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第1章 雪のち晴
第11話 話の本題
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「それで、どうやって逃げたの?」
秋は静かな口調で聞く。まあそれは気になるだろう。死神に連れられた、なんて言って信じてくれるだろうか。
「ピンポーン」
このタイミングでインターホンが鳴った。宅配を頼んだ覚えがない。ドアを開けると、
「やあ。雪君」
なんと、目の前には十六夜が立っていた。
「お邪魔しまーす」
入っていいと言ってないのに、勝手に部屋にあがる。なんて礼儀のない死神なんだ。
「わぁ。雪君。晴以外の女の子家に入れて何してるの?浮気ってやつ?」
「晴?」
秋が何を言ってるんだろうって顔をしている。
「それで雪君。この子は誰なの?どういう関係?」
「この子は秋。関係は…一応元恋人」
秋が気まずそうに会釈する。
「こんにちは。秋ちゃん。俺の名前は十六夜。死神だよー」
十六夜は秋の気まずさをフル無視して、自己紹介する。というか、なんでこの男は死神を明かしてるんだ?
「あのー、死神って?」
「名前通り、死の神。人の寿命を奪って、生活してるよ」
秋は驚いた顔をしている。当たり前だが…
「因みにねー、雪君は俺の死神の友達に助けてもらったの」
秋はまだ整理がつかないのか、ポカーンとした顔をしている。
「えっと…つまり雪は今は死神と行動を共にしてるの?」
「まあ、そういうことになるね」
沈黙が続く…かと思ったが、そうはならなかった。
「雪。もう1回私と一緒にいよう」
…え?
今なんて言った?私と一緒にいよう。
「雪は私に裏切られて悲しい思いしてたと思うけど、あの時は本当に混乱してたの。でも、今なら私は雪と一緒にいれる自信がある。だから、もう1回私と付き合ってほしい」
よく分からない。ただ1つだけ言える。僕の頭は、考えることを放棄している。
「おいおい、秋ちゃん。それ意味分かって言ってるの?」
十六夜の口調は怒ってるように聞こえた。
「そんなの雪君が納得するわけ無いだろ。それに、今、雪君と一緒に過ごすってことは、犯罪者を匿うことになる。もちろんそれは思っきりアウトだし、秋ちゃんにはその覚悟があるの?」
「あるよ。生半可な気持ちで言ってない。それに、死神なんかと一緒にいるよりは絶対にましだよ。いつかあなた達は雪の寿命を奪うんでしょ?」
いつも思う。僕はこういう時、どうすればいいんだろう。どちらの味方に付けばいいんだろう。あるいはどちらとも否定すればいいのだろうか。
「雪。これ私の連絡先だから、もし私と一緒になる気があるなら連絡して」
そう言って、秋は紙切れを僕に渡して、出ていってしまった。
「さてと、思わぬ邪魔が入ったけど、本題に入ろう。雪君」
そういえば十六夜に何をしに来たのか聞いてなかった。
「雪君も気になるだろ?晴の話」
秋は静かな口調で聞く。まあそれは気になるだろう。死神に連れられた、なんて言って信じてくれるだろうか。
「ピンポーン」
このタイミングでインターホンが鳴った。宅配を頼んだ覚えがない。ドアを開けると、
「やあ。雪君」
なんと、目の前には十六夜が立っていた。
「お邪魔しまーす」
入っていいと言ってないのに、勝手に部屋にあがる。なんて礼儀のない死神なんだ。
「わぁ。雪君。晴以外の女の子家に入れて何してるの?浮気ってやつ?」
「晴?」
秋が何を言ってるんだろうって顔をしている。
「それで雪君。この子は誰なの?どういう関係?」
「この子は秋。関係は…一応元恋人」
秋が気まずそうに会釈する。
「こんにちは。秋ちゃん。俺の名前は十六夜。死神だよー」
十六夜は秋の気まずさをフル無視して、自己紹介する。というか、なんでこの男は死神を明かしてるんだ?
「あのー、死神って?」
「名前通り、死の神。人の寿命を奪って、生活してるよ」
秋は驚いた顔をしている。当たり前だが…
「因みにねー、雪君は俺の死神の友達に助けてもらったの」
秋はまだ整理がつかないのか、ポカーンとした顔をしている。
「えっと…つまり雪は今は死神と行動を共にしてるの?」
「まあ、そういうことになるね」
沈黙が続く…かと思ったが、そうはならなかった。
「雪。もう1回私と一緒にいよう」
…え?
今なんて言った?私と一緒にいよう。
「雪は私に裏切られて悲しい思いしてたと思うけど、あの時は本当に混乱してたの。でも、今なら私は雪と一緒にいれる自信がある。だから、もう1回私と付き合ってほしい」
よく分からない。ただ1つだけ言える。僕の頭は、考えることを放棄している。
「おいおい、秋ちゃん。それ意味分かって言ってるの?」
十六夜の口調は怒ってるように聞こえた。
「そんなの雪君が納得するわけ無いだろ。それに、今、雪君と一緒に過ごすってことは、犯罪者を匿うことになる。もちろんそれは思っきりアウトだし、秋ちゃんにはその覚悟があるの?」
「あるよ。生半可な気持ちで言ってない。それに、死神なんかと一緒にいるよりは絶対にましだよ。いつかあなた達は雪の寿命を奪うんでしょ?」
いつも思う。僕はこういう時、どうすればいいんだろう。どちらの味方に付けばいいんだろう。あるいはどちらとも否定すればいいのだろうか。
「雪。これ私の連絡先だから、もし私と一緒になる気があるなら連絡して」
そう言って、秋は紙切れを僕に渡して、出ていってしまった。
「さてと、思わぬ邪魔が入ったけど、本題に入ろう。雪君」
そういえば十六夜に何をしに来たのか聞いてなかった。
「雪君も気になるだろ?晴の話」
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