23 / 31
第2章
023 お兄ちゃん保護法
しおりを挟む
あれから、数週間が経過した。
気温も上がり、五月も半ばである。
俺たちは相変わらず秘密基地で生活をしつつ、たまにコンビニへと買い出しに行く。
危険はあるが、今のところ全員無事だ。
また金銭的な問題だが、シスターモンスターとなっている両親から変わらず仕送りが送られている。
シスターモンスターは生前の行動を受け継ぐので、仕送りもなくなることが無かったのかもしれない。
ちなみに俺たちの関係性だが、特に変わりはなかった。
それでもあえて挙げるとすれば、よそよそしさが無くなり、気軽に会話ができるようになったところだろうか。
特に瑠理香ちゃんは、この数週間でだいぶ慣れたようだ。
鬱実に関しては、特に変わりはない。
元から遠慮などはなかった。
こうして生活が安定してきたからか、俺たちは気が緩んでいたのだろう。
他の生存者ともほとんど会わなかったこともあり、現在の日本における男性生存者がこのままでは滅んでしまうことに気が付かなかった。
そして、この国の総理大臣までもが、シスターモンスターになっていたことにも。
「凛也君。これ……」
「なんだ? ……まじかよ」
鬱実の持っているスマホの画面には、シスターモンスターとなった総理大臣が映されていた。
名前をソリ―ちゃんといい、銀髪ツインテールの赤いツリ目をしており、凛々しい感じの少女。服装はまるでピアノの演奏会にでも行くような黒いドレス姿だ。
可愛らしい少女であるが、問題は記事の内容だった。
「新法成立、お兄ちゃん保護法? なんだこれ……」
書かれていたのは、新しい法律について。
この法律では要するに、お兄ちゃん(弟くんも含む)は無税になり、食料と保護金が支給される。また、男性への噛みつきが全面的に禁止となった。
つまり、今後男性はシスターモンスターから襲われることが無く、食料とお金が貰えるということになる。
しかし、ここには女性について書かれてはいない。
適用されるのは、あくまでも男性だけだ。
「これは、今後俺よりも、鬱実たちの方が危険になるという訳か」
「そうなるわね」
これまで、シスターモンスターは男女がいる場合、必ずと言っていいほど男の方を優先して襲ってきていた。
実際俺たちが外に出た際には、必ず俺が狙われている。
だが、今後は三人にも危険が及ぶ可能性があった。
「なら、これからはなるべく俺が単独で外に出る。その方が逆に安全だ」
「……ッ、わかったわ。でも、禁止を破って噛みついてくるシスターモンスターもいると思うから、気をつけてね」
「ああ」
鬱実は少し躊躇いながらも、賛成してくれる。
このことを、俺は夢香ちゃんと瑠理香ちゃんにも伝えた。
当然最初は反対されたが、二人を危険な目に遭わせたくないので、時間をかけて説得する。
そうして暫くは、俺が単独で外に出ることになった。
鬱実が調べた情報によると、定期的に食料を男性に配給する場所が設けられるとのこと。
また配給場所か、ネットから保護金を受け取るための申請ができるようなので、鬱実が代わりにネットから申請してくれることになった。
こうした部分では、やはり鬱実は役に立つ。
正直、俺はパソコンの操作はあまり得意ではない。
「鬱実、ありがとな」
「り、凛也君があたしにデレた!? 今夜間違いが起きちゃう!? あたしは大歓迎!」
「そんなことは起きない。普通にお礼を言っただけだ」
「そんなぁ」
いつも通りのやり取りをすると、俺は配給される場所の確認と、日程を確認する。
どうやら丁度明日、日曜日に小学校で配給が行われるようだ。
こういう迅速な行動は、人間の政治家よりシスターモンスターの政治家の方が優れていたのかもしれない。
ちなみに小学校は、中学校の南に少し歩いたところにある。
ここからだと若干距離があるので、少し不安だ。
お兄ちゃん保護法というのが事実であれば、噛みつかれることは無い。
本当に、あのシスターモンスターがその法律を守るのだろうか。
しかし、食料が貰えるのであれば、向かうべきだ。
定期的にコンビニへ買いに行っているとはいえ、余裕があるわけではない。
俺は覚悟を決める。
そして翌日の日曜日、俺は三人に見送られて、外へと出た。
目指すは、小学校。
まずは山を下り、住宅街へ向かう。
日中外に出たのは久しぶりだな。
最近は深夜にコンビニへ向かうために外出をしていたので、太陽が以前より眩しく感じる。
俺は太陽の強い日差しに目を細めながら、住宅街に辿り着いた。
「ッ!?」
すると、これまで人と遭遇してこなかったこの場所で、初めて人と出会ってしまう。
もちろん相手は、シスターモンスターだ。
「あらあら、弟くんじゃない。おはよう」
そう言って俺に近寄ってくるのは、シスターモンスターの一種、お姉ちゃんモンスター。
しかし、一定の距離まで近づくが、それ以上は寄ってこない。
「はぁ、悲しいわ。これ以上近づいたら、噛んでしまいそう。でも、噛みつくのは違法だし。弟くんは絶滅危惧種だし、我慢しないと……ごめんなさいね」
「あ、ああ」
そう言うと、お姉ちゃんモンスターは悲しそうにその場から去っていく。
どうやら本当に、お兄ちゃん保護法は適用されているらしい。
しかも、シスターモンスターはそれを破る気配がなかった。
これは凄いな。
最初こそ襲われることに恐怖したが、離れていくお姉ちゃんモンスターを見て、俺は歓喜した。
もう襲われることは無い。
それだけで、俺の心は軽くなる。
俺はそのまま、住宅街を進んでいく。
その後も公園・団地・中学校を無事に抜けた。
途中何度かシスターモンスターに遭遇したが、軽い会話はあったものの、襲われることは決してない。
俺は新しい法律を発表した総理大臣のソリ―ちゃんに感謝した。
そうして無事に小学校までやってくると、多くの男性がやってきている。
といっても数十人ほどであり、この町の規模でいえば少ない。
だが、この数週間で生存者とほとんど会うことは無かったので、俺はこの人数でも驚愕してしまう。
まだこれだけの男性が生き残っていたんだな。
俺が一人立ち尽くしていると、そこへ数人の男性を引き連れた人物がやってくる。
「お? そこにいるのは凛也じゃねえか! おめえも無事だったんだな!」
「あ、漢田さん! はい、何とかやってこれました。漢田さんも無事でなによりです!」
俺の前に現れたのは、以前団地エリアで助けてくれた漢田奈須雄さんだった。
彼は男の園という名称の、男性だけで構成されているチームを率いている。
連絡先は交換していたが、あれ以来あまり連絡を取っていなかった。
どうやら、これまで噛まれることが無く、生き残ってきたようだ。
知り合いが生きていたことに、俺は嬉しくなって笑みを浮かべる。
「ああ、俺様たちは上手いこと拠点を手に入れてな。仲間もずいぶん増えたぜ。ここにきているのは、ほとんど俺様たち男の園のメンバーだ」
「そうなんですね。それは凄いです」
ここにいる数十人の男性が男の園のメンバーということは、漢田さんたちはかなりの大所帯だ。
これまでかなり苦労したことだろう。
「会ったばかりで申し訳ないが、俺様たちはそろそろ帰還しなくちゃならねえ。凛也、達者でな!」
「はい、漢田さんもお元気で!」
そう言って漢田さんは、最後に俺の頭に一度手を乗せると、仲間たちと共に小学校から去っていく。
わずかな間ではあったが、漢田さんと話せてよかった。
さて、俺も食料をもらうか。
案内板のような物が臨時で立てられていたので、確認するとまずは受付に行く必要があるようだった。
そこに向かうと、当然シスターモンスターが受付をしている。
終始ニコニコしているが、獲物の前で待てをされている猛獣のようだった。
必要事項を記入すると、俺はそそくさと食料が配給されている場所へと向かう。
何人か列を作っているので、俺は並び順番を待つ。
そして俺の番になって少女から袋を受け取ろうとするが、相手の手が途中で止まった。
「あ、あんたはあの時の!」
「げっ!?」
目の前にいたのは、ロリ―ちゃんだった。
言動から察するに、あのとき中学校で遭遇した個体だろう。
「くぅう! 目の前に宿敵がいるのにぃ!! くやしい! くやしい! くやしい!」
ロリ―ちゃんは相当くやしかったのか、涙目になり、その場で地団駄を踏む。
「あ、あの時は悪かったよ。えっと、食料、貰ってもいいか?」
「うぅ。ほらっ! 受け取りなさいよ! でも勘違いしないでよね! ロリ―ちゃんは、あなたのことを絶対に諦めないから! お兄ちゃん保護法とかいう法律が無くなったら、必ずあんたのところに行くんだからねっ!!」
