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第1章 雪のち晴
第7話 ビール
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カーテンの隙間から入ってくる、微かな光で雪は目が覚めた。隣の布団では、晴さんが眠っている。
昨日から、つまり十六夜が帰った日から、僕と晴さんはほとんど話していない。
別に話さない理由があるわけではないが、なんだか気まずいのだ。
どうしようかと考えていると、晴さんが起きたようだ。
だが、どうしたのだろう。起き上がったまではいいのだが、そこからピクリと動かない。
「パシ!」
晴さんがいきなり自分の頬を叩いた。
「よし!今日飲むぞ!」
………はぁ!?
■ ■ ■
「いやー買った買った」
今僕の手には、大量の酒が入ったビニール袋がある。近くの酒屋で10種類くらいのビールと、5種類のウイスキーとワインを晴さんが買った。因みに持つのは全部僕だ。
「なんでいきなり飲むんですか?」
「そうそう前から言おうと思ったんだけどね」
質問は無視された。
「雪君。私に敬語を使うことを禁止します」
…超どうでもいい。というか僕の質問遮ってこれか…
「…なんでですか?」
一応聞いておこう。
「いや君さ、私と喋る時ほとんど敬語じゃん?私あんまり敬語好きじゃないからさ」
まあ初対面、しかも拘置所にいきなり現れて「やあ」と言う人だからなんとなく分かる。
「分かりました。でも晴さんのほうが年上ですよ?」
因みに、僕は26、晴さんは27らしい。
「1年早く生まれただけで、そんなに変わらないよ」
まあ断る理由もないし、晴さんがいいと言うならいいか。
「あーそれともう1個あってね。私をさん付けで呼ぶのも禁止」
「自分は君付けで呼んでるのに!?」
「それとこれとは別だよ。けど呼び捨ても禁止ね。私、年上だから」
さっき1年の年の差は関係ないって言ってた人のセリフとは思えない。それにそれだとちゃん付けしかないじゃないか。
「あっ、別にちゃん付けじゃなくてもいいよ。」
心を読まれたようだ。だがちゃん付け以外に何があるのだろう。
「例えば、様とか」
「絶対に嫌だ」
それならちゃん付けのほうがましだ。
「…晴ちゃん」
恐る恐る顔をあげると、そこには顔を赤らめた晴ちゃんがいた。
「いや、自分で言わせといて恥じるのかよ!」
■ ■ ■
「ぷはっ!やっぱビールってうまいねー!」
家に帰った僕達は、早速買ったビールを開けて飲んでいた。
実は僕はビールをほとんど飲んだことがない。20になってすぐに捕まってしまったからだ。
「雪君は飲まないの?」
実は僕がお酒を飲まない理由はもう1つある。
「もしかしてお酒弱い?」
…図星だ。前に付き合ってた恋人とお酒を飲んだときに、飲むと暴走すると言われた時はとてもショックだった。
「まあまあ少しでいいから飲もうよ」
そう言うと、大きなジョッキを持ってきて、ビールを大量に注いだ。少しという言葉を知らないのか…
「じゃあ乾杯!」
その後のことは覚えてない。
昨日から、つまり十六夜が帰った日から、僕と晴さんはほとんど話していない。
別に話さない理由があるわけではないが、なんだか気まずいのだ。
どうしようかと考えていると、晴さんが起きたようだ。
だが、どうしたのだろう。起き上がったまではいいのだが、そこからピクリと動かない。
「パシ!」
晴さんがいきなり自分の頬を叩いた。
「よし!今日飲むぞ!」
………はぁ!?
■ ■ ■
「いやー買った買った」
今僕の手には、大量の酒が入ったビニール袋がある。近くの酒屋で10種類くらいのビールと、5種類のウイスキーとワインを晴さんが買った。因みに持つのは全部僕だ。
「なんでいきなり飲むんですか?」
「そうそう前から言おうと思ったんだけどね」
質問は無視された。
「雪君。私に敬語を使うことを禁止します」
…超どうでもいい。というか僕の質問遮ってこれか…
「…なんでですか?」
一応聞いておこう。
「いや君さ、私と喋る時ほとんど敬語じゃん?私あんまり敬語好きじゃないからさ」
まあ初対面、しかも拘置所にいきなり現れて「やあ」と言う人だからなんとなく分かる。
「分かりました。でも晴さんのほうが年上ですよ?」
因みに、僕は26、晴さんは27らしい。
「1年早く生まれただけで、そんなに変わらないよ」
まあ断る理由もないし、晴さんがいいと言うならいいか。
「あーそれともう1個あってね。私をさん付けで呼ぶのも禁止」
「自分は君付けで呼んでるのに!?」
「それとこれとは別だよ。けど呼び捨ても禁止ね。私、年上だから」
さっき1年の年の差は関係ないって言ってた人のセリフとは思えない。それにそれだとちゃん付けしかないじゃないか。
「あっ、別にちゃん付けじゃなくてもいいよ。」
心を読まれたようだ。だがちゃん付け以外に何があるのだろう。
「例えば、様とか」
「絶対に嫌だ」
それならちゃん付けのほうがましだ。
「…晴ちゃん」
恐る恐る顔をあげると、そこには顔を赤らめた晴ちゃんがいた。
「いや、自分で言わせといて恥じるのかよ!」
■ ■ ■
「ぷはっ!やっぱビールってうまいねー!」
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「まあまあ少しでいいから飲もうよ」
そう言うと、大きなジョッキを持ってきて、ビールを大量に注いだ。少しという言葉を知らないのか…
「じゃあ乾杯!」
その後のことは覚えてない。
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