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第七章

SS ハパンナ子爵は半端ない

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 時期的には063くらいの話です。
 __________

 私の名前はキーゾ・ハパンナ。このハパンナ子爵領を統治している。

 このハパンナ子爵領は、交通の要衝で商人が多い。

 また領都であるハパンナの街の近くには、岩塩が手に入るダンジョンがある。

 商人はこの街に立ち寄った際に、岩塩を仕入れるのがお決まりのようだ。

 故に我がハパンナの子爵領は、意外と裕福である。

 また商人の護衛とダンジョンを目当てに、冒険者の数も多い。

 高ランク冒険者こそ少ないが、中堅どころが揃っていた。

 加えて周辺の貴族とも関係は良好であり、唯一の懸念はドラゴルーラ王国と領地が接していることだろう。

 交通の要衝である我が領は、攻める際には打って付けである。

 そのため、国から有事の際には様々な支援が約束されていた。

 如何いかにドラゴルーラ王国とはいえ、宣戦布告無しに攻めてくることはまずないだろう。

 また最近は、ラブライア王国がきな臭い。

 聞いた話では、ドラゴルーラ王国にラブライア王国が侵攻したようだ。

 我が国にも、影響はあるだろう。

 故に、気を抜くことはできない。

 そう警戒をしていたある日、ダンジョンを攻略した者が現れた。

 攻略する可能性がある冒険者たちは、常に目をかけている。

 だが現れたのは、ジンと名乗る聞いたことのない少年だった。

 最初は信じられなかったが、グレートキャタピラーの死骸が出てきた以上、信用するしかない。

 そしてジン君と取引をして、私はグレートキャタピラーの死骸はもちろん、いくつかアイテムを得た。

 その中にはなんと、媚薬ポーションがあったのである。

 ダンジョンから発見される媚薬ポーションは、貴重だ。

 人が作ったものよりも、効果が高い。

 貴族であれば、ぜひ欲しい一品である。

 私はこれでも、性欲が強い方だ。

 けれども最近は、歳なのか多少減衰してきていた。

 なのでこの媚薬ポーションは、喉から手が出るほど欲しかったのである。

 そして妻にこの媚薬ポーションを見せたところ、やはり目の色を変えた。

 妻も、性欲が強いのだ。

 そして私は、一晩中絞られた。

 媚薬ポーションは、一度で使い切れない。

 これからある意味、私の戦いが始まる事だろう。

 もしかしたら末娘のルーナに、弟か妹ができるかもしれない。 

 ルーナもよく弟か妹が欲しいと言っていたので、これで願いを叶えることができる。

 寝不足になるが、頑張ろう。

 そう決意を胸に、夜の戦いへと挑んだ。

 けれども私はこのとき、忘れていた。

 妻が負けず嫌いであり、一度ハマると夢中になる事を。

 媚薬ポーションを知ってしまった妻は、もう止まらない。

 だが、私も負けてはいない。

 性欲には、これでも自信があるのだ。

 私はキーゾ・ハパンナ。この半端ない精力を武器に、妻を倒してみせる!
 
 __________
 SSの公開は以上になります。
 またこうした機会があれば、SSを公開するかもしれません。
 引き続き、モンカドをよろしくお願いいたします。
 <m(__)m>
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