食料の入った袋を俺に突き出すようにして渡すと、こちらを指さしてそう宣言をするロリ―ちゃん。
俺は、お兄ちゃん保護法が今後無くならないことを切に願った。
「は、はは。困ったな。できれば見逃してほしいのだけど」
「絶対嫌だわ! 精々首を洗って待ってなさいっ!!」
本当にこれは、困ったな。完全にマークされてしまった。
これ以上ここにいると余計に目をつけられそうだったので、俺はその場を後にする。
当然のように、背後からロリ―ちゃんが何かを叫んでいたが、聞こえないふりをした。
無事に食料が手に入ったし、秘密基地に早く帰ろう。
俺は足早に小学校から立ち去った。
帰り道も行きと同様に襲われることは無く、念のため尾行されないように警戒をしつつも、俺は無事に帰還を果たす。
このお兄ちゃん保護法が、いつまで続くのか分からないが、できるだけ長く続くことを俺は強く願った。
気温も上がり、五月も半ばである。
俺たちは相変わらず秘密基地で生活をしつつ、たまにコンビニへと買い出しに行く。
危険はあるが、今のところ全員無事だ。
また金銭的な問題だが、シスターモンスターとなっている両親から変わらず仕送りが送られている。
シスターモンスターは生前の行動を受け継ぐので、仕送りもなくなることが無かったのかもしれない。
ちなみに俺たちの関係性だが、特に変わりはなかった。
それでもあえて挙げるとすれば、よそよそしさが無くなり、気軽に会話ができるようになったところだろうか。
特に瑠理香ちゃんは、この数週間でだいぶ慣れたようだ。
鬱実に関しては、特に変わりはない。
元から遠慮などはなかった。
こうして生活が安定してきたからか、俺たちは気が緩んでいたのだろう。
他の生存者ともほとんど会わなかったこともあり、現在の日本における男性生存者がこのままでは滅んでしまうことに気が付かなかった。
そして、この国の総理大臣までもが、シスターモンスターになっていたことにも。
「凛也君。これ……」
「なんだ? ……まじかよ」
鬱実の持っているスマホの画面には、シスターモンスターとなった総理大臣が映されていた。
名前をソリ―ちゃんといい、銀髪ツインテールの赤いツリ目をしており、凛々しい感じの少女。服装はまるでピアノの演奏会にでも行くような黒いドレス姿だ。
可愛らしい少女であるが、問題は記事の内容だった。
「新法成立、お兄ちゃん保護法? なんだこれ……」
書かれていたのは、新しい法律について。
この法律では要するに、お兄ちゃん(弟くんも含む)は無税になり、食料と保護金が支給される。また、男性への噛みつきが全面的に禁止となった。
つまり、今後男性はシスターモンスターから襲われることが無く、食料とお金が貰えるということになる。
しかし、ここには女性について書かれてはいない。
適用されるのは、あくまでも男性だけだ。
「これは、今後俺よりも、鬱実たちの方が危険になるという訳か」
「そうなるわね」
これまで、シスターモンスターは男女がいる場合、必ずと言っていいほど男の方を優先して襲ってきていた。
実際俺たちが外に出た際には、必ず俺が狙われている。
だが、今後は三人にも危険が及ぶ可能性があった。
「なら、これからはなるべく俺が単独で外に出る。その方が逆に安全だ」
「……ッ、わかったわ。でも、禁止を破って噛みついてくるシスターモンスターもいると思うから、気をつけてね」
「ああ」
鬱実は少し躊躇いながらも、賛成してくれる。
このことを、俺は夢香ちゃんと瑠理香ちゃんにも伝えた。
当然最初は反対されたが、二人を危険な目に遭わせたくないので、時間をかけて説得する。
そうして暫くは、俺が単独で外に出ることになった。
鬱実が調べた情報によると、定期的に食料を男性に配給する場所が設けられるとのこと。
また配給場所か、ネットから保護金を受け取るための申請ができるようなので、鬱実が代わりにネットから申請してくれることになった。
こうした部分では、やはり鬱実は役に立つ。
正直、俺はパソコンの操作はあまり得意ではない。
「鬱実、ありがとな」
「り、凛也君があたしにデレた!? 今夜間違いが起きちゃう!? あたしは大歓迎!」
「そんなことは起きない。普通にお礼を言っただけだ」
「そんなぁ」
いつも通りのやり取りをすると、俺は配給される場所の確認と、日程を確認する。
どうやら丁度明日、日曜日に小学校で配給が行われるようだ。
