ないながらもデータは得られた。SランクとAランク帯のみで構成される選抜部隊であれば過剰戦力になるかもしれないが、不足にはならないはず。璃佳はそう踏んだのである。
この作戦については中央高地戦線司令部もゴーサインを出した。
午前六時過ぎには全部隊は前進を再開するのである。であるのならば、国内随一の精鋭が敵本拠に突っ込んでも問題は無い。璃佳達がいる地点から甲府城跡までは約二キロと万が一離脱するとなっても容易い距離である。璃佳達ならどうにかするだろうとの判断だった。
勿論、手厚い援護は用意された。航空支援、魔法航空支援付。至れり尽くせりである。
国内だけでなく国外に対しても戦線打破の糸口になるかもしれない本作戦。故に中央高地戦線司令部の気合いが垣間見える内容だった。
璃佳は作戦の説明を続ける。
「作戦開始直後、甲府城跡に一直線で向かう。空からは行かない。距離的に必要無いからね。で、この時にCTが大挙して向かってくるだろうから、第二大隊の魔法航空支援だけでなくヘリによる支援攻撃、戦闘機による支援攻撃も行われるよ。たった二キロだけど敵の密度はこれまでで最高になるだろうからね。甲府城跡に到達したら、敵拠点を叩きのめす。各々自由に戦闘して構わないけれど、個人での行動はなるべく避けるように。最低二人以上で行動すること。捕虜については先の通りあくまで理想。ただし捕れるなら捕れ。以上だね。では、作戦開始まで各自準備をしといて」
『了解!』
璃佳が作戦説明を終えると、隊員達は解散。それぞれが準備に戻る。
孝弘達は四人で集まることにした。孝弘は作戦中の行動について話し合うことにした。といっても、四人での行動は六年間も続けてきたことだ。大した話にはならなかった。
「四人で固まって行動。死角を作らず、油断せず。捕虜を取る時以外は火力は過剰でも構わないから、敵を消し飛ばすつもりで殺る。でも、神聖帝国人には注意しよう。まだデータが無いからな」
これだけだった。
午前六時過ぎ。作戦開始五分前。先頭には璃佳や茜に熊川。そして孝弘達だ。大輝は既にゴーレム三体を置いていた。人とゴーレム。城跡までの二キロにおいて破城槌の役目を果たす形である。
「一分前」
熊川が告げる。魔法銃の安全装置は解除され、初撃の魔法を速やかに発動する為の準備詠唱を行う者もいた。
「――五、四、三、二、一、行動開始」
甲府城跡突入部隊は加速魔法で一気にスピードを上げた。川を渡り、自軍制圧地域から出た直後にCTはいた。拠点が近いからだろう。案の定密度はこれまでに比べ高かった。
「闇よ喰らえ。『暗君暴食』」
「攻撃術式、『狐火大群』」
まずは璃佳と茜の法撃。
璃佳の魔法は射程内にある全てを喰らい、茜が発現させた大量の狐火がCTを焼き尽くした。
この法撃がトリガーとなり、それまで甲府城跡を守るように展開していたCTが大挙して孝弘達に向かってきた。
「武士よ、左右から迫る化物共を蹴散らせ」
「光の矢に死角無し。回れ、回れ、遍く全てを貫け。『光矢輪舞曲』」
続けて大輝がゴーレムを動かし、知花が光属性中級魔法を発動。大輝のゴーレムは槍だけでなく己の体躯も使ってCTを蹴散らす。知花の魔法は短時間持続型の上、全周囲法撃であるからあらゆる方向から迫るCTを貫いていった。
「こういう時こそ、ド派手にやりましょ。――数多の雷は怪異を焼く。我に近付ける者は無し。『雷槍、百重射出』」
水帆の魔法は相変わらず凄まじかった。雷槍は初級魔法に分類されるが彼女が使う場合込める魔力によっては中級に相当する。それが一〇〇本だ。目標にされたCTは一体残らず黒焦げとなった。
『警告。四〇〇メートル先に召喚型超大型CT出現。数、三』
賢者の瞳による警告の直後、前方に昨日も出現した召喚タイプの超大型CTが現れる。だが部隊は前進を止めない。
「ここは俺がやります」
「任せたよ、米原少佐」
孝弘は頷くと、魔法障壁を追加で展開。加速する。水帆達や璃佳達の法撃援護を受けながらさらに加速すると、近くにあった建物を足場にして、大きくジャンプをした。
高さが一〇メートルを越える前から詠唱を始めた。
「第一術式、局所貫通型。第二術式、遅延発動。火属性爆発系セット」
