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Trust
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しおりを挟むちいさんがソファーから立ち上がって。
「夕食の準備しましょ」
言いながらキッチンに向かう。
「ちいさんっ、待ってよっ」
立ち止まっても振り向いてくれないから。
ちいさんの後ろから手回して、ちいさんの両手握る。
「ねえ、どうしたの?」
なんで泣いたの?
「なんでもないわよ」
「なんかあるなら言ってよ。俺、完璧には無理だと思うけどさ、ダメなとこ直す様に頑張るから。だから言って?」
俺はバカでガキだけど、ちいさんが俺に不満があるなら、直すから。
俺はちいさんを泣かせるような事したの?
「ねえ…ちいさん。俺、バカだから言ってくれないとわかんないよ…」
ちいさんが小さく首を振って。
「そんな事じゃない」
「じゃあ、なに?どうしたの?」
「祐輔は…やっぱり同世代の子と一緒にいる方が良いんじゃないかな、と思ったから」
なんで?俺はちいさんと一緒が良いよ。
「私は…祐輔が離れても大丈夫って思ってるから」
「嫌だよ。そんな事思わないでよ。俺ちいさんから離れたりしないもん」
一生離れるつもりねえけど。
「打算的ね、私は。一生懸命になってくれる祐輔に悪いわ」
そんなのわかんない。ちいさんがなにを思ってても。
「俺はちいさんが好きだよ…」
俺が離れても、って。
離れたら大丈夫じゃないくらい俺の事好きでいてよ。
俺があんなとこ見せたから?
だからそんな風に思っちゃったの?
「俺はずっとちいさんしか好きじゃないから…ちいさんじゃないと嫌だから。だから100パーセント俺の事好きでいてよ」
ちいさんを抱き締めると、ちいさんの良い香り。
俺は、なんだろ。
そんな事思わせて、ごめんなさい、って思うけど、そんなちいさんが普通に、女に人に見えて。
可愛く思えて。
俺はかっこいい言葉なんか思い付かねえけど。
「俺の事ちゃんと信じて。お願い。ちいさんが大好きだから、信じて」
一番大好きなひとだから。
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