上 下
251 / 287
第七章

SS タヌゥカの冒険 ②

しおりを挟む

 あれから”チュートリアル”を終えた俺は、得た金品で無事に冒険者になった。

 周囲のザコどもに訊けば、簡単に情報は手に入る。

 それと汚い浮浪者でも、女なら俺に愛想が良かった。

 やはり、異性好感度上昇(大)を選んだ俺の判断は正しい。

 だが流石に汚いブス女は、御免だ。

 俺の初めては、美少女と決めている。

 それとこの街は、シルダートというらしい。

 まあ街の名前なんか、どうでもいいか。

 それよりも冒険者になったからには、さっさと稼ぐ必要がある。

 どうやらこの世界には奴隷がいるみたいだし、当然狙うのは美少女奴隷だ。

 そのために、俺には金が必要だ。

 今から美少女奴隷と会うのが、楽しみだぜ。

 そしてダンジョンに潜り、俺はモンスターどもを蹴散らしていった。

 何人かザコ共が絡んできたが、返り討ちにしている。

 当然、貰うものは全て頂いた。

 モブの癖に横取りがどうとか俺にほざくから、こうなるんだ。

 まあ、ザコの癖して結構持っているみたいだし、許してやろう。

 来世では上手くやるんだな?

 そんな事を何度か繰り返して、俺は金を貯めた。

 加えてスキルオーブとかいう、便利なアイテムも手に入れている。

 やはり俺は、この世界の主人公だ。

 スキルも増えて金も集まったので、俺は次に奴隷商の場所に向かう。

 するとそこに、結構可愛い奴隷の女の子がいた。

 顔や体は、及第点だな。

 鑑定してみると、スキルはそこまで良くはない。

 だが俺の資金だと、こいつが限界だ。

 仕方がない、コイツで我慢するか。

 それに俺は、ここまで十分に我慢したんだ。もういいだろう。

 俺はそう思い、奴隷商から少女を購入した。

 少女の名前は、ヤレコルというらしい。

 実家が貧しくて、親に売られたようだ。

 まあそんなことは、どうでもいい。

 俺には異性好感度上昇(大)がある。

 少し優しくしてやれば、簡単に落ちるだろう。

 実際少し良い飯をやって服を新しくしたら、簡単に俺に惚れた。

 加えて耳障りの良い事を言ってやれば、俺を崇めるレベルだ。

 こいつチョロすぎだろ。

 やはりこれは、俺が主人公だからだな。

 ヒロインがチョロいというのは、当たり前のことだ。

 そしてその晩、俺は童貞を捨てた。

 これが女か! 最高過ぎる!

 それから俺は、色んな女に手を出し始めた。

 どいつもこいつも、少し恩を売れば楽勝だ。

 時には金でごろつきを買収して、役を演じさせた。

 特に最高だったのは、ツンデレ美少女を妹と母親ごと手に入れたことだろう。

 父親は邪魔なので、ボコボコにした後手切れ金を渡して追い払った。

 一応俺の女の父親なので、殺さないでやったんだぜ。

 俺って、すげえ優しいだろ?

 姉妹丼と親子丼は最高だぜ!

 正に順風満帆。俺は神に選ばれた主人公、タヌゥカ様だ!

 金、女、飯、装備、スキル。

 どれも順調に集まっている。

 近いうちに戦争もあるみたいだし、英雄になる日も近いな。

 だがそんな俺にも、試練が訪れた。

「グォオオウ!」
「ひぃぃい!!」

 ダンジョンに現れたイレギュラーモンスターに、敗走を余儀なくされた。

 モンスターのくせに、何であんな賢いんだよ!

 巨大な白いワニ、ホワイトキングダイルは一人で倒せるような敵じゃない。

 連れている女二人の戦闘能力は、カスみたいなものだ。

 くそが! 今どきストレス展開なんて流行んねえんだよ!

 試しに放った撃滅斬は余り効かねえし、それで警戒して溜の邪魔をしてくるとかふざけるな!

 しかたがねえ。最近狙っている女がいるパーティを集めて、協力して倒すしかねえな。

 俺はイライラしながらも、仲間を集めることにした。

 そして上手く約束を取り付け、次の日ダンジョンの前で待ち合わせをする。

 俺はあのイレギュラーモンスターを倒せるのが待ち遠しくて、かなり早く来てしまった。

 すると俺の女に目をつけたのか、馬鹿なやつらが近寄ってくる。

「そんな芋臭いやつじゃなくて、俺たちと組もうぜ!」
「俺たちの方が強くて、夜の方も最強だ!」
「うるさい! 私たちはタヌゥカの仲間なの! あんたたちについていく気はないわ!」
「そうです! それにタヌゥカさんの方があなた達よりも凄いんですよ!」

 やれやれ、仕方がないな。

 目立つのは御免だが、ここは一言言ってやろう。

「二人とも、その辺でいいよ。目立ってしかたがないからさ。君たちもいい加減にしてくれ。これ以上しつこいようなら、痛い目を見ることになるぞ?」

 俺が優しくそう言ってやると、男たちは顔を真っ赤にし始める。

「てめぇ! 調子に乗るんじゃねえぞ!」
「ガキが! 泣かしてやる!」

 結局こうなるのか、ザコが調子に乗るなよ?

 そして当然の結果として、ザコを蹴散らした。

 ここが人目のあるところで良かったな? ダンジョンや路地裏なら、命は無いぞ?

 俺が心の中でそう言った時、人ごみの中に一人の人物を見つけた。

 それは中性的な銀髪碧眼の美少女であり、俺の好みドストライク。

 反射的に俺は、鑑定を発動させるのだった。
しおりを挟む
感想 66

あなたにおすすめの小説

クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される

こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる 初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。 なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています こちらの作品も宜しければお願いします [イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。

sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。 目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。 「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」 これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。 なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

異世界キャンパー~無敵テントで気ままなキャンプ飯スローライフ?

夢・風魔
ファンタジー
仕事の疲れを癒すためにソロキャンを始めた神楽拓海。 気づけばキャンプグッズ一式と一緒に、見知らぬ森の中へ。 落ち着くためにキャンプ飯を作っていると、そこへ四人の老人が現れた。 彼らはこの世界の神。 キャンプ飯と、見知らぬ老人にも親切にするタクミを気に入った神々は、彼に加護を授ける。 ここに──伝説のドラゴンをもぶん殴れるテントを手に、伝説のドラゴンの牙すら通さない最強の肉体を得たキャンパーが誕生する。 「せっかく異世界に来たんなら、仕事のことも忘れて世界中をキャンプしまくろう!」

異世界でネットショッピングをして商いをしました。

ss
ファンタジー
異世界に飛ばされた主人公、アキラが使えたスキルは「ネットショッピング」だった。 それは、地球の物を買えるというスキルだった。アキラはこれを駆使して異世界で荒稼ぎする。 これはそんなアキラの爽快で時には苦難ありの異世界生活の一端である。(ハーレムはないよ) よければお気に入り、感想よろしくお願いしますm(_ _)m hotランキング23位(18日11時時点) 本当にありがとうございます 誤字指摘などありがとうございます!スキルの「作者の権限」で直していこうと思いますが、発動条件がたくさんあるので直すのに時間がかかりますので気長にお待ちください。

転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。

ファンタジー
〈あらすじ〉 信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。 目が覚めると、そこは異世界!? あぁ、よくあるやつか。 食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに…… 面倒ごとは御免なんだが。 魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。 誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。 やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。

処理中です...