『セット完了』
「『三連炎弾』」
跳躍最高点に到達した瞬間、孝弘は三発の銃弾を発射。それぞれ一発ずつが超大型CTに展開されていた魔法障壁を局所貫通し、胸部に命中する。
直後、超大型CTは爆発。上半身が木っ端微塵となった。行く手を遮るバケモノは瞬殺された。
「よくやったよ米原少佐! さぁ、このまま突っ込むぞ!」
璃佳が親指を立てながら言うと、着地した孝弘は頷きすぐに合流する。
それからも突入部隊は快速で進んでいく。上空からは常に手厚い支援攻撃があることで、突入部隊はCTに対して最低限の攻撃で済んでいた。
部隊は甲府市役所にまで到達。左折すれば甲府城跡はすぐそこだ。城跡に近付けば近付くほどCTの数は増えるが、彼等にとっては問題にもならなかった。
しかし、敵とて無抵抗な訳ではなかった。
甲府市役所の交差点を左折し紅梅通りを越えた時だった。
『警告。正面より高魔力反応発生。推定、小隊以上の統制法撃』
「マジか!! 『守護者の大盾』!!」
「総員一旦停止!!」
大輝が短縮詠唱で防御系魔法を発動。直後に璃佳の一声で部隊は停止。
大盾が展開されたと同時に法撃が着弾すると、大きな衝撃音が周りに響き渡った。
10月16日
午前5時半過ぎ
甲府城西高校付近
夜中に発生した敵潜入部隊による対処で各々が寝不足気味とはいえ、作戦が延期されることはありえない。
午前五時半には交代で短い休息を終えた将兵達は、次の目的地へ向かう為の準備を大抵整え終えていた。
さて、その次の目的地はどこか。捕虜から情報は聞き取った。真偽はともかくとして、どちらにせよ向かう先である。距離もさほど遠くはない。
となれば、答えは単純明快なものであった。
璃佳は孝弘達や第一大隊の選抜員――夜中の戦闘と同じメンツ――を集め、第二大隊大隊長の高富はホログラム越しで参加。その答えになる話をしていた。
「作戦二日目の〇六一〇、つまり四〇分後には行動再開になるけど一部目標を変更するよ。最優先目標になったのは甲府城跡。作戦内容は敵本拠の急襲と撃滅。余裕があれば捕虜の確保。元々甲府城跡は理性のある敵がいるのならば有力視されていた地点の一つで、奪還後には前線及び中継拠点として機能させるつもりだった。でも数時間前の戦闘で得た捕虜の情報によれば、敵の本拠は甲府城跡。本当なら一網打尽に出来るし、さらなる捕虜も得られるかもしれない。特に捕虜が言っていた神聖帝国の連中は一人だけでもいいから捕らえておきたい。よって、四半日前のメンバーと選抜一個小隊を加えた部隊で甲府城跡を急襲する」
璃佳が話した作戦内容は妥当といえるものだった。
捕虜が吐いた情報の真偽は未だ不明だが、本当ならば一網打尽に出来るチャンスである。CTを操るらしい神聖帝国の軍人がいるのならば、捕虜にすれば現況を打破できる可能性が出てくるからだ。
敵戦力についても神聖帝国人は未知数だが、属国人については夜中の戦闘で少ないながらもデータは得られた。SランクとAランク帯のみで構成される選抜部隊であれば過剰戦力になるかもしれないが、不足にはならないはず。璃佳はそう踏んだのである。
この作戦については中央高地戦線司令部もゴーサインを出した。
午前六時過ぎには全部隊は前進を再開するのである。であるのならば、国内随一の精鋭が敵本拠に突っ込んでも問題は無い。璃佳達がいる地点から甲府城跡までは約二キロと万が一離脱するとなっても容易い距離である。璃佳達ならどうにかするだろうとの判断だった。
勿論、手厚い援護は用意された。航空支援、魔法航空支援付。至れり尽くせりである。
国内だけでなく国外に対しても戦線打破の糸口になるかもしれない本作戦。故に中央高地戦線司令部の気合いが垣間見える内容だった。
璃佳は作戦の説明を続ける。
「作戦開始直後、甲府城跡に一直線で向かう。空からは行かない。距離的に必要無いからね。で、この時にCTが大挙して向かってくるだろうから、第二大隊の魔法航空支援だけでなくヘリによる支援攻撃、戦闘機による支援攻撃も行われるよ。たった二キロだけど敵の密度はこれまでで最高になるだろうからね。甲府城跡に到達したら、敵拠点を叩きのめす。各々自由に戦闘して構わないけれど、個人での行動はなるべく避けるように。最低二人以上で行動すること。捕虜については先の通りあくまで理想。ただし捕れるなら捕れ。以上だね。では、作戦開始まで各自準備をしといて」
『了解!』
璃佳が作戦説明を終えると、隊員達は解散。それぞれが準備に戻る。
孝弘達は四人で集まることにした。孝弘は作戦中の行動について話し合うことにした。といっても、四人での行動は六年間も続けてきたことだ。大した話にはならなかった。
「四人で固まって行動。死角を作らず、油断せず。捕虜を取る時以外は火力は過剰でも構わないから、敵を消し飛ばすつもりで殺る。でも、神聖帝国人には注意しよう。まだデータが無いからな」
これだけだった。
午前六時過ぎ。作戦開始五分前。先頭には璃佳や茜に熊川。そして孝弘達だ。大輝は既にゴーレム三体を置いていた。人とゴーレム。城跡までの二キロにおいて破城槌の役目を果たす形である。
「一分前」
熊川が告げる。魔法銃の安全装置は解除され、初撃の魔法を速やかに発動する為の準備詠唱を行う者もいた。
「――五、四、三、二、一、行動開始」
甲府城跡突入部隊は加速魔法で一気にスピードを上げた。川を渡り、自軍制圧地域から出た直後にCTはいた。拠点が近いからだろう。案の定密度はこれまでに比べ高かった。
「闇よ喰らえ。『暗君暴食』」
「攻撃術式、『狐火大群』」
まずは璃佳と茜の法撃。
璃佳の魔法は射程内にある全てを喰らい、茜が発現させた大量の狐火がCTを焼き尽くした。
この法撃がトリガーとなり、それまで甲府城跡を守るように展開していたCTが大挙して孝弘達に向かってきた。
「武士よ、左右から迫る化物共を蹴散らせ」
「光の矢に死角無し。回れ、回れ、遍く全てを貫け。『光矢輪舞曲』」
続けて大輝がゴーレムを動かし、知花が光属性中級魔法を発動。大輝のゴーレムは槍だけでなく己の体躯も使ってCTを蹴散らす。知花の魔法は短時間持続型の上、全周囲法撃であるからあらゆる方向から迫るCTを貫いていった。
「こういう時こそ、ド派手にやりましょ。――数多の雷は怪異を焼く。我に近付ける者は無し。『雷槍、百重射出』」
水帆の魔法は相変わらず凄まじかった。雷槍は初級魔法に分類されるが彼女が使う場合込める魔力によっては中級に相当する。それが一〇〇本だ。目標にされたCTは一体残らず黒焦げとなった。
『警告。四〇〇メートル先に召喚型超大型CT出現。数、三』
賢者の瞳による警告の直後、前方に昨日も出現した召喚タイプの超大型CTが現れる。だが部隊は前進を止めない。
「ここは俺がやります」
「任せたよ、米原少佐」
孝弘は頷くと、魔法障壁を追加で展開。加速する。水帆達や璃佳達の法撃援護を受けながらさらに加速すると、近くにあった建物を足場にして、大きくジャンプをした。
高さが一〇メートルを越える前から詠唱を始めた。
「第一術式、局所貫通型。第二術式、遅延発動。火属性爆発系セット」
『セット完了』
「『三連炎弾』」
跳躍最高点に到達した瞬間、孝弘は三発の銃弾を発射。それぞれ一発ずつが超大型CTに展開されていた魔法障壁を局所貫通し、胸部に命中する。
直後、超大型CTは爆発。上半身が木っ端微塵となった。行く手を遮るバケモノは瞬殺された。
「よくやったよ米原少佐! さぁ、このまま突っ込むぞ!」
璃佳が親指を立てながら言うと、着地した孝弘は頷きすぐに合流する。
それからも突入部隊は快速で進んでいく。上空からは常に手厚い支援攻撃があることで、突入部隊はCTに対して最低限の攻撃で済んでいた。
部隊は甲府市役所にまで到達。左折すれば甲府城跡はすぐそこだ。城跡に近付けば近付くほどCTの数は増えるが、彼等にとっては問題にもならなかった。
しかし、敵とて無抵抗な訳ではなかった。
甲府市役所の交差点を左折し紅梅通りを越えた時だった。
『警告。正面より高魔力反応発生。推定、小隊以上の統制法撃』
「マジか!! 『守護者の大盾』!!」
「総員一旦停止!!」
大輝が短縮詠唱で防御系魔法を発動。直後に璃佳の一声で部隊は停止。
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