こういう迅速な行動は、人間の政治家よりシスターモンスターの政治家の方が優れていたのかもしれない。
ちなみに小学校は、中学校の南に少し歩いたところにある。
ここからだと若干距離があるので、少し不安だ。
お兄ちゃん保護法というのが事実であれば、噛みつかれることは無い。
本当に、あのシスターモンスターがその法律を守るのだろうか。
しかし、食料が貰えるのであれば、向かうべきだ。
定期的にコンビニへ買いに行っているとはいえ、余裕があるわけではない。
俺は覚悟を決める。
そして翌日の日曜日、俺は三人に見送られて、外へと出た。
目指すは、小学校。
まずは山を下り、住宅街へ向かう。
日中外に出たのは久しぶりだな。
最近は深夜にコンビニへ向かうために外出をしていたので、太陽が以前より眩しく感じる。
俺は太陽の強い日差しに目を細めながら、住宅街に辿り着いた。
「ッ!?」
すると、これまで人と遭遇してこなかったこの場所で、初めて人と出会ってしまう。
もちろん相手は、シスターモンスターだ。
「あらあら、弟くんじゃない。おはよう」
そう言って俺に近寄ってくるのは、シスターモンスターの一種、お姉ちゃんモンスター。
しかし、一定の距離まで近づくが、それ以上は寄ってこない。
「はぁ、悲しいわ。これ以上近づいたら、噛んでしまいそう。でも、噛みつくのは違法だし。弟くんは絶滅危惧種だし、我慢しないと……ごめんなさいね」
「あ、ああ」
そう言うと、お姉ちゃんモンスターは悲しそうにその場から去っていく。
どうやら本当に、お兄ちゃん保護法は適用されているらしい。
しかも、シスターモンスターはそれを破る気配がなかった。
これは凄いな。
最初こそ襲われることに恐怖したが、離れていくお姉ちゃんモンスターを見て、俺は歓喜した。
もう襲われることは無い。
それだけで、俺の心は軽くなる。
俺はそのまま、住宅街を進んでいく。
その後も公園・団地・中学校を無事に抜けた。
途中何度かシスターモンスターに遭遇したが、軽い会話はあったものの、襲われることは決してない。
俺は新しい法律を発表した総理大臣のソリ―ちゃんに感謝した。
そうして無事に小学校までやってくると、多くの男性がやってきている。
といっても数十人ほどであり、この町の規模でいえば少ない。
だが、この数週間で生存者とほとんど会うことは無かったので、俺はこの人数でも驚愕してしまう。
まだこれだけの男性が生き残っていたんだな。
俺が一人立ち尽くしていると、そこへ数人の男性を引き連れた人物がやってくる。
「お? そこにいるのは凛也じゃねえか! おめえも無事だったんだな!」
「あ、漢田さん! はい、何とかやってこれました。漢田さんも無事でなによりです!」
俺の前に現れたのは、以前団地エリアで助けてくれた漢田奈須雄さんだった。
彼は男の園という名称の、男性だけで構成されているチームを率いている。
連絡先は交換していたが、あれ以来あまり連絡を取っていなかった。
どうやら、これまで噛まれることが無く、生き残ってきたようだ。
知り合いが生きていたことに、俺は嬉しくなって笑みを浮かべる。
「ああ、俺様たちは上手いこと拠点を手に入れてな。仲間もずいぶん増えたぜ。ここにきているのは、ほとんど俺様たち男の園のメンバーだ」
「そうなんですね。それは凄いです」
ここにいる数十人の男性が男の園のメンバーということは、漢田さんたちはかなりの大所帯だ。
これまでかなり苦労したことだろう。
「会ったばかりで申し訳ないが、俺様たちはそろそろ帰還しなくちゃならねえ。凛也、達者でな!」
「はい、漢田さんもお元気で!」
そう言って漢田さんは、最後に俺の頭に一度手を乗せると、仲間たちと共に小学校から去っていく。
わずかな間ではあったが、漢田さんと話せてよかった。
さて、俺も食料をもらうか。
案内板のような物が臨時で立てられていたので、確認するとまずは受付に行く必要があるようだった。
そこに向かうと、当然シスターモンスターが受付をしている。
終始ニコニコしているが、獲物の前で待てをされている猛獣のようだった。
必要事項を記入すると、俺はそそくさと食料が配給されている場所へと向かう。
何人か列を作っているので、俺は並び順番を待つ。
そして俺の番になって少女から袋を受け取ろうとするが、相手の手が途中で止まった。
「あ、あんたはあの時の!」
「げっ!?」
目の前にいたのは、ロリ―ちゃんだった。
言動から察するに、あのとき中学校で遭遇した個体だろう。
「くぅう! 目の前に宿敵がいるのにぃ!! くやしい! くやしい! くやしい!」
ロリ―ちゃんは相当くやしかったのか、涙目になり、その場で地団駄を踏む。
「あ、あの時は悪かったよ。えっと、食料、貰ってもいいか?」
「うぅ。ほらっ! 受け取りなさいよ! でも勘違いしないでよね! ロリ―ちゃんは、あなたのことを絶対に諦めないから! お兄ちゃん保護法とかいう法律が無くなったら、必ずあんたのところに行くんだからねっ!!」
食料の入った袋を俺に突き出すようにして渡すと、こちらを指さしてそう宣言をするロリ―ちゃん。
俺は、お兄ちゃん保護法が今後無くならないことを切に願った。
「は、はは。困ったな。できれば見逃してほしいのだけど」
「絶対嫌だわ! 精々首を洗って待ってなさいっ!!」
本当にこれは、困ったな。完全にマークされてしまった。
これ以上ここにいると余計に目をつけられそうだったので、俺はその場を後にする。
当然のように、背後からロリ―ちゃんが何かを叫んでいたが、聞こえないふりをした。
無事に食料が手に入ったし、秘密基地に早く帰ろう。
俺は足早に小学校から立ち去った。
帰り道も行きと同様に襲われることは無く、念のため尾行されないように警戒をしつつも、俺は無事に帰還を果たす。
このお兄ちゃん保護法が、いつまで続くのか分からないが、できるだけ長く続くことを俺は強く願った。
0
お気に入りに追加
20
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
ぼっち陰キャはモテ属性らしいぞ
みずがめ
恋愛
俺、室井和也。高校二年生。ぼっちで陰キャだけど、自由な一人暮らしで高校生活を穏やかに過ごしていた。
そんなある日、何気なく訪れた深夜のコンビニでクラスの美少女二人に目をつけられてしまう。
渡会アスカ。金髪にピアスというギャル系美少女。そして巨乳。
桐生紗良。黒髪に色白の清楚系美少女。こちらも巨乳。
俺が一人暮らしをしていると知った二人は、ちょっと甘えれば家を自由に使えるとでも考えたのだろう。過激なアプローチをしてくるが、紳士な俺は美少女の誘惑に屈しなかった。
……でも、アスカさんも紗良さんも、ただ遊び場所が欲しいだけで俺を頼ってくるわけではなかった。
これは問題を抱えた俺達三人が、互いを支えたくてしょうがなくなった関係の話。
なぜか女体化してしまった旧友が、俺に助けを求めてやまない
ニッチ
恋愛
○らすじ:漫画家志望でうだつの上がらない旧友が、社会人の主人公と飲んで帰ったあくる日、ある出来事をきっかけとして、身体が突然――。 解説:エロは後半がメインです(しかもソフト)。寝取りとか寝取られとかは一切、ナイです。山なし海なし堕ちなしの世界ではありますが、よければご覧くださいませ。
女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。
矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。
女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。
取って付けたようなバレンタインネタあり。
カクヨムでも同内容で公開しています。
校長先生の話が長い、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
学校によっては、毎週聞かされることになる校長先生の挨拶。
学校で一番多忙なはずのトップの話はなぜこんなにも長いのか。
とあるテレビ番組で関連書籍が取り上げられたが、実はそれが理由ではなかった。
寒々とした体育館で長時間体育座りをさせられるのはなぜ?
なぜ女子だけが前列に集められるのか?
そこには生徒が知りえることのない深い闇があった。
新年を迎え各地で始業式が始まるこの季節。
あなたの学校でも、実際に起きていることかもしれない。
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる