11 / 13
第十話 『血の涙』
しおりを挟む
登場人物
カツイ(15・男)
トバ(15・男)
ゲッカ(13・男)
ハナ(13・女)
ユエ(11・女)
ソウマ(17・男)
サクラ(16・女)
男O(男性)
男P(男性)
男Q(男性)
男R(男性)
〇路上
カツイ「何でお前がこんなところにいるんだよ」
ソウマ「それは……」
トバ「カツイくん!」
SE(ばたばたばた)
カツイ「トバ?」
トバ「ごめん! 目を離した隙にゲッカくんとハナちゃんが攫われた!!」
カツイ「何だって!?」
SE(ガツッ……!)
カツイ、ソウマを壁に叩きつける
トバ「カツイくん! ダメだよ!」
カツイ「テメェの仕業か。ハナとゲッカをどこにやった!!」
カツイ「なんで俺から奪うんだよ!! 俺から全て!!」
SE(殴る音)
トバ「カツイくん、カツイくんやめて!!」
〇(回想)五年前
ソウマ「やめなさい! 彼はもうっ……」
トバ「ショウ、くん?」
トバ「ショウくん!!」
(回想終わり)
トバ「もうやめて!!」
カツイの手が止まる
ソウマ「……気が済みましたか?」
血を吐き出す
トバ「ソウマさん……ごめんなさい、カツイくんの代わりに僕が謝っ」
ソウマ「(遮って)二人を取り返せばいいのでしょう?」
カツイ「え……?」
ソウマ「今回の事は油断をした私にも責任があります。責任をもって二人を取り返してきましょう」
カツイ「けっ、テメェの言うことなんざ信用できんのかよ」
トバ「カツイくん!」
カツイ「そうだよ! あん時だってお前のせいでユキは……」
ソウマ「それで? 何が言いたいんです?」
カツイ「テメェがいると俺ら全員に迷惑がかかるんだよ。もう俺の前から消えてくれ。お前のせいで、お前のせいで!!」
SE(パシンッと頬を打つ音)
カツイ「なっ……」
トバ「いい加減にしなよ? カツイくん。いつまでガキみたいなこと言ってるの?」
カツイ「トバ……」
SE(服の汚れを払う音)
ソウマ「私は自分で言った事は何があっても守る主義です。貴方が私を信じられないのは知っていますが、私は行動で示すのみです」
SE(スタスタと立ち去る)
トバ「あっ、ソウマさん……カツイくん!」
カツイ「な、なんだよ……」
トバ「ソウマさんに謝って! 謝るの!! カツイくん!!」
カツイ「どうしたんだよいきなり……」
〇拉致された車の中
SE(ブロロロロ エンジン音)
ゲッカ(M)「僕たち……これからどうなっちゃうんだろう。家に連れ戻される? そんなことになったらきっとハナもお姉ちゃんみたいに無理矢理留学させられちゃう!!」
男P「うわっ、なんだ!?」
SE(キキィッ!! ブレーキ音)
男O「なんだ、どうした!!」
男P「男が急に車の前に……」
ハナ(M)「なに……一体何が起こったの?」
男O「ん?あれ、ソウマさんじゃないか?」
男P「本当だ。なんでソウマさんがこんなところに」
ゲッカ(M)「え、ソウマさん?」
SE(ウィーン 窓を開ける音)
男P「ソウマさーん! 何かありましたか? どうしてこんなところで」
ソウマ「(遮って)一度だけしか言いません」
男P「え?」
ソウマ「今すぐその二人を置いて立ち去りなさい」
ハナ(M)「ソウマさんは……私たちの味方なの?」
男O「……はっはっは、冗談言われちゃ困りますよ。俺たちもヒカルさんに言われてるんですから」
男P「ソウマさんも冗談とか言うんですね」
SE(グシャ)
ゲッカ(M)「う、うっそお……ソウマさんの片手だけで」
ハナ(M)「車のサイドガラスが粉々に……」
ソウマ「聞こえませんでしたか? 私は同じことを二度言うのは嫌いなんです」
男P「おおお俺たちだって、ヒカルさんの命令だからやってるだけだ!」
男O「ソウマさんだってこの二人を連れてくるよう言われてるでしょう!?」
SE(ぐっしゃあ)
ゲッカ(M)「いやいや有り得ないでしょ……ソウマさんのワンパンで運転席と助手席にいた男が二人共反対側に扉ごと吹っ飛ぶなんて。ナイナイ有り得ないって」
SE(ガチャ 扉を開ける)
ソウマ「お二人とも、怪我はありませんでしたか?」
SE(ビリっと口のガムテープを剥がす)
ゲッカ「……ぶはっ、助かりました」
ハナ「助けてくださってありがとうございます。でもどうしてソウマさんはそこまで私たちのことを……」
SE(複数の足音)
男Q「いたぞ!!」
男R「ソウマさん何やってるんですか!! ヒカルさんに怒られちまいますよ!!」
ソウマ「まだ居ましたか……片付けますのでそこで待っていて下さい」
SE(ポキポキ 指を鳴らす)
ハナ「ねえゲッカ……ソウマさん、大丈夫かな」
ゲッカ「分かんないよ。あんなに大勢の人を相手にソウマさんたった一人で……」
SE(ドカッ 攻撃音)
ソウマ(M)「はあ……流石に少し数が多いみたいですね。でも、あの二人を無事に彼らの元に送り届けなければ……」
SE(攻撃音)
SE(ヒュッと鉄パイプを振り上げる音)
ゲッカ「ソウマさん! 危ない!!」
ソウマ「え……」
SE(ガツッ)
ソウマ「つっ……」
ゲッカ「ソウマさん!」
ハナ「きゃあああああ!!」
ソウマ「来るな!!」
ゲッカ「なっ……」
ソウマ「こちらに来てはいけません。逃げなさい、早く」
ゲッカ「でもっ」
ソウマ「早くっ!」
ゲッカ「っ……ハナ、行くよっ!」
ハナ「え、でも……あのままじゃソウマさんが……」
ゲッカ「いいから早く!!」
SE(駆け出す二人の足音)
ソウマ(M)「無事に行きましたか……」
男Q「ソウマさん、困りますよ勝手な事されちゃ」
男R「そうですよ。俺らまでヒカルさんに怒られちまう」
ソウマ「はあっ……この件に関しては、全て私の責任だと。会長にはそう伝えなさい」
男Q「なっ……」
ソウマ(M)「『目の前から消えろ』ですか……その願いは叶えてあげられそうですよ」
〇アパート
SE(ガチャッ)
ハナ「カツイ先輩! トバ先輩!!」
サクラ「ハナ!? ゲッカ!! お前ら無事だったのか。攫われたってトバに聞いたけど。とにかく二人が無事だったってカツイに連絡しないと、二人共まだ探し回ってるはずだから」
ゲッカ「(遮って)ソウマさんが……助けてくれて。でも代わりにソウマさんが!!」
サクラ「ソウマ……さん?」
ハナ「お願いです!! ソウマさんを助けてください! あのままじゃソウマさんが!!」
カツイ(15・男)
トバ(15・男)
ゲッカ(13・男)
ハナ(13・女)
ユエ(11・女)
ソウマ(17・男)
サクラ(16・女)
男O(男性)
男P(男性)
男Q(男性)
男R(男性)
〇路上
カツイ「何でお前がこんなところにいるんだよ」
ソウマ「それは……」
トバ「カツイくん!」
SE(ばたばたばた)
カツイ「トバ?」
トバ「ごめん! 目を離した隙にゲッカくんとハナちゃんが攫われた!!」
カツイ「何だって!?」
SE(ガツッ……!)
カツイ、ソウマを壁に叩きつける
トバ「カツイくん! ダメだよ!」
カツイ「テメェの仕業か。ハナとゲッカをどこにやった!!」
カツイ「なんで俺から奪うんだよ!! 俺から全て!!」
SE(殴る音)
トバ「カツイくん、カツイくんやめて!!」
〇(回想)五年前
ソウマ「やめなさい! 彼はもうっ……」
トバ「ショウ、くん?」
トバ「ショウくん!!」
(回想終わり)
トバ「もうやめて!!」
カツイの手が止まる
ソウマ「……気が済みましたか?」
血を吐き出す
トバ「ソウマさん……ごめんなさい、カツイくんの代わりに僕が謝っ」
ソウマ「(遮って)二人を取り返せばいいのでしょう?」
カツイ「え……?」
ソウマ「今回の事は油断をした私にも責任があります。責任をもって二人を取り返してきましょう」
カツイ「けっ、テメェの言うことなんざ信用できんのかよ」
トバ「カツイくん!」
カツイ「そうだよ! あん時だってお前のせいでユキは……」
ソウマ「それで? 何が言いたいんです?」
カツイ「テメェがいると俺ら全員に迷惑がかかるんだよ。もう俺の前から消えてくれ。お前のせいで、お前のせいで!!」
SE(パシンッと頬を打つ音)
カツイ「なっ……」
トバ「いい加減にしなよ? カツイくん。いつまでガキみたいなこと言ってるの?」
カツイ「トバ……」
SE(服の汚れを払う音)
ソウマ「私は自分で言った事は何があっても守る主義です。貴方が私を信じられないのは知っていますが、私は行動で示すのみです」
SE(スタスタと立ち去る)
トバ「あっ、ソウマさん……カツイくん!」
カツイ「な、なんだよ……」
トバ「ソウマさんに謝って! 謝るの!! カツイくん!!」
カツイ「どうしたんだよいきなり……」
〇拉致された車の中
SE(ブロロロロ エンジン音)
ゲッカ(M)「僕たち……これからどうなっちゃうんだろう。家に連れ戻される? そんなことになったらきっとハナもお姉ちゃんみたいに無理矢理留学させられちゃう!!」
男P「うわっ、なんだ!?」
SE(キキィッ!! ブレーキ音)
男O「なんだ、どうした!!」
男P「男が急に車の前に……」
ハナ(M)「なに……一体何が起こったの?」
男O「ん?あれ、ソウマさんじゃないか?」
男P「本当だ。なんでソウマさんがこんなところに」
ゲッカ(M)「え、ソウマさん?」
SE(ウィーン 窓を開ける音)
男P「ソウマさーん! 何かありましたか? どうしてこんなところで」
ソウマ「(遮って)一度だけしか言いません」
男P「え?」
ソウマ「今すぐその二人を置いて立ち去りなさい」
ハナ(M)「ソウマさんは……私たちの味方なの?」
男O「……はっはっは、冗談言われちゃ困りますよ。俺たちもヒカルさんに言われてるんですから」
男P「ソウマさんも冗談とか言うんですね」
SE(グシャ)
ゲッカ(M)「う、うっそお……ソウマさんの片手だけで」
ハナ(M)「車のサイドガラスが粉々に……」
ソウマ「聞こえませんでしたか? 私は同じことを二度言うのは嫌いなんです」
男P「おおお俺たちだって、ヒカルさんの命令だからやってるだけだ!」
男O「ソウマさんだってこの二人を連れてくるよう言われてるでしょう!?」
SE(ぐっしゃあ)
ゲッカ(M)「いやいや有り得ないでしょ……ソウマさんのワンパンで運転席と助手席にいた男が二人共反対側に扉ごと吹っ飛ぶなんて。ナイナイ有り得ないって」
SE(ガチャ 扉を開ける)
ソウマ「お二人とも、怪我はありませんでしたか?」
SE(ビリっと口のガムテープを剥がす)
ゲッカ「……ぶはっ、助かりました」
ハナ「助けてくださってありがとうございます。でもどうしてソウマさんはそこまで私たちのことを……」
SE(複数の足音)
男Q「いたぞ!!」
男R「ソウマさん何やってるんですか!! ヒカルさんに怒られちまいますよ!!」
ソウマ「まだ居ましたか……片付けますのでそこで待っていて下さい」
SE(ポキポキ 指を鳴らす)
ハナ「ねえゲッカ……ソウマさん、大丈夫かな」
ゲッカ「分かんないよ。あんなに大勢の人を相手にソウマさんたった一人で……」
SE(ドカッ 攻撃音)
ソウマ(M)「はあ……流石に少し数が多いみたいですね。でも、あの二人を無事に彼らの元に送り届けなければ……」
SE(攻撃音)
SE(ヒュッと鉄パイプを振り上げる音)
ゲッカ「ソウマさん! 危ない!!」
ソウマ「え……」
SE(ガツッ)
ソウマ「つっ……」
ゲッカ「ソウマさん!」
ハナ「きゃあああああ!!」
ソウマ「来るな!!」
ゲッカ「なっ……」
ソウマ「こちらに来てはいけません。逃げなさい、早く」
ゲッカ「でもっ」
ソウマ「早くっ!」
ゲッカ「っ……ハナ、行くよっ!」
ハナ「え、でも……あのままじゃソウマさんが……」
ゲッカ「いいから早く!!」
SE(駆け出す二人の足音)
ソウマ(M)「無事に行きましたか……」
男Q「ソウマさん、困りますよ勝手な事されちゃ」
男R「そうですよ。俺らまでヒカルさんに怒られちまう」
ソウマ「はあっ……この件に関しては、全て私の責任だと。会長にはそう伝えなさい」
男Q「なっ……」
ソウマ(M)「『目の前から消えろ』ですか……その願いは叶えてあげられそうですよ」
〇アパート
SE(ガチャッ)
ハナ「カツイ先輩! トバ先輩!!」
サクラ「ハナ!? ゲッカ!! お前ら無事だったのか。攫われたってトバに聞いたけど。とにかく二人が無事だったってカツイに連絡しないと、二人共まだ探し回ってるはずだから」
ゲッカ「(遮って)ソウマさんが……助けてくれて。でも代わりにソウマさんが!!」
サクラ「ソウマ……さん?」
ハナ「お願いです!! ソウマさんを助けてください! あのままじゃソウマさんが!!」
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説



優等生の裏の顔クラスの優等生がヤンデレオタク女子だった件
石原唯人
ライト文芸
「秘密にしてくれるならいい思い、させてあげるよ?」
隣の席の優等生・出宮紗英が“オタク女子”だと偶然知ってしまった岡田康平は、彼女に口封じをされる形で推し活に付き合うことになる。
紗英と過ごす秘密の放課後。初めは推し活に付き合うだけだったのに、気づけば二人は一緒に帰るようになり、休日も一緒に出掛けるようになっていた。
「ねえ、もっと凄いことしようよ」
そうして積み重ねた時間が徐々に紗英の裏側を知るきっかけとなり、不純な秘密を守るための関係が、いつしか淡く甘い恋へと発展する。
表と裏。二つのカオを持つ彼女との刺激的な秘密のラブコメディ。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

【完結】愛も信頼も壊れて消えた
miniko
恋愛
「悪女だって噂はどうやら本当だったようね」
王女殿下は私の婚約者の腕にベッタリと絡み付き、嘲笑を浮かべながら私を貶めた。
無表情で吊り目がちな私は、子供の頃から他人に誤解される事が多かった。
だからと言って、悪女呼ばわりされる筋合いなどないのだが・・・。
婚約者は私を庇う事も、王女殿下を振り払うこともせず、困った様な顔をしている。
私は彼の事が好きだった。
優しい人だと思っていた。
だけど───。
彼の態度を見ている内に、私の心の奥で何か大切な物が音を立てて壊れた気がした。
※感想欄はネタバレ配慮しておりません。ご注意下さい。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる