ねこじゃんけん

心符

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第一章

はじまり

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12月間近の金曜日。


今日は、愛猫タマ子のバースデー(勝手に設定したものではあるが…)。

『タマ子』の名前に、少なからず反応していただいた方に、こっそり伝えておこう。

私は、もの心ついた頃から、サザ○さんの大ファンなのである。

タマ子は、大変賢いネコであった。

それはさておき。


少し気の早い忘年会の誘いを断り、私は帰路へとついていた。


手には、派手やかなクリスマス柄の袋。

中身は、途中のペットショップで買った超高級ネコ缶である。

『プレゼント用でお願いします。』

と言った時の、『はぁ?』と言いたげな若い女性店員の顔が、腹立たしく頭に残っている。


(ウソ、マジで?キモっ!)

そんなリアクションが、心理学など爪の先ほどもしらない私でも読み取れた。


『妻の好物なんです』

ぐらいのことを、言い放ってやればよかったと、少し悔やまれた。


『しかし…バースデー用なんだよな…。もうそんな季節かぁ』

鮮やかなクリスマスラッピングに、ボソリと呟いた時。


『おい、待ちニャ!』


私はネコに呼び止められた。
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