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てらだりょう

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「香田さん!アクセル踏んでも動かないっすよ!!」

「お前、サイドブレーキ降ろせよ」

「あっ!?俺はワイパーじゃなくてウィンカー点けてえのにっ!?」

「お前、ウィンカーは右のレバーだよ」

そんな感じで香田さん家のある町内ぐるぐる。

車庫入れは切り返しまくりで、かなり時間かかった。

「あー、まあ昔の俺ならブチキレてお前の事殺してんな」

さりげなく、怖え事言われた。

「買取営業はみんな自分の車だけどな。お前、車ねえだろうし社用車使って良いぞ。ただ、毎朝出庫申請して当日中に車庫に入れねえとなんねえけどな。それと使用スケジュールも申請しねえとダメなんだ。みんなそれが面倒だから自家用車使うんだけどな」

自家用車の場合、会社が維持費の補助してくれるらしい。俺、バイトで車買う余裕とかねえし、面倒でもしょうがねえ。

「さっちゃあん、ホント、この唐揚げ旨そうなんだけど。皿に盛ろうよ、揚げ物パッドじゃなくてさあ」

「見た目はどうでも食べれば同じ」

「いやいやいや、またほら、後輩も来てる事だし」

て、相変わらずな人たち。

大皿に唐揚げ山盛りにして、黙々と食べる奥さん。

「今日のは和風唐揚げだかんな。大根おろしと合わせると旨いぞ。唐揚げだけでも充分旨いけどな」

香田さんが大根おろしくれた。

唐揚げが、むちゃくちゃ旨え。

「な、旨えだろ?」

「旨いっす!」

「だろ?さっちゃんは和洋中なんでも作れっからなあ。もっと飲んで良いぞ」

なんか、自分が作ったみてえに香田さんが自慢するのが面白い。

俺がばくばく食うのが楽しいみてえで、香田さんがにこにこするから。酒も結構飲んじゃったよ。

奥さんは酒は飲まないらしい。

今日もお茶だし。

結局。

「あーもお、お前泊まってけばあ?」

リビングのソファーで寝ながら酒飲む香田さん。

俺も飲んじゃったし、帰るの面倒だし。

奥さんが、部屋が無いから、ってリビングに布団敷いてくれた。




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